3兄妹のおはなし

猫崎ルナ

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ねるのがこわいんだ

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ぼくはねるのが こわい。

ママもパパも みんなはやくねなさい っていうんだけど…。

ぼくはねるのが こわいんだ。

めをつぶってみる とっても こわい


あ、あしが ふとんからでてる こわい

あ、あそこのドア すきまがあいてる こわい


めをあけていても とっても こわい

あ、かべのシミ ひとのかおにみえてきた こわい

あ、そとのかぜのおと だれかのさけびこえにきこえる こわい

きこえるおとも とっても こわい

だれかがぼくを みてるかもしれない こわい

だれかがふとんのなかから でてくるかもしれない こわい


「まだ起きてたの?」

「まま、ぼくこわくてねれないんだ」

「あなたの好きなにゃん子の絵本をママが読んだら寝れそう?」

「わかんないけど ねれるかも?」

ママが にゃん子のえほんをよんでくれた

ぼくのだいすきなママが ぼくのだいすきなにゃんこのえほんを よんでくれた

でも、まだちょっと こわい

ぼくは にゃん子みたいに ぼうけんできないよ


「まだこわい?」

「まだこわいんだ」

「今日は一緒に寝ましょうか」

「ほんと!?」


ママがいっしょに ねてくれることになった!


ママが ぼくのからだを つつんでくれる こわくない

ママの しんぞうのおとがきこえる こわくない

ぼく もうこわくないや 



…ほんとはね ぼくこわくなかったんだよ

でも こわくないなんていわない だって…あまえたかったんだもん

ほんとはちょっぴり あまえたかっただけ。




だって もうすこししたら ぼくはおにいちゃんに なるんだもん

つぎはぼくが いもうとといっしょに ねてあげるんだ!

だって こわいかもしれないでしょ?

ぼくが まもってあげるんだ
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