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翠雨(晴れた空で)
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目が覚めると自分が何かを口ずさんでいたことに気づく。
しかしもう何を歌っていたのかは分からなくなってしまった。
いつも目が覚めると夢の大体はわすれてしまうのだ。
俺は体を起こす。なぜだかその時、俺は大きな安心感と深い深い、喪失感がただあった。
体の上に本を乗っけて寝ていたようで、起きた勢いで本がバサリと落ちる。読みながら寝てしまったのだろう。
ふと携帯で時間を確認しようとすると、メールが一件届いていた。
知らない番号からだった。
開けてみると、結構長文だった。
「私も本当に、楽しかったです!すぐるさんといるとポカポカしたりウキウキしたりなんだか時間があっという間に過ぎる感じがします。一緒に飲んだミルクティーも、熱かったけど美味しかったですね!いつか私もあんな美味しいミルクティーを作れるように練習したいです。また、会いたいです。
オススメの本今度教え合いっこしましょう!」
誰だか分からないが俺の名前を知ってるし、俺がミルクティーを好きなことも知っているっぽい。えー?でも誰だろ…
ふと窓の外を見るとキラキラと日差しが眩しかった。
何か大きな変化があるような…
それに気づく前に朝の忙しさで忘れてしまう。
テレビの中では長い梅雨が明けたことを告げていた。
俺はきつねにつままれているのだろうか…
今日が休みになってしまったのでぶらぶらと散歩する。くそー、昔もこんなことなかったっけ。
このまま歩いて街にでも行こうかなーと考えていると道の端に空色のシャツを着た青年が立っていた。ただ立っているだけなのに存在感がある。なかなかの美青年だな…と思いながら通り過ぎようとすると「あっ、ねぇ」と声をかけられた。
「えっな、なに」
「お兄さん、今暇?よかったら一緒に本屋にでも行かない?」
…生まれて初めて男にナンパされたんだが…いや女性にもナンパされたことないけど。
「どうせ暇でしょ」
「心外だな」初対面なのに
「オススメの本教えてよ。ほら、あーえっと…なんだっけ…」
青年はうーんと首を捻ってからぽんと手を打った。
「そうだ!ペンギン!ペンギンの出てくる本!ある?」
思い当たる本が一冊だけあった。あれは名作だよな。本屋にあるといいけど。
「まぁ、いいや。教えてあげる」
2人は青々とした空の下ゆっくりと歩き始めた。
しかしもう何を歌っていたのかは分からなくなってしまった。
いつも目が覚めると夢の大体はわすれてしまうのだ。
俺は体を起こす。なぜだかその時、俺は大きな安心感と深い深い、喪失感がただあった。
体の上に本を乗っけて寝ていたようで、起きた勢いで本がバサリと落ちる。読みながら寝てしまったのだろう。
ふと携帯で時間を確認しようとすると、メールが一件届いていた。
知らない番号からだった。
開けてみると、結構長文だった。
「私も本当に、楽しかったです!すぐるさんといるとポカポカしたりウキウキしたりなんだか時間があっという間に過ぎる感じがします。一緒に飲んだミルクティーも、熱かったけど美味しかったですね!いつか私もあんな美味しいミルクティーを作れるように練習したいです。また、会いたいです。
オススメの本今度教え合いっこしましょう!」
誰だか分からないが俺の名前を知ってるし、俺がミルクティーを好きなことも知っているっぽい。えー?でも誰だろ…
ふと窓の外を見るとキラキラと日差しが眩しかった。
何か大きな変化があるような…
それに気づく前に朝の忙しさで忘れてしまう。
テレビの中では長い梅雨が明けたことを告げていた。
俺はきつねにつままれているのだろうか…
今日が休みになってしまったのでぶらぶらと散歩する。くそー、昔もこんなことなかったっけ。
このまま歩いて街にでも行こうかなーと考えていると道の端に空色のシャツを着た青年が立っていた。ただ立っているだけなのに存在感がある。なかなかの美青年だな…と思いながら通り過ぎようとすると「あっ、ねぇ」と声をかけられた。
「えっな、なに」
「お兄さん、今暇?よかったら一緒に本屋にでも行かない?」
…生まれて初めて男にナンパされたんだが…いや女性にもナンパされたことないけど。
「どうせ暇でしょ」
「心外だな」初対面なのに
「オススメの本教えてよ。ほら、あーえっと…なんだっけ…」
青年はうーんと首を捻ってからぽんと手を打った。
「そうだ!ペンギン!ペンギンの出てくる本!ある?」
思い当たる本が一冊だけあった。あれは名作だよな。本屋にあるといいけど。
「まぁ、いいや。教えてあげる」
2人は青々とした空の下ゆっくりと歩き始めた。
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