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2章
ヘビとカニ
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ハリムが後方から麻酔矢を撃ち、ゼアトとアガスが剣でそれぞれヒュドラの首に斬りかかる!
「はぁぁぁ!!龍王断裂斬!!」
ゼアトが美しい剣捌きでヒュドラの首に攻撃している。あの子、なんかレベルが58くらいまで上がってるらしい。砂漠で会ったときはレベル20代だった気がするんだけど。
「なっかなか重い攻撃やなぁ。三怪物なんて呼称はやめて、四天怪物にすべきちゃう?」
対するアガスは逞しい戦士として荒々しい攻撃をヒュドラにくりだしている。出会った当初はアガスたちはレベル50くらいだったのが、今は60後半までいってるらしい。今のアガスたちなら当時のファラクは普通に倒せそう。
そして対する俺は…
「ちょ、ちょっと!?俺の剣だけ全く効いてないんだけど!?」
俺のミスリル剣攻撃だけ全く効いてない!!普段愛用してる毒塗り銅剣は毒を司るヒュドラには効かないだろうと思って持ってきてなかったのだが、これじゃ結局意味なかったわ!!!
もちろん魔物たちの攻撃は効いてるけど、俺は役に立ちそうにない。俺は一旦後方へと下がり、役に立たないのならどうしようかと考えていた頃だった。
草むらから、巨大な何かが出てきた。
「あれは……【化け蟹】カルキノス!?」
銀色のハサミをカチカチと鳴らしながら、盟友である【超蛇】ヒュドラの戦いに乱入した!
「俺とベガでカルキノスと戦う!他はヒュドラとそのまま戦っててくれ!」
「クェー!」
俺はベガに乗り込み、カルキノスと睨み合う。万が一、あのハサミに掴まれたら終わりだ。実際それが怖くて空から相手を翻弄できるベガを選んだのだが。そして何よりベガには…
「防御力をある程度貫通できる、風の刃があるからな!」
「クェ!」
カルキノスはマレムほどではないが防御力がかなり高い魔物として有名だ。なので、防御力貫通攻撃を持つベガが適任というわけだ。
「ヒュドラのレベルは64もあった。あいつら、大丈夫か?」
そう心配しながら俺たちとカルキノスとの戦闘が始まった!
「ぐっ!?」
まだまだ未熟ではあるが、ゼアトは剣聖である。その剣聖をもってしてもヒュドラの攻撃を捌き切るのはかなり大変なことだった。
「ッ!」
「なんや、さっきから攻撃がめっちゃ痛いやん?」
「!」
カメやアガス、ゴーレムは相手の攻撃を受け流す方向から相手の攻撃を耐え切る方向へとシフトチェンジしたらしい。
「シャ!」
ヘビタイショウはどうやらミナトの代わりに魔物たちの指揮をしているようだった。後方からあれこれ指示を飛ばしているみたいだ。
そしてカイリキホークとマンティコアは毒の吐息をしようとしている頭に向かって猛攻撃をお見舞いし攻撃をキャンセルさせている。これはありがたい。毒の吐息は剣技を持ってしても防御不可な攻撃であるからだ。それを封じられるのはかなりありがたい。
万が一キャンセルに失敗しても毒無効であるマンティコアが体を張って毒の吐息のダメージを軽減させている。
「「「シャアアアアァ!!」」」
この完璧な布陣にすら対抗できてるのがヒュドラだ。なるほど、長い間退治されなかった理由がよくわかる。果たして、本当に勝てるのだろうか?
「—!」
「あぶねぇ!」
巨大蟹が振り回すハサミがベガに当たりかけ、めちゃくちゃヒヤヒヤした。
このカルキノス、ヒュドラと比べるとかなり小さいがそれでもスワンプサウルスとかとほぼ同じ大きさだ。デカい。
俺たちは今カルキノスを翻弄しながら風の刃を連射している。カルキノスはマレムには及ばないが防御力も高い。普通の攻撃じゃ全くダメージは入らない。
「クェッ!」
「おわぁ!?」
一見適当にぶん回してるかのように見えるハサミだが、結構ベガに当たりそうなときが多い。めっちゃ危険だ。ちなみに、カニなんだから横にしか動けないだろうと思ってたんだけど普通に縦にも動いてきた。なにあれ、本当にカニ????
「まいったな、カニの弱点しかそんくらいしか知らんよ…おわ!」
このカニ、ただもんじゃあない…!
カルキノスがまた硬いハサミをぶん回してきた!……ん?なんかこっちに攻撃せずに向こうに行ったぞ?
「逃げる気か?そりゃありがた…え?」
カルキノスは近くにあった岩を粉砕して、岩をハサミで掴めるほどのサイズにした。
これって、もしかしてさ。
「!!!!!」
カルキノスが、投石攻撃をしてきた!!
そんなのって、あり~!?
「クェ!!!」
ベガは次々と放たれる岩の砲丸を必死で避けていく。一度でも当たって怯めばおわりだ。残りの岩の砲丸を全て喰らいあっという間に地面に墜落してしまうだろう…!
まずいな!!!!
俺は必死にカルキノスを倒す方法を考える。そうだ、前にもあったじゃないか!!確か同じ甲殻類のナイトメアデスワームはどうやって倒した!?考えろ…!
「酸だ」
そうだ、オオトカゲの毒だ!!マティスやマレム、クロツバサ、そしてヒュドラと最近の敵は効かなかったから忘れてたがオオトカゲの毒には酸が含まれてる!これを使おう!
そんな俺の企みに気づかないまま、カルキノスは投石を繰り返していた。
「はぁぁぁ!!龍王断裂斬!!」
ゼアトが美しい剣捌きでヒュドラの首に攻撃している。あの子、なんかレベルが58くらいまで上がってるらしい。砂漠で会ったときはレベル20代だった気がするんだけど。
「なっかなか重い攻撃やなぁ。三怪物なんて呼称はやめて、四天怪物にすべきちゃう?」
対するアガスは逞しい戦士として荒々しい攻撃をヒュドラにくりだしている。出会った当初はアガスたちはレベル50くらいだったのが、今は60後半までいってるらしい。今のアガスたちなら当時のファラクは普通に倒せそう。
そして対する俺は…
「ちょ、ちょっと!?俺の剣だけ全く効いてないんだけど!?」
俺のミスリル剣攻撃だけ全く効いてない!!普段愛用してる毒塗り銅剣は毒を司るヒュドラには効かないだろうと思って持ってきてなかったのだが、これじゃ結局意味なかったわ!!!
もちろん魔物たちの攻撃は効いてるけど、俺は役に立ちそうにない。俺は一旦後方へと下がり、役に立たないのならどうしようかと考えていた頃だった。
草むらから、巨大な何かが出てきた。
「あれは……【化け蟹】カルキノス!?」
銀色のハサミをカチカチと鳴らしながら、盟友である【超蛇】ヒュドラの戦いに乱入した!
「俺とベガでカルキノスと戦う!他はヒュドラとそのまま戦っててくれ!」
「クェー!」
俺はベガに乗り込み、カルキノスと睨み合う。万が一、あのハサミに掴まれたら終わりだ。実際それが怖くて空から相手を翻弄できるベガを選んだのだが。そして何よりベガには…
「防御力をある程度貫通できる、風の刃があるからな!」
「クェ!」
カルキノスはマレムほどではないが防御力がかなり高い魔物として有名だ。なので、防御力貫通攻撃を持つベガが適任というわけだ。
「ヒュドラのレベルは64もあった。あいつら、大丈夫か?」
そう心配しながら俺たちとカルキノスとの戦闘が始まった!
「ぐっ!?」
まだまだ未熟ではあるが、ゼアトは剣聖である。その剣聖をもってしてもヒュドラの攻撃を捌き切るのはかなり大変なことだった。
「ッ!」
「なんや、さっきから攻撃がめっちゃ痛いやん?」
「!」
カメやアガス、ゴーレムは相手の攻撃を受け流す方向から相手の攻撃を耐え切る方向へとシフトチェンジしたらしい。
「シャ!」
ヘビタイショウはどうやらミナトの代わりに魔物たちの指揮をしているようだった。後方からあれこれ指示を飛ばしているみたいだ。
そしてカイリキホークとマンティコアは毒の吐息をしようとしている頭に向かって猛攻撃をお見舞いし攻撃をキャンセルさせている。これはありがたい。毒の吐息は剣技を持ってしても防御不可な攻撃であるからだ。それを封じられるのはかなりありがたい。
万が一キャンセルに失敗しても毒無効であるマンティコアが体を張って毒の吐息のダメージを軽減させている。
「「「シャアアアアァ!!」」」
この完璧な布陣にすら対抗できてるのがヒュドラだ。なるほど、長い間退治されなかった理由がよくわかる。果たして、本当に勝てるのだろうか?
「—!」
「あぶねぇ!」
巨大蟹が振り回すハサミがベガに当たりかけ、めちゃくちゃヒヤヒヤした。
このカルキノス、ヒュドラと比べるとかなり小さいがそれでもスワンプサウルスとかとほぼ同じ大きさだ。デカい。
俺たちは今カルキノスを翻弄しながら風の刃を連射している。カルキノスはマレムには及ばないが防御力も高い。普通の攻撃じゃ全くダメージは入らない。
「クェッ!」
「おわぁ!?」
一見適当にぶん回してるかのように見えるハサミだが、結構ベガに当たりそうなときが多い。めっちゃ危険だ。ちなみに、カニなんだから横にしか動けないだろうと思ってたんだけど普通に縦にも動いてきた。なにあれ、本当にカニ????
「まいったな、カニの弱点しかそんくらいしか知らんよ…おわ!」
このカニ、ただもんじゃあない…!
カルキノスがまた硬いハサミをぶん回してきた!……ん?なんかこっちに攻撃せずに向こうに行ったぞ?
「逃げる気か?そりゃありがた…え?」
カルキノスは近くにあった岩を粉砕して、岩をハサミで掴めるほどのサイズにした。
これって、もしかしてさ。
「!!!!!」
カルキノスが、投石攻撃をしてきた!!
そんなのって、あり~!?
「クェ!!!」
ベガは次々と放たれる岩の砲丸を必死で避けていく。一度でも当たって怯めばおわりだ。残りの岩の砲丸を全て喰らいあっという間に地面に墜落してしまうだろう…!
まずいな!!!!
俺は必死にカルキノスを倒す方法を考える。そうだ、前にもあったじゃないか!!確か同じ甲殻類のナイトメアデスワームはどうやって倒した!?考えろ…!
「酸だ」
そうだ、オオトカゲの毒だ!!マティスやマレム、クロツバサ、そしてヒュドラと最近の敵は効かなかったから忘れてたがオオトカゲの毒には酸が含まれてる!これを使おう!
そんな俺の企みに気づかないまま、カルキノスは投石を繰り返していた。
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