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14 よみがえりの地
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しおりを挟む「香蘭ちゃん……。ぼくはもっと、香蘭ちゃんと話がしたい。いっしょに遊びに行きたいし、手をつないだり、ふたりで帰ったりしたい。男子とも、もう少し話せるようになりたいし、かあさんのつくったカレーを食べたい。とうさんに釣りを教えてもらいたい……」
宝君が、その場にぺたんとひざまずく。
「ぼくは……ぼくは……」
わたしは、境内の真ん中へかけ寄った。
黒い煙におおわれた宝君の胸を、自分の胸に引き寄せる。
「ぼく……ぼく……」
わたしの肩に両腕をまわして、宝君が泣きじゃくる。
「え、え、閻魔様にお願いしたとき……願いをきいてもらえるって言われたとき、香蘭ちゃんを助けられるほど、よく出来た、強い人間にしてもらえると思った。
だから、うれしかったのに……。なのに……だれよりも弱くって、なんにもできない、餓鬼阿弥にされちゃって……。歩けなくて、手も動かせなくて、声もうまくだせなくて……とっても、とっても……怖かったっ!」
宝君の背中をさすりながら、わたしの目からも、ぼろぼろ涙がこぼれていた。
「宝君がもとの体にもどりますように。宝君がもとの体にもどりますように」
こんなわたしの願いに、力が発生するのかわからない。
だけど、家からたどってきたこの道が、わたしにとっての苦しい修行にあたるなら……。
わたしにだって……。
「宝君がもとの体にもどりますように。宝君がもとの体にもどりますように」
声には力がある。
想いをとどける力がある。
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