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3 デートスポットには、オシャレして
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しおりを挟むこうなったら、ヤケっぱち!
とにかく話題を、押しまくれ~っ!!
「したよ~。ヤダ、わすれちゃったのっ!? あのさ、誠。安くってもカワイイアクセサリーって、わりとあるんだよ。お母さん、誠があげたものなら、そういうのでも、よろこんでくれるんじゃない?」
「あ~、うん~。まぁ~」
「あたし、いいお店知ってるよっ! 教えてあげよっか? ねぇ、有香ちゃん、真央ちゃんも、今度の日曜日……」
「ちょっと待て。うちはパス」
あたしの顔の前に、真央ちゃんの手のひらがのびてきて、会話をさえぎった。
「うちらもいっしょに、誠の買い物につきあえってんだろ? 悪いけど、日曜は塾」
「わたしも、バレエの発表会の練習があって……」
え? え~っ!?
「だから、綾。習い事がなくて、毎日ヒマなのは、綾と誠ぐらいなんだよ。行くなら、ふたりで行きな」
「で、でも、ふたりっきりで買い物って。なんかさ……」
「中条君、きいたっ!? 和泉さん、日曜日に誠とデートだってぇ~っ!! 」
教室の後ろで、リンちゃんの声がしたから、あたし「ぎゃっ 」ってとびあがった。
リンちゃんてば、ものすごい地獄耳っ!
「……え……?」
もそっと、ヨウちゃんが自分の腕から頭をあげる。
琥珀色の前髪が、寝ぐせで半分あがってて、くしゃっとなってる。
ぼ~っと教室を見まわして、琥珀色の目があたしでとまった。
「前から思ってたんだけどさ~。ふたりって、お似合いじゃない? 背もそんなちがわないし~。頭のレベルもいっしょだし~」
「ダメだって、アホなんて言っちゃっ! リンってば~」
青森さんが、キャッキャって笑ってる。
あっそ。ど~せ、アホですよ。
琥珀色の目が一瞬ゆがんだ。
って思ったら、ヨウちゃんは視線をそらして、ひじをたてて顔を隠した。
「……ふ~ん。たしかに、お似合いだな」
ズン。
言葉が胸につきささる。
ヨウちゃんはもう、顔もこっちに向けてくれない。
「……和泉ぃ? 本気で行くの?」
気づいたら、誠が眉をひそめて、あたしの顔をのぞきこんでいた。
「え? 行くよ。行こ!」
だって、誠のお母さんのよろこぶ顔、誠に見せてあげたいもん。
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