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episode.17
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イブの額に汗が滲む。魔法石に自分の魔力を流し続けているせいで体に負担がかかっている。
荷車の荷台にルフィナと押し込まれ、どこかの屋敷に連れられて来たがここがどこなのか分からない。薄暗くて埃っぽい部屋に閉じ込められ、ルフィナは泣き疲れて眠っている。恐怖を感じるくらいなら意識を手放してしまった方が良いだろう。
男達はルフィナに用があると言っていた。ルフィナ自体に何か価値を見出しているのかは分からないが、もうロベルトは事態に気づいているだろう。こんな事なら恥ずかしがらずに魔法石を直接渡しておけば良かった。
イブが落とした魔法石にロベルトは気付くだろうか。気付いていなければイブがやっている事は無意味だが、今は可能性に賭けるしか無い。
今は物音一つ聞こえないが、魔法が使えない事を考えると男達は近くにはいるらしい。奴らがいつ何を仕掛けてくるか分からない。ルフィナだけでも守り抜きたい気持ちはあるが、細身のイブに出来る事は限られている。
どうか、ロベルトが魔法石に気づいている事を願って、自分の魔法石に魔力を込める事しか出来ない自分の無力さを痛感する。
魔力が減ってどんどん気だるくなっていく体を少しでも楽にしようと深く深呼吸をすると、膝枕で寝ていたルフィナが寝返りを打ってイブの腰に手を回して来た。
「イブ………ごめんね」
「………うん?」
「私のせいで、こんな事になって…。私がわがままを言ったから、イブの事困らせたから、神様が怒って罰が当たったんだよ。私が、良い子じゃ無かったから…」
震える声で話すルフィナを慰めようと、イブはルフィナの頭を優しく撫でる。
「ルフィナのせいじゃないよ」
ルフィナのせいじゃない。悪いのはどう考えたってあの野蛮な男達だ。何が目的かは知らないが、まだ幼い子供にこんな恐怖を与えるなんて、イブは絶対にこの手で痛い目に合わせてやらないと気が済まない。
だがルフィナは抱きついたままブンブンと首を振る。
「イブとロベルト、結婚するんでしょ?」
「けっ、結婚!?!?」
「ロベルトは本当のお父さんじゃないって私知ってるの。だから怖かったの。もし、ロベルトに邪魔な子だと思われたら私行くところ無いから。だから、本当はイブの事大好きなのに、ロベルトと結婚しなきゃ良いと思っちゃったの。ごめんなさい」
「…………そんな事、ロベルトさんが思うはず無いよ」
結婚という衝撃ワードは一旦置いておこう。何がどうあれ、ロベルトがルフィナを見捨てる事は無いだろう。イブは第三者の視点から2人を見て来たから、ロベルトがルフィナを溺愛しているのを知っている。だからこそ、イブはルフィナがロベルトの本当の娘だと疑わなかった。
事実を知っても、イブとロベルトの間で何かが変わっても、ルフィナに対する愛情だけは変わらない。
ふと、イブが僅かに顔を上げる。折角の可愛らしい顔立ちが、泣いたせいで目が赤く腫れているのを見ると心が痛む。
「イブは…?」
「……………え?」
「イブは私のこと、嫌いじゃない?」
「嫌いじゃ無いよ、嫌いなわけ無いでしょ?」
ルフィナは、止まっていた涙がポロポロと再び溢れ出す。
まだ小さな体で、自分が置かれている状況を悟って、どれだけ不安な思いをして来ただろう。どれだけ気を張って生きて来たのだろう。
思えば初めて会った時、イブの事をあれほど警戒していたルフィナが、イブの家に預けられる事を嫌がる素振りを見せなかったのも、魔法を一生懸命覚えようとしていたのも、ただロベルトに嫌われたく無い一心だったのだろう。
ルフィナは自分とは違う、母親は居なくとも恵まれた環境に置かれていると勘違いしていた。未来に何の心配事も無く生きているのだと、それで良いはずなのにどこかで自分との違いに線引きをしていたかもしれない。
「謝るのは、私の方。守りきれなくてごめん」
またルフィナがブンブンと大きく首を振る。
「でも安心して。私もロベルトさんも絶対にあなたを見捨てたりしないから」
「イブ……具合悪いの…?」
「大丈夫。心配無いよ」
額から嫌な汗が伝ってくるが、イブは無理にでも笑みを浮かべた。
イブはこう見えても元宮廷魔導士だ。魔力量にはそれなりに自信があったが、流石にかなりの魔力を消費しているせいで体が重い。
今後、どうにか戦って逃げ出すために魔力を残しておくべきか、ロベルトが来ることに賭けて魔法石に魔力を流し続けるか、選択の時が迫って来ている。
辺りはもう真っ暗になっているだろう。ここから逃げ出したとして、場所が分からないから外にも危険はある。ルフィナを連れて逃げ出す事が得策か、確証のない助けが来るのを待つべきか…。
イブがため息を吐いたその時だった。
静かだった屋敷の中にドタドタと足音が響くと、ルフィナは驚いてイブを掴む力を強めた。イブ自身も、男達に何か動きがあったのだろうと緊張が走る。
「大丈夫、私が絶対に守るから。後ろに隠れていて」
ルフィナを立ち上がらせて背後に隠す。幸い、この部屋の出入り口は一つだけだ。敵襲があるとすればドアのみ。イブはドアの正面に立って身構えた。
ガチャガチャと慌ただしく鍵を開ける音が室内に響く。イブは魔法のタイミングを誤らないように心を落ち着かせるために深呼吸をした。
カチャッと音がして、ついに施錠が外される。ドアが開いた先にいたのは…
「イブ!ルフィナ!!無事か!?」
「っ!!!!!」
僅かな明かりでも、見間違えるはずがない。シルバーの髪にブルーの瞳。
ルフィナが安心したように「うわーん!」と泣きながらロベルトの方へと駆け出し、勢いそのままに飛び込んだルフィナだったが、ロベルトはそれを最も簡単に受け止める。
イブも安堵から全身の力が抜けて、ヘタリとその場に座り込んだ。
荷車の荷台にルフィナと押し込まれ、どこかの屋敷に連れられて来たがここがどこなのか分からない。薄暗くて埃っぽい部屋に閉じ込められ、ルフィナは泣き疲れて眠っている。恐怖を感じるくらいなら意識を手放してしまった方が良いだろう。
男達はルフィナに用があると言っていた。ルフィナ自体に何か価値を見出しているのかは分からないが、もうロベルトは事態に気づいているだろう。こんな事なら恥ずかしがらずに魔法石を直接渡しておけば良かった。
イブが落とした魔法石にロベルトは気付くだろうか。気付いていなければイブがやっている事は無意味だが、今は可能性に賭けるしか無い。
今は物音一つ聞こえないが、魔法が使えない事を考えると男達は近くにはいるらしい。奴らがいつ何を仕掛けてくるか分からない。ルフィナだけでも守り抜きたい気持ちはあるが、細身のイブに出来る事は限られている。
どうか、ロベルトが魔法石に気づいている事を願って、自分の魔法石に魔力を込める事しか出来ない自分の無力さを痛感する。
魔力が減ってどんどん気だるくなっていく体を少しでも楽にしようと深く深呼吸をすると、膝枕で寝ていたルフィナが寝返りを打ってイブの腰に手を回して来た。
「イブ………ごめんね」
「………うん?」
「私のせいで、こんな事になって…。私がわがままを言ったから、イブの事困らせたから、神様が怒って罰が当たったんだよ。私が、良い子じゃ無かったから…」
震える声で話すルフィナを慰めようと、イブはルフィナの頭を優しく撫でる。
「ルフィナのせいじゃないよ」
ルフィナのせいじゃない。悪いのはどう考えたってあの野蛮な男達だ。何が目的かは知らないが、まだ幼い子供にこんな恐怖を与えるなんて、イブは絶対にこの手で痛い目に合わせてやらないと気が済まない。
だがルフィナは抱きついたままブンブンと首を振る。
「イブとロベルト、結婚するんでしょ?」
「けっ、結婚!?!?」
「ロベルトは本当のお父さんじゃないって私知ってるの。だから怖かったの。もし、ロベルトに邪魔な子だと思われたら私行くところ無いから。だから、本当はイブの事大好きなのに、ロベルトと結婚しなきゃ良いと思っちゃったの。ごめんなさい」
「…………そんな事、ロベルトさんが思うはず無いよ」
結婚という衝撃ワードは一旦置いておこう。何がどうあれ、ロベルトがルフィナを見捨てる事は無いだろう。イブは第三者の視点から2人を見て来たから、ロベルトがルフィナを溺愛しているのを知っている。だからこそ、イブはルフィナがロベルトの本当の娘だと疑わなかった。
事実を知っても、イブとロベルトの間で何かが変わっても、ルフィナに対する愛情だけは変わらない。
ふと、イブが僅かに顔を上げる。折角の可愛らしい顔立ちが、泣いたせいで目が赤く腫れているのを見ると心が痛む。
「イブは…?」
「……………え?」
「イブは私のこと、嫌いじゃない?」
「嫌いじゃ無いよ、嫌いなわけ無いでしょ?」
ルフィナは、止まっていた涙がポロポロと再び溢れ出す。
まだ小さな体で、自分が置かれている状況を悟って、どれだけ不安な思いをして来ただろう。どれだけ気を張って生きて来たのだろう。
思えば初めて会った時、イブの事をあれほど警戒していたルフィナが、イブの家に預けられる事を嫌がる素振りを見せなかったのも、魔法を一生懸命覚えようとしていたのも、ただロベルトに嫌われたく無い一心だったのだろう。
ルフィナは自分とは違う、母親は居なくとも恵まれた環境に置かれていると勘違いしていた。未来に何の心配事も無く生きているのだと、それで良いはずなのにどこかで自分との違いに線引きをしていたかもしれない。
「謝るのは、私の方。守りきれなくてごめん」
またルフィナがブンブンと大きく首を振る。
「でも安心して。私もロベルトさんも絶対にあなたを見捨てたりしないから」
「イブ……具合悪いの…?」
「大丈夫。心配無いよ」
額から嫌な汗が伝ってくるが、イブは無理にでも笑みを浮かべた。
イブはこう見えても元宮廷魔導士だ。魔力量にはそれなりに自信があったが、流石にかなりの魔力を消費しているせいで体が重い。
今後、どうにか戦って逃げ出すために魔力を残しておくべきか、ロベルトが来ることに賭けて魔法石に魔力を流し続けるか、選択の時が迫って来ている。
辺りはもう真っ暗になっているだろう。ここから逃げ出したとして、場所が分からないから外にも危険はある。ルフィナを連れて逃げ出す事が得策か、確証のない助けが来るのを待つべきか…。
イブがため息を吐いたその時だった。
静かだった屋敷の中にドタドタと足音が響くと、ルフィナは驚いてイブを掴む力を強めた。イブ自身も、男達に何か動きがあったのだろうと緊張が走る。
「大丈夫、私が絶対に守るから。後ろに隠れていて」
ルフィナを立ち上がらせて背後に隠す。幸い、この部屋の出入り口は一つだけだ。敵襲があるとすればドアのみ。イブはドアの正面に立って身構えた。
ガチャガチャと慌ただしく鍵を開ける音が室内に響く。イブは魔法のタイミングを誤らないように心を落ち着かせるために深呼吸をした。
カチャッと音がして、ついに施錠が外される。ドアが開いた先にいたのは…
「イブ!ルフィナ!!無事か!?」
「っ!!!!!」
僅かな明かりでも、見間違えるはずがない。シルバーの髪にブルーの瞳。
ルフィナが安心したように「うわーん!」と泣きながらロベルトの方へと駆け出し、勢いそのままに飛び込んだルフィナだったが、ロベルトはそれを最も簡単に受け止める。
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