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一章
始まり
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「あの……どうしてこの町はシンボルの神が死神と呼ばれてるタナトスと優しさの女神ルティアなのですか?」
とある観光客が店の主人に聞いた
「……話せば長くなりますよ」
「大丈夫です」
店主はゆっくり息を吸い話し始めた
…
昔々…この町にひとりの可愛らしい赤子が生まれました
その赤子はとても可愛らしく赤ちゃんだからとかではなくほんとに美しい赤子でした
そんな赤子は神々にさえ、愛されました
そんな赤子に神々は贈り物をしました
美の女神アフロディーテからは美しさ
豊穣の女神デメテルからは動物に好かれる才能
結婚の女神ヘラからは愛情を
狩猟の女神アルテミスからは心の清さ
炉の女神ヘスティアからは家庭の暖かさ
知恵の女神アテナからは賢さ
軍神の神アレスからは勇気を
文化の神アポロンからは歌声を
鍛冶の神ヘパイストスからは手の器用さ
商業の神ヘルメスからは竪琴を弾ける才能
海の神ポセイドンからは信頼を
最高神空の神ゼウスからは癒しの力
たくさん贈り物をされました……
だけど一人だけ贈り物をしてない神がいました
冥界の神ハデス…
何故贈り物をしなかったか……
いやできなかったのです
ハデスは知ってしまったのですこの少女の行く末を……
少女は重い心臓病を抱えていて……16歳の誕生日の日に死んでしまうのです
掟で寿命を延ばすのは禁じられてる
ハデスは何もできなかった……何も……
掟は絶対……
そんな少女のお話です
…
…
ん……ここはどこ……?
真っ暗な世界……目の前に目を向けると
誰かいる………
……声が出ない なんで?
すると目の前にいた人に翼が生えた……釜みたいな物を持ってる……
え………綺麗………
そんなことを思った瞬間
パチッ
目が覚めた
「んんっ……変な夢……」
…綺麗だったな……
「おはようルティア」
「おはようお母さん」
「珍しいわねお寝坊なんて」
「ちょっとへんな夢を見たからかな」
「どんな夢?」
「んーと……変な夢」
「そのままじゃない」
フフっとお母さんが笑った
……朝御飯を食べ自分の部屋にもどった
「あの夢……あの神に似てる……」
本棚から本を出し
あるページを開いた
「これだ……」
“タナトス”
死んだ人の髪を切り冥界の神ハデスに捧げ死人を冥界に送る役目を持つ神……
髪を剃られてたら死んだ証…
人間界では……死神と言われ人々から不人気の神……
……この神だ……
でも何で?
何なんだろ……
ドンドンドン!!
扉をたたく音がする
誰だろ……
扉を開けると深緑色の帽子をかぶった男の子がいた
「あらリューじゃない」
「ルティア姉さん助けて!」
「どうしたの?」
「タスキが……タスキが!」
え……タスキが…?
「タスキがどうしたの?」
「階段からこけて!気絶してる!」
!!
「連れてって!」
「こっち!!」
走り出した
…
…
「タスキ!!」
叫ぶと皆がタスキの前から横に移動した
タスキの頭に手を当て歌いだす
ー♪ ♪ ♪
歌い終わるとタスキが目を開けた
「ルティア姉さん……」
「階段は危ないから走っちゃだめ」
叱るとはい……とか細い声を出して頷いた
皆涙目だ
「えらいえらい」
袋から飴を取り出した
「皆でわけなさいね」
はぁい!と元気な声で返事した……
……なんで歌ったか疑問だよね
私には特別な力がある
“癒しの力”
私は歌どんなものでも治る
死以外……
生まれつきの力
でもそれはいい……
私はお母さんにあまり似てない
お母さん似のペリドットの目だが
私の家系には金髪なんかいない
なのに金髪……
お父さん似なのかな……お父さん……見たことない…
母子家庭だもの…
でも幸せだからいいや!
とある観光客が店の主人に聞いた
「……話せば長くなりますよ」
「大丈夫です」
店主はゆっくり息を吸い話し始めた
…
昔々…この町にひとりの可愛らしい赤子が生まれました
その赤子はとても可愛らしく赤ちゃんだからとかではなくほんとに美しい赤子でした
そんな赤子は神々にさえ、愛されました
そんな赤子に神々は贈り物をしました
美の女神アフロディーテからは美しさ
豊穣の女神デメテルからは動物に好かれる才能
結婚の女神ヘラからは愛情を
狩猟の女神アルテミスからは心の清さ
炉の女神ヘスティアからは家庭の暖かさ
知恵の女神アテナからは賢さ
軍神の神アレスからは勇気を
文化の神アポロンからは歌声を
鍛冶の神ヘパイストスからは手の器用さ
商業の神ヘルメスからは竪琴を弾ける才能
海の神ポセイドンからは信頼を
最高神空の神ゼウスからは癒しの力
たくさん贈り物をされました……
だけど一人だけ贈り物をしてない神がいました
冥界の神ハデス…
何故贈り物をしなかったか……
いやできなかったのです
ハデスは知ってしまったのですこの少女の行く末を……
少女は重い心臓病を抱えていて……16歳の誕生日の日に死んでしまうのです
掟で寿命を延ばすのは禁じられてる
ハデスは何もできなかった……何も……
掟は絶対……
そんな少女のお話です
…
…
ん……ここはどこ……?
真っ暗な世界……目の前に目を向けると
誰かいる………
……声が出ない なんで?
すると目の前にいた人に翼が生えた……釜みたいな物を持ってる……
え………綺麗………
そんなことを思った瞬間
パチッ
目が覚めた
「んんっ……変な夢……」
…綺麗だったな……
「おはようルティア」
「おはようお母さん」
「珍しいわねお寝坊なんて」
「ちょっとへんな夢を見たからかな」
「どんな夢?」
「んーと……変な夢」
「そのままじゃない」
フフっとお母さんが笑った
……朝御飯を食べ自分の部屋にもどった
「あの夢……あの神に似てる……」
本棚から本を出し
あるページを開いた
「これだ……」
“タナトス”
死んだ人の髪を切り冥界の神ハデスに捧げ死人を冥界に送る役目を持つ神……
髪を剃られてたら死んだ証…
人間界では……死神と言われ人々から不人気の神……
……この神だ……
でも何で?
何なんだろ……
ドンドンドン!!
扉をたたく音がする
誰だろ……
扉を開けると深緑色の帽子をかぶった男の子がいた
「あらリューじゃない」
「ルティア姉さん助けて!」
「どうしたの?」
「タスキが……タスキが!」
え……タスキが…?
「タスキがどうしたの?」
「階段からこけて!気絶してる!」
!!
「連れてって!」
「こっち!!」
走り出した
…
…
「タスキ!!」
叫ぶと皆がタスキの前から横に移動した
タスキの頭に手を当て歌いだす
ー♪ ♪ ♪
歌い終わるとタスキが目を開けた
「ルティア姉さん……」
「階段は危ないから走っちゃだめ」
叱るとはい……とか細い声を出して頷いた
皆涙目だ
「えらいえらい」
袋から飴を取り出した
「皆でわけなさいね」
はぁい!と元気な声で返事した……
……なんで歌ったか疑問だよね
私には特別な力がある
“癒しの力”
私は歌どんなものでも治る
死以外……
生まれつきの力
でもそれはいい……
私はお母さんにあまり似てない
お母さん似のペリドットの目だが
私の家系には金髪なんかいない
なのに金髪……
お父さん似なのかな……お父さん……見たことない…
母子家庭だもの…
でも幸せだからいいや!
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