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年下の幼馴染♂が好みの美女になりすぎて辛い。
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#再会年下攻め創作BL企画参加作品です。
確かにさぁ。昔確かに言ったのは俺だよ?
「けーた」
どこか甘い女性にしては低めのアルトの声に、俺は足を止めた。
会社の飲み会帰り、ほんのりと酔って二次会をどう上手く断ろうかと考えていた時だった。
俺の周りの人間が息を飲む。
白いフレアワンピースがとても似合う、長い髪の美しい人が艶やかに笑った。
清楚な佇まいなのに、どこか惹きつけられる美女の登場に、前屈みになる者も多かった。
俺は……十年も会うことがなかった年下の幼馴染みに、さぁっと血の気が引いていく。
長い睫毛に縁とられた瞳がにこっと細められれば、女性ですら見惚れてしまう。
「けーた、行こう?」
あまりの美しさに気圧されて、他の男達は声を掛けられない。
いや、正気に戻ればナンパどころかスカウト拉致監禁もあり得る程の美しさだ。
「わかった、一緒に行こう」
俺は慌てて幼馴染の手を引いてその場を離れる。
くそ、10年の月日で美しさは匂い立つほど。
ひと目でわかった。みやだ。あんなにも美しい子どもだったみやは、今年で18だろう。
悪い大人に狙われて、成人年齢引き下げによる契約書関係で変な契約書を書かされていないか心配だ。
手を引きながらふりかえると、みやは嬉しそうにニコっと可憐に笑う。
駄目だ。拗らせたストーカーを無意識に呼び寄せてしまいそうな美しさだ。完全にアウトだ。
「みや、その格好は俺のせいか」
「どうして?」
朱を引いた唇が弧を描く。
「好きと言われても応えられないと、昔に断ったからか」
「けーた、マリリンモンローみたいに巨乳な美人が白いスカートをふわふわさせているのが好きっていってたもんね。ふふ、大丈夫。僕の趣味だよ」
やはり、俺が歪めた。
「男の子は恋愛対象にならないって言っただけだ」
「女の子みたいなら大丈夫でしょう? けーた、僕、誰よりも可愛くなったよ」
それは認める!認めるけど、くそ。
「家はどこだ! 送ってくから、あんな飢えた狼しかいない飲み屋街なんて彷徨うな!」
「送ってくれるの? ふふ、嬉しい。僕、こっちの大学で一人暮らしはじめたんだぁ」
は!? 何考えてんだおばさんたち! みやみたいな綺麗な子が一人暮らしなんて危なすぎるだろ!
「ここだな、送ったからな。じゃぁな」
「お茶でも飲んでいきなよ。けーた、地元のお菓子、好きだったでしょう?」
あー、みやに告げられたのは丸い羊羮の中に求肥が入っていて、銀紙包装ごと切る和菓子だ。確かに好きだけど!
「ちょ、ちょっとだけなら……」
なんて靴を脱いで部屋に入ると、ガチャンと後ろで部屋の鍵を掛ける音がした。……いやいや、安全のために大事だけど。なんでかゾクリとする。
「本当にちょろいな、あんた」
みやの声のトーンが下がる。凛々しいテノールだ。
ぐっと笑顔のまま追い詰められ、口をむぎゅりと捕まれる。
「どうやったらあんたに逃げられないか、これでも考えたんだよ。こんなチョロそうな格好をすれば、面倒見が良かった近所の兄ちゃんのあんたなら放っておかないだろうって」
目が細められ、可憐な女装男子の顔から、獰猛な狩人の顔が浮かび上がる。
「啓汰、送られ狼に気を付けなきゃ……食べられちゃうよ?」
「まま、待ってくれ!」
押し返そうとするけれど、一切力で叶わない。なんで!?
「合気道、続けていて良かった。寝技は得意なんだ。……啓汰が薦めたんだよ? みやは自分の身を守れるようにしたほうがいいって」
足を払われ押し倒される。
ままままってくれ、えっちょっ理解が追い付かない……!!
それはそれは美しい獣が、舌なめずりをした。
「いただきます」
◇ ◆ ◇
「あっぐっ……」
「三本。ねぇ、わかる? 啓汰のここ、こんなに美味そうに指を飲み込んで。ここ、好きなんだね。触ると反応が可愛くなる」
床に押し倒され、あれあれよと草臥れたスーツを脱がされた俺はみやに身体を開かれる。
いつの間にかゴムを装着した指が俺の股間の……その、臀部に這わせられ、とろりとローションを中に塗り込められるように指を動かされる。
ゴトリと顔の横に置かれたローションのボトルはエロ漫画では見たことがあるけれど、自分では使うどころか買ったことさえない。
遭遇が俺の尻を解される用途でというのが解釈違いすぎて涙が出そうになる。
じゃなくて。
「みや、みや、ぎゃ、逆だと思うんだが!?」
「何が?」
「俺みたいなツリ目の平凡なサラリーマンを組み敷いても、絵面的にも良くない!」
「だいじょーぶ。僕は全然余裕で抱ける。むしろ、興奮する」
「ひっ早まらないでくれ! んあっ」
容赦なく前立腺の部分をごりゅりと押される。
「啓汰は僕の下で喘いでいればいいよ。身体にきもちいいこと、教えてあげる」
「いらないいらない! 俺はそんな……ひっ」
ずるりと指が抜かれる感覚に、背筋がぞくぞくとする。
みやはフレアスカートの中から、可愛い顔に似合わないものを取り出す。
ご立派になって! じゃなくて。
「話し合おう?」
「ボディートークかな。うん、僕も早く啓汰と仲良くしたいかな」
指に装着したゴムを外してくるりと綺麗に結ぶと、新しいゴムの袋を開けて器用にそこに装着する。
コトリ。ローションボトルの隣にXLの0.02mmの箱が置かれる。
俺の隣に見せつけるように置くのやめてくれ!
「10年待ったんだ。たっぷりと仲良くしよう」
艶やかに笑うその顔に見惚れている間に、くちりと肛門にみやの物が押し当てられる。
にゅぷりとローションを押し出しながら、その太いものが挿入される。
「あっぐっ……かはっ」
みやは容赦なく奥まで挿入してくる。
熱い、太い、なんだかわからない感情が渦を巻く。
「くっ……啓汰……けーた……」
強く締め付けてしまったのか、みやは甘い吐息を漏らしながら、ずっずっと奥まで入ってくる。
うっ美しい……可愛いよりも雄の顔をして俺を組み敷く彼の美しさにくらくらとする。
ずるりと直腸を蹂躙するそのイチモツは全然可愛いサイズじゃないけど!
重いはずの俺の太ももを軽く持ち上げて、松葉崩しの形で深く交わる。
「あっ……んぐっ」
とちゅんとより深く挿入され、みやの睾丸がぷるりと尻に当たった。
ざらりとした下生えの感触も、腹いっぱいに飲み込むみやの怒張も、どちらも非日常的過ぎてくらくらとする。
「啓汰……ずっと……ずっと……僕は……」
切なげに腰を打ちつける送られ狼は、割と酷い事をしているのだけれど憎むことができない。
彼の性癖を歪めてしまったのなら、今からでも間に合うのだろうか。
「……ちゃんと……言葉が……欲しい……」
俺の言葉にくしゃりと表情を歪める。
けーたは変わらない。なんて吐息程の言葉の後に。
「好きなんだ。ずっと好きだったんだ」
なんて可愛い事を言われてしまったら。
なけなしのプライドなんてどこかに捨てちまえ。
二っと笑って俺もきゅっと中で締め付ける。
「いいぜ、宮。受け止めてやるよ」
なんて笑い返してやれば、みやは不意を突かれたように目を瞬くと、年相応に嬉しそうに笑って腰を酷く打ちつけてきた。
ゴム越しに白濁が注がれるのがわかる。
ぐっぐっと奥まで注ぐように臀部にみやの下腹部が押し当てられる。
ずるりと抜かれると、太いものを捩じ込まれていたそこは、ローションでどろどろになっていて、悲惨な有様だ。
くるりとゴムが器用に結ばれると、頭上にあったゴムの箱に手が伸びる。
「さ、さすがに床は辛い」
「わかってる。啓汰があまりにかっこよくて可愛かったから」
膝の下の手を入れられると、ぐっと持ち上げられた。
ちょ、俺は中肉中背で軽くないぞ。
みやは美しく、そうしてなかなか……筋肉もあった。細マッチョってやつか。
みやは最初にあった時よりも表情に艶が出て、うっとりと寝室に向かう。
「啓汰、いっぱい気持ちよくなろうね」
とろりとした瞳で見つめられれば、この顔に弱い俺は手で顔を覆いながらふぁいっと変な声で返事をしてしまった。
◇ ◆ ◇
……。
化粧を落とした年下の美青年がことりと挽きたてのコーヒーを置く。
昨夜出会った美女が消え、その横顔は女性が振り返るほどの凛々しさだ。
俺の妄想を具現化したような美女返して。じゃなくて。
「身体大丈夫? ちょっと激しくしちゃったから」
「お前が床で始めなきゃな」
「その後ベッドに移動しただろ? ふふ、夕べは可愛かったな」
くそ、腰がいてぇ。
「昨日は俺をハメるためのフェイクか」
「いいや、僕に良く似合っているから着ているだけだよ。だらしなく股間膨らますやつらを踏みつけるのは愉悦だし」
性格悪りぃ。
「ま、昨日は啓汰との再会だからな。うんとお前好みにおめかししたよ」
昨日と同じ笑顔なのに、今度は艶やかな雄の顔だ。
「啓汰、昔マリリンモンローみたいな美女になって出直してこいって言ったよな?」
「ぐぇ」
「お前の理想の美女になってやったぞ。望むなら胸筋でパイずりしてやる。僕と付き合ってくれるよな?」
俺は耳元で囁く美貌の人に成す術もなく頷いた。
ちょろいなぁ。なんて破顔されるけど、こればかりは仕方がない。
【登場人物紹介】
啓汰26歳
つり目な平凡サラリーマン。
10年前、近所の年下の幼馴染みが可愛すぎて色々と心配だった。
告白してきた宮に、俺が好きなのは女の子ですときっぱりと断る。
ちょろい。
宮18歳
年上の幼馴染みを追って上京した大学生。
美少女も裸足で逃げ出すほどの美貌の青年。
普段は中性的だが、本性を表すと標的を追い詰める獣のような凛々しさになる。
護身術の一つとして合気道を極める。
女装は完全に趣味。自分に似合う格好をすることと、それによって引っ掛かる男たちの性癖を歪めるのが好き。
昔、皆から可愛い可愛いと女の子扱いばかりされていたけれど、啓汰だけはそれに流されずきちんと「男の子」扱いをしてくれた。優しい啓汰が好きになる。
しっかりとフラれたのは辛かったが、将来啓汰を篭絡する為に長期的戦略を取る。
計算高い。
確かにさぁ。昔確かに言ったのは俺だよ?
「けーた」
どこか甘い女性にしては低めのアルトの声に、俺は足を止めた。
会社の飲み会帰り、ほんのりと酔って二次会をどう上手く断ろうかと考えていた時だった。
俺の周りの人間が息を飲む。
白いフレアワンピースがとても似合う、長い髪の美しい人が艶やかに笑った。
清楚な佇まいなのに、どこか惹きつけられる美女の登場に、前屈みになる者も多かった。
俺は……十年も会うことがなかった年下の幼馴染みに、さぁっと血の気が引いていく。
長い睫毛に縁とられた瞳がにこっと細められれば、女性ですら見惚れてしまう。
「けーた、行こう?」
あまりの美しさに気圧されて、他の男達は声を掛けられない。
いや、正気に戻ればナンパどころかスカウト拉致監禁もあり得る程の美しさだ。
「わかった、一緒に行こう」
俺は慌てて幼馴染の手を引いてその場を離れる。
くそ、10年の月日で美しさは匂い立つほど。
ひと目でわかった。みやだ。あんなにも美しい子どもだったみやは、今年で18だろう。
悪い大人に狙われて、成人年齢引き下げによる契約書関係で変な契約書を書かされていないか心配だ。
手を引きながらふりかえると、みやは嬉しそうにニコっと可憐に笑う。
駄目だ。拗らせたストーカーを無意識に呼び寄せてしまいそうな美しさだ。完全にアウトだ。
「みや、その格好は俺のせいか」
「どうして?」
朱を引いた唇が弧を描く。
「好きと言われても応えられないと、昔に断ったからか」
「けーた、マリリンモンローみたいに巨乳な美人が白いスカートをふわふわさせているのが好きっていってたもんね。ふふ、大丈夫。僕の趣味だよ」
やはり、俺が歪めた。
「男の子は恋愛対象にならないって言っただけだ」
「女の子みたいなら大丈夫でしょう? けーた、僕、誰よりも可愛くなったよ」
それは認める!認めるけど、くそ。
「家はどこだ! 送ってくから、あんな飢えた狼しかいない飲み屋街なんて彷徨うな!」
「送ってくれるの? ふふ、嬉しい。僕、こっちの大学で一人暮らしはじめたんだぁ」
は!? 何考えてんだおばさんたち! みやみたいな綺麗な子が一人暮らしなんて危なすぎるだろ!
「ここだな、送ったからな。じゃぁな」
「お茶でも飲んでいきなよ。けーた、地元のお菓子、好きだったでしょう?」
あー、みやに告げられたのは丸い羊羮の中に求肥が入っていて、銀紙包装ごと切る和菓子だ。確かに好きだけど!
「ちょ、ちょっとだけなら……」
なんて靴を脱いで部屋に入ると、ガチャンと後ろで部屋の鍵を掛ける音がした。……いやいや、安全のために大事だけど。なんでかゾクリとする。
「本当にちょろいな、あんた」
みやの声のトーンが下がる。凛々しいテノールだ。
ぐっと笑顔のまま追い詰められ、口をむぎゅりと捕まれる。
「どうやったらあんたに逃げられないか、これでも考えたんだよ。こんなチョロそうな格好をすれば、面倒見が良かった近所の兄ちゃんのあんたなら放っておかないだろうって」
目が細められ、可憐な女装男子の顔から、獰猛な狩人の顔が浮かび上がる。
「啓汰、送られ狼に気を付けなきゃ……食べられちゃうよ?」
「まま、待ってくれ!」
押し返そうとするけれど、一切力で叶わない。なんで!?
「合気道、続けていて良かった。寝技は得意なんだ。……啓汰が薦めたんだよ? みやは自分の身を守れるようにしたほうがいいって」
足を払われ押し倒される。
ままままってくれ、えっちょっ理解が追い付かない……!!
それはそれは美しい獣が、舌なめずりをした。
「いただきます」
◇ ◆ ◇
「あっぐっ……」
「三本。ねぇ、わかる? 啓汰のここ、こんなに美味そうに指を飲み込んで。ここ、好きなんだね。触ると反応が可愛くなる」
床に押し倒され、あれあれよと草臥れたスーツを脱がされた俺はみやに身体を開かれる。
いつの間にかゴムを装着した指が俺の股間の……その、臀部に這わせられ、とろりとローションを中に塗り込められるように指を動かされる。
ゴトリと顔の横に置かれたローションのボトルはエロ漫画では見たことがあるけれど、自分では使うどころか買ったことさえない。
遭遇が俺の尻を解される用途でというのが解釈違いすぎて涙が出そうになる。
じゃなくて。
「みや、みや、ぎゃ、逆だと思うんだが!?」
「何が?」
「俺みたいなツリ目の平凡なサラリーマンを組み敷いても、絵面的にも良くない!」
「だいじょーぶ。僕は全然余裕で抱ける。むしろ、興奮する」
「ひっ早まらないでくれ! んあっ」
容赦なく前立腺の部分をごりゅりと押される。
「啓汰は僕の下で喘いでいればいいよ。身体にきもちいいこと、教えてあげる」
「いらないいらない! 俺はそんな……ひっ」
ずるりと指が抜かれる感覚に、背筋がぞくぞくとする。
みやはフレアスカートの中から、可愛い顔に似合わないものを取り出す。
ご立派になって! じゃなくて。
「話し合おう?」
「ボディートークかな。うん、僕も早く啓汰と仲良くしたいかな」
指に装着したゴムを外してくるりと綺麗に結ぶと、新しいゴムの袋を開けて器用にそこに装着する。
コトリ。ローションボトルの隣にXLの0.02mmの箱が置かれる。
俺の隣に見せつけるように置くのやめてくれ!
「10年待ったんだ。たっぷりと仲良くしよう」
艶やかに笑うその顔に見惚れている間に、くちりと肛門にみやの物が押し当てられる。
にゅぷりとローションを押し出しながら、その太いものが挿入される。
「あっぐっ……かはっ」
みやは容赦なく奥まで挿入してくる。
熱い、太い、なんだかわからない感情が渦を巻く。
「くっ……啓汰……けーた……」
強く締め付けてしまったのか、みやは甘い吐息を漏らしながら、ずっずっと奥まで入ってくる。
うっ美しい……可愛いよりも雄の顔をして俺を組み敷く彼の美しさにくらくらとする。
ずるりと直腸を蹂躙するそのイチモツは全然可愛いサイズじゃないけど!
重いはずの俺の太ももを軽く持ち上げて、松葉崩しの形で深く交わる。
「あっ……んぐっ」
とちゅんとより深く挿入され、みやの睾丸がぷるりと尻に当たった。
ざらりとした下生えの感触も、腹いっぱいに飲み込むみやの怒張も、どちらも非日常的過ぎてくらくらとする。
「啓汰……ずっと……ずっと……僕は……」
切なげに腰を打ちつける送られ狼は、割と酷い事をしているのだけれど憎むことができない。
彼の性癖を歪めてしまったのなら、今からでも間に合うのだろうか。
「……ちゃんと……言葉が……欲しい……」
俺の言葉にくしゃりと表情を歪める。
けーたは変わらない。なんて吐息程の言葉の後に。
「好きなんだ。ずっと好きだったんだ」
なんて可愛い事を言われてしまったら。
なけなしのプライドなんてどこかに捨てちまえ。
二っと笑って俺もきゅっと中で締め付ける。
「いいぜ、宮。受け止めてやるよ」
なんて笑い返してやれば、みやは不意を突かれたように目を瞬くと、年相応に嬉しそうに笑って腰を酷く打ちつけてきた。
ゴム越しに白濁が注がれるのがわかる。
ぐっぐっと奥まで注ぐように臀部にみやの下腹部が押し当てられる。
ずるりと抜かれると、太いものを捩じ込まれていたそこは、ローションでどろどろになっていて、悲惨な有様だ。
くるりとゴムが器用に結ばれると、頭上にあったゴムの箱に手が伸びる。
「さ、さすがに床は辛い」
「わかってる。啓汰があまりにかっこよくて可愛かったから」
膝の下の手を入れられると、ぐっと持ち上げられた。
ちょ、俺は中肉中背で軽くないぞ。
みやは美しく、そうしてなかなか……筋肉もあった。細マッチョってやつか。
みやは最初にあった時よりも表情に艶が出て、うっとりと寝室に向かう。
「啓汰、いっぱい気持ちよくなろうね」
とろりとした瞳で見つめられれば、この顔に弱い俺は手で顔を覆いながらふぁいっと変な声で返事をしてしまった。
◇ ◆ ◇
……。
化粧を落とした年下の美青年がことりと挽きたてのコーヒーを置く。
昨夜出会った美女が消え、その横顔は女性が振り返るほどの凛々しさだ。
俺の妄想を具現化したような美女返して。じゃなくて。
「身体大丈夫? ちょっと激しくしちゃったから」
「お前が床で始めなきゃな」
「その後ベッドに移動しただろ? ふふ、夕べは可愛かったな」
くそ、腰がいてぇ。
「昨日は俺をハメるためのフェイクか」
「いいや、僕に良く似合っているから着ているだけだよ。だらしなく股間膨らますやつらを踏みつけるのは愉悦だし」
性格悪りぃ。
「ま、昨日は啓汰との再会だからな。うんとお前好みにおめかししたよ」
昨日と同じ笑顔なのに、今度は艶やかな雄の顔だ。
「啓汰、昔マリリンモンローみたいな美女になって出直してこいって言ったよな?」
「ぐぇ」
「お前の理想の美女になってやったぞ。望むなら胸筋でパイずりしてやる。僕と付き合ってくれるよな?」
俺は耳元で囁く美貌の人に成す術もなく頷いた。
ちょろいなぁ。なんて破顔されるけど、こればかりは仕方がない。
【登場人物紹介】
啓汰26歳
つり目な平凡サラリーマン。
10年前、近所の年下の幼馴染みが可愛すぎて色々と心配だった。
告白してきた宮に、俺が好きなのは女の子ですときっぱりと断る。
ちょろい。
宮18歳
年上の幼馴染みを追って上京した大学生。
美少女も裸足で逃げ出すほどの美貌の青年。
普段は中性的だが、本性を表すと標的を追い詰める獣のような凛々しさになる。
護身術の一つとして合気道を極める。
女装は完全に趣味。自分に似合う格好をすることと、それによって引っ掛かる男たちの性癖を歪めるのが好き。
昔、皆から可愛い可愛いと女の子扱いばかりされていたけれど、啓汰だけはそれに流されずきちんと「男の子」扱いをしてくれた。優しい啓汰が好きになる。
しっかりとフラれたのは辛かったが、将来啓汰を篭絡する為に長期的戦略を取る。
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