【完結】断罪を乞う

弥生

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14.慟哭驟雨

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14.慟哭驟雨どうこくしゅうう──遠山隼人とおやまはやとの場合

 暗い雨が降り注ぐ。
 下から引っ張られて、遠山に抱き抱えられるように地面に下ろされた。

「何やってるんだ!!」
「先……生……どうして……」
 
 遠山は屋上の出入り口から走ってきたのか、息を整えぬまま鬼気迫る形相で俺を叱りつけた。
 
「どこの部活にも所属してねーお前が部室の鍵なんか借りるわけねーだろ! 不審に思って確認してみればっ……屋上の鍵と入れ替えるなんて小細工しやがって!!」
 ぐぁぁ! 思った以上に見られている!
 遠山に制服の襟を掴んで揺さぶられる。
 普段は陰りを帯びて暗澹あんたんとしている瞳が、怒りに赤く染まっている様な気がした。
 
「人の事振り回して楽しいか!? 探偵気取りで満足か!?? くそっ! 頼むから屋上なんて場所で無茶するんじゃねぇ!! ここで、彼以外の自殺なんて……ほんと……頼むからっ……」
 怒鳴った勢いが急激に萎むように、遠山の言葉が弱くなる。

 俺はどこか他人事のように、その言葉を聞いていた。
 自殺。
 自殺……。
 遠山はやっぱり、山中優の死は自殺だと思っていた。
 ……自殺するほど追い詰められていたと、知っていた。
 それほどまでに……優が酷い状態におかれているとわかっていて。
 わかった上で……。
 
 お前が、優の死を語るのか。

  
 ──脳裏に、優の最期の姿が浮かび上がる。

  
 ふざけるな。
 ふざけるな、ふざけるな!!
 水滴が波紋を広げるように。
 腹の底から灼熱が沸き上がるように、雨に濡れて冷たくなる身体とは裏腹に、感情の渦が喉元から溢れ出す。
 
「お前が……お前が山中優の死を語るなよ!! あいつが、どんな気持ちで最期を迎えたと思っているんだ!! お前に、お前たちにいじめられて、苦しんで! 消えてしまいたいと願うほどの絶望を……なんで、今さら……今さらお前が嘆くんだ……!!」
 ばしゃんと遠山の身体を振り払う。俺の叫びに遠山は驚いた様にこちらを見た。
 やっと俺の方を見た。

「なん……で……神崎が山中の事を……」
「知るかよ! 俺だって知りたいよ!! 何で山中優の記憶があるのか、なんで彼の死んだときの苦しみを知っているのか、俺が生まれた時からずっと知りたいぐらいだ!!」
「山中優の……記憶……?」
 
「もうたくさんだ! 小さい頃から優の記憶に振り回されて! 俺は俺の生を生きたいのに、優の記憶が胸に杭を打つんだ。苦しい。消えてしまいたいって。いじめたあんた達を恨めば良いのに、いつだって弱い自分を責めていた……。あんた達が優の心を殺したんだ! なのに、のうのうと……子どもにはいじめにあってもらいたくない? 遠山は信頼できる先生? 優をいじめたあんた違がなんでそんな事言えるんだよ!! なんで世の中は、そんなにも残酷なんだよ!!」

 言葉が……止まらなかった。
 今までの人生で、こんなにも怒りのままに心のうちを吐き出すなんて事はなかった。
 全ての理不尽が、ままならなさが、喉奥から込み上げてくる。
 俺は泣きながらぶちまける。

「なんで、16年前の優を救ってくれなかった! なんで優を追い詰めたんだ! 優が、あんたたちに何をしたって言うんだ!!」
 彼は何も望まず、諦めて、ただひとりで絵を描いていただけなのに。
 優しい彼が追い詰められないといけない理由。
 なんで……こいつらは、彼を追い詰めたんだ。

「違っ……俺は、最初……そんなつもりで声を掛けた訳じゃ……」
 雨に打たれて蒼白なまま、遠山は焦点が合わない様子でぽつりぽつりと言葉を吐き出す。 


「教室の隅で……ひとり絵を描く彼に……ただ、興味をひかれて……ただ……一言……何を描いているのかと、尋ねたかった……だけなのに……。聞き方を……どうやって……聞いたら……よいか……わからなくて……茶化してしまって……」

 酷く雨が降り注ぐ中──遠山隼人の教師の外装が“剥がれた”。

「そんなつもりはなかった……本当に、そんなつもりはなかったんだ……。なのに……周りは山中を“いじめても良い奴だ”と認識して……俺を置き去りに……周りがどんどんとエスカレートしていって……俺は、それに口出すのが……怖くて……あいつらが勝手に俺を“祭り上げる”のを止めることができなくて……」
 俺は、剥き出しになった遠山隼人に息を飲む。
 余りにも……余りにも弱い人間の吐露。

「あんたは……教室の頂点に居たんじゃなかったのかよ。遠山隼人……」
「砂上の楼閣だ……学生の頃の対人関係に、絶対なんて存在はない……昨日いじめていた奴が、明日にはいじめられているかもしれない。……前に持てはやされた事が次には調子にのっていると非難されるかもしれない。そんな理不尽と不安定な世界の中で、誰だって椅子取りゲームにあぶれたくないって、弱い誰かを除け者にするんだ……」

 目をつぶる。
 あぁ、大人が思っている以上に子どもの世界は残酷で、大人の世界よりもよほど道理に合わない。

 未成熟な生き物が箱の中に詰め込まれるんだ。
 
 その箱庭では未完成だからこその成長もあるけれど……未成熟だからこそ、最初からいじめや事件を“有り得ない事”なんて括る事はできない。

「2年になって……いじめがエスカレートして……どうにかしないといけないのに、方法がわからなくて……打ちのめされていた時……。美術室で……彼の絵を見た。墓標に佇む女神像。俺の卑怯さを、卑屈さを断罪するように立っていたあの絵を……。俺は、彼の中から大切な何かが溢れ落ちてしまったのだと……。俺達が、彼の心の有り処を変えてしまったのだと……」

 美術準備室に飾られていた、首のない女神像。
 余りにも黒く塗りたくられた墓標達。

「俺は、俺はずっと山中の絵が好きだった。彼の……絵が……。学園祭に飾られる彼の伸びやかな絵が……。静かに絵を描く彼から産み出される世界が……優しい絵柄が……。なのに、心が抉りとられるような、深い悲しみの作風に変えてしまったのは俺たちなのだと、心が潰れそうになった。早く、はやく……どうにかしないとって……」

 遠山に降り注ぐ強い雨は、頬に流れるものすら掻き消してしまう。

「あの日、あの絵を見た次の日、俺は覚悟を決めたんだ。もう、やめようって。そんな事はつまらないって……俺が言ってどうにかなるかわからないけど、矛先が……俺に向くかもしれないけど……もう、見ていられなかった……なのに……なので……」

──俺が聞いたのは、山中の訃報だった。

 遠山が雨で湿る床を叩く。

「信じられなかった。理解が出来なかった。……担任が……何を言っているのか、俺にはわからなかった。空いた机に、埋まることのない席に、未完成の絵に……もう、彼はいないんだって。もう、会うことも……償うことも出来ないのだと……。俺は……知っていた……彼の死は、自殺だって……だって俺達は、俺達はあんなにも彼を追い詰めて……絵が暗く染まるほどに追い詰めて……」

 俺は、喉奥から込み上げる物を叫び出さないだけで精一杯だった。雨が激しく身体に当たり、芯から冷やしていく。

「いじめに荷担していたやつらは、口を揃えて自分の責任じゃないと言ってきた。全部、誰かがやれと言ったから、次に自分がいじめられると思ったから……。皆、俺のためにやったのだと……俺に気に入られたくてやったのだと……。俺は、俺の“罪”を知っていた。だから自殺なら……遺書が残されているなら……きっと俺達にいじめられた事が書かれているだろうと……。俺は……担任に聞いて……それで得られた答えは……」

 遠山の骨ばって大きな手が、濡れたコンクリートの床を引っ掻く。

「『山中くんの死は可哀想な“事故”です』だと。……耳を疑った。だって、噂では屋上から飛び降りたと、中庭に血が広がっていたと……周りの奴等は山中の件を知っている奴も多かった。なのに……なのに……山中の件は『事故』として片付けられた……」

 疲弊した顔をあげ、遠山が俺を見た。
 俺を通して……優を見た。

「なぁ、どうして、彼の死が“事故”になるんだ! 他の生徒にショックを与えないようにと表だって語るのも忌避されて、葬儀も密やかに行われたって後から聞いて……。誰もが影で噂するのに、表立っては彼を語ることすらできない。心の収集がつくまえに、時間だけは過ぎていって……。あんなにも彼の事を噂していた奴等も……ひと月ふた月と時間が経つにつれて話題に上げることすらしなくなった。“いじめがあった”。そう判断される事は学校にとって致命的だ。屋上に遺書が残されていたんじゃないかって、それが握りつぶされたんじゃないかって探したけれど、俺には見つけることが出来なかった」

 遠山自体が、探していた。
 ……優が残したであろう、遺書を。

「三年生になって、俺以外のまわりが皆、“将来”を語りだした。……山中は、もう未来を語ることができないのに。死んだ彼には未来はないのに。……なのに気がつけば、彼を殺した罪ばかりが裁かれずに、宙に浮いたまま何処にも行くことができなくなっていた。……“不幸な事故だった”“可哀想な出来事だった”なんて、そんな……誰が彼を追い詰めたかなんて明白なのに……なのに誰も何も咎めない。誰も俺たちを責めようとしない。時間だけは無情にも過ぎていき、皆彼を過去にした。彼を過去にしてしまった……!!」

 遠山の血反吐を吐くような慟哭が、雨に滲む。

「頼むよ、誰か……罰してくれ。誰か、誰でも良い。彼が死んだのは、俺のせいだと、頼むから、言ってくれ。俺を……罰してくれ!!」

 悲痛な叫びに雨が降り注ぐ。 
 怒りで目が眩む。
 16年前に囚われたまま、一歩も進むことが出来なかった男に。
 あの時に囚われたまま何処にも行くことが出来なくなった男に。

 ふざけるな。

 声が、震える。
 魂からの叫びが、“神崎望”としての叫びが喉の奥から溢れだす。
「ふざけるな!! 自分が救われたいからって断罪を乞うんじゃねぇ!! 罰を与えられることを救いにするんじゃねぇ!! 罰して欲しいってのも自分が裁かれて楽になりたいからだ! そんな自分勝手な願いのために、優を使うんじゃねぇよ!! 死者はもう裁けねぇんだよ!! 咎めることも、贖罪を求めることも、何もできねぇんだよ!! 永劫えいごうに苦しめ!! 許される事なく苦しみ続けろ!! 死んだ優は……もうあんたを断罪することも、許すこともできない。もう……何も……できねぇんだよ……っ」
 
 苦しんでいた遠山が、すがる様に俺を見る。
 やっと得られた……断罪にすがる。
「お前が……俺を……俺を……断罪してくれるのか……許される事のない……罰を……俺の咎を……」

 あぁ、クソ。なんてこった。
 怒りとは別の感情が込み上げてくる。
 罪の意識に囚われた遠山隼人には、裁かれる事が救いとなる。
 なんて、厄介な……。
 この憐れで面倒臭くて、一生こちらを見てくれないような……けれどもどうしようもなく可哀想な男に、俺は……くそっ。
 
 死者は、何も語る事はできない。
 死者は、何もする事はできない。
 ……だから、山中優。
 すまない。

 ──あんたが隠したがっていたすべてを暴き出して、俺はこの憐れな男を救うぞ。
  
「“山中優”は“遠山隼人”を許さない」
「……っ」
「永遠に苦しみ続ければ良い」
 その言葉であんたが救われるなら。
「……」
「けど同時に、山中優の記憶を持ってる神崎望おれは、あんたを一生赦し続けるよ。優が許さない代わりに、俺が赦す」 
「かん……ざき……」
「あんたが自分を責める代わりに、俺が責め続けてやる。そして……同じぐらいにあんたを赦してやる」
「神……崎」
「一人で苦しんだのが16年? なら俺はその倍は断罪と救済を与えてやるよ。……あんたの気が済むまで」
「どう……して……そんな……」
「優が……残したから」

 優が、遺書を残したから。
 
 驟雨しゅううは、雨雲を伴って激しい雨を地に降り注ぐ。
 けれども一時的な雨は、雨雲が去ると同時に晴れ間を呼んでくる。

 雨上がりの雲間から、一筋の光が差し込んだ。

 これは、“山中優”が葬り去った想い。
 墓標を立て、誰にも知られる事なく殺した只一つの真実。

 遺書はあった。確かに、あったのだ。
 この想いを殺すために。
 事実、想いは殺され、記憶を継承したはずの俺にさえその想いは伝わることはなかった。

「……16年前、山中優は遺書を書いた。……弔いの絵を描いてまで殺したかったのは、誰にも知られたくない自分の想いだ。それは……これに描かれている。……屋上でこれを書いていた彼は、誤って溝に滑らせてしまった。誰かに見られたら大変だと回収しようとした彼は、急な雨に降られて足を滑らせた。……検死の見立ては事故死。そうだろうな」
 懐からやや濡れてしまった、汚れたスケッチブックを取り出す。
 無事なところを広げて見せれば、遠山の目が見開かれた。

「そんな……まさか……」

 震えた彼の手にスケッチブックを差し出す。
 捲っても捲っても描かれているそれは……山中優が非常に才能ある絵描きだったからこそ、籠められた想いごと、如実にわかる。

 憧憬、尊敬、そして甘やかに描かれる、美しい少年のスケッチ。

「……山中優が絶望していたのは、いじめだけじゃない。嫌われていても、報われなくても、それでも止めることができなかった同世代の少年への淡い想いに……だ。首のない女神像は、そんな自分の報われない想いを絶ち切るための……自分の初恋を弔う為の絵なんだ」

 山中優は、彼が苦しみ続ける事は望んでいなかったはずだ。
 だから、俺が優の分まで断罪と救済を彼に与えるんだ。
 ……彼を救うために。

 遠山隼人は、自身が描かれていたスケッチブックを抱き抱える様にして、慟哭した。

 俺は、それを見届けた後、ふらりとぶっ倒れてしまった……。
 怒鳴りあった為か、激しい雨に打たれたからかはわからない。

 けれども……霞む意識の中、山中優の夢を見た。

 
 その夢を最後に、山中優の記憶が俺の中に蘇ることはもうなかった。
 
 


【慟哭】
読み方:どうこく
〘名〙 悲しみに耐えきれないで大声をあげて泣くこと。号泣すること。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※破戒(1906)〈島崎藤村〉七「声を揚げて慟哭(ドウコク)したいとも思った」 〔李白‐古風・其五四〕
【驟雨】
読み方:しゅうう
〘名〙 急に降りだす雨。夕立。《季・夏》
※続日本紀‐天平勝宝二年(750)五月辛亥「京中驟雨、水潦汎溢」
※雑話筆記(1719‐61)上「諸虫が蠢(うご)めきて雷霆が轟き驟雨がする」 〔老子‐二三〕
(共に精選版 日本国語大辞典より)

【永劫】
読み方:えいごう
〘名〙 (「劫」は仏説でいうきわめて長い時間の単位) 非常に長い年月。未来にわたる長い時間。ようごう。
(精選版 日本国語大辞典より)

 【ボーイズラブ】
読み方:ぼーいずらぶ
《〈和〉boys+love》男性同士の性愛を描いた女性向けの漫画や小説。BL。→やおい
(デジタル大辞泉より)
広義的に男性同士の性愛を描くものを総じるようになったが、当初は少年同士の恋愛や性愛を題材としていた。
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