29 / 92
【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅨ】
しおりを挟む
「なに? モンスター風情が闘技場だって? マジかよ」
「各種族の代表が闘うのではないかしら?」
「ふっ、王都リンデンハイムで4年に1度やっている武闘大会のようなものかな」
ルーンベルトの言葉にローズマリーが食いついた。皆驚きもしなかった。予想通りといった感じだ。
「いつやるんだよ。武闘大会って?」
「今年はもう終わったから4年後だな。残念だがローズマリー参加するには長く待つ必要があるな」
「そ、そうか……」
「それにだぜ、ローズマリーよ。お前冒険者ギルドに登録しないでリントの街を逃げ出しただろう。武闘大会には冒険者しか参加できないぜ」
「なら……仕方ないから……出る」
「「「ハッ?」」」3人はローズマリーの最後の方の発言が聞き取れない、いや聞きたくなかった。
「だからモンスターの武闘大会に出る」
「「「へぇ?」」」
エルフの戦士3人はローズマリーの破天荒ぶりはよくよく知る仲になってはいたが理解したくなかった。
「今回ばかりは絶対に反対よ。ローズマリー」
「ああ、俺もだぜ。さっきまで恋人が死にかけてたんだ、賛成するわけが無えぜ。って、うわ何投げてきたんだ」エンデュミオンが投げ渡された容器を見て目を白黒させた。
「こりゃあまさか! 幻の火酒ゴブリッシュじゃねえだろうな!」
「ルーンベルトにはこれ!」
「シンダリアの神よ、許したまえ!」ルーンベルトは既に心の奥では買収されていたようだ。アダマンタイトの鉱石に頬ずりしている。
「セレーナにはこれとこれ!」呪われしアダマンタイトでできたデュラハンの鎧とヴァンパイアから盗った良く分からない本を押し付けた。
「何これ! デュラハンの鎧? それにヴァンパイアの料理レシピ? ローズマリー……こんなことで私たちが買収されると思っているの?」
「あたしがモンスターの武闘大会に出ることに賛成の人~~」
おずおずと手を2人が挙げた。セレーナは勿論挙げなかった。
「あんたたちねえ、このバ、じゃなくてローズマリーが何言ってるのか分かっているの⁉」
「ま、幻のゴブリンの火酒が目当てじゃねえからな。ローズマリーに軽い息抜きが必要だと思ってだな……」
「お、俺もだぞ、まさかアダマンタイトの槍が欲しくなってしまったわけではないからな」
「あんた達ねえ……!」セレーナがマジ切れしそうになるのを止めたのはローズマリーだった。
「ホントにお願いだから戦わせて! 名前を言うだけで発動して国を亡ぼす原初の炎の魔法を最近使う夢にうなされてるんだ!」
「でも駄目よ! 敵は数万は超える数なのよ」セレーナが若干落ち着きを取り戻して反論した。
「あたしが本気を出せばあの闘技場ごと滅殺するから安心しなよ」
「でも、あたしはやはり反対よ。なんだか嫌な予感がするもの」
「今回は杖は持たずにステゴロで戦うつもり♪」
「何言ってるのその杖の加護があったから今まで無茶苦茶できたわけじゃない? そんなチート武器捨てたらあなたなんてただのその辺の喧嘩が強い村人レベルよ」
セレーナは本気で心配しているようだったのでこう伝えた。
「じゃあ、杖は足元に置いていつでも使えるようにしておくよ、これなら良いだろ?」
「そうは言ってもねえ」まだ不満げなセレーナの肩を掴んで言った。
「一生に一度のお願いだから頼むよ。セレーナ」ローズマリーは上目遣いで必死にアピールした。
「……分かったわ、あなたを信じるわ」セレーナは根負けした。ただしピンチになったら道ずれになろうとも一緒に戦うからと念を押された。
「各種族の代表が闘うのではないかしら?」
「ふっ、王都リンデンハイムで4年に1度やっている武闘大会のようなものかな」
ルーンベルトの言葉にローズマリーが食いついた。皆驚きもしなかった。予想通りといった感じだ。
「いつやるんだよ。武闘大会って?」
「今年はもう終わったから4年後だな。残念だがローズマリー参加するには長く待つ必要があるな」
「そ、そうか……」
「それにだぜ、ローズマリーよ。お前冒険者ギルドに登録しないでリントの街を逃げ出しただろう。武闘大会には冒険者しか参加できないぜ」
「なら……仕方ないから……出る」
「「「ハッ?」」」3人はローズマリーの最後の方の発言が聞き取れない、いや聞きたくなかった。
「だからモンスターの武闘大会に出る」
「「「へぇ?」」」
エルフの戦士3人はローズマリーの破天荒ぶりはよくよく知る仲になってはいたが理解したくなかった。
「今回ばかりは絶対に反対よ。ローズマリー」
「ああ、俺もだぜ。さっきまで恋人が死にかけてたんだ、賛成するわけが無えぜ。って、うわ何投げてきたんだ」エンデュミオンが投げ渡された容器を見て目を白黒させた。
「こりゃあまさか! 幻の火酒ゴブリッシュじゃねえだろうな!」
「ルーンベルトにはこれ!」
「シンダリアの神よ、許したまえ!」ルーンベルトは既に心の奥では買収されていたようだ。アダマンタイトの鉱石に頬ずりしている。
「セレーナにはこれとこれ!」呪われしアダマンタイトでできたデュラハンの鎧とヴァンパイアから盗った良く分からない本を押し付けた。
「何これ! デュラハンの鎧? それにヴァンパイアの料理レシピ? ローズマリー……こんなことで私たちが買収されると思っているの?」
「あたしがモンスターの武闘大会に出ることに賛成の人~~」
おずおずと手を2人が挙げた。セレーナは勿論挙げなかった。
「あんたたちねえ、このバ、じゃなくてローズマリーが何言ってるのか分かっているの⁉」
「ま、幻のゴブリンの火酒が目当てじゃねえからな。ローズマリーに軽い息抜きが必要だと思ってだな……」
「お、俺もだぞ、まさかアダマンタイトの槍が欲しくなってしまったわけではないからな」
「あんた達ねえ……!」セレーナがマジ切れしそうになるのを止めたのはローズマリーだった。
「ホントにお願いだから戦わせて! 名前を言うだけで発動して国を亡ぼす原初の炎の魔法を最近使う夢にうなされてるんだ!」
「でも駄目よ! 敵は数万は超える数なのよ」セレーナが若干落ち着きを取り戻して反論した。
「あたしが本気を出せばあの闘技場ごと滅殺するから安心しなよ」
「でも、あたしはやはり反対よ。なんだか嫌な予感がするもの」
「今回は杖は持たずにステゴロで戦うつもり♪」
「何言ってるのその杖の加護があったから今まで無茶苦茶できたわけじゃない? そんなチート武器捨てたらあなたなんてただのその辺の喧嘩が強い村人レベルよ」
セレーナは本気で心配しているようだったのでこう伝えた。
「じゃあ、杖は足元に置いていつでも使えるようにしておくよ、これなら良いだろ?」
「そうは言ってもねえ」まだ不満げなセレーナの肩を掴んで言った。
「一生に一度のお願いだから頼むよ。セレーナ」ローズマリーは上目遣いで必死にアピールした。
「……分かったわ、あなたを信じるわ」セレーナは根負けした。ただしピンチになったら道ずれになろうとも一緒に戦うからと念を押された。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
王太子さま、側室さまがご懐妊です
家紋武範
恋愛
王太子の第二夫人が子どもを宿した。
愛する彼女を妃としたい王太子。
本妻である第一夫人は政略結婚の醜女。
そして国を奪い女王として君臨するとの噂もある。
あやしき第一夫人をどうにかして廃したいのであった。
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる