28 / 41
第二十八話 side:黒武者
しおりを挟む
夜深く、タルナート侯爵邸の地下にて。
暗色の甲冑を纏い、鬼の面を付けた男が通路を歩いていた。
〈真理の番人〉の一人、黒武者である。
彼の背後には、タルマン侯爵の私兵達が血塗れで伏していた。
「あまりに弱し……。戦いを求めて〈真理の番人〉に身を置いたが、この国に某の求める武士《もののふ》はおらんと見える」
この先に、マルクという少年に敗れた同胞のゼータが拘禁されている、という話であった。
黒武者はそれなりの見張りがいるはずだと期待していたが、見当外れだったらしいと落胆していた。
そのとき、前の扉より壮年の男が現れ、黒武者の許へと向かってきた。
「ふむ、某の力量を見て、なお姿を表すか」
「お前のような奴に備えて特別に雇われた身でな。尻尾巻いて逃げ出すわけにはいかんのだよ」
男は大槍の尾を床へ叩き付ける。
彼はラコール、冒険者ギルドのギルド長である。
このベインブルクの冒険者の中では最も腕が立つ。
〈真理の番人〉への対抗戦力として、タルマン侯爵の兵として一時的に臨時で雇われていた。
「纏わりつくような、黒い殺意……。殺人狂とは何度か戦ったことがあるが、その中でもお前は別格だな。対峙しただけでわかる」
「そこまでわかっていて、なお某の前に立つか。風雅な男よ。この館にはつまらぬ輩しかおらんかったが、そちのような忠義の士に会えてよかった。某は黒武者……人を斬る、黒き鬼。かつての名は既に捨てた身だ。名乗れ、槍使い」
「生憎、お前のような下衆に名乗る名はない」
「左様か。さて、無粋な立ち話はここまでにして、来るがよい」
黒武者はこきりと首を鳴らすと、その場に棒立ちになった。
「そちの高潔さ、実に風雅、天晴れなり。ただ一太刀で落命しては、主に申し分けが立たぬだろうて。一打目はお譲りいたそう」
ラコールの額に一筋の汗が垂れた。
黒武者は今なお、武器に手も掛けず、無防備に立っている。
油断ではない。
ゴブリンを恐れるドラゴンはいない。
それに近しい程の絶望的な力量差があることを、ラコールは黒武者の佇まいから実感させられていた。
(この一太刀で、有効打を与えるしかない……か)
ラコールは黒武者が腰に差す刀を睨み、思案する。
敵から譲られたこの初手を活かさない手はない。
自身が斬り掛かれば、黒武者は戦闘態勢に入り、刀を抜いてラコールの槍を防ぎに出るだろう。
それを踏まえた上で、どうすれば少しでも黒武者にダメージを与えられるのか。
「雷魔法〈雷纏装(らいてんそう)〉!」
ラコールは大槍を天井へと掲げる。
魔法陣が展開され、大槍は雷の光を纏った。
「ほう、雷を槍へと纏うたか」
黒武者が楽しげに口にする。
ラコールは地面を蹴り、黒武者へと正面から接近する。
黒武者の目前まで来ると、床を蹴って瓦礫を飛ばした。
「むっ……」
黒武者の目が、瓦礫へと向いた。
その刹那、ラコールは斜め前方へと跳び、壁を蹴って黒武者へと死角より飛び掛かった。
自身の最強の技を正面から愚直にぶつけると見せかけて、飛び道具を用いて気を逸らし、死角へと回り込んで飛び掛かる。
これがラコールの策であった。
ラコールの目は黒武者の刀へと向いていた。
刀の防御さえすり抜けるが、強引に押し込めば、黒武者に一撃を与えることができる。
死角を取ったのが幸いしたのか、黒武者の反応は大きく遅れていた。
刀の防御は間に合わなかった。
雷を纏ったラコールの大槍は、黒武者の左肩を捉えていた。
「よし、当たった……!」
「そのような真似をせずとも、一打目はお譲りいたすと申したはずだが」
黒武者の左肩に当たったラコールの大槍の穂先に、亀裂が走っていた。
黒武者の甲冑には傷ひとつない。
彼は仰け反ることさえせず、その場に仁王立ちしていた。
「馬鹿な……〈雷纏装(らいてんそう)〉の一撃を受けて、こうも平然と……」
「魔鎧〈闇竜〉……。あらゆる衝撃を殺し、マナを通さず、熱を遮断する。万物を受け止める無敵の甲冑。某の故国、ヒイズルの宝具である。いや、しかし、悪くない一撃であった」
黒武者は籠手を握ると、ラコールの大槍を殴り付けた。
亀裂の走っていた穂先が砕け散り、柄がへし折れた。
その延長にいたラコールも、籠手の拳に殴り飛ばされ、床を転がることになった。
「がはっ、ごほっ!」
壁を背に打ちつけたラコールが、血の混じった咳を吐き出して失神し、ぐったりとその場に倒れた。
「む……刀を抜きそびれていたか。まぁ、よい、これも運命か」
止めを刺そうかと刀へ手を伸ばした黒武者だったが、途中で止めて前へと歩み始めた。
「では先へ進ませてもらうぞ、槍使いよ」
黒武者は失神したラコールの横を通り、ゼータの囚われているであろう先へと向かう。
黒武者はすぐに行き止まりへと行き着いた。
大きな魔法陣の描かれた床の上に、鎖で雁字搦めにされた少女がいる。
少女は布で目隠しをされていた。
黒武者は魔法陣へと目を向ける。
囚人のマナを乱し、消耗させる類のものであった。
強大なマナを持つ者を安全に拘束するための仕掛けである。
「そちが某の同胞、〈不滅の土塊ゼータ〉か。中身を見るのは初めてであるが、かような少女であるとは」
黒武者が刀を抜き、素早く振るった。
全身を拘束していた鎖が綺麗に砕け、続いて目隠しが床へと落ちた。
「貴様……黒武者か」
ゼータは床に膝をついたまま、黒武者を見上げる。
「左様。ヨハン殿は計画を早めるおつもりだ。〈真理の番人〉の力を誇示するため、今すぐこの場に大きな破壊を齎すことを望まれている。ゼータ殿による侯爵邸への攻撃を開戦の狼煙とする予定である。拘禁されていたため消耗していることかとは思うが、頼めるか?」
「無論だ。それが主の……ヨハン様のご意志であるのならば」
ゼータは口許に笑みを浮かべると、ゆらりと立ち上がった。
暗色の甲冑を纏い、鬼の面を付けた男が通路を歩いていた。
〈真理の番人〉の一人、黒武者である。
彼の背後には、タルマン侯爵の私兵達が血塗れで伏していた。
「あまりに弱し……。戦いを求めて〈真理の番人〉に身を置いたが、この国に某の求める武士《もののふ》はおらんと見える」
この先に、マルクという少年に敗れた同胞のゼータが拘禁されている、という話であった。
黒武者はそれなりの見張りがいるはずだと期待していたが、見当外れだったらしいと落胆していた。
そのとき、前の扉より壮年の男が現れ、黒武者の許へと向かってきた。
「ふむ、某の力量を見て、なお姿を表すか」
「お前のような奴に備えて特別に雇われた身でな。尻尾巻いて逃げ出すわけにはいかんのだよ」
男は大槍の尾を床へ叩き付ける。
彼はラコール、冒険者ギルドのギルド長である。
このベインブルクの冒険者の中では最も腕が立つ。
〈真理の番人〉への対抗戦力として、タルマン侯爵の兵として一時的に臨時で雇われていた。
「纏わりつくような、黒い殺意……。殺人狂とは何度か戦ったことがあるが、その中でもお前は別格だな。対峙しただけでわかる」
「そこまでわかっていて、なお某の前に立つか。風雅な男よ。この館にはつまらぬ輩しかおらんかったが、そちのような忠義の士に会えてよかった。某は黒武者……人を斬る、黒き鬼。かつての名は既に捨てた身だ。名乗れ、槍使い」
「生憎、お前のような下衆に名乗る名はない」
「左様か。さて、無粋な立ち話はここまでにして、来るがよい」
黒武者はこきりと首を鳴らすと、その場に棒立ちになった。
「そちの高潔さ、実に風雅、天晴れなり。ただ一太刀で落命しては、主に申し分けが立たぬだろうて。一打目はお譲りいたそう」
ラコールの額に一筋の汗が垂れた。
黒武者は今なお、武器に手も掛けず、無防備に立っている。
油断ではない。
ゴブリンを恐れるドラゴンはいない。
それに近しい程の絶望的な力量差があることを、ラコールは黒武者の佇まいから実感させられていた。
(この一太刀で、有効打を与えるしかない……か)
ラコールは黒武者が腰に差す刀を睨み、思案する。
敵から譲られたこの初手を活かさない手はない。
自身が斬り掛かれば、黒武者は戦闘態勢に入り、刀を抜いてラコールの槍を防ぎに出るだろう。
それを踏まえた上で、どうすれば少しでも黒武者にダメージを与えられるのか。
「雷魔法〈雷纏装(らいてんそう)〉!」
ラコールは大槍を天井へと掲げる。
魔法陣が展開され、大槍は雷の光を纏った。
「ほう、雷を槍へと纏うたか」
黒武者が楽しげに口にする。
ラコールは地面を蹴り、黒武者へと正面から接近する。
黒武者の目前まで来ると、床を蹴って瓦礫を飛ばした。
「むっ……」
黒武者の目が、瓦礫へと向いた。
その刹那、ラコールは斜め前方へと跳び、壁を蹴って黒武者へと死角より飛び掛かった。
自身の最強の技を正面から愚直にぶつけると見せかけて、飛び道具を用いて気を逸らし、死角へと回り込んで飛び掛かる。
これがラコールの策であった。
ラコールの目は黒武者の刀へと向いていた。
刀の防御さえすり抜けるが、強引に押し込めば、黒武者に一撃を与えることができる。
死角を取ったのが幸いしたのか、黒武者の反応は大きく遅れていた。
刀の防御は間に合わなかった。
雷を纏ったラコールの大槍は、黒武者の左肩を捉えていた。
「よし、当たった……!」
「そのような真似をせずとも、一打目はお譲りいたすと申したはずだが」
黒武者の左肩に当たったラコールの大槍の穂先に、亀裂が走っていた。
黒武者の甲冑には傷ひとつない。
彼は仰け反ることさえせず、その場に仁王立ちしていた。
「馬鹿な……〈雷纏装(らいてんそう)〉の一撃を受けて、こうも平然と……」
「魔鎧〈闇竜〉……。あらゆる衝撃を殺し、マナを通さず、熱を遮断する。万物を受け止める無敵の甲冑。某の故国、ヒイズルの宝具である。いや、しかし、悪くない一撃であった」
黒武者は籠手を握ると、ラコールの大槍を殴り付けた。
亀裂の走っていた穂先が砕け散り、柄がへし折れた。
その延長にいたラコールも、籠手の拳に殴り飛ばされ、床を転がることになった。
「がはっ、ごほっ!」
壁を背に打ちつけたラコールが、血の混じった咳を吐き出して失神し、ぐったりとその場に倒れた。
「む……刀を抜きそびれていたか。まぁ、よい、これも運命か」
止めを刺そうかと刀へ手を伸ばした黒武者だったが、途中で止めて前へと歩み始めた。
「では先へ進ませてもらうぞ、槍使いよ」
黒武者は失神したラコールの横を通り、ゼータの囚われているであろう先へと向かう。
黒武者はすぐに行き止まりへと行き着いた。
大きな魔法陣の描かれた床の上に、鎖で雁字搦めにされた少女がいる。
少女は布で目隠しをされていた。
黒武者は魔法陣へと目を向ける。
囚人のマナを乱し、消耗させる類のものであった。
強大なマナを持つ者を安全に拘束するための仕掛けである。
「そちが某の同胞、〈不滅の土塊ゼータ〉か。中身を見るのは初めてであるが、かような少女であるとは」
黒武者が刀を抜き、素早く振るった。
全身を拘束していた鎖が綺麗に砕け、続いて目隠しが床へと落ちた。
「貴様……黒武者か」
ゼータは床に膝をついたまま、黒武者を見上げる。
「左様。ヨハン殿は計画を早めるおつもりだ。〈真理の番人〉の力を誇示するため、今すぐこの場に大きな破壊を齎すことを望まれている。ゼータ殿による侯爵邸への攻撃を開戦の狼煙とする予定である。拘禁されていたため消耗していることかとは思うが、頼めるか?」
「無論だ。それが主の……ヨハン様のご意志であるのならば」
ゼータは口許に笑みを浮かべると、ゆらりと立ち上がった。
0
お気に入りに追加
1,064
あなたにおすすめの小説
[完結]回復魔法しか使えない私が勇者パーティを追放されたが他の魔法を覚えたら最強魔法使いになりました
mikadozero
ファンタジー
3月19日 HOTランキング4位ありがとうございます。三月二十日HOTランキング2位ありがとうございます。
ーーーーーーーーーーーーー
エマは突然勇者パーティから「お前はパーティを抜けろ」と言われて追放されたエマは生きる希望を失う。
そんなところにある老人が助け舟を出す。
そのチャンスをエマは自分のものに変えようと努力をする。
努力をすると、結果がついてくるそう思い毎日を過ごしていた。
エマは一人前の冒険者になろうとしていたのだった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
異世界で至った男は帰還したがファンタジーに巻き込まれていく
竹桜
ファンタジー
神社のお参り帰りに異世界召喚に巻き込まれた主人公。
巻き込まれただけなのに、狂った姿を見たい為に何も無い真っ白な空間で閉じ込められる。
千年間も。
それなのに主人公は鍛錬をする。
1つのことだけを。
やがて、真っ白な空間から異世界に戻るが、その時に至っていたのだ。
これは異世界で至った男が帰還した現実世界でファンタジーに巻き込まれていく物語だ。
そして、主人公は至った力を存分に振るう。
お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。
勇者としての役割、与えられた力。
クラスメイトに協力的なお姫様。
しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。
突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。
そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。
なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ!
──王城ごと。
王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された!
そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。
何故元の世界に帰ってきてしまったのか?
そして何故か使えない魔法。
どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。
それを他所に内心あわてている生徒が一人。
それこそが磯貝章だった。
「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」
目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。
幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。
もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。
そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。
当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。
日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。
「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」
──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。
序章まで一挙公開。
翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。
序章 異世界転移【9/2〜】
一章 異世界クラセリア【9/3〜】
二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】
三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】
四章 新生活は異世界で【9/10〜】
五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】
六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】
七章 探索! 並行世界【9/19〜】
95部で第一部完とさせて貰ってます。
※9/24日まで毎日投稿されます。
※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。
おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。
勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。
ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる