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第二十五話
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〈不滅の土塊ゼータ〉を討伐し、タルナート侯爵家の令嬢ティアナ様を救出してから二日が経過していた。
僕はベインブルクの中央広場にて、先輩冒険者であるロゼッタさんと話をしていた。
「何をそう暗い顔をしているのよ、マルク。内容が内容だけに表沙汰にはされていないけれど、大手柄だったのでしょう?」
「ティアナ様……ずっと寂しそうな顔をしていました」
僕はベンチに座りながら、ロゼッタさんへとそう口にした。
「仕方ないでしょう。タルナート侯爵家の問題に、いち冒険者ができることなんて何もないわよ。それとも侯爵家に帰さずに、怪しげな団体に誘拐させておくのがよかったとでも言ってるの?」
「えっと、僕が連れて逃げるとか……!」
ロゼッタさんが、がくっと肩を落とした。
「あなたね……侯爵令嬢を救出した英雄から、一転して誘拐犯よ。捕まったら首が刎ねられるわ」
「ですよね……」
僕は苦笑いを返す。
『フン、あんな失礼な小娘など、知ったことではない。それに……マルクよ、人には人の、生まれながらにしての使命が付き纏うものなのだ。本人が望むにしろ、望まぬにしろ、な』
ネロはそう言うと、ベンチの上に乗せてある〈もちもち饅頭〉の袋へと顔を突き入れる。
既にギルドからたんまりと侯爵令嬢奪還の報酬金を受け取っているため、好きなだけ〈もちもち饅頭〉を購入することができたのだ。
「あなた、真面目な話をしているときくらい、我慢できないの……? そんな姿でも、名のある精霊なのでしょう?」
『女め、この我を堪え性のない赤子のように扱いおって! よいか、我は、世界の意思たる精霊王より領域を賜った大精霊ネロデ……ネロ、ネ、ネ……』
どうやら饅頭のもちもちが牙にくっ付いてしまったらしく、上手く口が開かなくなっている。
ネロは尾を垂れさせて、助けを求めるように僕を見る。
『もっ、もが、ふがふがっ! マルクッ、助け……ふがっ!』
「ほ、ほら、取ってあげるから、できるだけ口を開けてみて、ネロ」
「……いったいどこに、こんなに小ちゃい、饅頭に殺されかける大精霊がいるっていうのよ」
ロゼッタさんは溜め息を吐くと、ネロの頭を撫で回した。
ネロは首を竦めて、気持ちよさのままについ伸びをしてしまうのを堪えていた。
『もが、もが、もが……ああ、ようやく取れたわい! 女! この我を、犬っころ扱いするではない!』
ネロがすくっとベンチの上に立ち、ブンブンと激しく尾を振ってロゼッタさんを威嚇する。
「もうその様子が完全に犬なのよ」
ロゼッタさんが呆れたようにそう口にした。
「お手柄だったねぇ、マルク君。緘口令が出てるから表には出てないけど、ギルド内じゃ大盛り上がりさ。近い内に、タルナート家の当主である、タルマン侯爵様と直接面会することになっている……とも聞いたよ。これは側近の私兵にしてもらえるかもしれないねぇ」
横からすっと現れたギルベインさんが、〈もちもち饅頭〉を袋から一つ手に取って、自身の口へと運ぶ。
それから引っ張って生地の伸びを確認して、満足げに頷いていた。
「おお、伸びる、伸びる。たまに食べたくなるんだよね、これ」
『そっ、そなた、それはマルクの〈もちもち饅頭〉であるぞ! 勝手に食らうなど、盗人に同じである!』
「まぁ、まぁ、落ち着いて、ネロ。みんなで食べた方が、きっと美味しいよ」
僕はギルベインさんへと威嚇するネロの頭を撫でて諌める。
「僕はあまり……私兵にはなりたくないですね」
「ええっ? どうしてだい、マルク君! タルマン侯爵様の側近兵になれれば、お金も名誉も思いのままだよ! 君の実力ならば出世を重ねて、ゆくゆくは騎士爵……地方代官、そして準男爵……フフフ。時代の追い風が吹けば、もっと上だって目指せるだろうさ! そうなったら、マルク君の下に仕えさせてもらうのもアリだな……」
「あなたね……ギルベイン、本当に、そういうところがダメなのよ」
ギルベインさんがニヤニヤと笑みを浮かべ、ロゼッタさんから冷たい視線を向けられていた。
「冒険者になったのは、村の外の広い世界を見て回りたかったからなんです。人助けをするのは好きですけど……誰を何のために助けるのかは、自分で考えて決めたいなって……そう思うんです。だから、誰かに雇われるよりは、冒険者として自由に生きてみたいんです」
僕はぽつぽつと、考えながらそう話した。
僕は村で暮らしているときは、村人達からしてみれば『災厄を運ぶ悪い存在』だった。
ティアナ様にしても、一緒にしたらまた彼女に怒られてしまいそうだけれど、侯爵家のために彼女に不幸を強いているのは彼女の父である侯爵家の当主様だ。
〈不滅の土塊ゼータ〉も……僕には理解のできない、何かのために戦っているようだった。
きっと集団のための正義と、個人のための正義は、変わってきてしまうものなんだろうと思う。
僕には難しいことで、答えは全く見えないけれど、だからこそ誰かに委託してしまうのではなく、自分で考えながら生きていきたい。
ネロと契約して大きな力を持ってしまった僕だからこそ、そうしなければならないんじゃないかと、今はそう思っている。
「……マルク君、君、色々考えてるんだなあ」
ギルベインさんが、何故か深傷を負ったように苦しげにそう答えた。
「す、すみません……なんだか僕、生意気なことを言っちゃいましたよね」
「いいんだ、マルク君。君は私なんかに穢されずに、自由に生きてくれ」
「気にしなくていいわよ、マルク。こいつは自分のみみっちさを自覚して、勝手にダメージを受けてるだけだから」
ロゼッタさんが呆れたようにそう口にする。
「でも……タルマン侯爵様の誘いを、断れるといいんだけどね。向こうは抱え込む気満々だと思うよ。タルマン侯爵様は、厳格でおっかない、冷酷な御方だって話さ。そうじゃなければ大貴族の当主なんて務まらないだろうけれど」
ギルベインさんが口許を押さえ、言い難そうに口にした。
『ハッ、タルマン侯爵が娘の恩人相手に不躾な態度を働くような愚物であれば、我が館諸共吹っ飛ばしてやるわい。安心しておれ、マルク』
「ネロ、ありがとう! 僕、心強いよ!」
「……あのね、一応言っておくけれど、それやったら契約者であるマルクが大罪人になるわよ?」
ロゼッタさんが深く溜め息を吐いた。
僕はベインブルクの中央広場にて、先輩冒険者であるロゼッタさんと話をしていた。
「何をそう暗い顔をしているのよ、マルク。内容が内容だけに表沙汰にはされていないけれど、大手柄だったのでしょう?」
「ティアナ様……ずっと寂しそうな顔をしていました」
僕はベンチに座りながら、ロゼッタさんへとそう口にした。
「仕方ないでしょう。タルナート侯爵家の問題に、いち冒険者ができることなんて何もないわよ。それとも侯爵家に帰さずに、怪しげな団体に誘拐させておくのがよかったとでも言ってるの?」
「えっと、僕が連れて逃げるとか……!」
ロゼッタさんが、がくっと肩を落とした。
「あなたね……侯爵令嬢を救出した英雄から、一転して誘拐犯よ。捕まったら首が刎ねられるわ」
「ですよね……」
僕は苦笑いを返す。
『フン、あんな失礼な小娘など、知ったことではない。それに……マルクよ、人には人の、生まれながらにしての使命が付き纏うものなのだ。本人が望むにしろ、望まぬにしろ、な』
ネロはそう言うと、ベンチの上に乗せてある〈もちもち饅頭〉の袋へと顔を突き入れる。
既にギルドからたんまりと侯爵令嬢奪還の報酬金を受け取っているため、好きなだけ〈もちもち饅頭〉を購入することができたのだ。
「あなた、真面目な話をしているときくらい、我慢できないの……? そんな姿でも、名のある精霊なのでしょう?」
『女め、この我を堪え性のない赤子のように扱いおって! よいか、我は、世界の意思たる精霊王より領域を賜った大精霊ネロデ……ネロ、ネ、ネ……』
どうやら饅頭のもちもちが牙にくっ付いてしまったらしく、上手く口が開かなくなっている。
ネロは尾を垂れさせて、助けを求めるように僕を見る。
『もっ、もが、ふがふがっ! マルクッ、助け……ふがっ!』
「ほ、ほら、取ってあげるから、できるだけ口を開けてみて、ネロ」
「……いったいどこに、こんなに小ちゃい、饅頭に殺されかける大精霊がいるっていうのよ」
ロゼッタさんは溜め息を吐くと、ネロの頭を撫で回した。
ネロは首を竦めて、気持ちよさのままについ伸びをしてしまうのを堪えていた。
『もが、もが、もが……ああ、ようやく取れたわい! 女! この我を、犬っころ扱いするではない!』
ネロがすくっとベンチの上に立ち、ブンブンと激しく尾を振ってロゼッタさんを威嚇する。
「もうその様子が完全に犬なのよ」
ロゼッタさんが呆れたようにそう口にした。
「お手柄だったねぇ、マルク君。緘口令が出てるから表には出てないけど、ギルド内じゃ大盛り上がりさ。近い内に、タルナート家の当主である、タルマン侯爵様と直接面会することになっている……とも聞いたよ。これは側近の私兵にしてもらえるかもしれないねぇ」
横からすっと現れたギルベインさんが、〈もちもち饅頭〉を袋から一つ手に取って、自身の口へと運ぶ。
それから引っ張って生地の伸びを確認して、満足げに頷いていた。
「おお、伸びる、伸びる。たまに食べたくなるんだよね、これ」
『そっ、そなた、それはマルクの〈もちもち饅頭〉であるぞ! 勝手に食らうなど、盗人に同じである!』
「まぁ、まぁ、落ち着いて、ネロ。みんなで食べた方が、きっと美味しいよ」
僕はギルベインさんへと威嚇するネロの頭を撫でて諌める。
「僕はあまり……私兵にはなりたくないですね」
「ええっ? どうしてだい、マルク君! タルマン侯爵様の側近兵になれれば、お金も名誉も思いのままだよ! 君の実力ならば出世を重ねて、ゆくゆくは騎士爵……地方代官、そして準男爵……フフフ。時代の追い風が吹けば、もっと上だって目指せるだろうさ! そうなったら、マルク君の下に仕えさせてもらうのもアリだな……」
「あなたね……ギルベイン、本当に、そういうところがダメなのよ」
ギルベインさんがニヤニヤと笑みを浮かべ、ロゼッタさんから冷たい視線を向けられていた。
「冒険者になったのは、村の外の広い世界を見て回りたかったからなんです。人助けをするのは好きですけど……誰を何のために助けるのかは、自分で考えて決めたいなって……そう思うんです。だから、誰かに雇われるよりは、冒険者として自由に生きてみたいんです」
僕はぽつぽつと、考えながらそう話した。
僕は村で暮らしているときは、村人達からしてみれば『災厄を運ぶ悪い存在』だった。
ティアナ様にしても、一緒にしたらまた彼女に怒られてしまいそうだけれど、侯爵家のために彼女に不幸を強いているのは彼女の父である侯爵家の当主様だ。
〈不滅の土塊ゼータ〉も……僕には理解のできない、何かのために戦っているようだった。
きっと集団のための正義と、個人のための正義は、変わってきてしまうものなんだろうと思う。
僕には難しいことで、答えは全く見えないけれど、だからこそ誰かに委託してしまうのではなく、自分で考えながら生きていきたい。
ネロと契約して大きな力を持ってしまった僕だからこそ、そうしなければならないんじゃないかと、今はそう思っている。
「……マルク君、君、色々考えてるんだなあ」
ギルベインさんが、何故か深傷を負ったように苦しげにそう答えた。
「す、すみません……なんだか僕、生意気なことを言っちゃいましたよね」
「いいんだ、マルク君。君は私なんかに穢されずに、自由に生きてくれ」
「気にしなくていいわよ、マルク。こいつは自分のみみっちさを自覚して、勝手にダメージを受けてるだけだから」
ロゼッタさんが呆れたようにそう口にする。
「でも……タルマン侯爵様の誘いを、断れるといいんだけどね。向こうは抱え込む気満々だと思うよ。タルマン侯爵様は、厳格でおっかない、冷酷な御方だって話さ。そうじゃなければ大貴族の当主なんて務まらないだろうけれど」
ギルベインさんが口許を押さえ、言い難そうに口にした。
『ハッ、タルマン侯爵が娘の恩人相手に不躾な態度を働くような愚物であれば、我が館諸共吹っ飛ばしてやるわい。安心しておれ、マルク』
「ネロ、ありがとう! 僕、心強いよ!」
「……あのね、一応言っておくけれど、それやったら契約者であるマルクが大罪人になるわよ?」
ロゼッタさんが深く溜め息を吐いた。
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