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18話 偉いナニカとシャリオ
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ぴちょん、ぴちょんと頬を叩く感触に、アレ?俺、泉に落ちなかったっけ?と疑問に思って飛び起きた。
頬を叩いていたのは水滴だったらしい。
ここ、どこだ?
草と石で囲まれた、その石が白く光っていて異様に神秘的な場所だ。
『目は覚めたかの』
ん?
あれ?俺、まさか死んだ?
だって目の前に、めっちゃ美女、おるやん。
『これ、呆けておらんで返事をしないか』
「へ?あ、はい」
っていうか、俺、マッパなんですけど!!
いや、パンツ履いてた!
パンツ履いててよかったよぉおお!
すっげえ美女の前で、フルチンにならずに済んでよかった!
嫉妬深いファガルに感謝する日が来ようとは……。
それでも気持ち内股で正座になると、お粗末なパンツを隠すように手を組んでみた。
これ、なんの罰ゲーム?
『ここは限られた者しか来られぬ特別な場所じゃ。ここを訪れることができるということは其方、我らの血を引く人間の一族の子孫であろう。ほれ』
美女から光が飛んで来たのを、その眩しさに両腕で顔を庇う様にクロスする。
その光は、そのまま左腕に吸い込まれた。
へ?
って、うわっ!
いだっ!
あづっ!
ぐ、う、ぁああっ!
な、何、これ?
めちゃ、いだいん、ですけど、何?
腕、もげる。
動かしづらかった腕でも、無いより有る方がいいに決まっている。
いだ、い。いたい。イタイ、痛い!!
いたい~っ!!
てか、し、死ぬ……。
俺に、何が、起きてるんだ?
「ファ、ガル……」
このままダメになるなら、せめて、ファガルに会いたい。
急に消えたまま何も言わずに別れるとか、ファガルならずっと心配し続けるに決まってる。
腕を抱え込んで痛みに耐え、荒い息をついた。
目からも鼻からも汁がダラダラと落ちてくるけど、痛みに拭うこともできない。
このまま死ぬ分にも、せめてファガルにそれを知らせないと。
遺体のない別れは、残された方に負担が大きいんだよ。
未練は、諦めがつかない思いは、前に進むための足手纏いにしかならない。
ファガルは俺を簡単に諦めたりしない。
俺はファガルの気持ちだけは疑ったりしなくていいくらい、大切にされてる自信がある。
だから、なんとしてでも、一目だけでも、ファガルに会わなければ。
その気持ちだけで、痛みを堪えるためにグッと歯を食いしばった。
それからどのくらい経っただろう。
ふと、焼けるような痛みが引いていたことに気づいた。
「くっそ、いたかった……って、なんだ、これ」
腕を見ると、変なミミズ腫れ模様が背中まで走っている。
『通常、人間が飾りとして身に纏う我らの力の源が其方の体内にあったゆえ、長い時間をかけて其方の一部として根を張ったらしい』
人間が飾りに使う物、ってなんだ?
『ああ、そんなことを望んだ男がおったのを思い出したわ。あれが其方の父であるならば、其方、余程父君に愛されておったとみえる。それは其方の父の命の半分だからな』
え?
父さんの命の半分?
どういうこと?
『あの男、既に死にかけであったのに女の腹にいる子の命を願ったのだ。「己の王たる資格を放棄するから腹の子を生かしてくれ」とな。だからアレはその後5年ほどしか生きられなかったであろうな』
え?
『お前の母も潔かったぞ。高名な治癒の使い手であったのに、それを返上してお前の父の命を願っていた。故に2人の命を吸って生きる面白い存在を生かしてみようと思ったのだ』
俺の存在意義が、くそ重いんだが。
俺に、そんな価値なんて、あるのか?
「あ、あれ?腕が動く」
言葉が重過ぎて、無意識に身体を動かしていたらしい。
あんなに動かし辛かった腕が、普通に動く。
『完全に、其方の身体と同化したようだからの』
「同化?」
『そうだ、同化だ。其方の身体に埋め込んだ力の源が完全に其方のものになったのだ。つまり現存している人間の中で、其方が最も我らと近しい存在になったということだな』
「え、えと、そもそも、貴女はどちら様なのでしょうか」
めちゃくちゃ偉そうな人だということはわかるとも、もちろん。
その人達に1番近い人間ってどういうこと?
「ん?1番近い人間?」
この人、人間じゃないのか?
『我らはこの地を守る精霊だ。我はその王よ。我らに新たな権力者として認められた者よ。両親の命を吸い取り生きる稀有な者よ。其方は何を望む?』
「は、あ?」
親の命を吸って生きてるとか、俺、どんな悪魔だよ。
んで、こいつらにとって、それを聞いた人間がどう思うかなんて、どうでもいいことなんだろうな。
俺は微笑む母さんの顔を思い浮かべて、拳を握り込んだ。
落ち着け、俺。
常識の違うものに異論を唱えたところで、議論にもならない。
『金か?珍しい宝石か?選り取り見取りの美女や美男か?其方は何を望む』
俺の動揺なんかお構いなしに進む話に、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
感傷に浸る時間さえ与えられない。
これ、なんだ?
何を、試されてんの?
なんか、そんな童話とか、あったな。
落とした斧じゃない、金の斧とか出てくるやつ。
まあ落ちたの、俺、なんだけど。
てことは、試されてんのはファガルか?
そうなら頼む、ファガル!
普通の俺を選んでくれ!キラキラした俺じゃなくて、普通の俺!
じゃないと、ここに残された俺ってどうなるんだ?
『くはははっ!愉快だな今回の人間は!流石、世の理を外れて生きているだけはある!他の人間ではない。我らが与えるのは、其方だ。世界を滅ぼすも掌握するも自由だぞ。さあ、何を望む』
そんなの、欲しいモノなんかいっぱいある。
けど自分の力で得たモノじゃなければ、自分で抱えられるだけの変化でなければ、怖いんだよ。
それで何か起きたら、俺が棚ぼたで得た幸福のせいで誰かが不幸になったら、その責任は、どうやって取ればいいんだ?
自分だけ良ければいいなんて、思えないだろ?
少なくとも自分の目の届く範囲で、不当な不幸にあってるヤツをただ見てるなんて、俺にはできない。
足掻こうとして浮上ないヤツが、自業自得なヤツばかりじゃないんだ。
『我らは其方が生きている間、其方の望み通りに動いてやろう。他の人間の魔力を取り上げることだってできるぞ。誰か憎い人間とかおらんのか?』
もー、お前、滅ぼすとか憎いとか、不穏ワードばっかりだな!
転がり落ちてきた力で不幸になる人間作って楽しむタイプのお方なの?!
言ってること、欲張ると身を滅ぼすヤツだからね、はああぁ。
あんなあ、人の幸せって普通でいいんだよ。
そりゃあ普通よりちょっとだけ裕福だと、なおいいけど。
「俺が望むのは、平穏な暮らしだよ」
欲深い人間に、何聞いてんのさ。
欲しいものくれるって言われたら、いろいろ頭に浮かんじゃうだろ。
でもな、溢れるほどの富って、それを管理できる能力が無ければ、ただの争いの種にしかならないんだよ。
俺にそんなもの、備わってるわけがないだろ。
『ほう、平穏な暮らしとな。それは何をもって判断するのだ?』
「え?平穏っていったら平穏だよ。あー、平和、的な?」
『我らの平穏と人間の平穏は随分と違うぞ?我らに判断を委ねると大変なことになるであろうな。何しろ悪戯が大好きな精霊達ばかりだからな』
マジか。平穏の意味すら違うのか。
そりゃあそうか。
前世と今世、それだけでも平穏の意味は随分違う。
『では言い換えようか。其方はどんな世界を望むのだ?』
どんな、世界?
「あー、みんなが食うのに困らない世界、とか?んー、悪いことができない世界?でも、ちょっとした悪戯もできないなんてそれこそ面白くない世界だし、そもそも悪いことの定義がみんな一緒とも限らないか……うーん」
俺って前世は平和な世界にいて、日本で善悪の価値観はある程度共有されていた。
けれど、こっちでは全然違う。
無意味な殺しはダメだとみんな思ってるだろうけど、富裕層と貧乏人では、命の重さすら全く違う。
「わかんないけど、一生懸命やってた人がちゃんと報われる世界、かな」
『なるほど?全く理解はできんが、その都度其方が指示すれば良いのだ』
うん、俺的にはしっくりくると思う言葉でも、精霊達にはわかんないのか。
何かを頼むの、怖えな。
『では、38代目の契約者よ。我らの力を使役する者よ。汝の名を名乗れ』
名?名前を言えばいいのか?
「あー、シャリオです」
『シャリオか。《希望》とはいい名ではないか。我らは其方の望む世界になるよう手助けしよう。そのために我らの力を使うがいい』
「あ、ありがとうございます?」
力の使い方なんてわかんないんだけど、別に使わないからいいや。
『それから、先ほどからシャリオ、其方を探して小虫が上を走り回っておる』
ん?
小虫?
はっ!
そういや、俺、急に消えたんだった。
泉にいきなり沈んだんだから、ファガル達が心配してるに決まってる。
早く帰らないと!
『さっさと帰ってやれ』
精霊様はそう言うと、俺に思いっきり浮力をかけた。
急に呼んだのこの人なのに、なんかめっちゃ理不尽!
「ぐはっ!」
急に水の中に戻ることになった俺の口と鼻には、水が遠慮なく入ってくる。
いや、だからね?
先に教えてくれてたら息、止めたんだけど!
人間は水の中で息できないんだよ?!
「ガバッゴボボボ!」
文句を言った俺の腕を、力強く引っ張る、手。
「シャリオ!!!」
「ファ、ガ、ご、ごほっ」
よかった。
また、ファガルに会えた。
ぐったりと意識を失う中で、ファガルの泣いてる顔がヤケにしっかりと脳に入ってきた、ところまでは覚えている。
頬を叩いていたのは水滴だったらしい。
ここ、どこだ?
草と石で囲まれた、その石が白く光っていて異様に神秘的な場所だ。
『目は覚めたかの』
ん?
あれ?俺、まさか死んだ?
だって目の前に、めっちゃ美女、おるやん。
『これ、呆けておらんで返事をしないか』
「へ?あ、はい」
っていうか、俺、マッパなんですけど!!
いや、パンツ履いてた!
パンツ履いててよかったよぉおお!
すっげえ美女の前で、フルチンにならずに済んでよかった!
嫉妬深いファガルに感謝する日が来ようとは……。
それでも気持ち内股で正座になると、お粗末なパンツを隠すように手を組んでみた。
これ、なんの罰ゲーム?
『ここは限られた者しか来られぬ特別な場所じゃ。ここを訪れることができるということは其方、我らの血を引く人間の一族の子孫であろう。ほれ』
美女から光が飛んで来たのを、その眩しさに両腕で顔を庇う様にクロスする。
その光は、そのまま左腕に吸い込まれた。
へ?
って、うわっ!
いだっ!
あづっ!
ぐ、う、ぁああっ!
な、何、これ?
めちゃ、いだいん、ですけど、何?
腕、もげる。
動かしづらかった腕でも、無いより有る方がいいに決まっている。
いだ、い。いたい。イタイ、痛い!!
いたい~っ!!
てか、し、死ぬ……。
俺に、何が、起きてるんだ?
「ファ、ガル……」
このままダメになるなら、せめて、ファガルに会いたい。
急に消えたまま何も言わずに別れるとか、ファガルならずっと心配し続けるに決まってる。
腕を抱え込んで痛みに耐え、荒い息をついた。
目からも鼻からも汁がダラダラと落ちてくるけど、痛みに拭うこともできない。
このまま死ぬ分にも、せめてファガルにそれを知らせないと。
遺体のない別れは、残された方に負担が大きいんだよ。
未練は、諦めがつかない思いは、前に進むための足手纏いにしかならない。
ファガルは俺を簡単に諦めたりしない。
俺はファガルの気持ちだけは疑ったりしなくていいくらい、大切にされてる自信がある。
だから、なんとしてでも、一目だけでも、ファガルに会わなければ。
その気持ちだけで、痛みを堪えるためにグッと歯を食いしばった。
それからどのくらい経っただろう。
ふと、焼けるような痛みが引いていたことに気づいた。
「くっそ、いたかった……って、なんだ、これ」
腕を見ると、変なミミズ腫れ模様が背中まで走っている。
『通常、人間が飾りとして身に纏う我らの力の源が其方の体内にあったゆえ、長い時間をかけて其方の一部として根を張ったらしい』
人間が飾りに使う物、ってなんだ?
『ああ、そんなことを望んだ男がおったのを思い出したわ。あれが其方の父であるならば、其方、余程父君に愛されておったとみえる。それは其方の父の命の半分だからな』
え?
父さんの命の半分?
どういうこと?
『あの男、既に死にかけであったのに女の腹にいる子の命を願ったのだ。「己の王たる資格を放棄するから腹の子を生かしてくれ」とな。だからアレはその後5年ほどしか生きられなかったであろうな』
え?
『お前の母も潔かったぞ。高名な治癒の使い手であったのに、それを返上してお前の父の命を願っていた。故に2人の命を吸って生きる面白い存在を生かしてみようと思ったのだ』
俺の存在意義が、くそ重いんだが。
俺に、そんな価値なんて、あるのか?
「あ、あれ?腕が動く」
言葉が重過ぎて、無意識に身体を動かしていたらしい。
あんなに動かし辛かった腕が、普通に動く。
『完全に、其方の身体と同化したようだからの』
「同化?」
『そうだ、同化だ。其方の身体に埋め込んだ力の源が完全に其方のものになったのだ。つまり現存している人間の中で、其方が最も我らと近しい存在になったということだな』
「え、えと、そもそも、貴女はどちら様なのでしょうか」
めちゃくちゃ偉そうな人だということはわかるとも、もちろん。
その人達に1番近い人間ってどういうこと?
「ん?1番近い人間?」
この人、人間じゃないのか?
『我らはこの地を守る精霊だ。我はその王よ。我らに新たな権力者として認められた者よ。両親の命を吸い取り生きる稀有な者よ。其方は何を望む?』
「は、あ?」
親の命を吸って生きてるとか、俺、どんな悪魔だよ。
んで、こいつらにとって、それを聞いた人間がどう思うかなんて、どうでもいいことなんだろうな。
俺は微笑む母さんの顔を思い浮かべて、拳を握り込んだ。
落ち着け、俺。
常識の違うものに異論を唱えたところで、議論にもならない。
『金か?珍しい宝石か?選り取り見取りの美女や美男か?其方は何を望む』
俺の動揺なんかお構いなしに進む話に、俺はゴクリと唾を飲み込んだ。
感傷に浸る時間さえ与えられない。
これ、なんだ?
何を、試されてんの?
なんか、そんな童話とか、あったな。
落とした斧じゃない、金の斧とか出てくるやつ。
まあ落ちたの、俺、なんだけど。
てことは、試されてんのはファガルか?
そうなら頼む、ファガル!
普通の俺を選んでくれ!キラキラした俺じゃなくて、普通の俺!
じゃないと、ここに残された俺ってどうなるんだ?
『くはははっ!愉快だな今回の人間は!流石、世の理を外れて生きているだけはある!他の人間ではない。我らが与えるのは、其方だ。世界を滅ぼすも掌握するも自由だぞ。さあ、何を望む』
そんなの、欲しいモノなんかいっぱいある。
けど自分の力で得たモノじゃなければ、自分で抱えられるだけの変化でなければ、怖いんだよ。
それで何か起きたら、俺が棚ぼたで得た幸福のせいで誰かが不幸になったら、その責任は、どうやって取ればいいんだ?
自分だけ良ければいいなんて、思えないだろ?
少なくとも自分の目の届く範囲で、不当な不幸にあってるヤツをただ見てるなんて、俺にはできない。
足掻こうとして浮上ないヤツが、自業自得なヤツばかりじゃないんだ。
『我らは其方が生きている間、其方の望み通りに動いてやろう。他の人間の魔力を取り上げることだってできるぞ。誰か憎い人間とかおらんのか?』
もー、お前、滅ぼすとか憎いとか、不穏ワードばっかりだな!
転がり落ちてきた力で不幸になる人間作って楽しむタイプのお方なの?!
言ってること、欲張ると身を滅ぼすヤツだからね、はああぁ。
あんなあ、人の幸せって普通でいいんだよ。
そりゃあ普通よりちょっとだけ裕福だと、なおいいけど。
「俺が望むのは、平穏な暮らしだよ」
欲深い人間に、何聞いてんのさ。
欲しいものくれるって言われたら、いろいろ頭に浮かんじゃうだろ。
でもな、溢れるほどの富って、それを管理できる能力が無ければ、ただの争いの種にしかならないんだよ。
俺にそんなもの、備わってるわけがないだろ。
『ほう、平穏な暮らしとな。それは何をもって判断するのだ?』
「え?平穏っていったら平穏だよ。あー、平和、的な?」
『我らの平穏と人間の平穏は随分と違うぞ?我らに判断を委ねると大変なことになるであろうな。何しろ悪戯が大好きな精霊達ばかりだからな』
マジか。平穏の意味すら違うのか。
そりゃあそうか。
前世と今世、それだけでも平穏の意味は随分違う。
『では言い換えようか。其方はどんな世界を望むのだ?』
どんな、世界?
「あー、みんなが食うのに困らない世界、とか?んー、悪いことができない世界?でも、ちょっとした悪戯もできないなんてそれこそ面白くない世界だし、そもそも悪いことの定義がみんな一緒とも限らないか……うーん」
俺って前世は平和な世界にいて、日本で善悪の価値観はある程度共有されていた。
けれど、こっちでは全然違う。
無意味な殺しはダメだとみんな思ってるだろうけど、富裕層と貧乏人では、命の重さすら全く違う。
「わかんないけど、一生懸命やってた人がちゃんと報われる世界、かな」
『なるほど?全く理解はできんが、その都度其方が指示すれば良いのだ』
うん、俺的にはしっくりくると思う言葉でも、精霊達にはわかんないのか。
何かを頼むの、怖えな。
『では、38代目の契約者よ。我らの力を使役する者よ。汝の名を名乗れ』
名?名前を言えばいいのか?
「あー、シャリオです」
『シャリオか。《希望》とはいい名ではないか。我らは其方の望む世界になるよう手助けしよう。そのために我らの力を使うがいい』
「あ、ありがとうございます?」
力の使い方なんてわかんないんだけど、別に使わないからいいや。
『それから、先ほどからシャリオ、其方を探して小虫が上を走り回っておる』
ん?
小虫?
はっ!
そういや、俺、急に消えたんだった。
泉にいきなり沈んだんだから、ファガル達が心配してるに決まってる。
早く帰らないと!
『さっさと帰ってやれ』
精霊様はそう言うと、俺に思いっきり浮力をかけた。
急に呼んだのこの人なのに、なんかめっちゃ理不尽!
「ぐはっ!」
急に水の中に戻ることになった俺の口と鼻には、水が遠慮なく入ってくる。
いや、だからね?
先に教えてくれてたら息、止めたんだけど!
人間は水の中で息できないんだよ?!
「ガバッゴボボボ!」
文句を言った俺の腕を、力強く引っ張る、手。
「シャリオ!!!」
「ファ、ガ、ご、ごほっ」
よかった。
また、ファガルに会えた。
ぐったりと意識を失う中で、ファガルの泣いてる顔がヤケにしっかりと脳に入ってきた、ところまでは覚えている。
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