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16話 戸惑うシャリオ
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伊達に年を取ってないってことは、いいことなのか悪いことなのか。
いや、経験値が2人分てだけで年は取ってないんだけどな。
これ、あれだろ。悪徳代官が不正をでっち上げられちゃうっていうやつだろ。
時代劇で見たことあるぅ。
まあつまり、この場合は仕方ないよね。
デヨーテの方が経験豊富っぽいもんな。
……けど、完全なる悪役だな、デヨーテ。
「それでデヨーテ様は何をお望みなのでしょう」
1日エッチなことするくらいなら、我慢する。
「シャリオ!」
この期に及んでもファガルの制止が嬉しいとかさ。
だからこそ俺のことで迷惑なんてかけられないだろ。
それに、なんかなんとかなる気がする。
ほら、悪は滅びるっていうか。勧善懲悪ていうか。
小物臭がするんだよなー、デヨーテさん。
「くはははは。聞き分けのいい子は好きですよ。私と共に王都へ行きましょう。なに、魔力を持たない貴族もおりますからね、何も心配することはありませんよ。私が君を、養子として貴族に引き立ててあげましょう」
貴族なんかになりたくねー!
とは言えず、俺は引き攣り笑いを浮かべた。
要望が予想の上いってたよ。
ちゅーとかお触りとかしつこかったから、1回エッチすれば気が済むと思ってたんだけど。
王都?養子?
養子って、言葉通り子供としてってこと?
それならまあと思わなくもないけど、そんなわけないよねー。
俺、男なんだけどなあ。
てかファガルとこんなことになってて今更の疑問なんだが、男同士て有りなのか?
「では、私も一緒に行きます。今までシャリオを世話していたのは私ですからね。シャリオを貴族として引き立てるのであれば、それは私の方が相応しいでしょう。何しろ私はシャリオをきちんと娶るつもりがあります。ただシャリオを弄びたい貴方とは違います」
いや、婚約って言われた時も思ったんだけど、そもそも結婚できるの?
男同士でも結婚てできるもんなの?
聞きたいけど、2人がヒートアップし過ぎてて聞くタイミングがねえし。
「な!こ、こちらこそきちんと娶るつもりで言っている!シャリオを妻に迎えるつもりでいるに決まってるではないか」
その言葉に、デヨーテと共に来た役人が驚いたようだった。
俺も突然のモテ期に驚いておる。
「先程は養子と言っていたではありませんか。本当は愛人として置くだけのつもりなのでしょう?私のシャリオへの愛とは行ってくるほど違いますね」
うむ、微妙に恥ずかしいが、ちゃんと嬉しいぞ。
「私だって娶るつもりでいるわ!」
「神に誓えるのですね」
「おう!」
「では証人を前に誓っていただきましょう。私の側から2人、そちらから2人出し合って神前の誓いを」
神前の誓いとは貴族特有の魔力を使った神への誓言で、嘘をついて誓いを反故にすると天からいやらしい罰が与えられるのだとか。
売りことばに買い言葉で後がなかったとはいえ、デヨーテ扱い易過ぎるだろ。
それがどれだけの罰かは知らないが、ファガルは俺がデヨーテに引き取られてもそれなりの扱いを受けられるようにしてくれた、ということだと思うんだ。
ファガルがきつく握る手から緊張が伝わってくるからな。
「ふ、ふん。どちらがシャリオの夫として相応しいか、王都で支持を仰ごうではないか」
デヨーテは王都に戻る指示を出し始めた。
んーと、それにしても俺の意思って考慮されないパターンなのか?
んでもって、領に対する不正でっち上げ案はデヨーテの頭の中からすっぽりと無くなったっぽいから、このまま何も言わない方がいいんだろうな。
てかチョロすぎねえか、デヨーテ。
いや、経験値が2人分てだけで年は取ってないんだけどな。
これ、あれだろ。悪徳代官が不正をでっち上げられちゃうっていうやつだろ。
時代劇で見たことあるぅ。
まあつまり、この場合は仕方ないよね。
デヨーテの方が経験豊富っぽいもんな。
……けど、完全なる悪役だな、デヨーテ。
「それでデヨーテ様は何をお望みなのでしょう」
1日エッチなことするくらいなら、我慢する。
「シャリオ!」
この期に及んでもファガルの制止が嬉しいとかさ。
だからこそ俺のことで迷惑なんてかけられないだろ。
それに、なんかなんとかなる気がする。
ほら、悪は滅びるっていうか。勧善懲悪ていうか。
小物臭がするんだよなー、デヨーテさん。
「くはははは。聞き分けのいい子は好きですよ。私と共に王都へ行きましょう。なに、魔力を持たない貴族もおりますからね、何も心配することはありませんよ。私が君を、養子として貴族に引き立ててあげましょう」
貴族なんかになりたくねー!
とは言えず、俺は引き攣り笑いを浮かべた。
要望が予想の上いってたよ。
ちゅーとかお触りとかしつこかったから、1回エッチすれば気が済むと思ってたんだけど。
王都?養子?
養子って、言葉通り子供としてってこと?
それならまあと思わなくもないけど、そんなわけないよねー。
俺、男なんだけどなあ。
てかファガルとこんなことになってて今更の疑問なんだが、男同士て有りなのか?
「では、私も一緒に行きます。今までシャリオを世話していたのは私ですからね。シャリオを貴族として引き立てるのであれば、それは私の方が相応しいでしょう。何しろ私はシャリオをきちんと娶るつもりがあります。ただシャリオを弄びたい貴方とは違います」
いや、婚約って言われた時も思ったんだけど、そもそも結婚できるの?
男同士でも結婚てできるもんなの?
聞きたいけど、2人がヒートアップし過ぎてて聞くタイミングがねえし。
「な!こ、こちらこそきちんと娶るつもりで言っている!シャリオを妻に迎えるつもりでいるに決まってるではないか」
その言葉に、デヨーテと共に来た役人が驚いたようだった。
俺も突然のモテ期に驚いておる。
「先程は養子と言っていたではありませんか。本当は愛人として置くだけのつもりなのでしょう?私のシャリオへの愛とは行ってくるほど違いますね」
うむ、微妙に恥ずかしいが、ちゃんと嬉しいぞ。
「私だって娶るつもりでいるわ!」
「神に誓えるのですね」
「おう!」
「では証人を前に誓っていただきましょう。私の側から2人、そちらから2人出し合って神前の誓いを」
神前の誓いとは貴族特有の魔力を使った神への誓言で、嘘をついて誓いを反故にすると天からいやらしい罰が与えられるのだとか。
売りことばに買い言葉で後がなかったとはいえ、デヨーテ扱い易過ぎるだろ。
それがどれだけの罰かは知らないが、ファガルは俺がデヨーテに引き取られてもそれなりの扱いを受けられるようにしてくれた、ということだと思うんだ。
ファガルがきつく握る手から緊張が伝わってくるからな。
「ふ、ふん。どちらがシャリオの夫として相応しいか、王都で支持を仰ごうではないか」
デヨーテは王都に戻る指示を出し始めた。
んーと、それにしても俺の意思って考慮されないパターンなのか?
んでもって、領に対する不正でっち上げ案はデヨーテの頭の中からすっぽりと無くなったっぽいから、このまま何も言わない方がいいんだろうな。
てかチョロすぎねえか、デヨーテ。
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