16 / 40
16話 15歳の体質変化
しおりを挟む
最近、日中のほとんどをユキ達と過ごしているせいだと思うが、俺の魔力に変化があった。
さすが神獣ってヤツだよな。
なんと作り方は今までと変わらないのに、作る酒の10本に1本の割合で『薬』の文字が入り始めた。
つまり『米薬酒』みたいなのな。
焼酎系は切り傷に効くとか、果実酒系は打身に効くとか違いの系統もわかってきて、簡単に世に出していいかわからん。
まあ、普通の酒は夕食につけるようになって、イフトとちびちびやるのも結構楽しい。
ただ肝心のイフトは、最近はお誘いが引っ張りダコらしくて一緒に食べることが少なくなったんだけどな。
外でどんちゃんしてるの見ると、まあ、若いなって感じだ。
ヤツらは俺のことも誘ってくれるのだが、その中に歓迎していないヤツもいるわけで、俺は基本参加しない。
実は酔っぱらったイフトが夜中に家に来ないよう、外で酒盛りが始まるとイフトの登録魔石を外すことにしている。
1度こっちに来たイフトが向こうに戻らないことで、ネチネチと嫌味を言われたからだ。
さてと、既に賑やかになってるのが聞こえるってことは今日もイフトは来ないってことで、レトルチックでも作ろうかなー。
定期的に隣村に行っては瓶をもらってくるから、料理のレパートリーを増やして売り出し中だ。
最近では1回に100食くらい卸しているから、日用品とかもたくさん買えるようになった。
親からも完全に独り立ちできたし、レトルチックを実家に置いてこれるようにもなったし、俺としては一人前になれた満足感はすごいある。
途中まで作って、鍋ごと収納していた料理を取り出すと火にかける。
この鍋も隣町産で特大サイズだ。
そんなにたくさんの鍋をどうするのかとかなり不思議には思われたが、村にあるだけもらって帰ってきた。
彼らの俺に対する好感度が高すぎて、ちゃんと儲けあるのかと心配になる金額での取引だった。
正直、鍋ごと収納できるのが楽過ぎて、途中まで作って放置してある料理がすごいある。
今日みたいに時間のある時に仕上げをする感じで、時間のない時は収穫した野菜などを切って鍋にぶち込んでおくだけとか、少しだけ火を通して調味料を入れるだけとかだ。
毎日何かしら収穫できるからな。
次の工程の野菜や果物が採れるまで、亜空間収納に突っ込んでおけばいいなんてマジで楽だろ。
「あ、やべ。酒を入れるつもりが薬酒だった」
他ごとを考えながら作業をするべきではなかったな。
仕上がりを見て、売りに出せるか考えるか。
まあ、イフトに食べさせるだけなら大丈夫だろう。
完全にイフトが実験動物扱いだが、身体に悪いことはないと思うから許せ。
そうして調理に夢中になっていると、表のドアがガンガンと叩かれた。
「リースぅ、開けてよぉ、リースぅ!」
ちっ、酔っぱらいめ!
俺は慌てて鍋を回収する。
玄関は魔術で補強してあるから、馬鹿力で暴れても壊れることはない。
ただ煩いだけだ。
わかってはいるが、一応ドア越しに様子を見ようと覗き窓を開けた。
因みにコレ特注で、他の家には無いものらしい。
間違えて返事を返しちまうとドアを開けるまでこれが続くわけで、そっと全てを片付けて布団に入ってしまえば俺が寝たと思って諦めるのは経験済みだ。
酔っぱらいの相手なんかできるか!
アイツは覚えてないだろうけどな、酔っぱらった時のイフトはキス魔になるんだぞ。
そりゃあもう、俺が可哀想になるくらいずーっとだ。
馬鹿力と体重に押し潰されて死ぬかと思うし、マジで迷惑だ。
きっと他にも犠牲者はいてだな、アレを食らった女子がイフトに好かれてると思うのは仕方ないだろう。
だが、俺に嫌味を言うのはお門違いだぞ、と声を大にして言いたい。
イフトの気を引きたいなら、本人に直接言うべきである。
「おーい、イフト!リースの迷惑になんぞ。こっちに戻ってこい」
ほれ、呼ばれてるぞ。
「だってぇ、リースが、無視する、から」
鼻をすすりながら泣く声が聞こえる。
ったく、いつまでも、俺も、ああっ、ほんっとイフトには甘い!
ガチャリとドアを開けると、イフトが振り返った。
「お前、煩いぞ」
迷惑顔を隠さずにしっかりと怒ってるのを表しているのに、嬉しそうなのはなんでだ。
「リースぅぅっ!!」
「うわっ、バカ!やめろって!!」
まだ人が見てるだろうがっ。
「あ、リース悪い!ソイツ泣くとうぜえから引き取ってやって!」
「俺たち片付けてイフトん家で勝手に寝るんで」
ああ、今日は女子いねえのか。
じゃなくって!!
「いや!俺も困っ!」
「リース、行こ♡みんな行っていいって♡」
「いやっ、あ?」
ガチャンとドアが閉まると、簡単に持ち上げられた俺はドサリとベットに落とされていた。
「ん、むっ、やめっ」
いや、だから、お前酒癖悪すぎだから!
ああ、マジ、なんで俺こうなるってわかってて仏心なんか出したかな……。
さすが神獣ってヤツだよな。
なんと作り方は今までと変わらないのに、作る酒の10本に1本の割合で『薬』の文字が入り始めた。
つまり『米薬酒』みたいなのな。
焼酎系は切り傷に効くとか、果実酒系は打身に効くとか違いの系統もわかってきて、簡単に世に出していいかわからん。
まあ、普通の酒は夕食につけるようになって、イフトとちびちびやるのも結構楽しい。
ただ肝心のイフトは、最近はお誘いが引っ張りダコらしくて一緒に食べることが少なくなったんだけどな。
外でどんちゃんしてるの見ると、まあ、若いなって感じだ。
ヤツらは俺のことも誘ってくれるのだが、その中に歓迎していないヤツもいるわけで、俺は基本参加しない。
実は酔っぱらったイフトが夜中に家に来ないよう、外で酒盛りが始まるとイフトの登録魔石を外すことにしている。
1度こっちに来たイフトが向こうに戻らないことで、ネチネチと嫌味を言われたからだ。
さてと、既に賑やかになってるのが聞こえるってことは今日もイフトは来ないってことで、レトルチックでも作ろうかなー。
定期的に隣村に行っては瓶をもらってくるから、料理のレパートリーを増やして売り出し中だ。
最近では1回に100食くらい卸しているから、日用品とかもたくさん買えるようになった。
親からも完全に独り立ちできたし、レトルチックを実家に置いてこれるようにもなったし、俺としては一人前になれた満足感はすごいある。
途中まで作って、鍋ごと収納していた料理を取り出すと火にかける。
この鍋も隣町産で特大サイズだ。
そんなにたくさんの鍋をどうするのかとかなり不思議には思われたが、村にあるだけもらって帰ってきた。
彼らの俺に対する好感度が高すぎて、ちゃんと儲けあるのかと心配になる金額での取引だった。
正直、鍋ごと収納できるのが楽過ぎて、途中まで作って放置してある料理がすごいある。
今日みたいに時間のある時に仕上げをする感じで、時間のない時は収穫した野菜などを切って鍋にぶち込んでおくだけとか、少しだけ火を通して調味料を入れるだけとかだ。
毎日何かしら収穫できるからな。
次の工程の野菜や果物が採れるまで、亜空間収納に突っ込んでおけばいいなんてマジで楽だろ。
「あ、やべ。酒を入れるつもりが薬酒だった」
他ごとを考えながら作業をするべきではなかったな。
仕上がりを見て、売りに出せるか考えるか。
まあ、イフトに食べさせるだけなら大丈夫だろう。
完全にイフトが実験動物扱いだが、身体に悪いことはないと思うから許せ。
そうして調理に夢中になっていると、表のドアがガンガンと叩かれた。
「リースぅ、開けてよぉ、リースぅ!」
ちっ、酔っぱらいめ!
俺は慌てて鍋を回収する。
玄関は魔術で補強してあるから、馬鹿力で暴れても壊れることはない。
ただ煩いだけだ。
わかってはいるが、一応ドア越しに様子を見ようと覗き窓を開けた。
因みにコレ特注で、他の家には無いものらしい。
間違えて返事を返しちまうとドアを開けるまでこれが続くわけで、そっと全てを片付けて布団に入ってしまえば俺が寝たと思って諦めるのは経験済みだ。
酔っぱらいの相手なんかできるか!
アイツは覚えてないだろうけどな、酔っぱらった時のイフトはキス魔になるんだぞ。
そりゃあもう、俺が可哀想になるくらいずーっとだ。
馬鹿力と体重に押し潰されて死ぬかと思うし、マジで迷惑だ。
きっと他にも犠牲者はいてだな、アレを食らった女子がイフトに好かれてると思うのは仕方ないだろう。
だが、俺に嫌味を言うのはお門違いだぞ、と声を大にして言いたい。
イフトの気を引きたいなら、本人に直接言うべきである。
「おーい、イフト!リースの迷惑になんぞ。こっちに戻ってこい」
ほれ、呼ばれてるぞ。
「だってぇ、リースが、無視する、から」
鼻をすすりながら泣く声が聞こえる。
ったく、いつまでも、俺も、ああっ、ほんっとイフトには甘い!
ガチャリとドアを開けると、イフトが振り返った。
「お前、煩いぞ」
迷惑顔を隠さずにしっかりと怒ってるのを表しているのに、嬉しそうなのはなんでだ。
「リースぅぅっ!!」
「うわっ、バカ!やめろって!!」
まだ人が見てるだろうがっ。
「あ、リース悪い!ソイツ泣くとうぜえから引き取ってやって!」
「俺たち片付けてイフトん家で勝手に寝るんで」
ああ、今日は女子いねえのか。
じゃなくって!!
「いや!俺も困っ!」
「リース、行こ♡みんな行っていいって♡」
「いやっ、あ?」
ガチャンとドアが閉まると、簡単に持ち上げられた俺はドサリとベットに落とされていた。
「ん、むっ、やめっ」
いや、だから、お前酒癖悪すぎだから!
ああ、マジ、なんで俺こうなるってわかってて仏心なんか出したかな……。
16
お気に入りに追加
969
あなたにおすすめの小説
転生した俺が触手に襲われるなんてありえない
西楓
BL
異世界に転生した俺は前世の知識を活かし充実した人生を送っていた。ある時呼ばれた茶会で見目麗しい男性達と出会う。どこかで見かけたような…前世でプレイしたゲームの攻略対象?
※後半触手によるRシーンありますのでご注意ください。
【完結】守銭奴ポーション販売員ですが、イケメン騎士団長に溺愛されてます!?
古井重箱
BL
【あらすじ】 異世界に転生して、俺は守銭奴になった。病気の妹を助けるために、カネが必要だからだ。商都ゲルトシュタットで俺はポーション会社の販売員になった。そして黄金騎士団に営業をかけたところ、イケメン騎士団長に気に入られてしまい━━!? 「俺はノンケですから!」「みんな最初はそう言うらしいよ。大丈夫。怖くない、怖くない」「あんたのその、無駄にポジティブなところが苦手だーっ!」 今日もまた、全力疾走で逃げる俺と、それでも懲りない騎士団長の追いかけっこが繰り広げられる。
【補足】 イケメン×フツメン。スパダリ攻×毒舌受。同性間の婚姻は認められているけれども、男性妊娠はない世界です。アルファポリスとムーンライトノベルズに掲載しています。性描写がある回には*印をつけております。
【完結】真実の愛の物語~転生先の女神の願いはおれと弟の子作りでした?~
べあふら
BL
「二人でじっくりと子作りしようね?」
ある日おれは、突然に、弟テオドールからそう告げられた。ダメだ。俺は弟テオドールのお願いに弱いんだ。
テオドールと血の繋がりは無い。だけど、おれはそれ以上の絆で繋がっていると思っていたのに!違う意味で繋がるなんて、そんなの全く想定外なんだよ!!
この世界は、乙女ゲーム「育め!Love and Plant~愛と豊穣の女神に愛されし乙女~」の世界じゃなかったのか?!攻略対象者同士でBLしてるし、ゲームの主人公“恵みの乙女”は腐女子だし!
もっとも、その世界そのままならおれシリル・フォレスターは死んでるけどね!?今世こそやりたいことをやるって決めたのに!!おれは一体どうしたらいいんだ!?!?!
これは、おれと弟の、おれと弟による、おれと弟のための真実の愛の物語。………たぶん。
溺愛執着義弟(本来攻略対象者)×死亡フラグ回避済みの流され不憫な兄(転生者)の固定CP。
※義弟ですが主人公のこだわりで弟と表記されています。
※ときに虐待や残虐描写が入ります。
平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜
ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。
王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています!
※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。
※現在連載中止中で、途中までしかないです。
【完結/R18】俺が不幸なのは陛下の溺愛が過ぎるせいです?
柚鷹けせら
BL
気付いた時には皆から嫌われて独りぼっちになっていた。
弟に突き飛ばされて死んだ、――と思った次の瞬間、俺は何故か陛下と呼ばれる男に抱き締められていた。
「ようやく戻って来たな」と満足そうな陛下。
いや、でも待って欲しい。……俺は誰だ??
受けを溺愛するストーカー気質な攻めと、記憶が繋がっていない受けの、えっちが世界を救う短編です(全四回)。
※特に内容は無いので頭を空っぽにして読んで頂ければ幸いです。
※連載中作品のえちぃシーンを書く練習でした。その供養です。完結済み。
転移先で辺境伯の跡継ぎとなる予定の第四王子様に愛される
Hazuki
BL
五歳で父親が無くなり、七歳の時新しい父親が出来た。
中1の雨の日熱を出した。
義父は大工なので雨の日はほぼ休み、パートに行く母の代わりに俺の看病をしてくれた。
それだけなら良かったのだが、義父は俺を犯した、何日も。
晴れた日にやっと解放された俺は散歩に出掛けた。
連日の性交で身体は疲れていたようで道を渡っているときにふらつき、車に轢かれて、、、。
目覚めたら豪華な部屋!?
異世界転移して森に倒れていた俺を助けてくれた次期辺境伯の第四王子に愛される、そんな話、にする予定。
⚠️最初から義父に犯されます。
嫌な方はお戻りくださいませ。
久しぶりに書きました。
続きはぼちぼち書いていきます。
不定期更新で、すみません。
朝起きたらベットで男に抱きしめられて裸で寝てたけど全く記憶がない俺の話。
蒼乃 奏
BL
朝、目が覚めたら誰かに抱きしめられてた。
優しく後ろから抱きしめられる感触も
二日酔いの頭の痛さも
だるい身体も節々の痛みも
状況が全く把握出来なくて俺は掠れた声をあげる。
「………賢太?」
嗅ぎ慣れた幼なじみの匂いにその男が誰かわかってしまった。
「………ん?目が冷めちゃったか…?まだ5時じゃん。もう少し寝とけ」
気遣うようにかけられた言葉は甘くて優しかった。
「…もうちょっと寝ないと回復しないだろ?ごめんな、無理させた。やっぱりスウェット持ってくる?冷やすとまた腹壊すからな…湊」
優しくまた抱きしめられて、首元に顔を埋めて唇を寄せられて身体が反応してしまう。
夢かと思ったけどこれが現実らしい。
一体どうやってこんな風になった?
……もしかして俺達…昨日セックスした?
嘘だ…!嘘だろ……?
全く記憶にないんですけど!?
短編なので数回で終わります。
召喚されない神子と不機嫌な騎士
拓海のり
BL
気が付いたら異世界で、エルヴェという少年の身体に入っていたオレ。
神殿の神官見習いの身分はなかなかにハードだし、オレ付きの筈の護衛は素っ気ないけれど、チート能力で乗り切れるのか? ご都合主義、よくある話、軽めのゆるゆる設定です。なんちゃってファンタジー。他サイト様にも投稿しています。
男性だけの世界です。男性妊娠の表現があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる