瞼が閉じる前に

 帳倶楽部。それは、夜を求める者達が集う世界。

 夜を愛する者、陽光を避ける者、隠居生活に選ぶ者、インドアの空気を愛する者……。

 夜はどんな者も受け入れ、そして離れ難い欲求を、住む者に植え付ける。

 まるで巨大な生き物の胃袋の中にいるかのように、その温もりに安心し、そして、……気が付けば何かを失っているのだ。


ーーーー

 『帳倶楽部』 巨大な夜に包まれた国に住む、ある人々の小さな物語。


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