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2話 はじまり

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全く頭の整理のつかなまま、有無を言わさずホテルに連れ込まれて、ソファーの上にお座り状態。


「あのっ!ここどこですか?こんなところに連れてきて…警察呼びますよ!」


『ふっ笑、好きにすれば』


「なんで…そんな…余裕で…」


高級そうなソファー。2人掛けソファーなのに縮こまって座っている私に冷静な言葉を投げかける。


『逃げてもいいけど、300万は置いてけよ?』


「そんなの持ってるわけないじゃないですか!」


『じゃ、大人しくしてろ。』


嘲笑うような表情をしてるのに、かっこいいと思ってしまう整った顔立ちに、胸がキュッと引き締まる。


だから、さっきの男2人組よりいいかなとか思ってしまう。けど、そんな都合のいいように思っていいわけがない。


次に何を言われるか、何をされるか、考え待つ時間は、数秒だろうがとても長く感じる。


『おい、首輪どんなのがいい?』


そう言いながら、赤い首輪を購入したスマホの画面を見せてくる。


「はぁっ?!そんなの要らないから!」


『 お前は俺のペットだ。』


「私あんたのペットになった覚えはない!」


『鳴いても、吠えてもお前は俺のペットだ』


「なんで?絶対む……」


『俺がお前を300万で買ったはずだけど? 』


「…どんな性癖なの?変態っ!信じらんない!」


『タマはよく吠えるな』


「なに?その呼び方!」


『 ペットに飼い主が名前を与えるのは当たり前だろ?』


「私にも一花(いちか)って名前がある!」


『それとも俺よりあいつらに遊ばれる方がいいのか?』


「それは………」


『首輪付けられるより、ペット扱いされるよりもっと酷いことされるかもな』


「脅してるあなたも酷いじゃない。それにこれらだけで済むと思えない!」


『ふっ、何想像してんの?そんなこと考えるお前も十分変態だな。』


「…………そんなことない!けど、初対面の女をペット扱いするなんてロクでもないに決まってる!」


『……借りた金を返さないタマの方がロクでもないだろ』


「タマ…それよりそのお金は私の借りたものじゃないから…」


『あー、なんだっけ?親父さんの金、肩代わりしたんだっけ?』


「そーだけど?何?とにかく警察に通報されたくなかったら家に返してよ!」


『……はぁ、それがご主人様に対する態度か?躾が必要みたいだな』


また嘲笑ってきた。この人は本当何を考えているのだろう。







『抱いてあげよっか?』


「な、な、なにゆってるの!?」


表情から、何を考えてるかか分からない。
遊んでる?そんな事も考えた。でもそんな感じもしない。


「目的があるなら言えば!?」


『身体で返せ』


「え、?」


『知らないおっさん相手にすんのと、俺どっちがいい?。』


『………』


『タマの借金300万、その返し方』


「その呼び方やめてってば…」


『やるの?やらないの?』


「……やらない……」


『そ、じゃあおっさんの相手か…』


「……」


知らない人を相手にするのは…
でも、またがむしゃらに働くあの生活には戻りたくない…


「…やる」


『 ん?』


「やるって言ってんのっ」


『タマ、お願いの仕方は? 』


「………やります。お願いします…」


『そ、じゃあ契約成立だね 』




これが私たちのはじまりだった。

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