167 / 174
第五章 ドルトムットの闇
5-31 マッカス到着
しおりを挟む
マイセンを生け捕ったレヴィンは、彼を縛り上げ荷馬車の荷台に放り込んだ。
死屍累々と横たわる屍はどうしようもないので、放置して暗闇の中、出発する事にした。
三台の馬車がまだ暗い中を速度を少し遅めて疾走している。
既にいっぱいになった荷馬車の荷台でレヴィンは、ウォルターと話していた。
「はやくマッカーシー領に入りたいな」
「そうですな。そうすれば、もう追手も来ないでしょうし」
マイセンは手足を縛られたまま、気絶している。
今荷台には七人の捕虜とレヴィン、ウォルターが乗っている。
いくら大型とは言え、手狭になってしまっており、レヴィンには窮屈に感じられた。
今回潰したのは、マイセンの私設騎士団だろうと思われた。
もし、マイセンが戻らないとなると教会がどう動くかが最大の懸念であった。
しかし、そんなレヴィンの心配は杞憂に終わった。
律儀にも探知魔法などで、ずっと警戒していたのだが、いくら待っても追手は現れなかったのだ。
いや、いくら待ってもというのは語弊があるかも知れない。
別に、来るのを心待ちにしていた訳ではないからだ。
そんな一行の前に現れたのは、追手ではなく、統率のとれた騎士の集団であった。ドルトムット方面ではなく、マッカス方面に忽然と出現した事からも解る通り、その一団はマッカーシー家が派遣した騎士団だったのだ。
「その紋章は、ナミディア卿の一行とお見受け致す。ナミディア卿はおいでか?」
騎士団の前で停車した馬車に向かって声を上げる騎士。
その声に応えてレヴィンは荷馬車を降りて騎士団の前に進み出る。
「いかにも私がレヴィン・フォン・ナミディアです。そちらはマッカーシー卿の騎士団で相違ありませんか?」
「その通りです。ナミディア卿。我が主の命によりお迎えに参上仕りました」
「出迎え感謝致します」
そこへ、ウォルターもレヴィンの横へとやってきた。
「おお、ウォルター殿ではないか!」
騎士の一人から声が上がる。
どうやらウォルターと知り合いのようだ。
マッカーシー卿から推薦を受けた執事候補のウォルターである。知り合いがいてもおかしくはない。
しばらく、軽く雑談し、レヴィンは、自分の馬車に乗り込む。
ウォルターには捕虜の監視のために、引き続き荷馬車に乗ってもらう。
騎士団は、レヴィン達を先導する者と後方を警護する者に別れて配置についた。
一行は、旅を再開した。その後も拍子抜けするほど至って平穏な旅となった。
途中でいくつかの村や街を経由して三日ほどかけて無事マッカスの街に到着する。
城門をくぐり、大通りを行く。
相変わらず活気のある都市である。
馬車の窓から行きかう人の波や、露店などを見ながらマッカーシー卿の邸宅へと向かう。
あまりに人が多いので少し時間がかかったが、無事、邸宅前に馬車を乗り付ける。そこには、大勢のマッカーシー家に仕える人々の姿があった。整列して出迎えてくれる家人達。
その中にはベネディクトやクラリスの姿もあった。
馬車から降りたレヴィンは、彼らと久しぶりの再会を喜び合う。
「ベネディクト! 久しぶり!」
「やぁ、短い春休みだけど、もう随分会ってなかったような気がするよ」
「レヴィン様、ご無事なようで何よりですわ!」
「クラリスも久しぶりだね。二人とも実家に帰るのも久しぶりじゃないの?」
「ああそうだね。ずっと王都にいたからね。君もまた大変な事に巻き込まれていたそうだね」
「ああ、まぁ、今回は巻き込まれたと言うか、巻き込まれに行ったと言うか……」
そこへ、馬車から降りてきたフレンダとオレリアがレヴィンの下へとやってきた。
「あ、紹介する。彼女がドルトムットのご令嬢、フレンダだよ」
「ご紹介に預かりました、フレンダと申しますわ。よろしくお願い致しますわ」
「こちらこそ、ようこそマッカスへ。歓迎するよ」
その言葉と共にレヴィン達を案内してくれるベネディクト。
レヴィンは、ウォルターに捕虜達を任せ、邸宅の中へと入る。
既にドルトムットの事件についての手紙を出していたし、先触れも出していたので部屋なども用意されていた。
レヴィン達は、順番にそれぞれの部屋に案内されていく。
レヴィンは、部屋に荷物を置いた後、フレンダの部屋までついていく。
別にやましい理由ではない。まさか襲撃されると言う事はないだろうが、念のためである。
その後、マッカーシー卿の下へと挨拶に出向く。
「クライヴ様、この度はまたしてもお手を煩わしてしまい申し訳ございません」
「いや、構わんよ。告発状に、私の手紙も添えて王都へ送り出してある。しばらく時間がかかるかも知れんが、ドルトムットに監査が入るのは間違いないだろう」
そこへ、レヴィンについてきていたフレンダも挨拶の言葉を述べる。
「この度は、ありがとうございます。」
マッカーシー卿は、挨拶するフレンダを見てレヴィンに話しかける。
「レヴィン殿も隅に置けないな。ドルトムットでこんなレディを捕まえてくるなんてな。わっはっはっは」
フレンダもまんざらでもないのか「まぁ」と口に手を当てて頬を染めている。
レヴィンもフレンダを保護すると覚悟を決めて臨んだ事なので何も言わない。
「まぁ、今夜はゆっくり休んでくれ」
「ありがとうございます」
レヴィンとフレンダはマッカーシー卿にお礼を言って各自の部屋へと戻っていった。
死屍累々と横たわる屍はどうしようもないので、放置して暗闇の中、出発する事にした。
三台の馬車がまだ暗い中を速度を少し遅めて疾走している。
既にいっぱいになった荷馬車の荷台でレヴィンは、ウォルターと話していた。
「はやくマッカーシー領に入りたいな」
「そうですな。そうすれば、もう追手も来ないでしょうし」
マイセンは手足を縛られたまま、気絶している。
今荷台には七人の捕虜とレヴィン、ウォルターが乗っている。
いくら大型とは言え、手狭になってしまっており、レヴィンには窮屈に感じられた。
今回潰したのは、マイセンの私設騎士団だろうと思われた。
もし、マイセンが戻らないとなると教会がどう動くかが最大の懸念であった。
しかし、そんなレヴィンの心配は杞憂に終わった。
律儀にも探知魔法などで、ずっと警戒していたのだが、いくら待っても追手は現れなかったのだ。
いや、いくら待ってもというのは語弊があるかも知れない。
別に、来るのを心待ちにしていた訳ではないからだ。
そんな一行の前に現れたのは、追手ではなく、統率のとれた騎士の集団であった。ドルトムット方面ではなく、マッカス方面に忽然と出現した事からも解る通り、その一団はマッカーシー家が派遣した騎士団だったのだ。
「その紋章は、ナミディア卿の一行とお見受け致す。ナミディア卿はおいでか?」
騎士団の前で停車した馬車に向かって声を上げる騎士。
その声に応えてレヴィンは荷馬車を降りて騎士団の前に進み出る。
「いかにも私がレヴィン・フォン・ナミディアです。そちらはマッカーシー卿の騎士団で相違ありませんか?」
「その通りです。ナミディア卿。我が主の命によりお迎えに参上仕りました」
「出迎え感謝致します」
そこへ、ウォルターもレヴィンの横へとやってきた。
「おお、ウォルター殿ではないか!」
騎士の一人から声が上がる。
どうやらウォルターと知り合いのようだ。
マッカーシー卿から推薦を受けた執事候補のウォルターである。知り合いがいてもおかしくはない。
しばらく、軽く雑談し、レヴィンは、自分の馬車に乗り込む。
ウォルターには捕虜の監視のために、引き続き荷馬車に乗ってもらう。
騎士団は、レヴィン達を先導する者と後方を警護する者に別れて配置についた。
一行は、旅を再開した。その後も拍子抜けするほど至って平穏な旅となった。
途中でいくつかの村や街を経由して三日ほどかけて無事マッカスの街に到着する。
城門をくぐり、大通りを行く。
相変わらず活気のある都市である。
馬車の窓から行きかう人の波や、露店などを見ながらマッカーシー卿の邸宅へと向かう。
あまりに人が多いので少し時間がかかったが、無事、邸宅前に馬車を乗り付ける。そこには、大勢のマッカーシー家に仕える人々の姿があった。整列して出迎えてくれる家人達。
その中にはベネディクトやクラリスの姿もあった。
馬車から降りたレヴィンは、彼らと久しぶりの再会を喜び合う。
「ベネディクト! 久しぶり!」
「やぁ、短い春休みだけど、もう随分会ってなかったような気がするよ」
「レヴィン様、ご無事なようで何よりですわ!」
「クラリスも久しぶりだね。二人とも実家に帰るのも久しぶりじゃないの?」
「ああそうだね。ずっと王都にいたからね。君もまた大変な事に巻き込まれていたそうだね」
「ああ、まぁ、今回は巻き込まれたと言うか、巻き込まれに行ったと言うか……」
そこへ、馬車から降りてきたフレンダとオレリアがレヴィンの下へとやってきた。
「あ、紹介する。彼女がドルトムットのご令嬢、フレンダだよ」
「ご紹介に預かりました、フレンダと申しますわ。よろしくお願い致しますわ」
「こちらこそ、ようこそマッカスへ。歓迎するよ」
その言葉と共にレヴィン達を案内してくれるベネディクト。
レヴィンは、ウォルターに捕虜達を任せ、邸宅の中へと入る。
既にドルトムットの事件についての手紙を出していたし、先触れも出していたので部屋なども用意されていた。
レヴィン達は、順番にそれぞれの部屋に案内されていく。
レヴィンは、部屋に荷物を置いた後、フレンダの部屋までついていく。
別にやましい理由ではない。まさか襲撃されると言う事はないだろうが、念のためである。
その後、マッカーシー卿の下へと挨拶に出向く。
「クライヴ様、この度はまたしてもお手を煩わしてしまい申し訳ございません」
「いや、構わんよ。告発状に、私の手紙も添えて王都へ送り出してある。しばらく時間がかかるかも知れんが、ドルトムットに監査が入るのは間違いないだろう」
そこへ、レヴィンについてきていたフレンダも挨拶の言葉を述べる。
「この度は、ありがとうございます。」
マッカーシー卿は、挨拶するフレンダを見てレヴィンに話しかける。
「レヴィン殿も隅に置けないな。ドルトムットでこんなレディを捕まえてくるなんてな。わっはっはっは」
フレンダもまんざらでもないのか「まぁ」と口に手を当てて頬を染めている。
レヴィンもフレンダを保護すると覚悟を決めて臨んだ事なので何も言わない。
「まぁ、今夜はゆっくり休んでくれ」
「ありがとうございます」
レヴィンとフレンダはマッカーシー卿にお礼を言って各自の部屋へと戻っていった。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されて中世欧州っぽい異世界っぽく色々な冒険者と過ごす日本人の更に異世界の魔王の物語
へたまろ
ファンタジー
キャッチフレーズは二話から本編!
最強魔王による、おしのび冒険者育成旅行日記!
異世界といえば、冒険者。
そう思っていた時期がありました。
魔王に転生して社畜のような生活を送っていた田中は、さらなる異世界に呼び出され……そして、旅立った。
仕事を投げ出して。
そこでは、理想の冒険者が闊歩する町並みが。
キタコレ!
田中の異世界冒険者(育成)日記の幕開け!
そして以下あらすじ
ある世界に、転生してすぐに魔王になってしまった日本人の若者が居ました。
彼は、魔王として部下に慕われつつも、良いように使われ、人間達に良いように使われ、城の運営が上手くいくようにあれこれ苦心し、城下に住まう魔物達を守り、その生活を向上させることに苦心し、自分の国の為に大魔王に歯向かい、大魔王の住む地で国を興し、迫害される人を助けたり、魔族を助けたり、さらには…
とにかく、王のくせに一番働いて、一番苦労をしていたのです。
ところが、ある日強力な魔力を感じ、その魔力にされるがままに他の世界に召喚されたのでした。
異世界転生からの、異世界転移という数奇な運命を辿りながらも、今度こそ異世界チートヒャッハーを楽しもうと思ったのですが、そこで一人の少年に出会い、彼との出会いが元魔王の考えを変えたのです。
うん、冒険者になって、この新人を育ててみるか…
育成ゲーム感覚で、この新人冒険者を適当に育て始めます。
そこから、冒険者育成にはまった魔王様。
そこから始まる魔王の暇潰しかつ異世界満喫物語。
最初に育てた新人だけでは飽き足らず、あちこちの冒険者にちょっかいを出す魔王の、自己満おせっかいストーリーです。
へなちょこ鑑定士くん、脱獄する ~魔物学園で飼育された少年は1日1個スキルを奪い、魔王も悪魔も神をも従えて世界最強へと至る~
めで汰
ファンタジー
魔物の学校の檻の中に囚われた鑑定士アベル。
絶体絶命のピンチに陥ったアベルに芽生えたのは『スキル奪取能力』。
奪い取れるスキルは1日に1つだけ。
さて、クラスの魔物のスキルを一体「どれから」「どの順番で」奪い取っていくか。
アベルに残された期限は30日。
相手は伝説級の上位モンスターたち。
気弱な少年アベルは頭をフル回転させて生き延びるための綱渡りに挑む。
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる