33 / 44
33★
しおりを挟む
「あっ、あっ…あ…」
「ハルヴァ殿…ハルヴァ殿!」
ディオスが腰を動かすたびに、ハルヴァは快感に目をチカチカさせた。ディオスはハルヴァの心地よさそうな様子に興奮すると、彼女の陰核を柔らかく押しつぶすように手を添える。
「んー…」
ハルヴァは中からの刺激と外から与えられる刺激にギューッとディオスを締め付ける。
「あ、ぐぐぐ…ハルヴァ殿」
ディオスは快感に腰を止めて眉を寄せた。
「あ、ごめんなさい…私…そこは触られる気持ちいい…」
「ハルヴァ殿…!た、たくさん触ってやろう!ここか?ここ?」
ディオスが指を動かすと愛液がかき混ぜられてクチャクチャと音が立つ。
「あー!そ、そこ…気持ちいい…ディオス様ぁ…!」
「ハルヴァ殿…ああ…俺も…も、もう1回してもいい?ハルヴァ殿…愛してる」ディオスはグチャグチャと音を立てて腰を振るとハルヴァの中に吐精した。
「私も…ディオス様」
ハルヴァがそう言ってディオスに抱き着いたので彼はヘラヘラ幸せそうに笑うとハルヴァを強く抱き締めた。
キミアナは看護長にジョンの病室の前まで案内をさせると肩に掛けた保冷機能のある鞄のマークを見せた。
「…私は国の医療機関と関わりがあるんですよ、今日なぜここに来たかわかりますか?」
キミアナは看護長をじっ…と見つめた。
彼女の美しく大きな瞳に看護長は思わず目を逸らす。
「良い施設には良い勤め人が必要だ、…よろしくお願いしますね。………ああ、ここで働いているハルヴァ・バルディガルは私の部下の嫁さんなんですよ、今度どんな職場か聞いてみようかな?」
キミアナは爽やかな笑顔を見せて「それでは失礼します、案内…ありがとうございます」とジョンの病室に入って行った。
「きみあな、どうした、きゅうに」
「大佐、長い…長い時間がかかりましたが」キミアナはそう言うと鞄を開けて大量の氷に埋まったケースを取り出した。
「失礼いたします」
中には薄い…皮のような物が水にプカプカと浮いている。
キミアナはジョンの包帯に巻かれた腕を持つと勢い良くそれを外した。
「ぐ…」
「すみません大佐…」
キミアナは泣きながら皮が大きく捲れた部分にケースの中身を貼り付けるとそれはまるで本物の皮膚のようにジョンの肉を覆った。
「これは、」
「大佐…私があの時、不用意に動いたばかりに…う、こ、このようなことに」キミアナは泣きながら地面に座り込むと額をつけた。
「おまえはわるくない」
「おまえはゆうかんだった」
「……う……大佐、これであなた様は元通りの生活を」
「……おまえは…」「どうする?」「さいもんに」「ほんとうのことを」「いってやってくれ」「ほんとうは」
「私は…幸せになど、なってはいけないのです……大佐……あ、あなたの……あなたのことも、サイモンのことも傷つけてしまいました」
いつも凛としたキミアナはそう言って泣き崩れると部屋には沈黙が広がった。
キミアナは入隊当初からかなり優秀で期待されていた兵士だった。だから本人も驕りがあったのだ。
恋人もいて、私生活も順風満帆だった。
だからなぜか思っていたのだ。
「自分は死ぬはずがない」と
キミアナは戦闘中も積極的に前へ出た。
周りが兵士から吹き出る血に怯えるのを横目に(なんて情けない、避ければいいだけだ)そう思いながら。
数回目の戦闘の時、キミアナはやらかしてしまった。
少し身を引くタイミングを間違えた。
血の兵士を剣で突いて素早く避ければ被害はないはずだった。
(血を浴びてしまう)
キミアナがそう死を覚悟した時、アルコール中毒で下等兵まで落ちてきた兵士、キミアナの恋人の父親ジョンがキミアナの前に立った。
キミアナはジョンに突き飛ばされて地面に投げ出された。
直ぐ様顔を上げるとそこには全身を魔女の血に塗れさせ溶け始めている男がキミアナを振り返り安堵の表情を見せていた。
キミアナはジョンを担ぎ上げると川まで走ろうとした。
早く血を洗い流さなければ、と思ったのだ。
しかし、キミアナは女性だ。
いくら優秀だとしても男一人を抱えて走る程の筋力と体力はなかった。
ディオスが側に駆けてきて「キミアナ様!」と目を丸くしている。
「く…ディオス助けてくれ!大佐はまだ死んでない!川まで運びたいんだ!」
キミアナもディオスも自分たちの手が溶けていくのを気にしている場合ではなかった。
みんな、溶けて死ぬ。
しかし何もせずにはいられなかった。
放っておけない…ただそんな気分でディオスはジョンを背負って川まで走った。
所々にいる血の兵士をかわしながらディオスは走った。
(一体なにがあったんだ!)
ディオスとキミアナは衛生兵にジョンを引き渡して自分たちも治療を受けた。
「キミアナ様、一体…どうしたんですか?」
ディオスはヒリヒリと痛む手にフーフーと息を吹きかけると薬湯に突っ込んだ。
「……私のせいだ」
ディオスは恐ろしい顔をしたキミアナにそれ以上は何も聞けなくなった。
それからキミアナはサイモンを裏切り次々男と寝るようになった。そうしてしばらくするとキミアナはみるみる階級を上げ、代わりに彼女のあだ名は「アバズレ」になった。
魔女は人間が揉めるのが大好きだ。
そのスパイスになるアバズレのキミアナは直ぐ様魔女に気に入られた。
ディオスはキミアナが果たしてそんな女性だったのか?と疑問に感じたが、どうすることもできなかった。
キミアナがいなくなってしばらくすると全身を布で覆うルールができた。
「自己満足にすぎなかったのではないか、と何度も自問自答しました……」
キミアナは言葉を詰まらせて床についた手をギュッと握りしめた。
ジョンが負傷し、責任を感じたキミアナはまず、同じ部隊にいた研究予備隊員と寝た。
とても優秀な男だった。
実務部隊を経験したら、研究チームに配属されることが決まっていた。
彼にずっと誘われていたのもあったが、その後医療研究チームに配属されると聞いていたので、うまいこと取り入ればキミアナの望みを上に伝えてくれるのでは?と思ったからだ。
その後はあたり構わず男と寝た。
魔女に気に入られれば…上に上がることができる。
自分の言葉に権力がつく。
ただの小娘の戯言ではなくなる。
キミアナはジョンがこんな状態になっても生きていなければならなくなったのは自分がディオスにジョンを川で血を流すように命令したからだ、とも思っていた。
あのまま、絶命していた方が…
いや、そもそも自分があの時、ミスをしなければ…
押し黙るキミアナに向かいジョンはゆっくりと口を開き、言葉を紡ぐ。
「きみあな」
「おまえは」
「いのちのおんじんだ」
「おれはいま」
「しあわせだ」
「いきていて」
「よかった」
ジョンはそう言うと顔を歪めて自分の腕を眺めた。
「これでちの」
「せんそうが」
「おわる」
「なあ」
「きみあな」
ジョンは例え血の戦争が再開しても、キミアナが持ってきた人工皮膚で布の代わりに全身を覆えば皆、溶けることはなくなる。
ジョンはそう思いを馳せ、もう一度ぎこちなく笑った。
キミアナもそれを顔を歪ませて見ていた。
彼女の涙は窓から入る光が反射してそれはキレイにキラキラと輝いた。
まるで彼女のようだ。
キラキラ光る涙はキミアナ、君の心のようだ。
「ハルヴァ殿…ハルヴァ殿!」
ディオスが腰を動かすたびに、ハルヴァは快感に目をチカチカさせた。ディオスはハルヴァの心地よさそうな様子に興奮すると、彼女の陰核を柔らかく押しつぶすように手を添える。
「んー…」
ハルヴァは中からの刺激と外から与えられる刺激にギューッとディオスを締め付ける。
「あ、ぐぐぐ…ハルヴァ殿」
ディオスは快感に腰を止めて眉を寄せた。
「あ、ごめんなさい…私…そこは触られる気持ちいい…」
「ハルヴァ殿…!た、たくさん触ってやろう!ここか?ここ?」
ディオスが指を動かすと愛液がかき混ぜられてクチャクチャと音が立つ。
「あー!そ、そこ…気持ちいい…ディオス様ぁ…!」
「ハルヴァ殿…ああ…俺も…も、もう1回してもいい?ハルヴァ殿…愛してる」ディオスはグチャグチャと音を立てて腰を振るとハルヴァの中に吐精した。
「私も…ディオス様」
ハルヴァがそう言ってディオスに抱き着いたので彼はヘラヘラ幸せそうに笑うとハルヴァを強く抱き締めた。
キミアナは看護長にジョンの病室の前まで案内をさせると肩に掛けた保冷機能のある鞄のマークを見せた。
「…私は国の医療機関と関わりがあるんですよ、今日なぜここに来たかわかりますか?」
キミアナは看護長をじっ…と見つめた。
彼女の美しく大きな瞳に看護長は思わず目を逸らす。
「良い施設には良い勤め人が必要だ、…よろしくお願いしますね。………ああ、ここで働いているハルヴァ・バルディガルは私の部下の嫁さんなんですよ、今度どんな職場か聞いてみようかな?」
キミアナは爽やかな笑顔を見せて「それでは失礼します、案内…ありがとうございます」とジョンの病室に入って行った。
「きみあな、どうした、きゅうに」
「大佐、長い…長い時間がかかりましたが」キミアナはそう言うと鞄を開けて大量の氷に埋まったケースを取り出した。
「失礼いたします」
中には薄い…皮のような物が水にプカプカと浮いている。
キミアナはジョンの包帯に巻かれた腕を持つと勢い良くそれを外した。
「ぐ…」
「すみません大佐…」
キミアナは泣きながら皮が大きく捲れた部分にケースの中身を貼り付けるとそれはまるで本物の皮膚のようにジョンの肉を覆った。
「これは、」
「大佐…私があの時、不用意に動いたばかりに…う、こ、このようなことに」キミアナは泣きながら地面に座り込むと額をつけた。
「おまえはわるくない」
「おまえはゆうかんだった」
「……う……大佐、これであなた様は元通りの生活を」
「……おまえは…」「どうする?」「さいもんに」「ほんとうのことを」「いってやってくれ」「ほんとうは」
「私は…幸せになど、なってはいけないのです……大佐……あ、あなたの……あなたのことも、サイモンのことも傷つけてしまいました」
いつも凛としたキミアナはそう言って泣き崩れると部屋には沈黙が広がった。
キミアナは入隊当初からかなり優秀で期待されていた兵士だった。だから本人も驕りがあったのだ。
恋人もいて、私生活も順風満帆だった。
だからなぜか思っていたのだ。
「自分は死ぬはずがない」と
キミアナは戦闘中も積極的に前へ出た。
周りが兵士から吹き出る血に怯えるのを横目に(なんて情けない、避ければいいだけだ)そう思いながら。
数回目の戦闘の時、キミアナはやらかしてしまった。
少し身を引くタイミングを間違えた。
血の兵士を剣で突いて素早く避ければ被害はないはずだった。
(血を浴びてしまう)
キミアナがそう死を覚悟した時、アルコール中毒で下等兵まで落ちてきた兵士、キミアナの恋人の父親ジョンがキミアナの前に立った。
キミアナはジョンに突き飛ばされて地面に投げ出された。
直ぐ様顔を上げるとそこには全身を魔女の血に塗れさせ溶け始めている男がキミアナを振り返り安堵の表情を見せていた。
キミアナはジョンを担ぎ上げると川まで走ろうとした。
早く血を洗い流さなければ、と思ったのだ。
しかし、キミアナは女性だ。
いくら優秀だとしても男一人を抱えて走る程の筋力と体力はなかった。
ディオスが側に駆けてきて「キミアナ様!」と目を丸くしている。
「く…ディオス助けてくれ!大佐はまだ死んでない!川まで運びたいんだ!」
キミアナもディオスも自分たちの手が溶けていくのを気にしている場合ではなかった。
みんな、溶けて死ぬ。
しかし何もせずにはいられなかった。
放っておけない…ただそんな気分でディオスはジョンを背負って川まで走った。
所々にいる血の兵士をかわしながらディオスは走った。
(一体なにがあったんだ!)
ディオスとキミアナは衛生兵にジョンを引き渡して自分たちも治療を受けた。
「キミアナ様、一体…どうしたんですか?」
ディオスはヒリヒリと痛む手にフーフーと息を吹きかけると薬湯に突っ込んだ。
「……私のせいだ」
ディオスは恐ろしい顔をしたキミアナにそれ以上は何も聞けなくなった。
それからキミアナはサイモンを裏切り次々男と寝るようになった。そうしてしばらくするとキミアナはみるみる階級を上げ、代わりに彼女のあだ名は「アバズレ」になった。
魔女は人間が揉めるのが大好きだ。
そのスパイスになるアバズレのキミアナは直ぐ様魔女に気に入られた。
ディオスはキミアナが果たしてそんな女性だったのか?と疑問に感じたが、どうすることもできなかった。
キミアナがいなくなってしばらくすると全身を布で覆うルールができた。
「自己満足にすぎなかったのではないか、と何度も自問自答しました……」
キミアナは言葉を詰まらせて床についた手をギュッと握りしめた。
ジョンが負傷し、責任を感じたキミアナはまず、同じ部隊にいた研究予備隊員と寝た。
とても優秀な男だった。
実務部隊を経験したら、研究チームに配属されることが決まっていた。
彼にずっと誘われていたのもあったが、その後医療研究チームに配属されると聞いていたので、うまいこと取り入ればキミアナの望みを上に伝えてくれるのでは?と思ったからだ。
その後はあたり構わず男と寝た。
魔女に気に入られれば…上に上がることができる。
自分の言葉に権力がつく。
ただの小娘の戯言ではなくなる。
キミアナはジョンがこんな状態になっても生きていなければならなくなったのは自分がディオスにジョンを川で血を流すように命令したからだ、とも思っていた。
あのまま、絶命していた方が…
いや、そもそも自分があの時、ミスをしなければ…
押し黙るキミアナに向かいジョンはゆっくりと口を開き、言葉を紡ぐ。
「きみあな」
「おまえは」
「いのちのおんじんだ」
「おれはいま」
「しあわせだ」
「いきていて」
「よかった」
ジョンはそう言うと顔を歪めて自分の腕を眺めた。
「これでちの」
「せんそうが」
「おわる」
「なあ」
「きみあな」
ジョンは例え血の戦争が再開しても、キミアナが持ってきた人工皮膚で布の代わりに全身を覆えば皆、溶けることはなくなる。
ジョンはそう思いを馳せ、もう一度ぎこちなく笑った。
キミアナもそれを顔を歪ませて見ていた。
彼女の涙は窓から入る光が反射してそれはキレイにキラキラと輝いた。
まるで彼女のようだ。
キラキラ光る涙はキミアナ、君の心のようだ。
1,152
お気に入りに追加
2,403
あなたにおすすめの小説
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
【完結】彼の瞳に映るのは
たろ
恋愛
今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。
優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。
そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。
わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。
★ 短編から長編へ変更しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
『親友』との時間を優先する婚約者に別れを告げたら
黒木メイ
恋愛
筆頭聖女の私にはルカという婚約者がいる。教会に入る際、ルカとは聖女の契りを交わした。会えない間、互いの不貞を疑う必要がないようにと。
最初は順調だった。燃えるような恋ではなかったけれど、少しずつ心の距離を縮めていけたように思う。
けれど、ルカは高等部に上がり、変わってしまった。その背景には二人の男女がいた。マルコとジュリア。ルカにとって初めてできた『親友』だ。身分も性別も超えた仲。『親友』が教えてくれる全てのものがルカには新鮮に映った。広がる世界。まるで生まれ変わった気分だった。けれど、同時に終わりがあることも理解していた。だからこそ、ルカは学生の間だけでも『親友』との時間を優先したいとステファニアに願い出た。馬鹿正直に。
そんなルカの願いに対して私はダメだとは言えなかった。ルカの気持ちもわかるような気がしたし、自分が心の狭い人間だとは思いたくなかったから。一ヶ月に一度あった逢瀬は数ヶ月に一度に減り、半年に一度になり、とうとう一年に一度まで減った。ようやく会えたとしてもルカの話題は『親友』のことばかり。さすがに堪えた。ルカにとって自分がどういう存在なのか痛いくらいにわかったから。
極めつけはルカと親友カップルの歪な三角関係についての噂。信じたくはないが、間違っているとも思えなかった。もう、半ば受け入れていた。ルカの心はもう自分にはないと。
それでも婚約解消に至らなかったのは、聖女の契りが継続していたから。
辛うじて繋がっていた絆。その絆は聖女の任期終了まで後数ヶ月というところで切れた。婚約はルカの有責で破棄。もう関わることはないだろう。そう思っていたのに、何故かルカは今更になって執着してくる。いったいどういうつもりなの?
戸惑いつつも情を捨てきれないステファニア。プライドは捨てて追い縋ろうとするルカ。さて、二人の未来はどうなる?
※曖昧設定。
※別サイトにも掲載。
その眼差しは凍てつく刃*冷たい婚約者にウンザリしてます*
音爽(ネソウ)
恋愛
義妹に優しく、婚約者の令嬢には極寒対応。
塩対応より下があるなんて……。
この婚約は間違っている?
*2021年7月完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる