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関八州王

関八州王 北条氏政

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「潔く首を跳ねてくれ」

小田氏治は頭を垂れて、下を向きながら手は後ろ手に縛られていた。

「氏治、小田城は北条直轄になる・・そしてそなたは・・・」

既に氏治は死を覚悟していた。

「俺付きの足柄衆に組み込む、手柄を立てればまた国持ちも夢ではなかろう」

「・・俺を生かせばあんたの寝首を狩るかもしれないぞ・・」

「できる物ならやってみればいい」

「聞かせてほしい・・・どうやったらこれほどの兵を揃えられる?小田兵は弱くはない・・・引くところは引くが決して諦めない・・最後に立っていれば俺達の勝ちだ・・・だがあんたらは違う・・・最後に立つ?笑わせる・・・人外だ・・・人外の強さだ」

「ふふ・・・聞きたい?」

「是非に」

「じゃあ俺の元で活躍してよ、そうすれば俺の秘密に近づけるから、なあ利家」

突然話を振られた利家だが、あわてることもなく

「知ったところでどうにもならん、人間同士殺しあう事は愚かである」

「そ~言いながら関八州を平定か?矛盾というやつだ」



「まあ、本当の敵は誰なのか・・この前田利家と服部半蔵は誰よりも知っている、教えてやれ」

利家と半蔵は尾張と三河の実情を話した


「信長など・・・尾張の小大名・・・いずれ今川に滅ぼされるのでは?」


「今川も今は駿河の半分を失い危機になっている、やがて氏政様の力が必要となろう」

「そんな話が信じられるか・・・この日本ひのもとの危機ではないか・・・」

「そうだよ、だから俺がここに生まれた・・・俺を手伝うか、足を引っ張るか君次第だね」

氏治は考え込む・・・・

「ならば小田の姓を捨てる・・・あれほどの恥をかいたのだ・・それに織田信長が敵ならば小田という名はよくない・・・違うか?」

「そうだな・・・じゃあ日立でいいだろう日立氏治、今日から日立氏治と名乗ればいい」

氏政が紙に日立と書き込む

「日が立つ日立か・・・常陸にも通ずる名前である・・・ありがたく戴く」

現在の日立市に小田城はある、日立の名は水戸光圀が江戸時代につけた名前とされる。つまりこの時代に日立はない。まあもう歴史も何もない世界であるのだから、小田氏治に日立の名を与えるのは悪くないだろう。



*************

府中城の大掾貞国だいじょうさだくにも北条家に服従を示し水戸の江戸家も北条に従った、

残すは、太田城の佐竹義昭のみであった、しかし佐竹義昭は小田城落城の知らせ聞くと自ら小田の地に出向き北条に降伏の意を示した

小田城には北条康種ほうじょうやすたねが入った、父は伊豆の雄、北条綱高で数々の武功をあげている、小田原衆の一人として氏政の数々の戦を転戦し子である康種も評定衆にまで名をあげていた。
太田家から妻を貰っており、岩槻の太田資正の遠縁にあたる。北条姓は父綱高同様に賜姓である。

元は北条早雲に恭順した高橋家からきており北条家の由緒ある一族である。
そして水戸城にご由緒衆である、新鋭の多目元忠が入った、水戸江戸家は府中城代に転進、府中城の大掾貞国は小机衆に編入された。ただ後に横浜水軍を創設する存在となる。



そして降伏した佐竹義昭は氏政と共に氏康の前に連れてこられる。

小田原評定が始まろうとしていた。


「氏政、関八州の平定ご苦労であった」

「はい、父上の力も大きかったです」

小田原には評定衆の他、各要人が集まっていた、関八州すべてを北条の影響下とした事による論功を行う。

「北条氏繁」

「は!」

上野においての上杉謙信からの防備ご苦労であった、上杉家から不可侵の打診も来た、今後婚姻関係を築き越相同盟へと発展するだろう」

「すべて氏政様の働きあってこそ、私などまだまだでございます」

「北条氏秀」

「は!」

「そなたも兄と共に上野の守備ご苦労であった、父綱成に負けず二人は優秀である名」

「まだまだであるぞ!がははは」

「よいよい」

「氏繁そなたは新たなに玉縄衆を率いてこれからも北条の為に尽くせ」

「は!」

「氏秀」

「は!」

「そなたは上野守護代に命ずる、そして上野沼田衆を束ねろ」

「は!」

北条綱成の息子2名は 
玉縄衆総代 総兵数12000
上野沼田衆総代で上野守護代に命ぜられた、といっても既に氏政によりそれは言い含まれていた事ではある
上野沼田衆は総兵数15000を超える大軍になる

こうして論功が言い含まれていく

そして氏康は最後に

「俺も今日北条家3代当主を隠居する、今日より氏政が関八州王北条氏政である、皆の者、氏政を大いに頼む」

「「「「はは!」」」」」」

「北条家4代目当主に指名されました氏政でございます・・かねてより計画していた江戸への本拠地移転を今年から行いたいと思う・・・小田原衆筆頭は父氏康になってもらう、松田殿相模沼田の地を松田殿の支配にする故父をこれからも助けてほしい」

「しかと、承りました、父盛秀と共に小田原を支えたいと思います」


氏繁、氏繁兄弟から始まり最後は氏政への代譲りを行う大評定となった。

そして北条4代目となった北条家の布陣はこうなる


江戸に新しく城を作り

現在の相模沼田衆、大雄衆は江戸衆と合流する

布陣はこうなる

江戸衆   総代北条氏政  30000
小田原衆  総代北条氏康  25000
玉縄衆   総代北条氏繁  12000
足柄衆   総代松田憲秀  6000
三浦衆   総代梶原景宗  3000
津久井衆  総代内藤綱秀  1000
川越衆   総代大道寺周勝 8000
舘林衆   総代大道寺政繁 12000
鉢形衆   総代北条氏邦  9000
八王子衆  総代北条氏照  12000
上野沼田衆 総代北条氏秀  15000
下野衆   総代遠山政景  14000
伊豆衆   総代清水康英  6000
小机衆   総代北条綱重  16000
佐倉衆   総代松田康郷  7000
常陸衆   総代北条康種  12000

与力大名家

下総常盤4郡   結城政勝 15000 下総結城城 下野小山城 常盤下館城 下妻城
武蔵下総3郡  太田資正 5000 武蔵岩槻城 下総関宿城 守谷城
下総上総6郡  千葉胤宗 20000 下総 臼井城 小弓城 中島城 矢作城 上総 椎津城 士気城
安房上総5郡  里見義頼 9000 常盤攻略戦の活躍により岡本城の返還
北常陸3郡   佐竹義昭 15000 太田城 大山城 山尾城の支配を許される 
下野2郡    那須高資 3000 烏山城 黒羽城

与力国衆
常盤笠間家   笠間利長 1000
常盤真壁家   真壁久幹 1500
武蔵 忍城主  成田長泰 1500

氏康の重臣である北条綱成 大道寺盛昌 松田盛秀が一線を退いたが健在で小田原に屋敷を持っている。


かなりの若返りの布陣をもって北条4代目 関八州王北条氏政の時代が始まった



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