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31 シロップもどき
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クロアの遊び場となっている屋敷の敷地内の庭と林。
どちらも本館の裏手に位置するのだが、この林の奥に密集して生えている木がある。見た目は木というより太い蔓。建物三階分に相当する背丈。それが空に向かってウネリながら伸びている。
オレが暮らしていた泉の森にも生えていた。別に珍しい木じゃないのだろう。
ただ森にいた頃より気になっていたのは、この木に群がる虫型のモンスターたちの姿。前世でのカブトムシやクワガタが、木の蜜をチュウチュウ吸うアレにも似た光景が、こちらの世界でも展開されていた。虫のサイズは桁違いだが。
ちょっと興味を覚えたオレは、何をしているのか近寄ってみるも、虫型モンスターたちに邪魔された。
その頃、すでに力を得ていたオレ。舐めた真似をされちゃあ黙っちゃいられない。
ならば戦争だ! といきたいところではあったが、大人なオレは身を引いた。
だってオレを押しのける奴らのタッチが、とても優しかったから。
節くれた無骨な手をしているくせに、器用にオレの体をそっと押し出す。もっと邪険に扱われたら、こちらとしても報復もやむなしだったのに。
「おいたはダメよ。ボウヤ」
沢山ある硬質な瞳に、そう言われているような気がした。
あの木がいまオレの目の前にある。周囲には虫型モンスターの影もなし。
チャンスとばかりに、木を調べてみる。
見た目はつるりとしているが、よくよく近寄って観察してみると、白い初心毛のようなものがびっしりと生えてある。感触は柔らかくチクチクするようなこともない。
軽く叩いてみる。どっしりした手ごたえが返ってきた。
《これだけの大きさを支えているのだから、当然といえば当然か》
表面を少し傷つけると、そこから飴色をした粘度の高い液体がぷっくり溢れてきた。きっと木の蜜なのだろう。毒物劇物なんのそのなスーラボディを誇るオレは、ためらうことなく実食へ。
冬場の水あめのようなネットリした舌触り、しばらく遊ばせていると溶けて仄かに広がる甘味、後に少しだけ酸味が残る……ヨーグルトの上澄みっぽいかな。
味は正直言って微妙かな。せいぜいが、かなり薄めた乳酸菌飲料ってところ。
ぼんやりとそんなことを考えている間にも、ぷくぷく湧いてくる木の蜜。
慌ててアイテム収納内の手持ちの壺に採集、五つ分も採れた。
並んだ五つの壺を前に、しばし思案。
そういえば前世ではメープルシロップってあったな。あれも元は木の蜜だったっけか。塩も砂糖も煮れば出来るわけだし……。
《よし。とりあえず煮詰めてみよう》
林の奥でグツグツ煮立つ鍋を前に、青いスーラが一体。
初めはいい感じで自作の木べらでかき混ぜていたのだが、煮詰まるほどに粘土が増してぺっきり折れた。しかたがないので以前に拾った剣を使ってかき混ぜた。
剣はちゃんと「洗浄」技能で新品同然に綺麗にしてあるから、衛生面もたぶん大丈夫。
気まぐれに魔法で水を足しつつ、かき混ぜ続ける。途中から甘い匂いも漂いはじめた。作業を始めて一時間ほど過ぎる頃。不意に手ごたえが変わった。手元にグッと力を入れなければならなかったのが、スーと滑らかに通るようになった。
火を消して、鍋の中身を確認する。
そこには琥珀色のトロミを帯びた液体が出現していた。
ペロリとひと口味見。うん。いい感じ。
甘味は煮詰めることで濃縮、それでいて酸味はすっかり飛んで跡形もない。味の感想はちょっと難しい。甘いことは甘い。でもハチミツのような風味も癖もない。水飴に近いのだが、もっとスッキリとしている。とにかく甘味が後を引かない。バッサリと跡形もなく消え去る。余韻がまるでない。
《これは……やってしまったかも》
想像してみて欲しい。
いくら食べても後を引かない甘味。味わった端からリセットされる舌の上。
こんなモノを使ったスイーツを出されたりしたら、腹がくちるまで延々と食べ続けられる、食べすぎを助長するかのような鬼畜仕様、まさにダイエットの天敵ともいうべき存在。それがいま、オレの目の前に。
蜜作りを終えたオレは屋敷の裏庭を移動していた。
手というか伸ばした触手の中には、先ほどの蜜を収めた瓶がある。
瓶をくるくる弄びながら、どうしたもんかと思案中。
アイテム収納内に死蔵するのは簡単だが、この世界では甘味料はわりと貴重品。ちょっと問題はあるが、用法用量さえ間違わなければ、きっとみんなの役に立つ。上手くいけば産業として成立するかもしれない。そうなればお世話になっている恩返しにもなるだろう。ざっと成分を分析した限りでは、体に悪そうなモノは含まれてないけれども、どうしたもんかなぁ。
向こうにすっかり見慣れた姿が現れた。
クロアとルーシーさんだ。
オレを見つけたクロアが元気に駆け寄ってくる。
それにしても確実に足が速くなってやがる。たぶん仮面女の指導のせいだ。あいつの変なマナ―講習を受け始めてから、クロアの体力はぐんぐん伸びている。とても四歳児の出すスピードではない。おかげで後ろで付き従っているルーシーさんも走る走る。そのたびに揺れる彼女の胸元が、まったくもってけしからん。
「ムーちゃん。ソレなぁに?」
メイドさんの胸元に見惚れているうちに、手にしていた瓶をクロアに見つけられてしまった。おっさん不覚!
金髪幼女から隠すように右へ左へ触手を動かす。しかしそんな動きが一層彼女の好奇心を刺激して、青い瞳にて懸命に瓶の動きを追いかける。
しばし静かな攻防が続くもクロアは諦めない。瞳が次第に輝きを増す。こうなっては彼女はもう止まらない。
諦めたオレはついに瓶をクロアに差し出した。
瓶をしげしげと眺めるクロア。じきに瓶はルーシーさんの手に渡り中身が確認される。
そこからはちょっとした騒ぎだった。
琥珀色の液体をひと舐めして、はしゃぐ金髪幼女と驚く専従メイド。
甘い汁を手に入れたクロアは瓶を片手に厨房へ突撃。困惑する料理長にコレを使ったオヤツを強請る。瓶の中身を確認した料理長の目がカッと見開かれ、彼は即座に調理に取りかかった。
簡単に作れるパンケーキっぽいモノにて実食。オレも相伴に与かる。
ご機嫌のクロア。ホクホク顔のルーシーさん。難しい顔をして口を動かしている料理長。
「美味しいですー。これならいくらでも食べられそうですー」
ルーシーさんの言葉がすべてを物語っている。
オレは自分の心配が的中したことを確信した。
もしかしたらオレは世界中の女性たちを敵に回してしまう、悪魔の甘味料を産み出してしまったのかもしれない。
満足したクロアは外へ飛び出す。慌ててルーシーさんも追いかける。そして何故だかオレの身柄は彼女のたわわな胸の中。
たぶん反射的にオレを抱き上げたんだろうな、彼女。
結局、琥珀色の液体の入った瓶の回収は適わず。
料理長厳選の調味料が収められた鍵付きの棚の中へ。
《まぁ、たぶん大丈夫でしょう。だって作り方、オレしか知らんし》
おっさんは楽観することにした。
今はただ、この素晴らしい状況を存分に堪能することにしよう。
どちらも本館の裏手に位置するのだが、この林の奥に密集して生えている木がある。見た目は木というより太い蔓。建物三階分に相当する背丈。それが空に向かってウネリながら伸びている。
オレが暮らしていた泉の森にも生えていた。別に珍しい木じゃないのだろう。
ただ森にいた頃より気になっていたのは、この木に群がる虫型のモンスターたちの姿。前世でのカブトムシやクワガタが、木の蜜をチュウチュウ吸うアレにも似た光景が、こちらの世界でも展開されていた。虫のサイズは桁違いだが。
ちょっと興味を覚えたオレは、何をしているのか近寄ってみるも、虫型モンスターたちに邪魔された。
その頃、すでに力を得ていたオレ。舐めた真似をされちゃあ黙っちゃいられない。
ならば戦争だ! といきたいところではあったが、大人なオレは身を引いた。
だってオレを押しのける奴らのタッチが、とても優しかったから。
節くれた無骨な手をしているくせに、器用にオレの体をそっと押し出す。もっと邪険に扱われたら、こちらとしても報復もやむなしだったのに。
「おいたはダメよ。ボウヤ」
沢山ある硬質な瞳に、そう言われているような気がした。
あの木がいまオレの目の前にある。周囲には虫型モンスターの影もなし。
チャンスとばかりに、木を調べてみる。
見た目はつるりとしているが、よくよく近寄って観察してみると、白い初心毛のようなものがびっしりと生えてある。感触は柔らかくチクチクするようなこともない。
軽く叩いてみる。どっしりした手ごたえが返ってきた。
《これだけの大きさを支えているのだから、当然といえば当然か》
表面を少し傷つけると、そこから飴色をした粘度の高い液体がぷっくり溢れてきた。きっと木の蜜なのだろう。毒物劇物なんのそのなスーラボディを誇るオレは、ためらうことなく実食へ。
冬場の水あめのようなネットリした舌触り、しばらく遊ばせていると溶けて仄かに広がる甘味、後に少しだけ酸味が残る……ヨーグルトの上澄みっぽいかな。
味は正直言って微妙かな。せいぜいが、かなり薄めた乳酸菌飲料ってところ。
ぼんやりとそんなことを考えている間にも、ぷくぷく湧いてくる木の蜜。
慌ててアイテム収納内の手持ちの壺に採集、五つ分も採れた。
並んだ五つの壺を前に、しばし思案。
そういえば前世ではメープルシロップってあったな。あれも元は木の蜜だったっけか。塩も砂糖も煮れば出来るわけだし……。
《よし。とりあえず煮詰めてみよう》
林の奥でグツグツ煮立つ鍋を前に、青いスーラが一体。
初めはいい感じで自作の木べらでかき混ぜていたのだが、煮詰まるほどに粘土が増してぺっきり折れた。しかたがないので以前に拾った剣を使ってかき混ぜた。
剣はちゃんと「洗浄」技能で新品同然に綺麗にしてあるから、衛生面もたぶん大丈夫。
気まぐれに魔法で水を足しつつ、かき混ぜ続ける。途中から甘い匂いも漂いはじめた。作業を始めて一時間ほど過ぎる頃。不意に手ごたえが変わった。手元にグッと力を入れなければならなかったのが、スーと滑らかに通るようになった。
火を消して、鍋の中身を確認する。
そこには琥珀色のトロミを帯びた液体が出現していた。
ペロリとひと口味見。うん。いい感じ。
甘味は煮詰めることで濃縮、それでいて酸味はすっかり飛んで跡形もない。味の感想はちょっと難しい。甘いことは甘い。でもハチミツのような風味も癖もない。水飴に近いのだが、もっとスッキリとしている。とにかく甘味が後を引かない。バッサリと跡形もなく消え去る。余韻がまるでない。
《これは……やってしまったかも》
想像してみて欲しい。
いくら食べても後を引かない甘味。味わった端からリセットされる舌の上。
こんなモノを使ったスイーツを出されたりしたら、腹がくちるまで延々と食べ続けられる、食べすぎを助長するかのような鬼畜仕様、まさにダイエットの天敵ともいうべき存在。それがいま、オレの目の前に。
蜜作りを終えたオレは屋敷の裏庭を移動していた。
手というか伸ばした触手の中には、先ほどの蜜を収めた瓶がある。
瓶をくるくる弄びながら、どうしたもんかと思案中。
アイテム収納内に死蔵するのは簡単だが、この世界では甘味料はわりと貴重品。ちょっと問題はあるが、用法用量さえ間違わなければ、きっとみんなの役に立つ。上手くいけば産業として成立するかもしれない。そうなればお世話になっている恩返しにもなるだろう。ざっと成分を分析した限りでは、体に悪そうなモノは含まれてないけれども、どうしたもんかなぁ。
向こうにすっかり見慣れた姿が現れた。
クロアとルーシーさんだ。
オレを見つけたクロアが元気に駆け寄ってくる。
それにしても確実に足が速くなってやがる。たぶん仮面女の指導のせいだ。あいつの変なマナ―講習を受け始めてから、クロアの体力はぐんぐん伸びている。とても四歳児の出すスピードではない。おかげで後ろで付き従っているルーシーさんも走る走る。そのたびに揺れる彼女の胸元が、まったくもってけしからん。
「ムーちゃん。ソレなぁに?」
メイドさんの胸元に見惚れているうちに、手にしていた瓶をクロアに見つけられてしまった。おっさん不覚!
金髪幼女から隠すように右へ左へ触手を動かす。しかしそんな動きが一層彼女の好奇心を刺激して、青い瞳にて懸命に瓶の動きを追いかける。
しばし静かな攻防が続くもクロアは諦めない。瞳が次第に輝きを増す。こうなっては彼女はもう止まらない。
諦めたオレはついに瓶をクロアに差し出した。
瓶をしげしげと眺めるクロア。じきに瓶はルーシーさんの手に渡り中身が確認される。
そこからはちょっとした騒ぎだった。
琥珀色の液体をひと舐めして、はしゃぐ金髪幼女と驚く専従メイド。
甘い汁を手に入れたクロアは瓶を片手に厨房へ突撃。困惑する料理長にコレを使ったオヤツを強請る。瓶の中身を確認した料理長の目がカッと見開かれ、彼は即座に調理に取りかかった。
簡単に作れるパンケーキっぽいモノにて実食。オレも相伴に与かる。
ご機嫌のクロア。ホクホク顔のルーシーさん。難しい顔をして口を動かしている料理長。
「美味しいですー。これならいくらでも食べられそうですー」
ルーシーさんの言葉がすべてを物語っている。
オレは自分の心配が的中したことを確信した。
もしかしたらオレは世界中の女性たちを敵に回してしまう、悪魔の甘味料を産み出してしまったのかもしれない。
満足したクロアは外へ飛び出す。慌ててルーシーさんも追いかける。そして何故だかオレの身柄は彼女のたわわな胸の中。
たぶん反射的にオレを抱き上げたんだろうな、彼女。
結局、琥珀色の液体の入った瓶の回収は適わず。
料理長厳選の調味料が収められた鍵付きの棚の中へ。
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