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2、3満たされない花瓶
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それから数カ月後の仕事場にて。
「まぁ…そう言うことね…」
話し相手は、俺がシルバーアクセの装飾品として使っている石やカットガラスを、仕入れさせてくれる業者の女性で、ハナと言う年上の顔見知りでもあるヤツだった。
業務内容とは別に、例の話に付いて話掛けられていた。
セリに贈るはずだった指輪にはめ込んだ赤い石のガーネットを、進めてくれたのは彼女だ。
彼女は、自分で仕入れた石を加工したりしていて、それらをパーツてして俺は、取り引きさせてもらっている。
「…そりゃ~っ、アサキが悪いわ…いつまでも、待ってくれてる? 今の世の中、バカやったら親でも、待ってくれねぇーっうの!」
「…………」
「探さないで、あげたら?」
「無理だ…」
「えっ~っ…即答かよ! あぁ…アンタみたいなタイプの輩が、ストーカーになるよ! 諦めろ…」
「別に、俺は…」
ハナは、スッと整った鼻先で笑う。
しかも、美人だから余計に鼻に付く。
「直接会って、別れ話でもすんの? 振られる理由並べられたら。アンタ帰って来る途中で、病み死にそうよ。カレも、それを察して何も言わず。自分には、その気がないって意思表示だったんじゃないの?」
「俺の気持ちは!」
「そんなの知ったこっちゃねぇーわ! 言っとくけど、私は、アンタを養護する気はない!」
ガラスケースのカウンターと商品棚にコンクリート打ちっぱなしの内装の中にハナが、吸う外国製だと言うチョコのような甘い香りのするタバコの煙が、白く漂う。
小さなフロアーだけど、通りに面していて横断歩道寄りの為かショーウィンドウって程に広くはないけど、店の雰囲気を覗いて行く人も多い。
「アンタさぁ…今、ドコで寝泊まりしてるの?」
「ここ…店の奥が、小さいけど居住スペースになってるだろ? 今はそこで暮らしてる…」
「アパートは?」
「解約した…」
意外そうな顔の女は、目を大きく見開く。
別に住めないこともなかった。
でも、セリの気配を探そうとしている自分に対して、待ったを掛けたのも、また自分だ…
そこに居れば、あの時のままだから。
側に居なくても、側に居てくれそうな気がして…
何日も、寝られなかった。
それが祟って、この仕事場で倒れたのを見付けてくれたのが…
「本当その時は、ビビったわ…カウンターの裏でひっくり返っているんだもん…精神的な過労? だっけ? 生言ってるわ…」
「うん…」
「未練なかったの? その部屋に?」
「あったに決まってんだろ?」
でも俺は、あの部屋からアイツの荷物が無くなっていることにも、気付かなかったんだ。
「言い訳は、確か…自分の事だけで、手一杯だったけか?…」
「……自覚してる…」
業者の女は、ニヤニヤと笑いながら。
2本目のタバコのフィルターを軽く唇ではさみながら火を付け商品類が、入れられたバッグではなく。
いつも、持ち歩いている方のバッグから石を取り出した。
ガラスケースのカウンターにコツンと置いたのは、丸く磨かれた。
「ガーデンクォーツ?」
「和名、庭園水晶…」
透明な水晶の中に様々な鉱物が、内包されたモノを、大雑把にガーデンクォーツと表現される。
緑泥石が見られるクォーツは、主にモスアゲードや苔水晶や草入り水晶などと、呼ばれていて神秘的と言うか、本当にそこには庭のような草原のような光景が、広がって見えていている…
「本当不思議よね。これ私の私物でお気に入りのモノよ。それに結構、人気あるのよね…ガーデンクォーツって…」
「手に…取っていいの?」
「どうぞ…」
「私には、ガーデンクォーツって、箱庭に見えるのよね…アナタは、無意識にこのガーデンクォーツみたいな透明な目には、見えない敷居で、カレを囲って閉じ込めていたのかもね…」
そんな事はないと、言おうとした時。
俺は、たまに寂しそうに笑っていたセリの顔が重なった。
「今までは、カレがアナタを許していたのよ。傷付きながらも、自分が我慢をすれば、アナタは戻ってくるって…」
「俺が、戻って…」
ハナは、薄く笑い煙草の煙を細く長く吐き出した。
「傷付かない石なんってないわ。試したりなんってするからよ。自業自得…」
「……………」
「そうね。私の見た目で言うと、カレは、このデザートローズって所かしら?」
ハナはそう言って、またバッグから布に包んだ何かを取り出した。
俺は、耳慣れない石の名にカノジョの手元を見た。
手の平に乗せられた石を、テーブルに優しく置く。
「…これ。砂漠の薔薇だろ?」
花の蕾が咲ききる途中…と、言うか。
咲いた後と言うか、薄茶色やモノによっては、くすんだピンク掛かった色味で丸くて小さい。
世界中の砂漠で採れる鉱物とされている。
加工に向かないからか、その鉱物名に俺は、ピンと来なかった。
デザートローズの石言葉は、願いを叶える。
「モース硬度は、知ってる?」
「確か…2」
加工に向かないと言ったように、少しの衝撃でも、粉になってしまう程々、とても繊細でもろい石だ。
「アイツが?」
「何驚いてんのよ? カレの持ってる感情が、ダイヤモンド並みの固さだとも、思ってた?」
ハナは、1粒のダイヤモンドが、あしらわれた首元のネックレスのチェーンごと指先に絡め取った。
「思ってた…って言われても…」
もっとも、固い硬度を持つとされるダイヤモンドも、間違った圧の掛け方をすれば、簡単に割れる!
これは、常識だと叫んだ。
「割れても、ダイヤモンドには変わりはなくて、キラキラ光ることはできるけど、人を輝かせる元のダイヤモンドになれない」
俺は、言葉を見失う。
「ダイヤモンドの石言葉、知ってる?」
純潔、純愛、永遠の絆
「どれも、アンタには足りなかったわね。それとアンタが、贈ろうとした指輪のガーネットは、真実よ。どのみち上手くいかなかったと思うわ…」
俺、アイツに指輪を、受け取って欲しくて、いい加減な付き合いとか、曖昧なヤツらと別れた。
「それでも、アイツの…」
気持ちが、知りたくて…
「何度も言うけど、試す方が悪い。その試しに付き合ってくれたコとも、カレなんかあったんでしょ?」
「それは…取り敢えず。解決したはず…」
「そう言う事にしといてあげる。他の方とは、後腐れなく終われたって聴いたけど、本当にそれで自分を、誠実に見せられた? 」
「……………」
「動く不誠実めって所かしらね?」
ハナは、笑い転げる勢いで爆笑した。
「それも、アレも、これも、カレは、見透かしていたのかもね」
「はぁ?」
「だって、何回も何回も、ダブルブッキングやら、街中で堂々とイチャ付きながらとか、そう言う場所に入って行くとことか、目撃されていたんでしょ? この最低男が…少しは、反省しな!」
「…あれは、最初の数人だけだ……」
「本当かしらね? ねぇ…私に愚痴れば、慰めてくれるとか思った? その考えから改めな。もう少し苦しみなさいよ。カレが苦しんだ分。それ以上に苦しみなさい。カレは、ひたすら1人で苦しんだはずなんだから…」
何も言い返せない。
「結局、アンタは、他人から。恋人に出ていかれてしまった可哀想な自分って、思われたいんじゃないの?」
「…そんなことは…」
「私は、アンタらには同情なんってしない。アンタは、カレにずっと不誠実だった。カレは、アンタに何も言わずにきちんと別れを告げなかった…グダグタ言っててもこなかった事を考えると、無駄って思われていたのかもね。って、アンタら二人のことは、こうやって簡単に説明できるのよ」
ハナは、2本目タバコを吸い終え灰皿にそのタバコを押し付けて火を消した。
「じゃ…他にも周らないとならないから。行くわね……って…」
そう言いながらハナは、バッグからチラシを取り出しショーケースの上に置いた。
「今度のデパートでやる企画展の催し物にアンタも、参加してくれない? アシスタントとして…」
「へぇ…」
俺は、チラシを手に取る。
「気分転換って感じに手伝いに来てよ…」
「あぁ…考えとく…」
ハナは、商品の入れられた大きめのバッグを背負い店を出て行く準備をする。
相談できて良かったと思える反面、痛い所を突かれまくっている感覚だ。
俺は、このままセリを忘れるべきなのか…
探すべきなのか…
いや、
忘れるべきって何だよ。
探すべきって何?
俺は、セリを探してどうしたいんだ?
この指輪を、渡すつもりなのか?
それとも、きっぱりと別れた方が、いいのか?
俺は、どうすればいい。
店の窓から眺める夕暮れの街並みが、これ程までに寂しく目に写るとか…
苦しいな…
「ねぇ…最後に1つ良い?」
「…なんだよ…」
「ガーネットの指輪、何のために作って、贈ろうとしたの?」
店の入口に立ちのドアノブに手を掛けたハナは、スーッと静かに振り返る。
「何のって…」
「今更だけど、指輪ってそう簡単に贈るモノじゃないし…」
店の窓ガラス越しに見える交差点では、赤信号で止まって居た人の波みが、慌ただしく歩き出す。
指輪を贈る理由。
「…一緒に…居たかったから…」
「そう…」
ドアが、少し開く。
「お互いに、本音を出すのが、少し遅すぎたのかもね…」
一人取り残されシーンとなる店内。
そんなのは、分かってる。
分かってるんだ。
だからさぁ…
ドコに行ったんだよ。
そのフレーズを、今はただ繰返している。
「まぁ…そう言うことね…」
話し相手は、俺がシルバーアクセの装飾品として使っている石やカットガラスを、仕入れさせてくれる業者の女性で、ハナと言う年上の顔見知りでもあるヤツだった。
業務内容とは別に、例の話に付いて話掛けられていた。
セリに贈るはずだった指輪にはめ込んだ赤い石のガーネットを、進めてくれたのは彼女だ。
彼女は、自分で仕入れた石を加工したりしていて、それらをパーツてして俺は、取り引きさせてもらっている。
「…そりゃ~っ、アサキが悪いわ…いつまでも、待ってくれてる? 今の世の中、バカやったら親でも、待ってくれねぇーっうの!」
「…………」
「探さないで、あげたら?」
「無理だ…」
「えっ~っ…即答かよ! あぁ…アンタみたいなタイプの輩が、ストーカーになるよ! 諦めろ…」
「別に、俺は…」
ハナは、スッと整った鼻先で笑う。
しかも、美人だから余計に鼻に付く。
「直接会って、別れ話でもすんの? 振られる理由並べられたら。アンタ帰って来る途中で、病み死にそうよ。カレも、それを察して何も言わず。自分には、その気がないって意思表示だったんじゃないの?」
「俺の気持ちは!」
「そんなの知ったこっちゃねぇーわ! 言っとくけど、私は、アンタを養護する気はない!」
ガラスケースのカウンターと商品棚にコンクリート打ちっぱなしの内装の中にハナが、吸う外国製だと言うチョコのような甘い香りのするタバコの煙が、白く漂う。
小さなフロアーだけど、通りに面していて横断歩道寄りの為かショーウィンドウって程に広くはないけど、店の雰囲気を覗いて行く人も多い。
「アンタさぁ…今、ドコで寝泊まりしてるの?」
「ここ…店の奥が、小さいけど居住スペースになってるだろ? 今はそこで暮らしてる…」
「アパートは?」
「解約した…」
意外そうな顔の女は、目を大きく見開く。
別に住めないこともなかった。
でも、セリの気配を探そうとしている自分に対して、待ったを掛けたのも、また自分だ…
そこに居れば、あの時のままだから。
側に居なくても、側に居てくれそうな気がして…
何日も、寝られなかった。
それが祟って、この仕事場で倒れたのを見付けてくれたのが…
「本当その時は、ビビったわ…カウンターの裏でひっくり返っているんだもん…精神的な過労? だっけ? 生言ってるわ…」
「うん…」
「未練なかったの? その部屋に?」
「あったに決まってんだろ?」
でも俺は、あの部屋からアイツの荷物が無くなっていることにも、気付かなかったんだ。
「言い訳は、確か…自分の事だけで、手一杯だったけか?…」
「……自覚してる…」
業者の女は、ニヤニヤと笑いながら。
2本目のタバコのフィルターを軽く唇ではさみながら火を付け商品類が、入れられたバッグではなく。
いつも、持ち歩いている方のバッグから石を取り出した。
ガラスケースのカウンターにコツンと置いたのは、丸く磨かれた。
「ガーデンクォーツ?」
「和名、庭園水晶…」
透明な水晶の中に様々な鉱物が、内包されたモノを、大雑把にガーデンクォーツと表現される。
緑泥石が見られるクォーツは、主にモスアゲードや苔水晶や草入り水晶などと、呼ばれていて神秘的と言うか、本当にそこには庭のような草原のような光景が、広がって見えていている…
「本当不思議よね。これ私の私物でお気に入りのモノよ。それに結構、人気あるのよね…ガーデンクォーツって…」
「手に…取っていいの?」
「どうぞ…」
「私には、ガーデンクォーツって、箱庭に見えるのよね…アナタは、無意識にこのガーデンクォーツみたいな透明な目には、見えない敷居で、カレを囲って閉じ込めていたのかもね…」
そんな事はないと、言おうとした時。
俺は、たまに寂しそうに笑っていたセリの顔が重なった。
「今までは、カレがアナタを許していたのよ。傷付きながらも、自分が我慢をすれば、アナタは戻ってくるって…」
「俺が、戻って…」
ハナは、薄く笑い煙草の煙を細く長く吐き出した。
「傷付かない石なんってないわ。試したりなんってするからよ。自業自得…」
「……………」
「そうね。私の見た目で言うと、カレは、このデザートローズって所かしら?」
ハナはそう言って、またバッグから布に包んだ何かを取り出した。
俺は、耳慣れない石の名にカノジョの手元を見た。
手の平に乗せられた石を、テーブルに優しく置く。
「…これ。砂漠の薔薇だろ?」
花の蕾が咲ききる途中…と、言うか。
咲いた後と言うか、薄茶色やモノによっては、くすんだピンク掛かった色味で丸くて小さい。
世界中の砂漠で採れる鉱物とされている。
加工に向かないからか、その鉱物名に俺は、ピンと来なかった。
デザートローズの石言葉は、願いを叶える。
「モース硬度は、知ってる?」
「確か…2」
加工に向かないと言ったように、少しの衝撃でも、粉になってしまう程々、とても繊細でもろい石だ。
「アイツが?」
「何驚いてんのよ? カレの持ってる感情が、ダイヤモンド並みの固さだとも、思ってた?」
ハナは、1粒のダイヤモンドが、あしらわれた首元のネックレスのチェーンごと指先に絡め取った。
「思ってた…って言われても…」
もっとも、固い硬度を持つとされるダイヤモンドも、間違った圧の掛け方をすれば、簡単に割れる!
これは、常識だと叫んだ。
「割れても、ダイヤモンドには変わりはなくて、キラキラ光ることはできるけど、人を輝かせる元のダイヤモンドになれない」
俺は、言葉を見失う。
「ダイヤモンドの石言葉、知ってる?」
純潔、純愛、永遠の絆
「どれも、アンタには足りなかったわね。それとアンタが、贈ろうとした指輪のガーネットは、真実よ。どのみち上手くいかなかったと思うわ…」
俺、アイツに指輪を、受け取って欲しくて、いい加減な付き合いとか、曖昧なヤツらと別れた。
「それでも、アイツの…」
気持ちが、知りたくて…
「何度も言うけど、試す方が悪い。その試しに付き合ってくれたコとも、カレなんかあったんでしょ?」
「それは…取り敢えず。解決したはず…」
「そう言う事にしといてあげる。他の方とは、後腐れなく終われたって聴いたけど、本当にそれで自分を、誠実に見せられた? 」
「……………」
「動く不誠実めって所かしらね?」
ハナは、笑い転げる勢いで爆笑した。
「それも、アレも、これも、カレは、見透かしていたのかもね」
「はぁ?」
「だって、何回も何回も、ダブルブッキングやら、街中で堂々とイチャ付きながらとか、そう言う場所に入って行くとことか、目撃されていたんでしょ? この最低男が…少しは、反省しな!」
「…あれは、最初の数人だけだ……」
「本当かしらね? ねぇ…私に愚痴れば、慰めてくれるとか思った? その考えから改めな。もう少し苦しみなさいよ。カレが苦しんだ分。それ以上に苦しみなさい。カレは、ひたすら1人で苦しんだはずなんだから…」
何も言い返せない。
「結局、アンタは、他人から。恋人に出ていかれてしまった可哀想な自分って、思われたいんじゃないの?」
「…そんなことは…」
「私は、アンタらには同情なんってしない。アンタは、カレにずっと不誠実だった。カレは、アンタに何も言わずにきちんと別れを告げなかった…グダグタ言っててもこなかった事を考えると、無駄って思われていたのかもね。って、アンタら二人のことは、こうやって簡単に説明できるのよ」
ハナは、2本目タバコを吸い終え灰皿にそのタバコを押し付けて火を消した。
「じゃ…他にも周らないとならないから。行くわね……って…」
そう言いながらハナは、バッグからチラシを取り出しショーケースの上に置いた。
「今度のデパートでやる企画展の催し物にアンタも、参加してくれない? アシスタントとして…」
「へぇ…」
俺は、チラシを手に取る。
「気分転換って感じに手伝いに来てよ…」
「あぁ…考えとく…」
ハナは、商品の入れられた大きめのバッグを背負い店を出て行く準備をする。
相談できて良かったと思える反面、痛い所を突かれまくっている感覚だ。
俺は、このままセリを忘れるべきなのか…
探すべきなのか…
いや、
忘れるべきって何だよ。
探すべきって何?
俺は、セリを探してどうしたいんだ?
この指輪を、渡すつもりなのか?
それとも、きっぱりと別れた方が、いいのか?
俺は、どうすればいい。
店の窓から眺める夕暮れの街並みが、これ程までに寂しく目に写るとか…
苦しいな…
「ねぇ…最後に1つ良い?」
「…なんだよ…」
「ガーネットの指輪、何のために作って、贈ろうとしたの?」
店の入口に立ちのドアノブに手を掛けたハナは、スーッと静かに振り返る。
「何のって…」
「今更だけど、指輪ってそう簡単に贈るモノじゃないし…」
店の窓ガラス越しに見える交差点では、赤信号で止まって居た人の波みが、慌ただしく歩き出す。
指輪を贈る理由。
「…一緒に…居たかったから…」
「そう…」
ドアが、少し開く。
「お互いに、本音を出すのが、少し遅すぎたのかもね…」
一人取り残されシーンとなる店内。
そんなのは、分かってる。
分かってるんだ。
だからさぁ…
ドコに行ったんだよ。
そのフレーズを、今はただ繰返している。
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