暗殺者は愛される

うー吉

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「はぁ あんたここで何してるの」ダイジロウが怒ってる
「帰れよ お前の顔なんて見たくねーんだよ」すごく怒ってる
「ああお前の家だもんな なぁロク俺んちに行こう イブもいるし ハルさんもいるぞ
アランもミア一緒に来ればいい なそうしょう」
ーーーごめんなさい先生 俺ここにいるーーー
「ロク ありがとう」
「だめだ 許さねぇ 許されると思ってるのか
どんな思いで ロクが耐えてたかわかってるのか
どれだけ頑張ったと思ってるんだ 俺は お前を絶対に許さない」
ロクがツンツンと服を引っ張る さらさらとペンを走らし 書く 
ーー ありがとう せんせい でもね 俺テオのために頑張ってたの
だがら テオが帰ってきてくれてよかったと思ってるーーー
「はぁ~~」深いため息をつかれる
「今回だけだからな 今度こんなことしてみろ わかってるよな」
背中にすごい殺気を感じる ああトクジロウか
「なんで トクが来てるんだよ」ダイジロウに聞いた
「ああ クリスがやって良いぞ てトクに言ってたからそれでだろ」
トクじゃなくても俺がとどめ刺してやろうと思ってたのによ とブツブツ言ってる

「で ロクはどうしたい?」
ーー治療続けたい まだテオの事少し怖い でもそばにいてくれないともっと怖い
だから きちんと治したいし 言葉も話したいーー
「そっか わかった 今度はゆっくりしよう 
無理せずな 体も心もゆっくり治していこうな いいな」
はいとうなずく ロク
「で約束 しんどくなったりつらくなったら 必ずテオに言う事 
二人で乗り越えていかなきゃ 二人で頑張らないと意味がないんだ
だからお願いだよ 1人で抱え込まないでね お願いだからね」
ーーー心配かけて ごめんなさいーーー
「ロクは全然悪くない 悪いのは全部コイツ」ダイと言うと 
トクが俺の頭を思い切り叩いて気配が消えた


ダイジロウが帰るとき 「ちょっと顔かせ」と呼ばれた
「おまえさ ほんとにもうやめろよ 今回は声で済んだけど 
何回も耐えれるほど 人って丈夫じゃないんだよ ましてや すっげーとこで生きてきたんだから
いつ心が壊れてもおかしくねーんだよ  
治療中何回も自分で息止めようしてるんだ イブも一緒なんだけど
生きてることが罪だと感じてしまうって 死なないといけないって思うんだって
本人は覚えてないって
そんな事あるか いざなぎはなくなったけど ずっと苦しめられてる奴がいるんだ
何回 いざなぎ潰しても 潰したりねーよ
それでもあいつら生きてんだ 俺たちは何にも考えずに普通に生きてるのに 
あいつら毎日罪を感じながら生きてるの 申し訳ないと思いながら生きてんの
そんな奴らに これ以上負担かけんなよ 大切なんだろ 大事にしろよ
じゃなかったら 本当に壊れるぞ 声だけじゃなくて ロクを失うぞ よく考えろ」
じゃあな また来るよ 


「おはようロク」
今日は 体がダルくて仕方ない 耳鳴りもする
「ミアに言ってくるから ちょっと離れるぞ」とテオがベットをおりる 
体がダルくて返事もできない 起き上がれない まただ この前もその前も 何もできなくて 
「ロク ちょっと我慢な」と抱き上げられて すっぽり横向きで抱え込まれる キーンと言う耳鳴りと一緒にテオの心臓の音が聞こえてくる だんだんテオの心臓の音の方が大きくなって 耳鳴りが治まってきた 顔を上げる 「どうした?」と前髪をかき上げて おでこにキスをしてくれる でもここまで 
「何か言いたいことがあるなら ちゃんと言えといってるだろう」
ーーーもっとしてほしいーーー
ほっぺにキスしてくれる
ーーー違うーーー
フルフルと首を振る
悲しい顔で「ごめんな」と謝られた
ーーー今日はおとなしく寝てるーーー
そのまま ベットに寝かされ おでこにキスされる
「今日は会議があって休めないんだ ごめんな なるべく早く帰ってくるよ」
行ってらっしゃいの意味で 手を振る
「行ってきます」と寝室からテオは出て行った


「ロク」とミアが呼んでいる 
「気分がよくなってたら来ない ハルとイブが来てるの」
コクコクとうなずくけど 立てる気がしない
ミアが紙とペンをとってくれる
ーーー立てる気がしないーーー
「ああ ちょっと待ってて」と部屋をでて お願いできると話している
トクさんが ドアから入ってきた 僕を抱えて運んでくれる
「イブより少し軽いな ちゃんと食べろよ」とゲストルームへ運んでくれた

「ロク!」と車椅子に乗ったイブが僕を見つけて 声をかけてくれる
「ここでいいですか」とトクさんが 
クッションがいっぱい置かれているカウチに座られせてくれて
イブの車いすをカウチの横へ持ってきてくれた
「元気そうでよかった」イブは動く方の手で僕に触れる
ーーーイブも元気そうーーー
「元気にしてないと 大人がうるさいからね」
ーーーどこも一緒だねーーー 二人で笑った

何かあったら呼んでね とミアとハルさん トクさんは
僕たちを二人にしてくれた
ーーー体 ほんとに大丈夫ーーー
「うまくいかない日もあるけどね 大丈夫だよ」
ーーー右側動かないのーーー
「今はね」 
ーーーあの地下室から助かったのも またテオの横に帰ってこれたのも
みんな イブのおかげだ ありがとう きちんとお礼が言いたかったんだーーー

ーーー庇ってくれたよねーーー
「違う 俺じゃない」
ーーー違うよ イブだよ 俺があいつらにまわさ
書きかけてる紙を イブは取り上げる
「違う 違う
違う 俺じゃない 俺は お前だけが助かるのが許せなかった 
もういざなぎの先なんて見えてたし だから みんなにお前がいることを知らせたんだ
俺は そんないいやつじゃない お前をみんなに売ったんだ 自分だけが死ぬのが嫌だから
だから おまえも一緒にと思って だから だから」
「で・・・も まも・・・てくれた おれ・・・を ま・・・・もって・・・」
「た・・・すけて・・・くれて ありがとう」
「ごめん ごめん」と泣き崩れてしまった
「も・・・・ともだ・・・ち」
「うん うん」
「こ・・んどは おれ・・・がいくね」
「ああ 約束な うちに来て 歩く練習もしよう
たくさんしゃべろう イヤなことも つらいこともいっぱいしゃべろうな」


「お・・かえ・・・・り」
玄関で俺を つぶれるぐらい抱きしめてテオが泣いた
「俺が 声を取り戻せてやりたかった」と悔しそうにつぶやいていたのも
ちゃんと聞こえた

「テオ いって・・らっしゃい」
「はい 行ってきます」
テオを見送るのが日課になった 俺
「おれ  できること  がんばりたい」とテオに言ったら
「じゃあまず 朝俺が仕事に行くとき 見送ってほしい で 朝食も一緒に食べたい」
と言われた
無理な日は無理だ とベットから見送り 大丈夫な日は玄関まで見送る
この頃 いい調子で見送りができてる
「油断するなよ」と鼻をつままれた
「イタイ」テオが頬にキスをしてくれた
「いって らっしゃい」とキスを送る

きちんと口付けをする テオの舌が俺の舌に絡む 唇を吸われ
また 続きをしようなと テオが言うので
「うん」と大きな声と笑顔で答えた


 

 

  




 




 
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