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2章英雄と龍魔王
龍魔王の四幹部
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眼鏡を終始触り、全感覚という補助スキルを使い、周囲の状況を確認する第五英雄のクロイツ。
【全把握】
範囲は数百キロ程度ならば、鮮明に敵の位置や味方の位置を見渡せるスキル。
クロイツは急に血相を変え、黒髪をくしゃくしゃと掻きながら、
「気づかれた」
隣にいた第四英雄のティアがサファイアの両眼を細め、急かす。
「誰っ」
「四体の魔獣……龍魔王の四幹部がもうこちらに向かって来る」
「まずいわね……奇襲仕掛けるつもりだったんけど、ねぇイリス? こうなったら正面で四幹部と戦うしかないわよ」
「うん。戦う準備はできてる」
銀色の前髪をふわりと浮かせ、勇姿の深紅の両眼が前方を見据える。
イリスは戦闘において、迷いや不安は一切ない。
割と慎重な部分のあるティアが顎に手を当て、
「ルークがいないから、三対四になっちゃうわね」
「おいおい僕らを忘れるなぁぁぁちんちくりん!」
意気揚々と、声を荒げるのは金髪の商人フレッド。
ティアが侮蔑のサファイアの両眼で、見上げる。
「ていうか、何であんた付いてきたの?」
「そりゃあ商人としては素材集めの依頼と聞いたら黙ってる訳にはいかないさ。ここら辺りにある龍の牙や皮を採集できるってな」
「言っておくけど、ドラゴンの魔獣を倒さないと採集できないわよ」
「馬鹿にするなぁぁ! そんなこと知ってるわ」
「はぁ……だから、そうじゃなくて」
ティアは小さな子供のような言動に呆れ、両手を広げる。
フレッドは目を見張りながら、興奮を抑えられない。
アタマカラが必死で制止するも、止まらない。
「何だよその含んだ目は」
「本当に騒がない方が良いぞ」
「うっせぇ! こっちはニコニコで対応してんのに、こんなちんちくりんに馬鹿にされて黙っていられるか!」
すると、ティアがふざけた態度はいらないと云った両眼で、問いただす。
「言っておくけどね、こっちは人手不足。あんた達なんか守ってる暇なんてないわ」
「あぁ? 英雄なら僕達を守れぇぇ!」
「どうやら来たみたいね」
「無視すんじゃねぇぇぇ!」
【全把握】
範囲は数百キロ程度ならば、鮮明に敵の位置や味方の位置を見渡せるスキル。
クロイツは急に血相を変え、黒髪をくしゃくしゃと掻きながら、
「気づかれた」
隣にいた第四英雄のティアがサファイアの両眼を細め、急かす。
「誰っ」
「四体の魔獣……龍魔王の四幹部がもうこちらに向かって来る」
「まずいわね……奇襲仕掛けるつもりだったんけど、ねぇイリス? こうなったら正面で四幹部と戦うしかないわよ」
「うん。戦う準備はできてる」
銀色の前髪をふわりと浮かせ、勇姿の深紅の両眼が前方を見据える。
イリスは戦闘において、迷いや不安は一切ない。
割と慎重な部分のあるティアが顎に手を当て、
「ルークがいないから、三対四になっちゃうわね」
「おいおい僕らを忘れるなぁぁぁちんちくりん!」
意気揚々と、声を荒げるのは金髪の商人フレッド。
ティアが侮蔑のサファイアの両眼で、見上げる。
「ていうか、何であんた付いてきたの?」
「そりゃあ商人としては素材集めの依頼と聞いたら黙ってる訳にはいかないさ。ここら辺りにある龍の牙や皮を採集できるってな」
「言っておくけど、ドラゴンの魔獣を倒さないと採集できないわよ」
「馬鹿にするなぁぁ! そんなこと知ってるわ」
「はぁ……だから、そうじゃなくて」
ティアは小さな子供のような言動に呆れ、両手を広げる。
フレッドは目を見張りながら、興奮を抑えられない。
アタマカラが必死で制止するも、止まらない。
「何だよその含んだ目は」
「本当に騒がない方が良いぞ」
「うっせぇ! こっちはニコニコで対応してんのに、こんなちんちくりんに馬鹿にされて黙っていられるか!」
すると、ティアがふざけた態度はいらないと云った両眼で、問いただす。
「言っておくけどね、こっちは人手不足。あんた達なんか守ってる暇なんてないわ」
「あぁ? 英雄なら僕達を守れぇぇ!」
「どうやら来たみたいね」
「無視すんじゃねぇぇぇ!」
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