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2章英雄と龍魔王
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そして、二人の面前で跪くのは、七英雄の四、いや、三名。
三人共怪物並の強さ誇る強者。漲る殺気を金や銀の防具に封じ込めているのだ。
ようやく、一人英雄がいないことに気づいたロイス。
「おや、ルークはどうした?」
直ぐさま返答に応じるのは第五英雄である黒髪、丸眼鏡を掛けた利発そうな顔のクロイツ。
神経が張り詰めたような冷静な声を発する。
「どうやら、昨日、決闘に挑み敗北し、現在入院中とのことです」
「それは驚きだ……まさか、人生で負けたことが無く、今まで神童と呼ばれた彼がかい?」
ロイスは場を和ます意図もあったのか、大袈裟な驚きをする。
気が緩んだのか第七英雄である金髪のツインテールの幼げな少女であるティアがぷっと吹き出す。
「やっぱり、あいつ、弱かったのね」
「こらこら……ルークは強いさ。イリスの次にね」
「ロイス様! それは褒めてるんですか? 貶してるんですか?」
ティアは少しばかりな生意気な態度で、質問をする。
ロイスは少し笑みをして、ティアの質問を遮り、信頼の置いた、一際優しさのある翡翠色の両眼でイリスに移した。
「もしかして、ルークを負かしたのは君かい?」
銀髪の美女は表情を崩すことなく、感情の無い紅の両眼で顔を上げ、首を振る。
「いえ、私ではありません」
「本当かい? もしや、他の誰か?」
ロイスは何か知っていて、敢えて他者の存在を示唆する。
イリスは図星を突かれたように、目を見張るも、頑なに知らぬ振りを通す。
「いえ、私は何も知りません」
「そうか。知らないなら、仕方ない。では、あの騎士の証言は嘘だったということか」
ロイスは全てを知っていた訳ではないだろうが、一部は何か聞いているのかもしれない。
事情を知っていたならば、全てを白状しても、構わなかったかもしれないとイリスは考え込む。
だが、ロイスは両手を叩き、和やかに笑う。
「まあその件は流そう、龍魔王征伐の代表として専念してくれ。期待しているよイリス」
「はい」
三人共怪物並の強さ誇る強者。漲る殺気を金や銀の防具に封じ込めているのだ。
ようやく、一人英雄がいないことに気づいたロイス。
「おや、ルークはどうした?」
直ぐさま返答に応じるのは第五英雄である黒髪、丸眼鏡を掛けた利発そうな顔のクロイツ。
神経が張り詰めたような冷静な声を発する。
「どうやら、昨日、決闘に挑み敗北し、現在入院中とのことです」
「それは驚きだ……まさか、人生で負けたことが無く、今まで神童と呼ばれた彼がかい?」
ロイスは場を和ます意図もあったのか、大袈裟な驚きをする。
気が緩んだのか第七英雄である金髪のツインテールの幼げな少女であるティアがぷっと吹き出す。
「やっぱり、あいつ、弱かったのね」
「こらこら……ルークは強いさ。イリスの次にね」
「ロイス様! それは褒めてるんですか? 貶してるんですか?」
ティアは少しばかりな生意気な態度で、質問をする。
ロイスは少し笑みをして、ティアの質問を遮り、信頼の置いた、一際優しさのある翡翠色の両眼でイリスに移した。
「もしかして、ルークを負かしたのは君かい?」
銀髪の美女は表情を崩すことなく、感情の無い紅の両眼で顔を上げ、首を振る。
「いえ、私ではありません」
「本当かい? もしや、他の誰か?」
ロイスは何か知っていて、敢えて他者の存在を示唆する。
イリスは図星を突かれたように、目を見張るも、頑なに知らぬ振りを通す。
「いえ、私は何も知りません」
「そうか。知らないなら、仕方ない。では、あの騎士の証言は嘘だったということか」
ロイスは全てを知っていた訳ではないだろうが、一部は何か聞いているのかもしれない。
事情を知っていたならば、全てを白状しても、構わなかったかもしれないとイリスは考え込む。
だが、ロイスは両手を叩き、和やかに笑う。
「まあその件は流そう、龍魔王征伐の代表として専念してくれ。期待しているよイリス」
「はい」
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