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1章ゴブミ脱走
1章14話騎士団団長はお前を逃さない
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結局、あの男から変装用スーツを購入した。
ただ、男はどうやら私が医者を殺して1億円を奪った犯人だということは分かってたらしく、その弱みに付け込んで、1億円を要求した。
私は金なんぞ、どうでも良かったので、すんなりと渡した。
ところで、私は鏡のある洋服屋に急いで入り、適当な洋服を取って、試着室へと入って行く。
店員とお客は突然のゴブミ来店に、大きい声を上げる者、気分を悪くする者、唖然とする者様々。
「お母さん! あれ何?」
「ユウキ!見ちゃ駄目よ」
「うわっ。なんだよあれ」
「体調悪くなってきた。帰るわ」
でも、そんな悪口なんて、散々言われてきた。
もう、どうでも良いの。
何とでも言えば良いわ。
気持ち悪くて、醜いのは事実何だから。
そして、いち早く、美しくなった私の姿を私の目で見たかったからだ。
数分後、鏡に映るのはあの醜い緑色の怪物ではなく、華奢な美しい女だった。
肩まで掛かったカールがかかった緑色の髪。
両眼の下ににすばかす。
力強い、美しい両眼。瞳の奥はエメラルドを輝かせる。
何よりもスリムな身体に驚いた。
収まらなかったウエストが半分の更に半分になった。
両手に顔を押さえ、思わず笑みが零れる。
あの醜い笑みではない、魅惑的な笑みに変貌した。
これからは私の姿はこの美しい私なの。
もう、醜いゴブリンではない。化け物とは呼ばせない。
ちらっとカーテンを見ると、数人の店員やお客がクスクスと笑いながら、私が出て来るのをショーのように待ち受けていた。
きっと、私の醜い怪物の姿を見て、嘲笑う気だろう。
卑しい人間奴。
でも、私の顔を見て、絶対笑わせない。
美しくなった顔、スリムな体型、白い色のワンピースも着こなした。
そして、私は誇った顔で、堂々と試着室を出た。
数人の店員や客の表情は嘲笑いから驚きへと変わる。
私は白い顔を魅せつけるように、美しい緑色の髪を揺らし、金持ちの奥様気取りの声で、店員にエメラルドの視線を向けた。
「お会計お願いできるかしら?」
「はは……はい。ただいま!」
*
その頃、丸焦げになった焼け野原となった農場では数十人の騎士達が犯人の証拠の捜索に当たっていた。
一人だけ異彩を放つ男がいた。
黒色の帽子と黒いコートに身を包んだ、髭を生やした、黄色の鋭い眼光を放つ男。
騎士団団長ワイナルダム・ホルムズ。
今回の農場放火殺人事件の指揮を執る男。
すると、部下騎士がやってきて、ホルムズに丸焦げになった長く、太い棒のような物を差し出した。
「ん?……」
「現場にあったものです。ですが、それが何かまた調査中。おそらく、犯行の凶器になったものかと……」
ホルムズはその黒い棒を太陽に翳して、険しい表情で良く見た後、見開いた。
きめ細かな細胞のような物が見える。
部下騎士はホルムズの有名な黄金の探偵眼(ゴールドアイ)が発揮されたんだと、興奮して尋ねた。
「ホルムズさん何か分かったんですね?」
「ああ。今晩はトウモロコシにしようと思ってな」
「はぁい?」
ただ、男はどうやら私が医者を殺して1億円を奪った犯人だということは分かってたらしく、その弱みに付け込んで、1億円を要求した。
私は金なんぞ、どうでも良かったので、すんなりと渡した。
ところで、私は鏡のある洋服屋に急いで入り、適当な洋服を取って、試着室へと入って行く。
店員とお客は突然のゴブミ来店に、大きい声を上げる者、気分を悪くする者、唖然とする者様々。
「お母さん! あれ何?」
「ユウキ!見ちゃ駄目よ」
「うわっ。なんだよあれ」
「体調悪くなってきた。帰るわ」
でも、そんな悪口なんて、散々言われてきた。
もう、どうでも良いの。
何とでも言えば良いわ。
気持ち悪くて、醜いのは事実何だから。
そして、いち早く、美しくなった私の姿を私の目で見たかったからだ。
数分後、鏡に映るのはあの醜い緑色の怪物ではなく、華奢な美しい女だった。
肩まで掛かったカールがかかった緑色の髪。
両眼の下ににすばかす。
力強い、美しい両眼。瞳の奥はエメラルドを輝かせる。
何よりもスリムな身体に驚いた。
収まらなかったウエストが半分の更に半分になった。
両手に顔を押さえ、思わず笑みが零れる。
あの醜い笑みではない、魅惑的な笑みに変貌した。
これからは私の姿はこの美しい私なの。
もう、醜いゴブリンではない。化け物とは呼ばせない。
ちらっとカーテンを見ると、数人の店員やお客がクスクスと笑いながら、私が出て来るのをショーのように待ち受けていた。
きっと、私の醜い怪物の姿を見て、嘲笑う気だろう。
卑しい人間奴。
でも、私の顔を見て、絶対笑わせない。
美しくなった顔、スリムな体型、白い色のワンピースも着こなした。
そして、私は誇った顔で、堂々と試着室を出た。
数人の店員や客の表情は嘲笑いから驚きへと変わる。
私は白い顔を魅せつけるように、美しい緑色の髪を揺らし、金持ちの奥様気取りの声で、店員にエメラルドの視線を向けた。
「お会計お願いできるかしら?」
「はは……はい。ただいま!」
*
その頃、丸焦げになった焼け野原となった農場では数十人の騎士達が犯人の証拠の捜索に当たっていた。
一人だけ異彩を放つ男がいた。
黒色の帽子と黒いコートに身を包んだ、髭を生やした、黄色の鋭い眼光を放つ男。
騎士団団長ワイナルダム・ホルムズ。
今回の農場放火殺人事件の指揮を執る男。
すると、部下騎士がやってきて、ホルムズに丸焦げになった長く、太い棒のような物を差し出した。
「ん?……」
「現場にあったものです。ですが、それが何かまた調査中。おそらく、犯行の凶器になったものかと……」
ホルムズはその黒い棒を太陽に翳して、険しい表情で良く見た後、見開いた。
きめ細かな細胞のような物が見える。
部下騎士はホルムズの有名な黄金の探偵眼(ゴールドアイ)が発揮されたんだと、興奮して尋ねた。
「ホルムズさん何か分かったんですね?」
「ああ。今晩はトウモロコシにしようと思ってな」
「はぁい?」
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