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1章勇者の活動
14話不穏な影
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青の瞳を潤ませ、いまにも泣きそうな表情である。その瞬間、彼女は詠唱をし、そして光を纏ったユニコーンのような精霊から雷が放出される。
「精霊オリオン敵に天罰を!」
「ヒヒイイイーン」
「待て! 待て! すまん!」
精霊は角から強い電撃を駆の体にを浴びせ、気絶させたが効果的な程の威力ではない。いや、正確に言うと眩い光が見えて、その瞬間に木に隠れていた村人のような質素な格好をした不気味な男はなにかの生き物と一緒に「ヒヒヒ」という笑い声と共に消えて行ったのが見えた。
それから何も覚えていない。
目覚めた時には、体は仰向けで頭部はなぜだか銀色の翼竜に咥えられていた。
「痛っ、お前は何回噛むんだ!! コラ!」
「ガル ガル ガルル」
青髪の少女が正面に立ち、汚物を見るような目で話す。
「こんな恩知らずな変態だとは思わなかったわ。貧相な格好だったからすぐに始末できると油断してたのよ」
「そんな風に思ってのかよ。はぁ……だから、あれは間違ってやってしまったんだ!! 絶対絶対不可……の不可抗力です。それに後ろに誰かがいたんだ!!」
駆は必死で土下座して謝った。青髪の少女は腕組みをして、そっぽを向いている。
「次やったら命はないわ」
「そういえばさ探してる人の名前は聞いたけど、お前名前は?」
「あ、そうね言ってなかったわね。奴隷に言う必要はないと思ってたし。私はクリスティー・ヘレネ、職業は精霊師《シャーマン》。よろしく」
「よろしく……じゃねーよ。奴隷という敬称を撤回しろ!」
突然魔獣が襲ってくるかもしれないと周りを警戒する駆はキョロキョロと辺りを見渡し木々の些細な音でもびくついていた。
「うぁ!!!」
「なに!!」
「なんだ鳥か」
瞬間、木の影から鳥が飛び出し空へと羽ばたいていった。
ヘレネは冷たい目で呪文唱えようとしてる。
「え? 悪かったよ」
「はぁ、次おかしなこと言ったら電撃だから」
「ねぇ? いつになったらツンデレのデレは来るの?」
「全裸にして電撃を受けたいようね」
「へへ……冗談冗談」
そして、二人は立ち上がりドラゴンと共にその場を離れた。
それから少し歩くと、村人のような質素な格好をした出っ歯。ネズミのような顔、腹は大きく出た、年齢は四十歳くらい。
小太りの男が木の前で立ち、手には女物の白い服。
不気味な笑いをする。
「ヒヒヒ」
「おっさんどうした?」
「ヒヒヒお前……」
「おっさん? そんな物を盗んで、持って立ってると気持ち悪いし、俺がいた世界だったら捕まってるぜ」
「あっ……いやこれは」
小太りの男は手に女服を持ち、しどろもどろになり、誤解を解こうとする、
「これを盗ん……」
「分かるよ分かるけどさそりゃ立派な犯罪だ。おとなしく捕まってくれ」
「盗んでねーよ。舐めた口聞きやがってガキが!!」
「話にならねー。本題だ。お前らこいつ知ってるか?」
木の後ろには百六十センチ程の金髪の美少女とニメートルを超える緑色の恐竜が出てきた。
その大きな生物にばかり目を取られる。
ドラゴンのような、だが翼は無い。翼は爬虫類のような鱗、目がギョロギョロとしている。
この国では危険魔獣に指定されているジガレックス。
ヘレネは叫び、ルシアに駆け寄ろうとするが小太りの男が制止する。
「助けて……」
「ルシア様!!」
「ヒヒヒ。こいつお前らの仲間だろ? どうやら貴族らしいな。取引しよう、金貨百枚だ用意しろ!」
「ルシア様に手を出したらお前を殺すわ」
「ヒヒヒ。お前らがなにか行動を起こせば、うちのジガレックスがこの女を殺す。金貨百枚用意すれば解放してやる」
「あんたみたいな賊が約束を守るわけないじゃない」
「ヒヒヒ。おいおいそんなこと言っていいのか?」
小ぶりの男はジガレックスに目配せをする。ジガレックスは少女に牙を向ける。
「キャー」
「ヒヒヒ。そういうことだ。金を出せ!」
「足軽!」
「いや駆だから!」
「は? いいからルシア様を助けなさい!」
「了解」
「精霊オリオン敵に天罰を!」
「ヒヒイイイーン」
「待て! 待て! すまん!」
精霊は角から強い電撃を駆の体にを浴びせ、気絶させたが効果的な程の威力ではない。いや、正確に言うと眩い光が見えて、その瞬間に木に隠れていた村人のような質素な格好をした不気味な男はなにかの生き物と一緒に「ヒヒヒ」という笑い声と共に消えて行ったのが見えた。
それから何も覚えていない。
目覚めた時には、体は仰向けで頭部はなぜだか銀色の翼竜に咥えられていた。
「痛っ、お前は何回噛むんだ!! コラ!」
「ガル ガル ガルル」
青髪の少女が正面に立ち、汚物を見るような目で話す。
「こんな恩知らずな変態だとは思わなかったわ。貧相な格好だったからすぐに始末できると油断してたのよ」
「そんな風に思ってのかよ。はぁ……だから、あれは間違ってやってしまったんだ!! 絶対絶対不可……の不可抗力です。それに後ろに誰かがいたんだ!!」
駆は必死で土下座して謝った。青髪の少女は腕組みをして、そっぽを向いている。
「次やったら命はないわ」
「そういえばさ探してる人の名前は聞いたけど、お前名前は?」
「あ、そうね言ってなかったわね。奴隷に言う必要はないと思ってたし。私はクリスティー・ヘレネ、職業は精霊師《シャーマン》。よろしく」
「よろしく……じゃねーよ。奴隷という敬称を撤回しろ!」
突然魔獣が襲ってくるかもしれないと周りを警戒する駆はキョロキョロと辺りを見渡し木々の些細な音でもびくついていた。
「うぁ!!!」
「なに!!」
「なんだ鳥か」
瞬間、木の影から鳥が飛び出し空へと羽ばたいていった。
ヘレネは冷たい目で呪文唱えようとしてる。
「え? 悪かったよ」
「はぁ、次おかしなこと言ったら電撃だから」
「ねぇ? いつになったらツンデレのデレは来るの?」
「全裸にして電撃を受けたいようね」
「へへ……冗談冗談」
そして、二人は立ち上がりドラゴンと共にその場を離れた。
それから少し歩くと、村人のような質素な格好をした出っ歯。ネズミのような顔、腹は大きく出た、年齢は四十歳くらい。
小太りの男が木の前で立ち、手には女物の白い服。
不気味な笑いをする。
「ヒヒヒ」
「おっさんどうした?」
「ヒヒヒお前……」
「おっさん? そんな物を盗んで、持って立ってると気持ち悪いし、俺がいた世界だったら捕まってるぜ」
「あっ……いやこれは」
小太りの男は手に女服を持ち、しどろもどろになり、誤解を解こうとする、
「これを盗ん……」
「分かるよ分かるけどさそりゃ立派な犯罪だ。おとなしく捕まってくれ」
「盗んでねーよ。舐めた口聞きやがってガキが!!」
「話にならねー。本題だ。お前らこいつ知ってるか?」
木の後ろには百六十センチ程の金髪の美少女とニメートルを超える緑色の恐竜が出てきた。
その大きな生物にばかり目を取られる。
ドラゴンのような、だが翼は無い。翼は爬虫類のような鱗、目がギョロギョロとしている。
この国では危険魔獣に指定されているジガレックス。
ヘレネは叫び、ルシアに駆け寄ろうとするが小太りの男が制止する。
「助けて……」
「ルシア様!!」
「ヒヒヒ。こいつお前らの仲間だろ? どうやら貴族らしいな。取引しよう、金貨百枚だ用意しろ!」
「ルシア様に手を出したらお前を殺すわ」
「ヒヒヒ。お前らがなにか行動を起こせば、うちのジガレックスがこの女を殺す。金貨百枚用意すれば解放してやる」
「あんたみたいな賊が約束を守るわけないじゃない」
「ヒヒヒ。おいおいそんなこと言っていいのか?」
小ぶりの男はジガレックスに目配せをする。ジガレックスは少女に牙を向ける。
「キャー」
「ヒヒヒ。そういうことだ。金を出せ!」
「足軽!」
「いや駆だから!」
「は? いいからルシア様を助けなさい!」
「了解」
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