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4章神英雄団討伐
4章1話大神英雄の絶望
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英雄の国(ヒーローグリフ)にある神英雄団本部の英雄像の最上階の王室。
赤いカーペットが敷かれた高さと幅のある階段の頂上に一つの座席がある。
そこに座る白黒の髪をし、冷徹な両眼をした、一人の陰鬱な男。
この男は神英雄団の団長である大神英雄のシュトラウス。
どこか様子がおかしい。
陰鬱に下を向き、何かを恐れている様子。
「なぜ、こうなった。オレ様は何を間違えたぁぁぁぁぁ!!!!」
その声は巨大な王室に響き渡る。
シュトラウスは目の前にあったワイングラスを階段に投げつける。
耳を塞ぎたくなるような破壊音が響く。
「オレ様を邪魔する男は一体誰だ!!!!」
その王室に白い仮面を被った、紺色の装束を纏った者達が現れる。
右肩には老賢者が両手を掲げ、魔法を放つ刺繍の紋章。
それは神賢者の集団の新平和幕府団の証。
大柄なリーダーの男が前へ出る。
「シュトラウス。貴様はやり過ぎたな。悪政、虐殺、何より世界的な大物に牙を向けたこと。白騎士団団長ロキア様、新平和幕府団ダライ様は相当お怒りだ」
絶望の両眼を向けるシュトラウスは小さく、呟く。
「……罰は」
「神英雄団は世界十聖鬼傑団から追放。英雄王国の皇帝の地位を剥奪。たった今ニ、三、神英雄の者達を殺した。そして、直に多額の債務超過、人員不足などの諸事情で神英雄団は正式に破団となる」
「……」
「だが、シュトラウス。貴様の命にはチャンスを与えてやろう。今日、この王国に現れる王神ドラグロワを殺せ。あいつは今は我々の掌だが、後々厄介だ」
「分かった……」
*
英雄の国(ヒーローグリフ)はピロロ王国から東に広大な英雄海を抜けた、東の大陸に位置する。
それは、ピロロ王国と同等の国力を有する超大国の一つ。
近代な建物と昔ながら趣深い中世の街並みが残る。
この世界の国々は、超大国七ヶ国、大国十六ヶ国、他小国数百で主に構成されている。ちなみに、超神帝国は除く。
中でも、この超大国は強力な軍事力、経済力によって世界の平和と秩序を支配している。
以前、英雄の国はグリフ帝国と名乗り、時のグリフ帝府が国を支配をし、時の皇帝グリフ帝が独裁をしていた。
しかし、その数百年後に、当時猛威を振るっていた新勢力ギルドのシュトラウス率いる神英雄団がグリフ帝府を滅ぼし、またグリフ帝を処刑し、この王国を乗っ取ってしまう。
この出来事は世界中に衝撃が走る。
天下の超大国に神英雄とはいえ、一介のギルドが反抗し、滅ぼしたことは革命的な事だった。
そして、神英雄軍団は英雄の国を建国し、世界中に超大国の権威と力を奮い、支配を進めていく。
*
英雄王国の外れにある切り立った崖に一人の赤髪の旅人が現れる。
簡素な装束と粗末なリュックを背負った男。
右目に黒い眼帯。
赤髪の旅人は淀んだ空を見上げ、風や雨粒を顔で感じ、フードを被り、黒い眼帯から闇の目玉を開眼。
「クリムト……お前にはまだ魔王軍団を統べるには早い」
その瞬間、稲妻が走り、大粒の雨が吹き荒れる。
赤髪の旅人は眼を閉ざし、崖を跳んだ。
「さて、王の元へ行くか」
赤いカーペットが敷かれた高さと幅のある階段の頂上に一つの座席がある。
そこに座る白黒の髪をし、冷徹な両眼をした、一人の陰鬱な男。
この男は神英雄団の団長である大神英雄のシュトラウス。
どこか様子がおかしい。
陰鬱に下を向き、何かを恐れている様子。
「なぜ、こうなった。オレ様は何を間違えたぁぁぁぁぁ!!!!」
その声は巨大な王室に響き渡る。
シュトラウスは目の前にあったワイングラスを階段に投げつける。
耳を塞ぎたくなるような破壊音が響く。
「オレ様を邪魔する男は一体誰だ!!!!」
その王室に白い仮面を被った、紺色の装束を纏った者達が現れる。
右肩には老賢者が両手を掲げ、魔法を放つ刺繍の紋章。
それは神賢者の集団の新平和幕府団の証。
大柄なリーダーの男が前へ出る。
「シュトラウス。貴様はやり過ぎたな。悪政、虐殺、何より世界的な大物に牙を向けたこと。白騎士団団長ロキア様、新平和幕府団ダライ様は相当お怒りだ」
絶望の両眼を向けるシュトラウスは小さく、呟く。
「……罰は」
「神英雄団は世界十聖鬼傑団から追放。英雄王国の皇帝の地位を剥奪。たった今ニ、三、神英雄の者達を殺した。そして、直に多額の債務超過、人員不足などの諸事情で神英雄団は正式に破団となる」
「……」
「だが、シュトラウス。貴様の命にはチャンスを与えてやろう。今日、この王国に現れる王神ドラグロワを殺せ。あいつは今は我々の掌だが、後々厄介だ」
「分かった……」
*
英雄の国(ヒーローグリフ)はピロロ王国から東に広大な英雄海を抜けた、東の大陸に位置する。
それは、ピロロ王国と同等の国力を有する超大国の一つ。
近代な建物と昔ながら趣深い中世の街並みが残る。
この世界の国々は、超大国七ヶ国、大国十六ヶ国、他小国数百で主に構成されている。ちなみに、超神帝国は除く。
中でも、この超大国は強力な軍事力、経済力によって世界の平和と秩序を支配している。
以前、英雄の国はグリフ帝国と名乗り、時のグリフ帝府が国を支配をし、時の皇帝グリフ帝が独裁をしていた。
しかし、その数百年後に、当時猛威を振るっていた新勢力ギルドのシュトラウス率いる神英雄団がグリフ帝府を滅ぼし、またグリフ帝を処刑し、この王国を乗っ取ってしまう。
この出来事は世界中に衝撃が走る。
天下の超大国に神英雄とはいえ、一介のギルドが反抗し、滅ぼしたことは革命的な事だった。
そして、神英雄軍団は英雄の国を建国し、世界中に超大国の権威と力を奮い、支配を進めていく。
*
英雄王国の外れにある切り立った崖に一人の赤髪の旅人が現れる。
簡素な装束と粗末なリュックを背負った男。
右目に黒い眼帯。
赤髪の旅人は淀んだ空を見上げ、風や雨粒を顔で感じ、フードを被り、黒い眼帯から闇の目玉を開眼。
「クリムト……お前にはまだ魔王軍団を統べるには早い」
その瞬間、稲妻が走り、大粒の雨が吹き荒れる。
赤髪の旅人は眼を閉ざし、崖を跳んだ。
「さて、王の元へ行くか」
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