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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第673話 迷宮都市 妹との夕食会
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全員で実家へ行き夕食を食べる事にする。
茜は母から簡単に説明を受けていたのか、姿が変わっている雫ちゃんとお母さんにそれほど驚いた様子も見せず「娘と母親が同じ年だとややこしいな」と感想を述べただけだった。
そして改めて実感が湧いたらしく、私を強く抱き締めると涙を零す。
「沙良姉さんが生きていて嬉しい。どんな姿でも構わない、ずっと会いたかったんだ……」
万感の想いが込められた妹の言葉を聞き、私も強く抱き締め返した。
「ダンジョンマスターなんて大変だったわね。今日は茜の食べたい物を作るから、楽しみにしてて」
「あぁ、食事をするのも久し振りだから胃が驚かないか心配だ」
そう言って体を離すと兄の方へ向かう。
「兄貴、行方不明になって心配してた。自分が異世界へ転移したから、もしかしたらと思っていたが、姉さんに召喚されてるとは思わなかったよ。しかも皆、若返ってるし……。もしかして私が一番年上になったんじゃないか?」
「茜は54歳だろ。両親は42歳になってるから、見た目じゃ一番老けてるかも知れん」
兄はそう笑いながら妹を抱き締め、
「独りで良く頑張ったな」
と背中を撫でる。
茜は少し恥ずかしそうだったけど、兄にされるがまま大人しくしていた。
これまでの経緯をお互い話している声が聞こえる中、私と母は茜がリクエストした食事を作り始める。
希望のメニューは和食で、内容は朝食に近い。
とにかく、ご飯と味噌汁が食べたかったそうだ。
それに、だし巻き卵と焼き鮭があればいいと言う。
夕食には少し軽い内容なので、アイテムBOXから唐揚げとエビフライも出す。
久し振りの食事だと言っていたけど、茜が異世界へ転移した時期が気になり聞いてみた。
「カレンダーがある訳じゃないからおおよそになるが、13年くらい前だと思う」
「13年!?」
これには聞いた全員が驚く。
どうやら時間のズレが生じているらしい。
私は両親と同じ3ヶ月くらいだとばかり思っていた。
旭と同じ状況で13年は辛かっただろう。
「まぁ、摩天楼のダンジョンは階層が多いから、攻略のし甲斐があって楽しかったよ」
あっけらかんと言う茜からは、寂しさをあまり感じなかった。
妹は武闘派だから、ステータスの見える世界でLv上げを嬉々としてやってそうだ。
ここでシュウゲンさんが気になったのか口を開く。
「儂の孫の中で一番Lvが高そうじゃが、幾つになっておる」
「200だな。それ以上は、このダンジョンの魔物では上がらないみたいだ」
「200……って」
そりゃ上げすぎだよ。
妹のLvに度肝を抜かれ唖然となった。
なんで長命なドワーフの祖父より高いの!
「儂より高いとは感心するわい。こりゃ負けておれんな、明日から本格的にダンジョン攻略をしようかの」
かかと笑うシュウゲンさんに、ドン引きする旭。
両親と兄は、さもありなんとばかりに苦笑していた。
雫ちゃんは目をキラキラさせ、「茜さん凄い!」と羨望の眼差しを送っている。
基礎値が54でLv200なら、HP/MPは10,854もあるから羨ましいんだろう。
奏伯父さんは姪に負け落ち込んでいた。
ダンジョンマスターは階層を移転出来るから、Lv上げも冒険者より効率良く出来るんだよね。
あぁ、そうだ兄達の結婚報告をしないと。
「茜、お兄ちゃんと旭が結婚したのよ~」
何の前置きもなく聞かされた茜が、お茶を口から噴き出した。
そして兄と旭を交互に見ると突然笑い始め机をバンバン叩く。
「旭、良かったじゃないか初恋が実って!」
何故かニヤリと悪人顔をし満足そう。
ええっと、祝福してあげているのよね?
どうやら茜は2人の関係を知っていたみたいだ。
ついでに私の結婚報告もしておこう。
「それと私も、もう直ぐ結婚式を挙げる予定なの」
「はっ!? 相手は誰なんだ!!」
兄達の結婚を伝えた時とは違い、途端に茜の顔が険しい表情へ変わる。
私がアシュカナ帝国の王に9番目の妻として狙われているための偽装結婚だと言ったら、不敵な笑みを浮かべ「万死に値する」と物騒な台詞を吐いた。
忘れていたけど、茜も兄に負けず劣らず過保護だったわ……。
でも実際は、身代わりで樹おじさんが式を挙げる予定なんだけど……。
そんな茜から例の手紙を読ませてもらった。
【詫び状】と書かれた封筒
『とても困った事になっている貴方へ。
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法のファンタジーである所の異世界です。
そしてとても残念ですが椎名 茜様 54歳は、お亡くなりになりました。
貴方は現在カルドサリ王国のグッテン領にある、摩天楼のダンジョンマスターです。
椎名 茜様の能力
【時空魔法】
●アイテムBOX 容量無限・時間停止。
●ホーム このダンジョン内が貴方の拠点となります。ダンジョン内は全て移動可能ですが、冒険者がいる階層には移動出来ません。
【召喚魔法】
●召喚 ダンジョン内に限り新たなモンスターを30個体、呼び出せます。
【風魔法】
●ウィンドボール 攻撃魔法。
●ウィンドウォール 防御魔法。
まずは「ステータス」と唱え、能力の確認をお勧めします。
なお貴方様は現在食事が不要となっており、年も取りませんが不死ではないため、ご注意下さい。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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茜は母から簡単に説明を受けていたのか、姿が変わっている雫ちゃんとお母さんにそれほど驚いた様子も見せず「娘と母親が同じ年だとややこしいな」と感想を述べただけだった。
そして改めて実感が湧いたらしく、私を強く抱き締めると涙を零す。
「沙良姉さんが生きていて嬉しい。どんな姿でも構わない、ずっと会いたかったんだ……」
万感の想いが込められた妹の言葉を聞き、私も強く抱き締め返した。
「ダンジョンマスターなんて大変だったわね。今日は茜の食べたい物を作るから、楽しみにしてて」
「あぁ、食事をするのも久し振りだから胃が驚かないか心配だ」
そう言って体を離すと兄の方へ向かう。
「兄貴、行方不明になって心配してた。自分が異世界へ転移したから、もしかしたらと思っていたが、姉さんに召喚されてるとは思わなかったよ。しかも皆、若返ってるし……。もしかして私が一番年上になったんじゃないか?」
「茜は54歳だろ。両親は42歳になってるから、見た目じゃ一番老けてるかも知れん」
兄はそう笑いながら妹を抱き締め、
「独りで良く頑張ったな」
と背中を撫でる。
茜は少し恥ずかしそうだったけど、兄にされるがまま大人しくしていた。
これまでの経緯をお互い話している声が聞こえる中、私と母は茜がリクエストした食事を作り始める。
希望のメニューは和食で、内容は朝食に近い。
とにかく、ご飯と味噌汁が食べたかったそうだ。
それに、だし巻き卵と焼き鮭があればいいと言う。
夕食には少し軽い内容なので、アイテムBOXから唐揚げとエビフライも出す。
久し振りの食事だと言っていたけど、茜が異世界へ転移した時期が気になり聞いてみた。
「カレンダーがある訳じゃないからおおよそになるが、13年くらい前だと思う」
「13年!?」
これには聞いた全員が驚く。
どうやら時間のズレが生じているらしい。
私は両親と同じ3ヶ月くらいだとばかり思っていた。
旭と同じ状況で13年は辛かっただろう。
「まぁ、摩天楼のダンジョンは階層が多いから、攻略のし甲斐があって楽しかったよ」
あっけらかんと言う茜からは、寂しさをあまり感じなかった。
妹は武闘派だから、ステータスの見える世界でLv上げを嬉々としてやってそうだ。
ここでシュウゲンさんが気になったのか口を開く。
「儂の孫の中で一番Lvが高そうじゃが、幾つになっておる」
「200だな。それ以上は、このダンジョンの魔物では上がらないみたいだ」
「200……って」
そりゃ上げすぎだよ。
妹のLvに度肝を抜かれ唖然となった。
なんで長命なドワーフの祖父より高いの!
「儂より高いとは感心するわい。こりゃ負けておれんな、明日から本格的にダンジョン攻略をしようかの」
かかと笑うシュウゲンさんに、ドン引きする旭。
両親と兄は、さもありなんとばかりに苦笑していた。
雫ちゃんは目をキラキラさせ、「茜さん凄い!」と羨望の眼差しを送っている。
基礎値が54でLv200なら、HP/MPは10,854もあるから羨ましいんだろう。
奏伯父さんは姪に負け落ち込んでいた。
ダンジョンマスターは階層を移転出来るから、Lv上げも冒険者より効率良く出来るんだよね。
あぁ、そうだ兄達の結婚報告をしないと。
「茜、お兄ちゃんと旭が結婚したのよ~」
何の前置きもなく聞かされた茜が、お茶を口から噴き出した。
そして兄と旭を交互に見ると突然笑い始め机をバンバン叩く。
「旭、良かったじゃないか初恋が実って!」
何故かニヤリと悪人顔をし満足そう。
ええっと、祝福してあげているのよね?
どうやら茜は2人の関係を知っていたみたいだ。
ついでに私の結婚報告もしておこう。
「それと私も、もう直ぐ結婚式を挙げる予定なの」
「はっ!? 相手は誰なんだ!!」
兄達の結婚を伝えた時とは違い、途端に茜の顔が険しい表情へ変わる。
私がアシュカナ帝国の王に9番目の妻として狙われているための偽装結婚だと言ったら、不敵な笑みを浮かべ「万死に値する」と物騒な台詞を吐いた。
忘れていたけど、茜も兄に負けず劣らず過保護だったわ……。
でも実際は、身代わりで樹おじさんが式を挙げる予定なんだけど……。
そんな茜から例の手紙を読ませてもらった。
【詫び状】と書かれた封筒
『とても困った事になっている貴方へ。
すべての元凶は私です。
この責任を取り、出来うる限りの保障をさせて頂きました。
まず、いま貴方がいる世界は地球ではありません。
剣と魔法のファンタジーである所の異世界です。
そしてとても残念ですが椎名 茜様 54歳は、お亡くなりになりました。
貴方は現在カルドサリ王国のグッテン領にある、摩天楼のダンジョンマスターです。
椎名 茜様の能力
【時空魔法】
●アイテムBOX 容量無限・時間停止。
●ホーム このダンジョン内が貴方の拠点となります。ダンジョン内は全て移動可能ですが、冒険者がいる階層には移動出来ません。
【召喚魔法】
●召喚 ダンジョン内に限り新たなモンスターを30個体、呼び出せます。
【風魔法】
●ウィンドボール 攻撃魔法。
●ウィンドウォール 防御魔法。
まずは「ステータス」と唱え、能力の確認をお勧めします。
なお貴方様は現在食事が不要となっており、年も取りませんが不死ではないため、ご注意下さい。
最後に、このような不幸な目に遭わせてしまいましたが、これからの貴方の人生が幸多き事でありますよう、お祈り申し上げます。』
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応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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