534 / 709
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第667話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) 発見した隠し部屋
しおりを挟む
母の作った昼食を食べ、午後からはシュウゲンさんと一緒に摩天楼のダンジョン30階へ移動。
飛んできたポチを右肩に乗せ、父達4人が安全地帯から出て攻略へ向かう。
シュウゲンさんは洞窟へ採掘に行き、私と奏伯父さんはテント内で待機だ。
マッピングを展開し、冒険者のいない場所にいる魔物をLv上げ用に次々と収納する。
Lv50になれば恩恵があるかも知れない転移組は、さっさとLv50まで上げた方がいい。
その作業と並行しガーグ老のお礼と妖精さんのお供え用にショートブレッドを焼き、子供達のおやつはプリンを作った。
3時間後、迷宮都市ダンジョン地下15階の安全地帯に戻りテントからホームへ移動し休憩する。
新しくヒールを覚えたメンバーに伝え忘れていたため、薬草へヒールを掛けてのLv上げをお願いし、再び摩天楼のダンジョンへ移動。
残りの3時間は久し振りに鉱物採取をしようかな。
テントからシュウゲンさんが採掘している洞窟へ直接移転し、シルバーに周囲の魔物を狩ってもらう。
活躍の場が少ないシルバーは、張り切り魔物に向かっていった。
前回は竜の卵を発見して驚いたけど、鉱物以外もあるんだろうか?
洞窟の壁をマッピングで透視し鉱物を探していく。
この鉱物も薬草や果物と同じように毎日出現するのかなぁ。
本当にダンジョンは不思議だ。
入口から900mと結構奧へ進んだ場所に陣取り、注意深く天井を見つめる。
黄緑色をした鉱物発見し、そのままアイテムBOXに収納して次を探す。
2時間程は何も見付からず、残り1時間となった所で洞窟の行き止まりに不自然な空間があるのに気付いた。
一見すると同じような壁が続いているように見える。
けれど私のマッピングでは、その壁の後ろに空間があるのだ。
これはもしや隠し部屋? 中には、お宝があるのかしら?
30階には宝箱が出現するし、ダンジョンマスターがいるなら隠し部屋があってもおかしくない。
私は2人と合流し確かめてみる事にした。
この壁の後ろに広い空間があると伝え、崩してほしいとお願いする。
シュウゲンさんが大きなツルハシを振り上げ壁に向かって打ち付けると、壁には当たらず空振りした状態になった。
うん? この壁は幻覚なの?
見えている壁に手を触れようとすると、何の手応えもない。
「奏伯父さん。この壁には目くらましのようなものが掛かっているみたい。何だか嫌な予感がするから、お父さん達を呼んでくるね」
私はアシュカナ帝国が次の目標にしているダンジョンだと思い出し、真っ先に犯人達の拠点になっている可能性を考えた。
人目を忍ぶには絶好の場所だ。
攻略中の4人は別々に行動していたけど、それぞれの前に移転し洞窟内へ連れてくる。
事情を話すと、兄が勝手な行動をせず報告した件を褒めてくれた。
皆の前で頭をヨシヨシとされ、かなり恥ずかしい。
これじゃ普段は、どんな行動を取っているのかと思われちゃうよ~。
Lvの高いシュウゲンさんと奏伯父さんを先頭にセイさんと父が続き、その後ろを私と兄と旭が付いて中へ進んでいく。
そこは何もない10畳くらいの広い空間だった。
でも態々見えないようにするなんて変だよね?
絶対人には見られたくない物があるに違いないと、私は更にその空間の壁を透視した。
案の定、右側の壁の奥に箱を発見する。
入口同様、こちらも見ただけでは分からないよう隠されていた。
その事を皆に伝えると、シュウゲンさんが壁に手を入れ箱を引きずり出す。
一辺が50cmくらいの正方形をした箱の表面は黒く、見るからに怪しい文様が刻まれている。
シュウゲンさんが箱を鑑定し結果を教えてくれた。
「これは呪具を入れるための箱だ。恐らく中に入っているのは禁制品の呪具だろう」
あぁやっぱり……。
アシュカナ帝国は、摩天楼のダンジョンに呪具を設置する準備をしていたんだ。
「使用されると困るから回収しよう。他にも何かないか調べてみる」
見付けた箱をアイテムBOXに収納し、再び周囲を注意深く透視する。
天井と3方の壁には見付からず、念のため地面を探ると一か所穴が開いている。
こちらにはマジックバッグがあった。
けれど使用者権限が付いている物だったから、中身が何か分からない。
それでも利用されないよう、こちらも回収しておいた。
最後に、この空間をアースボールで埋めておこう。
他の階層に拠点を作っているかも知れないけど、高価な呪具がそうそうあるとは思えない。
30階層は宝箱狙いの冒険者が多くいる場所だ。
呪具を設置されれば被害は甚大になる。
隠れ家がなくなったと知れば、こちらが気付いていると分かるだろうし、少なくとも時間稼ぎにはなる。
本当は、摩天楼のギルドマスターに報告するのが一番いいんだけど……。
でも入場料を払わず違法に攻略しているから、それは出来ないんだよね。
そもそも私達4人はA級冒険者じゃないから、入場資格そのものがない。
そう考えて、特級冒険者のシュウゲンさんを見る。
祖父だけは迷宮都市のダンジョンを攻略していないから、辻褄が合うだろうか?
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
飛んできたポチを右肩に乗せ、父達4人が安全地帯から出て攻略へ向かう。
シュウゲンさんは洞窟へ採掘に行き、私と奏伯父さんはテント内で待機だ。
マッピングを展開し、冒険者のいない場所にいる魔物をLv上げ用に次々と収納する。
Lv50になれば恩恵があるかも知れない転移組は、さっさとLv50まで上げた方がいい。
その作業と並行しガーグ老のお礼と妖精さんのお供え用にショートブレッドを焼き、子供達のおやつはプリンを作った。
3時間後、迷宮都市ダンジョン地下15階の安全地帯に戻りテントからホームへ移動し休憩する。
新しくヒールを覚えたメンバーに伝え忘れていたため、薬草へヒールを掛けてのLv上げをお願いし、再び摩天楼のダンジョンへ移動。
残りの3時間は久し振りに鉱物採取をしようかな。
テントからシュウゲンさんが採掘している洞窟へ直接移転し、シルバーに周囲の魔物を狩ってもらう。
活躍の場が少ないシルバーは、張り切り魔物に向かっていった。
前回は竜の卵を発見して驚いたけど、鉱物以外もあるんだろうか?
洞窟の壁をマッピングで透視し鉱物を探していく。
この鉱物も薬草や果物と同じように毎日出現するのかなぁ。
本当にダンジョンは不思議だ。
入口から900mと結構奧へ進んだ場所に陣取り、注意深く天井を見つめる。
黄緑色をした鉱物発見し、そのままアイテムBOXに収納して次を探す。
2時間程は何も見付からず、残り1時間となった所で洞窟の行き止まりに不自然な空間があるのに気付いた。
一見すると同じような壁が続いているように見える。
けれど私のマッピングでは、その壁の後ろに空間があるのだ。
これはもしや隠し部屋? 中には、お宝があるのかしら?
30階には宝箱が出現するし、ダンジョンマスターがいるなら隠し部屋があってもおかしくない。
私は2人と合流し確かめてみる事にした。
この壁の後ろに広い空間があると伝え、崩してほしいとお願いする。
シュウゲンさんが大きなツルハシを振り上げ壁に向かって打ち付けると、壁には当たらず空振りした状態になった。
うん? この壁は幻覚なの?
見えている壁に手を触れようとすると、何の手応えもない。
「奏伯父さん。この壁には目くらましのようなものが掛かっているみたい。何だか嫌な予感がするから、お父さん達を呼んでくるね」
私はアシュカナ帝国が次の目標にしているダンジョンだと思い出し、真っ先に犯人達の拠点になっている可能性を考えた。
人目を忍ぶには絶好の場所だ。
攻略中の4人は別々に行動していたけど、それぞれの前に移転し洞窟内へ連れてくる。
事情を話すと、兄が勝手な行動をせず報告した件を褒めてくれた。
皆の前で頭をヨシヨシとされ、かなり恥ずかしい。
これじゃ普段は、どんな行動を取っているのかと思われちゃうよ~。
Lvの高いシュウゲンさんと奏伯父さんを先頭にセイさんと父が続き、その後ろを私と兄と旭が付いて中へ進んでいく。
そこは何もない10畳くらいの広い空間だった。
でも態々見えないようにするなんて変だよね?
絶対人には見られたくない物があるに違いないと、私は更にその空間の壁を透視した。
案の定、右側の壁の奥に箱を発見する。
入口同様、こちらも見ただけでは分からないよう隠されていた。
その事を皆に伝えると、シュウゲンさんが壁に手を入れ箱を引きずり出す。
一辺が50cmくらいの正方形をした箱の表面は黒く、見るからに怪しい文様が刻まれている。
シュウゲンさんが箱を鑑定し結果を教えてくれた。
「これは呪具を入れるための箱だ。恐らく中に入っているのは禁制品の呪具だろう」
あぁやっぱり……。
アシュカナ帝国は、摩天楼のダンジョンに呪具を設置する準備をしていたんだ。
「使用されると困るから回収しよう。他にも何かないか調べてみる」
見付けた箱をアイテムBOXに収納し、再び周囲を注意深く透視する。
天井と3方の壁には見付からず、念のため地面を探ると一か所穴が開いている。
こちらにはマジックバッグがあった。
けれど使用者権限が付いている物だったから、中身が何か分からない。
それでも利用されないよう、こちらも回収しておいた。
最後に、この空間をアースボールで埋めておこう。
他の階層に拠点を作っているかも知れないけど、高価な呪具がそうそうあるとは思えない。
30階層は宝箱狙いの冒険者が多くいる場所だ。
呪具を設置されれば被害は甚大になる。
隠れ家がなくなったと知れば、こちらが気付いていると分かるだろうし、少なくとも時間稼ぎにはなる。
本当は、摩天楼のギルドマスターに報告するのが一番いいんだけど……。
でも入場料を払わず違法に攻略しているから、それは出来ないんだよね。
そもそも私達4人はA級冒険者じゃないから、入場資格そのものがない。
そう考えて、特級冒険者のシュウゲンさんを見る。
祖父だけは迷宮都市のダンジョンを攻略していないから、辻褄が合うだろうか?
-------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
-------------------------------------
398
お気に入りに追加
6,067
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!
akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。
そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。
※コメディ寄りです。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
策が咲く〜死刑囚の王女と騎士の生存戦略〜
鋸鎚のこ
ファンタジー
亡国の王女シロンは、死刑囚鉱山へと送り込まれるが、そこで出会ったのは隣国の英雄騎士デュフェルだった。二人は運命的な出会いを果たし、力を合わせて大胆な脱獄劇を成功させる。
だが、自由を手に入れたその先に待っていたのは、策略渦巻く戦場と王宮の陰謀。「生き抜くためなら手段を選ばない」智略の天才・シロンと、「一騎当千の強さで戦局を変える」勇猛な武将・デュフェル。異なる資質を持つ二人が協力し、国家の未来を左右する大逆転を仕掛ける。
これは、互いに背中を預けながら、戦乱の世を生き抜く王女と騎士の生存戦略譚である。
※この作品はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結・番外編を不定期投稿のため、完結とさせていただきます。
幻想美男子蒐集鑑~夢幻月華の書~
紗吽猫
ファンタジー
ーー さぁ、世界を繋ぐ旅を綴ろう ーー
自称美男子愛好家の主人公オルメカと共に旅する好青年のソロモン。旅の目的はオルメカコレクションー夢幻月下の書に美男子達との召喚契約をすること。美男子の噂を聞きつけてはどんな街でも、時には異世界だって旅して回っている。でもどうやらこの旅、ただの逆ハーレムな旅とはいかないようでー…?
美男子を見付けることのみに特化した心眼を持つ自称美男子愛好家は出逢う美男子達を取り巻く事件を解決し、無事に魔導書を完成させることは出来るのか…!?
時に出逢い、時に闘い、時に事件を解決し…
旅の中で出逢う様々な美男子と取り巻く仲間達との複数世界を旅する物語。
※この作品はエブリスタでも連載中です。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。