上 下
501 / 709
第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第634話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) ハニーの進化&マジックバッグの作製

しおりを挟む
 シルバーに続き、ハニーがクインビーへ進化したようだ。
 それに伴い、コロニー全体もキラービーからキングビーへ進化をげたのかぁ。
 そうなると、地下13階じゃなく出現階層の地下14階へ引っ越しした方がいいかも知れない。
 一応ステータスを確認しておこう。

 ●ハニー Lv50(消費MP170)HP500/MP500 クインビー(めす
 使用魔法 なし  現在のコロニー キングビー72匹
 
 おぉ、ちゃんとおすからめすに変化している。
 これならシルバーも雌になれるだろう。
 そしてコロニーの数が66匹から72匹に増えていた。

「ハニー! クインビーに進化おめでとう! 頑張ったね~」
 
 私はハニーをめ、頭をでてあげる。
 褒められたのが嬉しいのか、ハニーははねをパタパタと動かし喜んでいた。

「今から階層を移動するから、コロニーのキングビー達を呼んでくれる?」

 そうお願いしハニーが触角をピコピコと動かした瞬間、上空にキングビーの大群が現れる。
 相変わらず統率の取れた動きだ。

「じゃあ、アイテムBOXに入ってね!」

 ハニーとコロニー72匹を収納し地下14階へ移動するため、父とかなで伯父さんに声を掛けようと後ろを振り返ると、2人はあんぐりと口を開け固まっていた。

「お父さん。ハニー達が進化したから、地下14階に引っ越しするよ」

「本当に進化したのか……」

「何で、コロニーまでキングビーに進化してるんだ!? 有り得ない!」

 奏伯父さんが絶叫し、父に肩を叩かれている。

「ハニーがクインビーに進化したからじゃない? コロニーがキラービーだったら、おかしいでしょ?」

 クインビーとキングビーはセットだ。
 驚いているところ悪いけど時間が勿体もったいないので、さっさと地下14階へ移転しアイテムBOXからハニー達を出してあげた。

「また、薬草採取をお願いね!」

 ハニーから受け取ったマジックバッグの中身を収納しそばにいたキングビーの首へ掛けると、私の言葉を聞いたコロニーが薬草採取へと飛び立っていった。
 いや~、優秀な従魔で助かるなぁ。
 『毒消しポーション』と『MAXポーション』に必要だから、薬草はどれだけあってもいい。

 あっ、いつきおじさんにマジックバッグを作製してもらおう!
 Lv10で作れるのはマジックバッグ10㎥だけど今週中にはLv20に上がると思うし、72匹にマジックバッグ20㎥を渡せば薬草も沢山採取出来るわよね~。
 そうなれば、またポーションの価格が下がる可能性があり、ポーションが安く購入出来れば子供達が怪我をしても安心だ。
 既に迷宮都市では銀貨3枚(3万円)から銅貨5枚(5千円)になっているけど、それでも子供達にはまだ高いし銅貨1枚(1千円)くらいなら、もっと気軽に使用出来るだろう。

 攻略休みの土曜日に樹おじさんへお願いしようと決め、地下5階で槍のLv上げに励んだ。
 どうせなら一番美味しいハイオークを優先的に狩り、ゴブリンは魔石取りが面倒だから無視しよう……。
 3時間後、地下15階の安全地帯へ移動しテントからホームに戻り、実家で母が作ってくれた昼食を食べながら、樹おじさんへ土曜日は午後から時間を空けてほしいとお願いする。

「なんだ? どこか一緒にいくのか?」

 やけに嬉しそうなおじさんへ、マジックバッグの作製を依頼したいと伝えた。
 魔道具の中でも一番高額なマジックバッグは、沢山たくさん購入するとかなり金額が必要になるから、無料で作製出来るその能力を是非ぜひ使って下さい。

「マジックバッグは、幾らぐらいするんだ?」

「今、私達が持っている30㎥の物でも金貨410枚(4億1千万円)しますよ」

「4億円!? 俺は、マジックバッグを売れば左団扇うちわで暮らせそうだなぁ」

「樹。空間魔法持ちは、国に保護され秘匿ひとくされる人間だ。下手に販売なんかすれば、速攻で捕まるぞ?」

「えっ! そうなの? なら金儲け出来ないのか……。結花ゆか尚人なおとのアイテムBOXの方が便利な気がする」

 マジックバッグが売れないと分かり、樹おじさんはがっかりしたらしい。

「それでも、私達が使う分には購入しなくて済むから助かるよ! 樹おじさんは、マジックバッグを持ってないでしょ?」

「あぁ、そうだ。今は持ってないんだった……。試しに1個作ってみるか」

 実家にあった適当な鞄に樹おじさんが空間魔法を掛け、父がそれを鑑定しマジックバッグになっている事を確認した。

「1個作製するのに、Lvの10倍MPが必要みたいだ」
 
 Lv10でMPが100必要なら72個でMP7,200だけど5日間でLvが上がれば、もっとMPが掛かるかも知れない。
 MP0になって昏倒しないよう、ステータスを見ながら作製してもらわないといけないな。
 マジックバッグになった鞄を、母が嬉しそうに持っていた。
 異世界のマジックバッグは大きくて使いづらいから、日本製の鞄は普段使いに丁度いいみたいだ。
 買い物も鞄の重さだけで持ち運べるから役立ちそうだし、これからお腹が大きくなる母も重い荷物を持たなくて済むのは助かるだろう。
 マジックバックの規格が統一されているから難しいけど、子供達にも渡してあげたいなぁ。

 ホームから地下15階のテント内に戻り、しずくちゃんとお母さんは樹おじさんに任せ、旭を連れて5人で摩天楼まてんろうのダンジョンへ向かう。
 旭はいきなり30階からの攻略になるけど、父も兄もいるから心配無用だ。
 テント内にポチが待機し待っていたから旭が驚いていた。
 ガーグ老の従魔は本当に父が好きらしく、毎週会いにくるんだよと教えてあげると苦笑している。
 そう言えば、タマは何処どこにいるのかな?

 3人を見送り、今日も私はテント内から魔物の討伐をしよう。
 奏伯父さんは何かあった時のためにテント内で待機している。
 時間を効率よく使うため料理の作り置きを沢山作りながら通信の魔道具を取り出し、セイさんへ必要な物があれば連絡してほしい事と居場所を教えてくれるよう羊皮紙に書く。
 摩天楼まてんろうのダンジョンを出発し1週間経つから、そろそろ不足している物がありそうだ。
 今は馬車に乗っているから、宿に着いたら連絡があるだろう。

 その日の夜、セイさんから『ハンバーガーが食べたいです。』と通信の魔道具に返事があった。
 ファーストフードは持っていけないので、食べたいのは何となく分かる。
 アイテムBOXには×365をしたハンバーガーセットが大量にあるから、場所を確認し父と一緒に持っていってあげた。
 ホーム内でしばらく生活していたセイさんは、異世界の食事事情に改めて思う所があるらしい。

 リクエストのダブルチーズバーガーセットとナゲットを出した途端、感激し喜んでいた。
 アイテムBOXに入っていた熱々ポテトと、冷たい状態のコーラを交互に食べながら幸せそう。
 明日の朝食用に作ったサンドイッチも渡したら両手を握ってお礼を言われ、その抱き締めんばかりの態度に父が隣でしぶい顔をしていた。

 -------------------------------------
 お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
 読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
 応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
 これからもよろしくお願い致します。
 -------------------------------------
しおりを挟む
感想 2,333

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

転生皇女は冷酷皇帝陛下に溺愛されるが夢は冒険者です!

akechi
ファンタジー
アウラード大帝国の第四皇女として生まれたアレクシア。だが、母親である側妃からは愛されず、父親である皇帝ルシアードには会った事もなかった…が、アレクシアは蔑ろにされているのを良いことに自由を満喫していた。 そう、アレクシアは前世の記憶を持って生まれたのだ。前世は大賢者として伝説になっているアリアナという女性だ。アレクシアは昔の知恵を使い、様々な事件を解決していく内に昔の仲間と再会したりと皆に愛されていくお話。 ※コメディ寄りです。

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

石しか生成出来ないと追放されましたが、それでOKです!

udonlevel2
ファンタジー
夏祭り中に異世界召喚に巻き込まれた、ただの一般人の桜木ユリ。 皆がそれぞれ素晴らしいスキルを持っている中、桜木の持つスキルは【石を出す程度の力】しかなく、余りにも貧相なそれは皆に笑われて城から金だけ受け取り追い出される。 この国ではもう直ぐ戦争が始まるらしい……。 召喚された3人は戦うスキルを持っていて、桜木だけが【石を出す程度の能力】……。 確かに貧相だけれど――と思っていたが、意外と強いスキルだったようで!? 「こうなったらこの国を抜け出して平和な国で就職よ!」 気合いを入れ直した桜木は、商業ギルド相手に提案し、国を出て違う場所で新生活を送る事になるのだが、辿り着いた国にて、とある家族と出会う事となる――。 ★暫く書き溜めが結構あるので、一日三回更新していきます! 応援よろしくお願いします! ★カクヨム・小説家になろう・アルファポリスで連載中です。 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。