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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第593話 迷宮都市 行方不明の子供達 8
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昼食を作り始めると、匂いに気付いた子供達が起きてきた。
いつから食べてないか分からないけど、帰す気がなかった犯人達が食事を与えているとは思えない。
お腹が空いている筈だ。
事情を聞くのは、子供達が食べ終わった後でいいだろう。
テーブルと椅子を出し、7人の子供達に『鍋焼きうどん』を食べさせる。
家で留守番をしていた3人の子供達は、まだ寝ていたから起こさずそっとしておいた。
何も食べていなかったのか、子供達は笑顔になり『鍋焼きうどん』を完食する。
最年長の男の子へ何があったか尋ねると、モグラの討伐をしている途中で攫われたらしい。
5人の犯人は、自分達を馬車に乗せ迷宮都市から遠く離れた森の小屋へ連れてきたそうだ。
あれ?
でも発見したのは、小屋ではなく木の下だったよね?
犯人は攫った子供が孤児だと知らず、親の名前を聞いてきたと言う。
黙ったままでいると斧を持ち出して脅し、手を切り落とされそうになった所を木の妖精さん達が助けてくれたようだ。
「妖精さん達は、どんな姿をしていたの?」
気になり質問すると、
「体格の良い、お爺ちゃん達だったよ!」
との返事に、可愛らしい羽が付いた妖精像が砕け散った。
いや子供達が見たのは、きっと老木の妖精だったに違いない。
その妖精達は犯人達を縛り上げた後、小屋から連れ出し木の下で助けにくる人を待つよう言い消えたそうだ。
私達が助けにいくのを知っていたのか……。
それにしても、話を聞くと犯人達の行動が一致しない。
普通、誘拐して身代金を請求するなら、先に親の存在を確認しないだろうか?
お金を出せる家の子供を誘拐しなければ意味がないと思う。
見た目だけで7人も攫ったのだとしたら、実行犯と指示を出した犯人は別の可能性が高い。
計画を立てた主犯だけが、お金を確実に払える保護者がいると知っていた?
う~ん、これは犯人を捕まえてみないと本当の所は分からないかも……。
1時間後、アマンダさんのパーティーが戻ってきた。
お金を取りにきたのは犯人ではなく、頼まれただけの少年である事。
また、そのお金は王都の宿屋へ配送依頼されていたと教えてくれる。
アマンダさんは、犯人確保に繋がらず悔しそうな表情をしていた。
冒険者ギルドのオリビアさんが、王都の冒険者ギルドへ連絡を入れ配送先の宿屋に確認をした所、現在宿泊している客からそのような依頼は受けていないと返答があったようだ。
お金が到着する2週間後、宿屋へ宿泊する心算なんだろう。
しかし、その客も犯人とは限らない。
ここまで用意周到に準備をした人物なら、再びお金を移動させる方法を考えていそうだ。
後の事は王都の衛兵達に任せると言い、アマンダさんは無事だった子供達を1人1人抱き締めていた。
抱き締められた子供達は涙ぐんでいる。
その際、子供達から木の妖精さんに助けられたと聞き、彼女は首を傾げていた。
この世界の人間でも、妖精の姿を見た事はないのか……。
ましてやそれが、老人の姿をしていたと言われれば不思議に思うのも無理はない。
その後、起きてきた3人の子供達とアマンダさんパーティーと一緒に遅い昼食を食べ、子供達を家へ送り届けホームの自宅に戻った。
翌週には5人の犯人達が迷宮都市の衛兵所に移送され事情聴取を受けたが、やはり実行犯との関わりはなく金で雇われた犯罪者だった。
それでも公爵令嬢が保護している子供達を誘拐した罪は重く、今後を踏まえたオリビアさんが下した判決は、鉱山送りではなく斬首刑となる。
私達はダンジョン攻略をしていたため、帰還した金曜日には全てが終わっていた。
日曜日の稽古時、同じ木の妖精ではないかも知れないけれど子供達を助けてくれたお礼に、木の下へ沢山のお供え物を用意する。
妖精さん達が食べる物だから食材に気を使う必要はないだろう。
『ナン』ではなく食パンを使用した大量のサンドイッチと唐揚げにバナナだ。
稽古後、再び木の下へいくと、お供え物が消え一枚の羊皮紙が残されている。
『サラ様。食事の用意をありがとうございます。後で子供達を助けた方達へ渡しておきます。犯人は必ず見付け出しますので、ご心配なさらぬよう。王都で仲間が宿を見張っております。』
妖精さんは、木のある所にどこでもいるの?
そして、かなり事情通だった。
更に1週間後。
オリビアさんの下へ、簀巻きにされた犯人が届けられた。
金曜日、冒険者ギルドへ換金にいった際、オリビアさんが顛末を教えてくれる。
配送先の宿屋へ商業ギルドから配達された荷物を宿泊客が受け取り、その荷物を持ち別の宿屋へ向かったそうだ。
そこの宿泊客へ荷物を渡すまで衛兵が後を付けていたが、その後撒かれてしまったらしい。
逃げた犯人を妖精さん達が捕まえてくれたのかな?
オリビアさんが届けられた犯人を尋問した所、何とこの人物も指示されただけで、お金の受け渡し場所に依頼者は現れなかったと言う。
結局、最終的に計画した犯人は分からず事件は未解決のままだ。
どうにも後味が悪い結果で、オリビアさんも腑に落ちない様子。
身代金目的の誘拐を企てたにしては用意周到過ぎるし、お金を受け取りにこないのは不自然極まりない。
何か他の目的が隠されているようで、話を聞いた兄や父も考え込んでしまった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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いつから食べてないか分からないけど、帰す気がなかった犯人達が食事を与えているとは思えない。
お腹が空いている筈だ。
事情を聞くのは、子供達が食べ終わった後でいいだろう。
テーブルと椅子を出し、7人の子供達に『鍋焼きうどん』を食べさせる。
家で留守番をしていた3人の子供達は、まだ寝ていたから起こさずそっとしておいた。
何も食べていなかったのか、子供達は笑顔になり『鍋焼きうどん』を完食する。
最年長の男の子へ何があったか尋ねると、モグラの討伐をしている途中で攫われたらしい。
5人の犯人は、自分達を馬車に乗せ迷宮都市から遠く離れた森の小屋へ連れてきたそうだ。
あれ?
でも発見したのは、小屋ではなく木の下だったよね?
犯人は攫った子供が孤児だと知らず、親の名前を聞いてきたと言う。
黙ったままでいると斧を持ち出して脅し、手を切り落とされそうになった所を木の妖精さん達が助けてくれたようだ。
「妖精さん達は、どんな姿をしていたの?」
気になり質問すると、
「体格の良い、お爺ちゃん達だったよ!」
との返事に、可愛らしい羽が付いた妖精像が砕け散った。
いや子供達が見たのは、きっと老木の妖精だったに違いない。
その妖精達は犯人達を縛り上げた後、小屋から連れ出し木の下で助けにくる人を待つよう言い消えたそうだ。
私達が助けにいくのを知っていたのか……。
それにしても、話を聞くと犯人達の行動が一致しない。
普通、誘拐して身代金を請求するなら、先に親の存在を確認しないだろうか?
お金を出せる家の子供を誘拐しなければ意味がないと思う。
見た目だけで7人も攫ったのだとしたら、実行犯と指示を出した犯人は別の可能性が高い。
計画を立てた主犯だけが、お金を確実に払える保護者がいると知っていた?
う~ん、これは犯人を捕まえてみないと本当の所は分からないかも……。
1時間後、アマンダさんのパーティーが戻ってきた。
お金を取りにきたのは犯人ではなく、頼まれただけの少年である事。
また、そのお金は王都の宿屋へ配送依頼されていたと教えてくれる。
アマンダさんは、犯人確保に繋がらず悔しそうな表情をしていた。
冒険者ギルドのオリビアさんが、王都の冒険者ギルドへ連絡を入れ配送先の宿屋に確認をした所、現在宿泊している客からそのような依頼は受けていないと返答があったようだ。
お金が到着する2週間後、宿屋へ宿泊する心算なんだろう。
しかし、その客も犯人とは限らない。
ここまで用意周到に準備をした人物なら、再びお金を移動させる方法を考えていそうだ。
後の事は王都の衛兵達に任せると言い、アマンダさんは無事だった子供達を1人1人抱き締めていた。
抱き締められた子供達は涙ぐんでいる。
その際、子供達から木の妖精さんに助けられたと聞き、彼女は首を傾げていた。
この世界の人間でも、妖精の姿を見た事はないのか……。
ましてやそれが、老人の姿をしていたと言われれば不思議に思うのも無理はない。
その後、起きてきた3人の子供達とアマンダさんパーティーと一緒に遅い昼食を食べ、子供達を家へ送り届けホームの自宅に戻った。
翌週には5人の犯人達が迷宮都市の衛兵所に移送され事情聴取を受けたが、やはり実行犯との関わりはなく金で雇われた犯罪者だった。
それでも公爵令嬢が保護している子供達を誘拐した罪は重く、今後を踏まえたオリビアさんが下した判決は、鉱山送りではなく斬首刑となる。
私達はダンジョン攻略をしていたため、帰還した金曜日には全てが終わっていた。
日曜日の稽古時、同じ木の妖精ではないかも知れないけれど子供達を助けてくれたお礼に、木の下へ沢山のお供え物を用意する。
妖精さん達が食べる物だから食材に気を使う必要はないだろう。
『ナン』ではなく食パンを使用した大量のサンドイッチと唐揚げにバナナだ。
稽古後、再び木の下へいくと、お供え物が消え一枚の羊皮紙が残されている。
『サラ様。食事の用意をありがとうございます。後で子供達を助けた方達へ渡しておきます。犯人は必ず見付け出しますので、ご心配なさらぬよう。王都で仲間が宿を見張っております。』
妖精さんは、木のある所にどこでもいるの?
そして、かなり事情通だった。
更に1週間後。
オリビアさんの下へ、簀巻きにされた犯人が届けられた。
金曜日、冒険者ギルドへ換金にいった際、オリビアさんが顛末を教えてくれる。
配送先の宿屋へ商業ギルドから配達された荷物を宿泊客が受け取り、その荷物を持ち別の宿屋へ向かったそうだ。
そこの宿泊客へ荷物を渡すまで衛兵が後を付けていたが、その後撒かれてしまったらしい。
逃げた犯人を妖精さん達が捕まえてくれたのかな?
オリビアさんが届けられた犯人を尋問した所、何とこの人物も指示されただけで、お金の受け渡し場所に依頼者は現れなかったと言う。
結局、最終的に計画した犯人は分からず事件は未解決のままだ。
どうにも後味が悪い結果で、オリビアさんも腑に落ちない様子。
身代金目的の誘拐を企てたにしては用意周到過ぎるし、お金を受け取りにこないのは不自然極まりない。
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