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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第563話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ11(摩天楼のダンジョン13階)&エリクサー製作の可能性
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摩天楼のダンジョンへ向かう途中、父に攻略の仕方を変えたいと伝える。
「お父さん。1階層毎に攻略するのは、Lv上げに時間が掛かり過ぎると思う。手っ取り早く51階層から攻略したいんだけど……」
「沙良……。急がば回れと言うだろう? それに急いては事を仕損じるという言葉もある。戦争が始まるのは数年後だ。焦る気持ちは分かるが、何かあったら俺達には治療手段がない。エクスポーションで治らない怪我を負うリスクは避けるべきだ」
「それなんだけど……。もしかしたらエリクサーが作れるかも知れない」
「何だって!?」
「お兄ちゃん達にポーションの浄化をお願いしたら、キングビーの解毒が可能な『毒消しポーション』が出来たんだよね。ポーションへ魔法の効果が付与されるなら、Lv10のヒールを掛けたらエリクサーにならないかな?」
「……。その話は初耳なんだが?」
「あ~以前、迷宮都市のダンジョンにアシュカナ帝国人が呪具を設置した事件があったの。薬師ギルドで販売を開始した『毒消しポーション』を使用したら、解呪出来たんだよ~」
「いや待て、話が飛んだ。解毒と解呪は別の話じゃないか!」
「えっ? 一緒の話だけど?」
父は私の話を聞き混乱したのか、頭を押さえ「秘密が……」と言い唸っている。
そんな父を放置し私は13階の安全地帯へ到着後、直ぐにテントを設置して中へ入った。
13階の木の実は何かな?
あった、ピスタチオだ!
アイテムBOXに収納し取り出すと、これもテニスボールくらいの大きさをしている。
食べ応えがありそうね~。
全てを収穫し終わる頃、父から話があると言われた。
なんだろう?
長くなりそうな感じがしたため、テント内にテーブルと椅子を出し座った。
「沙良。お前は話を端折りすぎだ。最初から、きちんと説明しなさい」
「? Lvが上がらないので、51階から攻略したいです」
「……その話じゃない。『毒消しポーション』の件だ」
さっきちゃんと話したのに……。
父はしっかり聞いていなかったのかな?
「迷宮都市ダンジョン地下14階の魔物で、猛毒の針を持つキングビーがいるの。エリクサーじゃなきゃ解毒出来ず冒険者達が困っていたから、薬師ギルドマスターに相談して『毒消しポーション』を作製したんだよ。エリクサーは、貴族しか買えないから可哀想でしょ?」
「それで、賢也達がポーションへ浄化を掛けたのか?」
「うん。ギルドマスターのゼリアさんに鑑定してもらったら、毒消しの効果が追加されてると分かったの」
「ただのポーションに毒消しの効果が追加されたのか……。その『毒消しポーション』を見せてくれ」
私は常備している、ポーションを使用した『毒消しポーション』を出した。
他にハイポーションとエクスポーションへ浄化を掛けた物もあるけどね。
父は『毒消しポーション』を鑑定した後、大きく溜息を吐く。
「確かに、解毒の効果が追加されているな……。この『毒消しポーション』で、呪具の解除も可能だったのか?」
「うん。沢山設置されていたから、兄達が探して浄化するより効率よく解呪出来たみたい」
「その呪具は何色だった?」
「ええっと赤紫・赤緑・黒だったと思う」
「黒!? 最悪じゃないか! あ~、呪具の件はガーグ老から聞いている」
やけに詳しいと思ったら、父は将棋を指しながらガーグ老に異世界の話を色々聞いているらしい。
ドワーフのお店も知っていたしね。
「その呪具は全部解呪済みだから、安心していいよ」
「違う意味で全然安心出来ない。そもそもエリクサーでしか解毒出来ない『毒消しポーション』は、なかった筈だ。それに加え呪具を解呪出来るのは、どう考えても拙いだろう。沙良、効果を知っている人間はどれくらいいる」
「冒険者ギルドのオリビアさんと薬師ギルドのゼリアさんに、直接呪具の解呪をしたアマンダさんのパーティーだけだと思う。販売されている『毒消しポーション』の効果は、キングビーの毒消し効果があるとしか冒険者達は知らないよ?」
「2人のギルドマスターは問題ないだろう。アマンダ嬢は貴族出身に見えるが……」
私は全く気付かなかったのに、父はアマンダさんが貴族出身だと分かったの?
「よく分かったね。アマンダさんは、迷宮都市のあるリザルト公爵令嬢だよ」
「あぁ、やっぱりそうか……」
そう言い、再び黙り込んでしまった。
あの~、攻略する時間が減っていくんですけど……。
考え事は家に帰ってからにしてほしい。
「それで、ポーションへヒールを掛けたらエリクサーになると予想したんだな」
「効果が倍増されるかと思って」
「試す価値はあるかも知れん。後で賢也に話してみよう」
「そう? じゃあ、お兄ちゃんに頼んでみるね」
もしポーションでエリクサーと同じ効果が見込めるなら、冒険者達にも購入可能だ。
ヒールの魔法だと消費MPも少なくて済むし。
これで助かる命が増えるなら兄達も賛成するだろう。
薬師ギルドのゼリアさんが、販売許可を出してくれるといいな。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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「お父さん。1階層毎に攻略するのは、Lv上げに時間が掛かり過ぎると思う。手っ取り早く51階層から攻略したいんだけど……」
「沙良……。急がば回れと言うだろう? それに急いては事を仕損じるという言葉もある。戦争が始まるのは数年後だ。焦る気持ちは分かるが、何かあったら俺達には治療手段がない。エクスポーションで治らない怪我を負うリスクは避けるべきだ」
「それなんだけど……。もしかしたらエリクサーが作れるかも知れない」
「何だって!?」
「お兄ちゃん達にポーションの浄化をお願いしたら、キングビーの解毒が可能な『毒消しポーション』が出来たんだよね。ポーションへ魔法の効果が付与されるなら、Lv10のヒールを掛けたらエリクサーにならないかな?」
「……。その話は初耳なんだが?」
「あ~以前、迷宮都市のダンジョンにアシュカナ帝国人が呪具を設置した事件があったの。薬師ギルドで販売を開始した『毒消しポーション』を使用したら、解呪出来たんだよ~」
「いや待て、話が飛んだ。解毒と解呪は別の話じゃないか!」
「えっ? 一緒の話だけど?」
父は私の話を聞き混乱したのか、頭を押さえ「秘密が……」と言い唸っている。
そんな父を放置し私は13階の安全地帯へ到着後、直ぐにテントを設置して中へ入った。
13階の木の実は何かな?
あった、ピスタチオだ!
アイテムBOXに収納し取り出すと、これもテニスボールくらいの大きさをしている。
食べ応えがありそうね~。
全てを収穫し終わる頃、父から話があると言われた。
なんだろう?
長くなりそうな感じがしたため、テント内にテーブルと椅子を出し座った。
「沙良。お前は話を端折りすぎだ。最初から、きちんと説明しなさい」
「? Lvが上がらないので、51階から攻略したいです」
「……その話じゃない。『毒消しポーション』の件だ」
さっきちゃんと話したのに……。
父はしっかり聞いていなかったのかな?
「迷宮都市ダンジョン地下14階の魔物で、猛毒の針を持つキングビーがいるの。エリクサーじゃなきゃ解毒出来ず冒険者達が困っていたから、薬師ギルドマスターに相談して『毒消しポーション』を作製したんだよ。エリクサーは、貴族しか買えないから可哀想でしょ?」
「それで、賢也達がポーションへ浄化を掛けたのか?」
「うん。ギルドマスターのゼリアさんに鑑定してもらったら、毒消しの効果が追加されてると分かったの」
「ただのポーションに毒消しの効果が追加されたのか……。その『毒消しポーション』を見せてくれ」
私は常備している、ポーションを使用した『毒消しポーション』を出した。
他にハイポーションとエクスポーションへ浄化を掛けた物もあるけどね。
父は『毒消しポーション』を鑑定した後、大きく溜息を吐く。
「確かに、解毒の効果が追加されているな……。この『毒消しポーション』で、呪具の解除も可能だったのか?」
「うん。沢山設置されていたから、兄達が探して浄化するより効率よく解呪出来たみたい」
「その呪具は何色だった?」
「ええっと赤紫・赤緑・黒だったと思う」
「黒!? 最悪じゃないか! あ~、呪具の件はガーグ老から聞いている」
やけに詳しいと思ったら、父は将棋を指しながらガーグ老に異世界の話を色々聞いているらしい。
ドワーフのお店も知っていたしね。
「その呪具は全部解呪済みだから、安心していいよ」
「違う意味で全然安心出来ない。そもそもエリクサーでしか解毒出来ない『毒消しポーション』は、なかった筈だ。それに加え呪具を解呪出来るのは、どう考えても拙いだろう。沙良、効果を知っている人間はどれくらいいる」
「冒険者ギルドのオリビアさんと薬師ギルドのゼリアさんに、直接呪具の解呪をしたアマンダさんのパーティーだけだと思う。販売されている『毒消しポーション』の効果は、キングビーの毒消し効果があるとしか冒険者達は知らないよ?」
「2人のギルドマスターは問題ないだろう。アマンダ嬢は貴族出身に見えるが……」
私は全く気付かなかったのに、父はアマンダさんが貴族出身だと分かったの?
「よく分かったね。アマンダさんは、迷宮都市のあるリザルト公爵令嬢だよ」
「あぁ、やっぱりそうか……」
そう言い、再び黙り込んでしまった。
あの~、攻略する時間が減っていくんですけど……。
考え事は家に帰ってからにしてほしい。
「それで、ポーションへヒールを掛けたらエリクサーになると予想したんだな」
「効果が倍増されるかと思って」
「試す価値はあるかも知れん。後で賢也に話してみよう」
「そう? じゃあ、お兄ちゃんに頼んでみるね」
もしポーションでエリクサーと同じ効果が見込めるなら、冒険者達にも購入可能だ。
ヒールの魔法だと消費MPも少なくて済むし。
これで助かる命が増えるなら兄達も賛成するだろう。
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