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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第506話 迷宮都市 地下15階 初顔合わせ&新たな果物 1
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本日の昼食はコカトリスの肉を使用した親子丼に、アイテムBOXから作り置きのきんぴらごぼう・胡瓜とカニカマをマヨネーズで和えたサラダを出した。
それに大根・揚げ・ネギの入った味噌汁&旭のお母さんが煎れた緑茶と一緒に頂く。
食事の最中、緑茶を一口飲んで吹き出しそうになった。
やけに色が濃いと思ったら……。
お茶が苦い!
旭と雫ちゃんを見ると慣れているのか普通にしている。
両親と兄はお茶を飲んだ瞬間、親子丼を続けて食べ出した。
あ~、ひょっとして茶葉を茶匙で人数分入れたの?
適量という言葉を知っていますか?
食後に、飲めないお茶を消費するため羊羹を出す事にした。
雫ちゃんとお母さんは、「デザートもあるなんて最高ね~」と言い喜んで食べていたよ。
うん、昼食には毎食追加のデザートを付ける必要がありそうだ。
夏になったら、冷蔵庫に麦茶を用意しておかないと。
コップに入れるだけなら、味は変わらないだろう。
食事を済ませテントから出ると、タイミング良くアマンダさんとダンクさんのパーティーが安全地帯に戻ってきていた。
新しく増えた4人の追加メンバーは初顔合わせになるので、2パーティーに紹介する事に。
「私の両親と旭の妹2人です。これから7人パーティーになりますので、よろしくお願いしますね」
「沙良の父の響です。子供達がお世話になっているそうで、ありがとうございます」
「沙良の母の美佐子と申します。家族がお世話になります」
両親に挨拶された2パーティー全員が深いお辞儀をしてから、代表でリーダーのダンクさんとアマンダさんが自己紹介を始める。
「リーダーのダンクです。こちらこそ、息子さんには石化した両親を治療して頂きました。本当に感謝してもしきれない程の恩があります」
ダンクさんはそう言って、再び深く一礼した。
それを聞いた父が「……石化?」と兄の方を見て不思議そうな表情をする。
あ~、20年間石化状態だった人を治療した話をするの、すっかり忘れていたよ。
後で兄から話してもらおう。
「『白薔薇の華』クランリーダーのアマンダです。娘さんには、美味しい料理を教えてもらい感謝しています」
続いてアマンダさんが口にした言葉を聞いて、私は初めて彼女のクラン名を知った。
イメージ的に白というより赤い方が似合っていそうだけど……。
「妹の結花です。兄がお世話になっております。皆さん、これからよろしくお願いします」
「妹の雫です」
旭のお母さんと雫ちゃんが挨拶をして、初顔合わせは無事終了。
ダンクさんが、とても小さな声で「それにしても息子以外似てない親子に兄妹だな……」と感想を漏らしていた。
アマンダさんは、私の耳元へ内緒話をするかのように「お兄ちゃん以外は全員連れ子かい?」と聞いてくる。
私はどう答えたら良いか分からず、曖昧に微笑んでおいた。
「サラちゃん。増えた従魔達の紹介もしてくれよ!」
待っていたかのように、ダンクさんが発言する。
私が迷宮タイガーの泰雅を紹介、次に母がシルバーウルフのボブを紹介すると、聞いていた2パーティーが「ボブ?」と首を傾げてみせた。
旭のお母さんがフォレストウサギのアレキサンドリア・リヒテンシュタイン通称アレクと源五郎を紹介すると、全員ドン引きしている。
そしてボブと源五郎は、名前を呼ばれる度に元気がなくなってしまった。
可哀想に……。
テイムした従魔の名前を変更出来ないかと試しにフォレストをタイガーに変えようとした所、フォレストが首を横に振る。
私が思っている事が聞こえたらしい。
これは変更出来ないのかも?
子供達の様子をダンクさんとアマンダさんに伝え、全員が従魔に乗って安全地帯を出る。
地下15階の初攻略開始だ。
初日の今日は、心配なのか兄も一緒に付いてきている。
きっと明日からは、また果物採取に励むんだろう。
最初に索敵したのは、魔法を使用しない三つ目ベア体長5m。
額に付いている青い目は、換金対象になるから傷を付けないでほしいと解体場のアレクおじさんにお願いされた。
いつも眉間を貫通させているので、心配したのだろう。
父が泰雅に騎乗したまま魔物に駆け出し、すれ違いざま首を刎ねる。
三つ目ベアは首を失い、ドスンと音を立てて地面に倒れた。
私はアイテムBOXへ2つに分かれた魔物を収納する。
父は本当に魔物を倒す事を躊躇しない。
害獣だと思っているんだろうか?
母はそんな父の姿を見て、頬を染めうっとりとしている。
これは、惚れ直しているのかしら?
夫婦の行為に熱が入りそうで、良い兆候よね。
そんな事を考えていると、シルバーが何かに気付いたのか上空を見上げた。
ここで初の空を飛ぶ鳥系魔物、迷宮イーグル体長3mが滑空してくる。
この魔物はウィンドアローを撃ってくるので、母にドレインを使用してもらい昏倒させた。
HPがなくなり眠ってしまった迷宮イーグルは、そのまま地面に落ちる。
動かない迷宮イーグルの首を、母が短槍で突き止めを刺す。
母はMPが高いので、この方法なら魔物を安全に狩る事が出来るだろう。
次にポインズンアント体長2mが6匹向かってきた。
この魔物に周囲を取り囲まれ、一斉に毒を吐かれると厄介な事になるそうだ。
旭のお母さんがドレインを使用し昏倒させた後、雫ちゃんと一緒に魔法のLv上げをするために1匹ずつ違う魔法を使い仕留めてもらう。
換金出来るのは魔石だけなので、2人は器用に取り出していた。
どこかにキングアント体長3mがいる筈だけど……。
地面に潜っているのか、今は確認出来なかった。
本日最後の魔物は、迷宮モンキー体長1.5m。
この魔物も集団で現れるから注意が必要だ。
兄と旭が眉間にライトボールを撃ち瞬殺する。
迷宮モンキーは尻尾に価値があるらしい。
一体、何に使用するのか謎すぎる。
そして、お楽しみの地下15階に生る果物をマッピングで発見。
おおっ、これは赤紫色をしたアメリカンチェリーだ!
どうやら迷宮モンキーが生息している森の中にあるらしい。
その事をメンバーに知らせ、わくわくしながら採取に向かった。
道中襲ってきた迷宮モンキーは、兄と旭が瞬殺し旭がアイテムBOXに収納していく。
アメリカンチェリーが生っている木に辿り着くと、兄が早速ライトボールで切り離し落下した物を受け止めていた。
卵くらいのサイズをしているから、1個でも食べ応えがありそうだ。
兄からひとつもらい食べてみると、予想通り中に種は入っていない。
ダンジョン産だから甘くて美味しいなぁ。
ランダムに生る方の果物は何かしら?
私達は迷宮ダンジョンの森に果物が生る事を知っているけど、4人は初めて見た所為か唖然としていた。
「ダンジョンの中に果物が生っているなんて!」
「地下11階以降が森だった事にも驚いたけど、これは予想外よ!」
「もしかして王都の店で売っていた高級フルーツは、迷宮都市のダンジョンで取れた物なの?」
雫ちゃんとお母さんが、興奮気味に尋ねてくる。
「はい、そうです。私達が採取した物を店に卸しているんです。毎日沢山生るので、勿体ないから売る事にしたんですよ~」
「高級フルーツが取り放題……」
そう言うと2人は目を輝かせ、張り切ってアメリカンチェリーの採取を始める。
30分後、全ての木からアメリカンチェリーはなくなった。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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それに大根・揚げ・ネギの入った味噌汁&旭のお母さんが煎れた緑茶と一緒に頂く。
食事の最中、緑茶を一口飲んで吹き出しそうになった。
やけに色が濃いと思ったら……。
お茶が苦い!
旭と雫ちゃんを見ると慣れているのか普通にしている。
両親と兄はお茶を飲んだ瞬間、親子丼を続けて食べ出した。
あ~、ひょっとして茶葉を茶匙で人数分入れたの?
適量という言葉を知っていますか?
食後に、飲めないお茶を消費するため羊羹を出す事にした。
雫ちゃんとお母さんは、「デザートもあるなんて最高ね~」と言い喜んで食べていたよ。
うん、昼食には毎食追加のデザートを付ける必要がありそうだ。
夏になったら、冷蔵庫に麦茶を用意しておかないと。
コップに入れるだけなら、味は変わらないだろう。
食事を済ませテントから出ると、タイミング良くアマンダさんとダンクさんのパーティーが安全地帯に戻ってきていた。
新しく増えた4人の追加メンバーは初顔合わせになるので、2パーティーに紹介する事に。
「私の両親と旭の妹2人です。これから7人パーティーになりますので、よろしくお願いしますね」
「沙良の父の響です。子供達がお世話になっているそうで、ありがとうございます」
「沙良の母の美佐子と申します。家族がお世話になります」
両親に挨拶された2パーティー全員が深いお辞儀をしてから、代表でリーダーのダンクさんとアマンダさんが自己紹介を始める。
「リーダーのダンクです。こちらこそ、息子さんには石化した両親を治療して頂きました。本当に感謝してもしきれない程の恩があります」
ダンクさんはそう言って、再び深く一礼した。
それを聞いた父が「……石化?」と兄の方を見て不思議そうな表情をする。
あ~、20年間石化状態だった人を治療した話をするの、すっかり忘れていたよ。
後で兄から話してもらおう。
「『白薔薇の華』クランリーダーのアマンダです。娘さんには、美味しい料理を教えてもらい感謝しています」
続いてアマンダさんが口にした言葉を聞いて、私は初めて彼女のクラン名を知った。
イメージ的に白というより赤い方が似合っていそうだけど……。
「妹の結花です。兄がお世話になっております。皆さん、これからよろしくお願いします」
「妹の雫です」
旭のお母さんと雫ちゃんが挨拶をして、初顔合わせは無事終了。
ダンクさんが、とても小さな声で「それにしても息子以外似てない親子に兄妹だな……」と感想を漏らしていた。
アマンダさんは、私の耳元へ内緒話をするかのように「お兄ちゃん以外は全員連れ子かい?」と聞いてくる。
私はどう答えたら良いか分からず、曖昧に微笑んでおいた。
「サラちゃん。増えた従魔達の紹介もしてくれよ!」
待っていたかのように、ダンクさんが発言する。
私が迷宮タイガーの泰雅を紹介、次に母がシルバーウルフのボブを紹介すると、聞いていた2パーティーが「ボブ?」と首を傾げてみせた。
旭のお母さんがフォレストウサギのアレキサンドリア・リヒテンシュタイン通称アレクと源五郎を紹介すると、全員ドン引きしている。
そしてボブと源五郎は、名前を呼ばれる度に元気がなくなってしまった。
可哀想に……。
テイムした従魔の名前を変更出来ないかと試しにフォレストをタイガーに変えようとした所、フォレストが首を横に振る。
私が思っている事が聞こえたらしい。
これは変更出来ないのかも?
子供達の様子をダンクさんとアマンダさんに伝え、全員が従魔に乗って安全地帯を出る。
地下15階の初攻略開始だ。
初日の今日は、心配なのか兄も一緒に付いてきている。
きっと明日からは、また果物採取に励むんだろう。
最初に索敵したのは、魔法を使用しない三つ目ベア体長5m。
額に付いている青い目は、換金対象になるから傷を付けないでほしいと解体場のアレクおじさんにお願いされた。
いつも眉間を貫通させているので、心配したのだろう。
父が泰雅に騎乗したまま魔物に駆け出し、すれ違いざま首を刎ねる。
三つ目ベアは首を失い、ドスンと音を立てて地面に倒れた。
私はアイテムBOXへ2つに分かれた魔物を収納する。
父は本当に魔物を倒す事を躊躇しない。
害獣だと思っているんだろうか?
母はそんな父の姿を見て、頬を染めうっとりとしている。
これは、惚れ直しているのかしら?
夫婦の行為に熱が入りそうで、良い兆候よね。
そんな事を考えていると、シルバーが何かに気付いたのか上空を見上げた。
ここで初の空を飛ぶ鳥系魔物、迷宮イーグル体長3mが滑空してくる。
この魔物はウィンドアローを撃ってくるので、母にドレインを使用してもらい昏倒させた。
HPがなくなり眠ってしまった迷宮イーグルは、そのまま地面に落ちる。
動かない迷宮イーグルの首を、母が短槍で突き止めを刺す。
母はMPが高いので、この方法なら魔物を安全に狩る事が出来るだろう。
次にポインズンアント体長2mが6匹向かってきた。
この魔物に周囲を取り囲まれ、一斉に毒を吐かれると厄介な事になるそうだ。
旭のお母さんがドレインを使用し昏倒させた後、雫ちゃんと一緒に魔法のLv上げをするために1匹ずつ違う魔法を使い仕留めてもらう。
換金出来るのは魔石だけなので、2人は器用に取り出していた。
どこかにキングアント体長3mがいる筈だけど……。
地面に潜っているのか、今は確認出来なかった。
本日最後の魔物は、迷宮モンキー体長1.5m。
この魔物も集団で現れるから注意が必要だ。
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迷宮モンキーは尻尾に価値があるらしい。
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そして、お楽しみの地下15階に生る果物をマッピングで発見。
おおっ、これは赤紫色をしたアメリカンチェリーだ!
どうやら迷宮モンキーが生息している森の中にあるらしい。
その事をメンバーに知らせ、わくわくしながら採取に向かった。
道中襲ってきた迷宮モンキーは、兄と旭が瞬殺し旭がアイテムBOXに収納していく。
アメリカンチェリーが生っている木に辿り着くと、兄が早速ライトボールで切り離し落下した物を受け止めていた。
卵くらいのサイズをしているから、1個でも食べ応えがありそうだ。
兄からひとつもらい食べてみると、予想通り中に種は入っていない。
ダンジョン産だから甘くて美味しいなぁ。
ランダムに生る方の果物は何かしら?
私達は迷宮ダンジョンの森に果物が生る事を知っているけど、4人は初めて見た所為か唖然としていた。
「ダンジョンの中に果物が生っているなんて!」
「地下11階以降が森だった事にも驚いたけど、これは予想外よ!」
「もしかして王都の店で売っていた高級フルーツは、迷宮都市のダンジョンで取れた物なの?」
雫ちゃんとお母さんが、興奮気味に尋ねてくる。
「はい、そうです。私達が採取した物を店に卸しているんです。毎日沢山生るので、勿体ないから売る事にしたんですよ~」
「高級フルーツが取り放題……」
そう言うと2人は目を輝かせ、張り切ってアメリカンチェリーの採取を始める。
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