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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第482話 旭 樹 7 現在のステータス&第一王妃の魔の手
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俺の懐妊の報告は、その日の間に王宮中へ知れ渡った。
報告を聞いた響が、政務を放り出して第二王妃の宮へとやってくる。
ショックで寝込んでいた俺は、相手の顔を見るのも嫌で女官長に追い出すよう指示を出す。
本来慶事である筈の懐妊を、俺が少しも喜んでいない様子を見て女官達も困惑していた。
王に会おうとしない俺の態度に諦めたのか、女官長はかなり穏便な言葉で伝え響に帰ってもらったようだ。
自分が妊娠した事は何かの間違いじゃないかと考えてみたが、確かに結婚してから月の物がなかった。
そして初夜から3ヶ月経った今、つわりが起きたという事だろう。
否定出来る材料がひとつもない。
そこで俺は思い出す。
もうすっかり忘れてしまっていた、曾婆ちゃんの宣託内容を……。
もしかして【苦痛】を伴うお役目は、この事かっ!?
てっきり精神的な苦痛とばかり……。
肉体的なものだとは思ってもみなかった。
出産は苦痛というより【激痛】だ!
しかも俺の子供を産んでくれる女性を大切にしろって、俺自身の事じゃね~か!
となると運命の相手は響だったのか?
まぁ、こいつと生涯を共にする事が出来なくても全然構わないんだが……。
いや俺達もう既に結婚してるし!
王族に離婚は有り得ないから、一生を共にする事は確定だ。
しかもハイエルフと人間では寿命が違い過ぎる。
俺は響が旅立った後、独りとり残されるんだろうな……。
そんなかなり先の事に想いを馳せ、しばし現実逃避に浸る。
これが曾婆ちゃんが言った、俺のお役目なら子供を産み育てる事が使命なんだろう。
きっとそれが終わったら、日本に帰れる筈だ……多分。
こちらの世界では180年経っているが、日本に戻った時に浦島太郎状態じゃない事を祈ろう。
結花、尚人、俺の家族に早く会いたくなってきた。
もうこうなったら覚悟を決めて産むしかない。
もう少し気持ちの整理に時間が掛かりそうだが……。
現実に俺のお腹の中には新しい生命が宿っているんだから、大切に守ってやらないと。
あぁ、お酒は暫く飲めないなぁ~。
後、他に気をつける事は何だったか?
俺は結花が妊娠した時の事を思い出し、注意事項を確認していった――。
翌日。
再び俺の宮を訪れた響が満面の笑みを浮かべて、「おめでとう!」と言ったので殴っておいた。
こいつには賢也君と沙良ちゃんと茜ちゃん? の他に、交通事故で亡くしてしまった子供がいる。
29歳の時だった。
だから俺に子供が出来たと知り、素直に喜んだのだろう。
亡くしてしまった子供の事を、ずっと気にしていたから……。
第一王妃との間に出来た王子は、後で聞いた所に依ると行為なしで【秘伝薬】に頼ったものであったらしい。
彼女とは完全な政略結婚で、王宮内の第一派閥である筆頭貴族の娘だとか。
同性同士じゃなくても、【秘伝薬】で妊娠出来ると知り驚いた。
それなら不妊に悩んでいる夫婦にも需要がある。
エルフの国の財政が潤う訳だ。
外交を担当している兄達は強気の貿易が出来るだろう。
とにかく響は子供が出来た事を大いに喜び、俺の世話を甲斐甲斐しく焼こうとする。
毎日宮を訪れては何か食べたい物はないかと尋ねたり、心が穏やかになるようにと宮廷楽師を呼んでは演奏させて聞かせた。
まぁ日本でも胎教という言葉がある通り、それはあながち間違いではないんだろう。
ただ響のその行動が、どうやら第一王妃の癇に障ったらしい。
それから度々第一王妃の手の者と思われる人物から狙われるようになる。
庭を歩いていると上から物が落ちてきたり、階段に油を撒かれたり、懐妊祝いに毒を盛った品を渡したりと……。
まぁ、よく飽きないなぁと思う程、頻繁に手を出してくる。
響しか知らない事だが、俺には影衆当主率いる10名の精鋭部隊が常に姿を隠し付き従っていた。
女官長も元騎士の出身でかなり腕は立つ。
エルフにしては結構な年齢なので、不思議に思っていたが肉体Lvが相当高いのだろう。
俺の専属護衛である影衆達は、ハイエルフである俺の寿命に合わせるためにダンジョンに籠りかなりLvを上げたと聞く。
この世界の仕様では、肉体Lvが上がると何故か寿命が延びる仕組みになっていた。
エルフであるガーグ老が現在800歳なのを考えると、女官長も500歳を優に過ぎているかも知れないな。
どうあっても勝てない筈だ。
初夜に関しては、もう見事な采配だったとしか言えない。
ちなみに現在俺のステータスは、こうなっている。
【ヒルダ・エスカレード 300歳】
★加護(世界樹の精霊王・火の精霊・水の精霊・土の精霊・風の精霊)
レベル 70
HP 8,520
MP 8,520
剣術 Lv20
槍術 Lv20
盾術 Lv20
体術 Lv20
魔力操作 Lv20
魔法 火魔法(ファイアーボールLv20、ファイアーアローLv20・ファイヤーニードルLv20)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv20、ウォーターアローLv2・ウォーターニードルLv20)
魔法 土魔法(アースボールLv20、アースアローLv20、アースニードルLv20)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv20、ウィンドアローLv20・ウィンドニードルLv20)
魔法 氷魔法(アイスボールLv20、アイスアローLv20、アイスニードルLv20)
魔法 雷魔法(サンダーボールLv20、サンダーアローLv20・サンダーニードルLv20)
魔法 テイム魔法(テイムLv20)▼
【従魔のステータス】
●ポチ Lv70(消費MP300)HP700/MP700 白梟(雄)
使用魔法 ウィンドボールLv20(MP消費40)
念話Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
移転Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
変態Lv20(MP消費0)→20種類の鳥型魔物の姿に変態出来る。またその性質も受け継ぐ事が可能。
●タマ Lv70(消費MP300)HP700/MP700 白梟(雌)
使用魔法 ウィンドアローLv20(MP消費40)
念話Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
移転Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
変態Lv20(MP消費0)→20種類の鳥型魔物の姿に変態出来る。またその性質も受け継ぐ事が可能。
俺は120歳の時に初めてLvが上がったため基礎値が120と高い。
Lvが50になると、魔法Lvの上限が解除されLvが最高20になる。
更にLvが100に上がれば、魔法Lvは最高50になるそうだ。
180年の間、ちょくちょく王宮を抜け出してLv上げに勤しんだ結果Lv70となった。
これは歴代の王族の中でも最高Lvだと自負している。
そもそも王族は、外敵がいない事からLvを上げる必要性がなかった。
1人に10名の影衆が付き常にその身の安全を確保しているし、王宮には滅多な人物は入れない。
例外は精霊殿に住む事を許される【存在を秘匿された御方】だけだろう。
時空魔法適性持ちで移転が出来ると聞く。
その警護に当たるのは、影衆当主率いる50名の精鋭部隊【万象】。
それだけ厳重に守られるのは、エルフ国最後の砦と言われる所以か……。
さながら最終兵器のような存在だ。
人や物資を無尽蔵に移転出来るなら戦況が一変する。
ちなみに現在エルフの国は、どの国とも戦争をしていない。
これは過去に多くの国を殲滅した歴史から、無謀な戦を仕掛けようとする国がもう残っていないからだと思う。
そんな中でもLvを上げた俺は、相当な変わり種だったかも知れない。
いや、Lvが上がるのなら最高まで上げるのが男のロマンじゃないか?
まぁ、そんな訳で俺自身もかなり強い方だ。
だから懐妊を知った第一王妃が、あらゆる手を使い策略を巡らせようと特に危険は感じなかった。
そう、毒見役の女官が倒れるまでは……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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報告を聞いた響が、政務を放り出して第二王妃の宮へとやってくる。
ショックで寝込んでいた俺は、相手の顔を見るのも嫌で女官長に追い出すよう指示を出す。
本来慶事である筈の懐妊を、俺が少しも喜んでいない様子を見て女官達も困惑していた。
王に会おうとしない俺の態度に諦めたのか、女官長はかなり穏便な言葉で伝え響に帰ってもらったようだ。
自分が妊娠した事は何かの間違いじゃないかと考えてみたが、確かに結婚してから月の物がなかった。
そして初夜から3ヶ月経った今、つわりが起きたという事だろう。
否定出来る材料がひとつもない。
そこで俺は思い出す。
もうすっかり忘れてしまっていた、曾婆ちゃんの宣託内容を……。
もしかして【苦痛】を伴うお役目は、この事かっ!?
てっきり精神的な苦痛とばかり……。
肉体的なものだとは思ってもみなかった。
出産は苦痛というより【激痛】だ!
しかも俺の子供を産んでくれる女性を大切にしろって、俺自身の事じゃね~か!
となると運命の相手は響だったのか?
まぁ、こいつと生涯を共にする事が出来なくても全然構わないんだが……。
いや俺達もう既に結婚してるし!
王族に離婚は有り得ないから、一生を共にする事は確定だ。
しかもハイエルフと人間では寿命が違い過ぎる。
俺は響が旅立った後、独りとり残されるんだろうな……。
そんなかなり先の事に想いを馳せ、しばし現実逃避に浸る。
これが曾婆ちゃんが言った、俺のお役目なら子供を産み育てる事が使命なんだろう。
きっとそれが終わったら、日本に帰れる筈だ……多分。
こちらの世界では180年経っているが、日本に戻った時に浦島太郎状態じゃない事を祈ろう。
結花、尚人、俺の家族に早く会いたくなってきた。
もうこうなったら覚悟を決めて産むしかない。
もう少し気持ちの整理に時間が掛かりそうだが……。
現実に俺のお腹の中には新しい生命が宿っているんだから、大切に守ってやらないと。
あぁ、お酒は暫く飲めないなぁ~。
後、他に気をつける事は何だったか?
俺は結花が妊娠した時の事を思い出し、注意事項を確認していった――。
翌日。
再び俺の宮を訪れた響が満面の笑みを浮かべて、「おめでとう!」と言ったので殴っておいた。
こいつには賢也君と沙良ちゃんと茜ちゃん? の他に、交通事故で亡くしてしまった子供がいる。
29歳の時だった。
だから俺に子供が出来たと知り、素直に喜んだのだろう。
亡くしてしまった子供の事を、ずっと気にしていたから……。
第一王妃との間に出来た王子は、後で聞いた所に依ると行為なしで【秘伝薬】に頼ったものであったらしい。
彼女とは完全な政略結婚で、王宮内の第一派閥である筆頭貴族の娘だとか。
同性同士じゃなくても、【秘伝薬】で妊娠出来ると知り驚いた。
それなら不妊に悩んでいる夫婦にも需要がある。
エルフの国の財政が潤う訳だ。
外交を担当している兄達は強気の貿易が出来るだろう。
とにかく響は子供が出来た事を大いに喜び、俺の世話を甲斐甲斐しく焼こうとする。
毎日宮を訪れては何か食べたい物はないかと尋ねたり、心が穏やかになるようにと宮廷楽師を呼んでは演奏させて聞かせた。
まぁ日本でも胎教という言葉がある通り、それはあながち間違いではないんだろう。
ただ響のその行動が、どうやら第一王妃の癇に障ったらしい。
それから度々第一王妃の手の者と思われる人物から狙われるようになる。
庭を歩いていると上から物が落ちてきたり、階段に油を撒かれたり、懐妊祝いに毒を盛った品を渡したりと……。
まぁ、よく飽きないなぁと思う程、頻繁に手を出してくる。
響しか知らない事だが、俺には影衆当主率いる10名の精鋭部隊が常に姿を隠し付き従っていた。
女官長も元騎士の出身でかなり腕は立つ。
エルフにしては結構な年齢なので、不思議に思っていたが肉体Lvが相当高いのだろう。
俺の専属護衛である影衆達は、ハイエルフである俺の寿命に合わせるためにダンジョンに籠りかなりLvを上げたと聞く。
この世界の仕様では、肉体Lvが上がると何故か寿命が延びる仕組みになっていた。
エルフであるガーグ老が現在800歳なのを考えると、女官長も500歳を優に過ぎているかも知れないな。
どうあっても勝てない筈だ。
初夜に関しては、もう見事な采配だったとしか言えない。
ちなみに現在俺のステータスは、こうなっている。
【ヒルダ・エスカレード 300歳】
★加護(世界樹の精霊王・火の精霊・水の精霊・土の精霊・風の精霊)
レベル 70
HP 8,520
MP 8,520
剣術 Lv20
槍術 Lv20
盾術 Lv20
体術 Lv20
魔力操作 Lv20
魔法 火魔法(ファイアーボールLv20、ファイアーアローLv20・ファイヤーニードルLv20)
魔法 水魔法(ウォーターボールLv20、ウォーターアローLv2・ウォーターニードルLv20)
魔法 土魔法(アースボールLv20、アースアローLv20、アースニードルLv20)
魔法 風魔法(ウィンドボールLv20、ウィンドアローLv20・ウィンドニードルLv20)
魔法 氷魔法(アイスボールLv20、アイスアローLv20、アイスニードルLv20)
魔法 雷魔法(サンダーボールLv20、サンダーアローLv20・サンダーニードルLv20)
魔法 テイム魔法(テイムLv20)▼
【従魔のステータス】
●ポチ Lv70(消費MP300)HP700/MP700 白梟(雄)
使用魔法 ウィンドボールLv20(MP消費40)
念話Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
移転Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
変態Lv20(MP消費0)→20種類の鳥型魔物の姿に変態出来る。またその性質も受け継ぐ事が可能。
●タマ Lv70(消費MP300)HP700/MP700 白梟(雌)
使用魔法 ウィンドアローLv20(MP消費40)
念話Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
移転Lv20(MP消費0)→主人より半径200Km以内で使用可能。
変態Lv20(MP消費0)→20種類の鳥型魔物の姿に変態出来る。またその性質も受け継ぐ事が可能。
俺は120歳の時に初めてLvが上がったため基礎値が120と高い。
Lvが50になると、魔法Lvの上限が解除されLvが最高20になる。
更にLvが100に上がれば、魔法Lvは最高50になるそうだ。
180年の間、ちょくちょく王宮を抜け出してLv上げに勤しんだ結果Lv70となった。
これは歴代の王族の中でも最高Lvだと自負している。
そもそも王族は、外敵がいない事からLvを上げる必要性がなかった。
1人に10名の影衆が付き常にその身の安全を確保しているし、王宮には滅多な人物は入れない。
例外は精霊殿に住む事を許される【存在を秘匿された御方】だけだろう。
時空魔法適性持ちで移転が出来ると聞く。
その警護に当たるのは、影衆当主率いる50名の精鋭部隊【万象】。
それだけ厳重に守られるのは、エルフ国最後の砦と言われる所以か……。
さながら最終兵器のような存在だ。
人や物資を無尽蔵に移転出来るなら戦況が一変する。
ちなみに現在エルフの国は、どの国とも戦争をしていない。
これは過去に多くの国を殲滅した歴史から、無謀な戦を仕掛けようとする国がもう残っていないからだと思う。
そんな中でもLvを上げた俺は、相当な変わり種だったかも知れない。
いや、Lvが上がるのなら最高まで上げるのが男のロマンじゃないか?
まぁ、そんな訳で俺自身もかなり強い方だ。
だから懐妊を知った第一王妃が、あらゆる手を使い策略を巡らせようと特に危険は感じなかった。
そう、毒見役の女官が倒れるまでは……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
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これからもよろしくお願い致します。
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