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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第468話 王都へ 雫ちゃん探し 突然の再会
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クリスマス会と兄達の結婚式が終了した後で、ジョンさんから石化の治療代を渡された。
待たせてしまい悪かったと言われたけど、私は気にしていないというように首を横に振り有難く頂く事にする。
これは後で、旭に半分渡しておこう。
ホームの自宅に帰ると結婚したばかりの2人に気を使い、「これから飲みに行ったら?」と提案する。
すると旭が頬を赤く染め、少し躊躇いがちに口を開いた。
「沙良ちゃん、今夜は……その一緒に……」
あぁ、私が子供を産んであげると言ったので子作りしようと言いたいのね。
それも新婚初夜に……。
兄達にとっては今更な事なのかも知れないけど、流石に初夜を台無しにする程野暮じゃない。
それに排卵日以外にする必要もないしね。
少ない回数で出来た方がお互い気まずい思いをしないだろう。
兄だって、いくら子供のためとはいえ心中は複雑じゃないかな……。
更に言えば、私はLv上げを優先したいので今すぐ出産する事は無理だった。
妊娠したら、ルイスさんのようにダンジョン攻略を中止しないといけなくなる。
少なくとも1年以上は、冒険者として活動する事が出来ない。
兄は自宅のマンションを手に入れた事で、もうLv上げに積極的じゃないかも知れないけど……。
アシュカナ帝国への対策には、どうしても移動距離が必要なのだ。
「ええっと……、早く子供が欲しいのは知ってるし産むのも問題ないんだけど、もう少し待ってくれる? それに予定日以外にする必要はないと思うよ」
「そっ、それって……いつまで待てばいいのかな?」
「う~ん、2・3年くらい? 大丈夫! 私達まだ若いから、3年後でも23歳だしね!」
「3年っ!?」
私の言葉を聞いて、旭がショックを受けてしまったみたいで固まっている。
実年齢が57歳の旭は、兄と子供を持つ事は諦めていたんだろう。
余程、子供が欲しかったらしい。
私達は若返ったので心配しなくても良いと思う。
「じゃあ、私は部屋に戻るよ」
その後、2人は飲みに出かけたみたいだ。
私は夕飯を適当に済ませて、早々に眠りに就いた。
翌日月曜日。
今日から暫くダンジョン攻略は中止する。
色々予定があるので、1ヶ月くらい冒険者活動はお休みだ。
まずは、王都にいる雫ちゃん探しから始めよう。
両親の召喚は、その後にする心算でいる。
日本で生活している両親より、異世界に転生し独りで頑張っている雫ちゃんを優先してあげたい。
朝食を済ませて、兄の指示する方向に迷宮都市から馬車で2週間の王都へとマッピングで移動開始。
カマラさんからもらった地図は、本当に役立っている。
2時間後、王都に到着する事が出来た。
真っ先に冒険者ギルドへ直行し、パーティー募集の依頼をお願いする。
雫ちゃんが、現在ダンジョンの何階を攻略しているか分からない。
もしかしたら地上に帰還している可能性もあるため、これからどう探そうか悩んでしまう。
相手の姿や年齢が分からないと人探しは困難を極める。
兄や旭からも、良い案が出てこなかった。
雫ちゃんが、2人の姿に気付いてくれれば一番早いんだけどなぁ。
それに王都には会いたくないサリナもいるから、余り長居したくないのだ。
取り敢えず、初めてきた王都なので何があるか道を覚えるために歩いてみようという事になった。
すれ違う人を見る限り、迷宮都市と比べて人が多い感じがする。
ここのダンジョンは、地下何階まであるんだろう?
物価を調べるために露店を覗いていると、後ろから声を掛けられた。
「貴方達、王都は初めて? よければ案内するよ?」
声を掛けてきたのは、まだ小さな男の子だった。
右手を出しているので、案内料を請求しているんだろう。
「ごめんなさい。私達、人を探しているから案内は必要ないの」
「そうなんだ、じゃあ宿はもう決まってる?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう」
「なんだ、残念」
そう言って、男の子は去っていく。
きっと、お小遣い稼ぎに紹介手数料をもらっているんだろう。
その後も何人かに声を掛けられた。
王都では、子供達が店の宣伝代わりをしているようだ。
不思議と路上生活をしている子供も大人も見かけない。
ここは王領だから、国の福祉が行き届いているのかな?
2時間くらい王都を歩いてみたけど、そう簡単に見付かる訳もなく成果はなし。
一度、お昼を食べに家に戻ろうと人気のない場所を探す。
路地裏に入ろうとした所で、一番会いたくない人物を見付けてしまった。
どうやら相手に姿を見られてしまったようで、こちらに向かい駆け出してくる。
そのまま移転する事も出来ず、私は身構えてしまう。
あれから8年が過ぎているから、私の事は覚えていない筈。
ここで公爵令嬢であるリーシャの存在がバレると、非常に厄介な問題が起きる。
見知らぬ他人のフリをした方がいい。
そうこうしている間に、サリナともう1人の女の子が旭に勢いよく抱き着いた!
「尚人!」
「尚人兄!」
えっ!?
今、何って言った?
突然見知らぬ少女2人に抱き着かれた旭は、驚いて手をバタバタさせている。
私は、悪い予感が当たった事を知り唖然となった。
まさかのサリナが雫ちゃん?
そして旭の名前を知っている、もう1人の少女は誰なの!?
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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待たせてしまい悪かったと言われたけど、私は気にしていないというように首を横に振り有難く頂く事にする。
これは後で、旭に半分渡しておこう。
ホームの自宅に帰ると結婚したばかりの2人に気を使い、「これから飲みに行ったら?」と提案する。
すると旭が頬を赤く染め、少し躊躇いがちに口を開いた。
「沙良ちゃん、今夜は……その一緒に……」
あぁ、私が子供を産んであげると言ったので子作りしようと言いたいのね。
それも新婚初夜に……。
兄達にとっては今更な事なのかも知れないけど、流石に初夜を台無しにする程野暮じゃない。
それに排卵日以外にする必要もないしね。
少ない回数で出来た方がお互い気まずい思いをしないだろう。
兄だって、いくら子供のためとはいえ心中は複雑じゃないかな……。
更に言えば、私はLv上げを優先したいので今すぐ出産する事は無理だった。
妊娠したら、ルイスさんのようにダンジョン攻略を中止しないといけなくなる。
少なくとも1年以上は、冒険者として活動する事が出来ない。
兄は自宅のマンションを手に入れた事で、もうLv上げに積極的じゃないかも知れないけど……。
アシュカナ帝国への対策には、どうしても移動距離が必要なのだ。
「ええっと……、早く子供が欲しいのは知ってるし産むのも問題ないんだけど、もう少し待ってくれる? それに予定日以外にする必要はないと思うよ」
「そっ、それって……いつまで待てばいいのかな?」
「う~ん、2・3年くらい? 大丈夫! 私達まだ若いから、3年後でも23歳だしね!」
「3年っ!?」
私の言葉を聞いて、旭がショックを受けてしまったみたいで固まっている。
実年齢が57歳の旭は、兄と子供を持つ事は諦めていたんだろう。
余程、子供が欲しかったらしい。
私達は若返ったので心配しなくても良いと思う。
「じゃあ、私は部屋に戻るよ」
その後、2人は飲みに出かけたみたいだ。
私は夕飯を適当に済ませて、早々に眠りに就いた。
翌日月曜日。
今日から暫くダンジョン攻略は中止する。
色々予定があるので、1ヶ月くらい冒険者活動はお休みだ。
まずは、王都にいる雫ちゃん探しから始めよう。
両親の召喚は、その後にする心算でいる。
日本で生活している両親より、異世界に転生し独りで頑張っている雫ちゃんを優先してあげたい。
朝食を済ませて、兄の指示する方向に迷宮都市から馬車で2週間の王都へとマッピングで移動開始。
カマラさんからもらった地図は、本当に役立っている。
2時間後、王都に到着する事が出来た。
真っ先に冒険者ギルドへ直行し、パーティー募集の依頼をお願いする。
雫ちゃんが、現在ダンジョンの何階を攻略しているか分からない。
もしかしたら地上に帰還している可能性もあるため、これからどう探そうか悩んでしまう。
相手の姿や年齢が分からないと人探しは困難を極める。
兄や旭からも、良い案が出てこなかった。
雫ちゃんが、2人の姿に気付いてくれれば一番早いんだけどなぁ。
それに王都には会いたくないサリナもいるから、余り長居したくないのだ。
取り敢えず、初めてきた王都なので何があるか道を覚えるために歩いてみようという事になった。
すれ違う人を見る限り、迷宮都市と比べて人が多い感じがする。
ここのダンジョンは、地下何階まであるんだろう?
物価を調べるために露店を覗いていると、後ろから声を掛けられた。
「貴方達、王都は初めて? よければ案内するよ?」
声を掛けてきたのは、まだ小さな男の子だった。
右手を出しているので、案内料を請求しているんだろう。
「ごめんなさい。私達、人を探しているから案内は必要ないの」
「そうなんだ、じゃあ宿はもう決まってる?」
「ええ、大丈夫よ。ありがとう」
「なんだ、残念」
そう言って、男の子は去っていく。
きっと、お小遣い稼ぎに紹介手数料をもらっているんだろう。
その後も何人かに声を掛けられた。
王都では、子供達が店の宣伝代わりをしているようだ。
不思議と路上生活をしている子供も大人も見かけない。
ここは王領だから、国の福祉が行き届いているのかな?
2時間くらい王都を歩いてみたけど、そう簡単に見付かる訳もなく成果はなし。
一度、お昼を食べに家に戻ろうと人気のない場所を探す。
路地裏に入ろうとした所で、一番会いたくない人物を見付けてしまった。
どうやら相手に姿を見られてしまったようで、こちらに向かい駆け出してくる。
そのまま移転する事も出来ず、私は身構えてしまう。
あれから8年が過ぎているから、私の事は覚えていない筈。
ここで公爵令嬢であるリーシャの存在がバレると、非常に厄介な問題が起きる。
見知らぬ他人のフリをした方がいい。
そうこうしている間に、サリナともう1人の女の子が旭に勢いよく抱き着いた!
「尚人!」
「尚人兄!」
えっ!?
今、何って言った?
突然見知らぬ少女2人に抱き着かれた旭は、驚いて手をバタバタさせている。
私は、悪い予感が当たった事を知り唖然となった。
まさかのサリナが雫ちゃん?
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