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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第466話 迷宮都市 クリスマス会 2 物当てゲーム&昼食&嬉しい報告
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今度は10歳以下の子供達を集めて、ゲーム開始。
先程遊び方を見ていたから、小さな子供達もルールを理解して音楽が止まると椅子に座る。
最後の1人は一番小さな女の子だった。
今回は自分より小さな子を優先し、更には男の子が勝ちを譲ってあげている。
女の子はドーナツ2個を嬉しそうに両手で持ち、兄や姉に勝った事を報告し皆で食べていた。
こんな事が自然と出来る家の子供達は、将来非常にモテる事になりそうね。
誰だって自分の事を優先してくれる相手には、好感を持つものだ。
椅子取りゲームを見ていたジョンさんのパーティーが、自分達もやりたいと言うので大人組でゲーム開始。
こちらは最後まで残ったのが、ルイスさんだった。
女性の年長者を敬ったのだろう。
最後まで残っていた兄が、勝ちを譲ってあげていた。
ルイスさんにドーナツを渡すと1個は自分で、もう1個をメンバーに渡して食べていた。
女性は甘い物が好きだからね~。
さて、次は壁と壁の間に投げた物を当てるゲームだ。
アースボールで2mの壁を2つ作り、兄と旭に渡した物を投げてもらう。
「今のは、何でしょう?」
私の質問に、子供達が声を揃えて回答する。
「りんご!」
「正解です。間違っていた人は、その場で座ってね」
簡単な物から始めて、徐々に投げるスピードを変化させていく。
正解する数が減り、立っている子供達が10人を切った。
最後の質問だ。
「今のは、何でしょう?」
とても小さい物だったので、子供達が悩んでいる。
暫くすると、1人の男の子が答えた。
「魔石!」
「正解!」
最後に投げたのは、スライムの魔石だ。
この子は動体視力が優れているようね。
ただの遊びなのにダンクさんのように思ってしまった……。
ドーナツを渡すと、男の子は「やった~!」と喜んでいる。
最後のゲームは、箱の中身を当てる事。
人数が多いので、各家から代表を1名決め横一列に並んでもらう。
テーブルを設置して穴の空いた16個の箱を作り、代表者以外には何が入っているか見えるよう正面を空けておいた。
そこに全て同じ物を入れていく。
「箱の中に手を入れて、中身が何か当ててね」
私に言われた子供達が、一斉に箱の中へ手を入れる。
勿論、触ると危険な物は入れてない。
1分程待ってから質問した。
「箱の中身は、何でしょう?」
「みかん!」
最初の物は、毎週兄が炊き出し後に渡していたので手に持った感触を覚えていたのだろう。
全員が正解だった。
その後、次々と中身を入れ替え徐々に正解する人数が減っていく。
最後に入れた物はポンチョだ。
これには、3人の子供が正解した。
最後まで残った子供にドーナツを渡して、ゲームは終了。
アマンダさんとダンクさんのパーティーに、サンタの衣装から演舞の衣装へと着替えた後で剣舞と槍舞の披露をしてもらう。
子供達は先輩冒険者の演舞に、目をキラキラさせながら集中している。
そんな中、ダンクさんの父親は鋭い視線で息子達の演舞を吟味していたようだ。
現在迷宮都市のダンジョン地下19階を攻略しているトップのクランリーダーは、冒険者としての技量を確認しているのだろう。
それが生死を分ける事になると知っているので、自然と視線も厳しいものになる。
会えなかった20年……。
息子の成長を感じる事が出来たかな?
2組の演舞は、とても素晴らしいものだった。
事前に打ち合わせた通り、ダンクさんとアマンダさんのパーティーが打ち合う姿も見応えがある。
それを見て、私の槍術はまだまだだと痛感してしまったけどね。
もう速度が全然違う。
演舞が終わると、子供達から盛大な拍手が上がる。
私も惜しみない拍手を送った。
これで午前の部は終了。
次は皆が楽しみにしている昼食の準備を始める。
5人の母親達、リリーさん、ケンさん、ルイスさんにお願いし、下準備を済ませた『フライドチキン』を揚げてもらう。
業務用寸胴鍋に入っている『ビーフシチュー』は、温めるフリをする。
兄と旭の3人で、『ピザ』をファイアーボールを使用し焼いた。
今回用意したのは、『ツナマヨポテト』と『照り焼きチキン』の2種類。
これはどちらも子供達が好きな味なので、喜んでくれるだろう。
テーブルと椅子を出して、料理を次々に並べていく。
飲み物は、紅茶に牛乳を入れたミルクティーにしてみた。
子供達の分だけは、ハニービーの蜂蜜を入れて甘くしてある。
「今日のメニューは、『フライドチキン』・『ツナマヨポテトピザ』・『照り焼きチキンピザ』・『ビーフシチュー』です。それでは頂きましょう!」
「いただきます!」
子供達の大きな声が室内に響き渡る。
「お姉ちゃん、『フライドチキン』美味しいね~!」
「『ビーフシチュー』も、初めて食べるよ~!」
見た事のない料理を食べながら、子供達が満面の笑みを浮かべる。
「これが『ピザ』か!? 実に旨い! エールが無いとは……」
ジョンさんは待望の『ピザ』を食べる事が出来て嬉しそうにしていたけど、一緒にエールが飲みたかったんだろう。
子供達も一緒なので、お酒は我慢して下さいね。
冒険者達は酔うと、あの教育上非常に悪い歌を歌い出すので……。
あれ?
ルイスさんが、あまり食べていない気がする。
今日のメニューは少し脂っぽかったのかな?
アイテムBOXの中には、作り置きした料理が沢山入っているので食べられそうな料理を出そう。
心配だったので隣のテーブルに移動し、ルイスさんに小声でそっと聞いてみた。
すると少し恥ずかしそうに彼女が言う、思いがけない返事に驚いてしまう。
なんと、ルイスさんは現在妊娠中らしい。
食欲はあるけど、揚げ物の匂いでお腹が一杯なんだとか……。
知らなかったので、悪い事をしてしまった。
代わりに、私はフルーツの盛り合わせを出してあげた。
これなら少しは食べられるだろう。
しかし、椅子取りゲームに参加して大丈夫だったんだろうか?
「気を使ってくれてありがとう。サラちゃんがくれた、迷宮ウナギの効果があったみたいよ?」
笑いながら言われて、私はそこで漸く自分が勘違いしていた事に気付く。
あぁ!
迷宮ウナギは、ダンクさん用じゃなかったんだ!
ご両親のために、お願いされたのか……。
ダンクさん、男性機能に問題があると思ってごめんなさい。
リリーさんとは、恋人同士じゃなかったようだ。
いやまてよ、ジョンさんはダンクさんより若かった筈よね?
10代で結婚したので、マンネリ防止に使われたのかしら?
20代の兄達には全く効果がなかったのになぁ。
迷宮ウナギの効果が謎過ぎる……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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女の子はドーナツ2個を嬉しそうに両手で持ち、兄や姉に勝った事を報告し皆で食べていた。
こんな事が自然と出来る家の子供達は、将来非常にモテる事になりそうね。
誰だって自分の事を優先してくれる相手には、好感を持つものだ。
椅子取りゲームを見ていたジョンさんのパーティーが、自分達もやりたいと言うので大人組でゲーム開始。
こちらは最後まで残ったのが、ルイスさんだった。
女性の年長者を敬ったのだろう。
最後まで残っていた兄が、勝ちを譲ってあげていた。
ルイスさんにドーナツを渡すと1個は自分で、もう1個をメンバーに渡して食べていた。
女性は甘い物が好きだからね~。
さて、次は壁と壁の間に投げた物を当てるゲームだ。
アースボールで2mの壁を2つ作り、兄と旭に渡した物を投げてもらう。
「今のは、何でしょう?」
私の質問に、子供達が声を揃えて回答する。
「りんご!」
「正解です。間違っていた人は、その場で座ってね」
簡単な物から始めて、徐々に投げるスピードを変化させていく。
正解する数が減り、立っている子供達が10人を切った。
最後の質問だ。
「今のは、何でしょう?」
とても小さい物だったので、子供達が悩んでいる。
暫くすると、1人の男の子が答えた。
「魔石!」
「正解!」
最後に投げたのは、スライムの魔石だ。
この子は動体視力が優れているようね。
ただの遊びなのにダンクさんのように思ってしまった……。
ドーナツを渡すと、男の子は「やった~!」と喜んでいる。
最後のゲームは、箱の中身を当てる事。
人数が多いので、各家から代表を1名決め横一列に並んでもらう。
テーブルを設置して穴の空いた16個の箱を作り、代表者以外には何が入っているか見えるよう正面を空けておいた。
そこに全て同じ物を入れていく。
「箱の中に手を入れて、中身が何か当ててね」
私に言われた子供達が、一斉に箱の中へ手を入れる。
勿論、触ると危険な物は入れてない。
1分程待ってから質問した。
「箱の中身は、何でしょう?」
「みかん!」
最初の物は、毎週兄が炊き出し後に渡していたので手に持った感触を覚えていたのだろう。
全員が正解だった。
その後、次々と中身を入れ替え徐々に正解する人数が減っていく。
最後に入れた物はポンチョだ。
これには、3人の子供が正解した。
最後まで残った子供にドーナツを渡して、ゲームは終了。
アマンダさんとダンクさんのパーティーに、サンタの衣装から演舞の衣装へと着替えた後で剣舞と槍舞の披露をしてもらう。
子供達は先輩冒険者の演舞に、目をキラキラさせながら集中している。
そんな中、ダンクさんの父親は鋭い視線で息子達の演舞を吟味していたようだ。
現在迷宮都市のダンジョン地下19階を攻略しているトップのクランリーダーは、冒険者としての技量を確認しているのだろう。
それが生死を分ける事になると知っているので、自然と視線も厳しいものになる。
会えなかった20年……。
息子の成長を感じる事が出来たかな?
2組の演舞は、とても素晴らしいものだった。
事前に打ち合わせた通り、ダンクさんとアマンダさんのパーティーが打ち合う姿も見応えがある。
それを見て、私の槍術はまだまだだと痛感してしまったけどね。
もう速度が全然違う。
演舞が終わると、子供達から盛大な拍手が上がる。
私も惜しみない拍手を送った。
これで午前の部は終了。
次は皆が楽しみにしている昼食の準備を始める。
5人の母親達、リリーさん、ケンさん、ルイスさんにお願いし、下準備を済ませた『フライドチキン』を揚げてもらう。
業務用寸胴鍋に入っている『ビーフシチュー』は、温めるフリをする。
兄と旭の3人で、『ピザ』をファイアーボールを使用し焼いた。
今回用意したのは、『ツナマヨポテト』と『照り焼きチキン』の2種類。
これはどちらも子供達が好きな味なので、喜んでくれるだろう。
テーブルと椅子を出して、料理を次々に並べていく。
飲み物は、紅茶に牛乳を入れたミルクティーにしてみた。
子供達の分だけは、ハニービーの蜂蜜を入れて甘くしてある。
「今日のメニューは、『フライドチキン』・『ツナマヨポテトピザ』・『照り焼きチキンピザ』・『ビーフシチュー』です。それでは頂きましょう!」
「いただきます!」
子供達の大きな声が室内に響き渡る。
「お姉ちゃん、『フライドチキン』美味しいね~!」
「『ビーフシチュー』も、初めて食べるよ~!」
見た事のない料理を食べながら、子供達が満面の笑みを浮かべる。
「これが『ピザ』か!? 実に旨い! エールが無いとは……」
ジョンさんは待望の『ピザ』を食べる事が出来て嬉しそうにしていたけど、一緒にエールが飲みたかったんだろう。
子供達も一緒なので、お酒は我慢して下さいね。
冒険者達は酔うと、あの教育上非常に悪い歌を歌い出すので……。
あれ?
ルイスさんが、あまり食べていない気がする。
今日のメニューは少し脂っぽかったのかな?
アイテムBOXの中には、作り置きした料理が沢山入っているので食べられそうな料理を出そう。
心配だったので隣のテーブルに移動し、ルイスさんに小声でそっと聞いてみた。
すると少し恥ずかしそうに彼女が言う、思いがけない返事に驚いてしまう。
なんと、ルイスさんは現在妊娠中らしい。
食欲はあるけど、揚げ物の匂いでお腹が一杯なんだとか……。
知らなかったので、悪い事をしてしまった。
代わりに、私はフルーツの盛り合わせを出してあげた。
これなら少しは食べられるだろう。
しかし、椅子取りゲームに参加して大丈夫だったんだろうか?
「気を使ってくれてありがとう。サラちゃんがくれた、迷宮ウナギの効果があったみたいよ?」
笑いながら言われて、私はそこで漸く自分が勘違いしていた事に気付く。
あぁ!
迷宮ウナギは、ダンクさん用じゃなかったんだ!
ご両親のために、お願いされたのか……。
ダンクさん、男性機能に問題があると思ってごめんなさい。
リリーさんとは、恋人同士じゃなかったようだ。
いやまてよ、ジョンさんはダンクさんより若かった筈よね?
10代で結婚したので、マンネリ防止に使われたのかしら?
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