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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第315話 迷宮都市 銀だら定食

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 サヨさんを安全にパワーレベリングして高レベルにしたら、120歳まで生きられるんじゃない? 
 しかも基本値が78だから、Lv20でもうHP/MPが1,638もある。

 Lv35の私が1,728と考えるとLv20もあれば充分だろう。
 そうすれば、召喚して若返ったお母さん(42歳)と仲良く老後を過ごす事が出来る。

 お母さんが20歳の時にお祖母ちゃんは亡くなったので、一緒に過ごせた時間は少ない。 
 20歳ならば、まだ親に甘えたい年齢だ。

 私は両親を召喚したら、3人をパワーレベリングする事に決めた。
 ちまちまLv上げをするのは面倒だから、地下29階層で一気に上げよう。
 誰も攻略者が居ないから、マッピングで移動すればバレないしね。

 抹茶を飲みながら栗きんとんを幸せそうに食べるサヨさんを見て、「どうか長生きしてね! お祖母ちゃん」と心の中で呟いた。

 その後、再び作業に戻る。
 なんとかアマンダさんサイズの着ぐるみパジャマが完成した頃、兄達が戻ってきた。

「おかえり~。2匹と遊んでくれてありがとね!」

「あぁ、ただいま。フォレストは、やっとお手が出来るようになったぞ」

 ちょっと得意げな表情をして報告された。
 兄よ、まだ芸を仕込んでたのか……。

「沙良ちゃん、シルバーは頭が悪いのかなぁ~。どうやっても俺の手をんでくるんだけど……」

 旭よ、それは完全に遊ばれてると思う。
 
「後でシルバーに、手をまないように言ってあげるよ」

「うん、よろしくね~」

 サヨさんも2着の衣装を作り終えていたので、お礼に4人で外食に行く事にする。
 サヨさんが作ってくれた扇舞おうぎまいの衣装は、女性らしい繊細なデザインでとても素敵だった。

 この衣装を着て舞扇を使った舞は、異世界では新鮮に映るだろう。
 サヨさんも編み物仲間と見学に来ると言っていたけど……。

 きっと想像を超える『浦島太郎』に絶句する事になるだろう。
 原作を知っている人間が見たら、詐欺だと思うかも知れない。

 前回の『赤ずきんちゃん』と『シンデレラ』は、もう何と言って良いか分からない物語だった。
 子供達には大受けだったけどね~。

 今回の劇はあまり暴走しないように願うよ。
   
 私が食べたいお店の希望を出してマッピングで移動。
 夕食は〇波の銀だら定食だ。

 元々奈良漬けや守口漬けを扱うお店が出した、みりん粕・さけ粕に漬けた焼き魚が絶品のお店なのよ!
 私のお気に入りNo.1の店で、異世界転移した時に一番食べたかったお店。

 ホーム内で移動出来る距離が長くなり行けるようになったんだよね~。
 電子メニューで【銀だら定食】を4人分注文すると、直ぐにテーブルの上に料理が並ぶ。

「頂きます!」

 全員でご飯の前の挨拶をすると、早速さっそく美味しそうな銀だらにはしをつけて一口。
 やっぱり、この味は真似出来ない。
 
 しかも切身の銀だらは完璧な状態で焼きあがっている。
 ご飯もコシヒカリを使用しているので美味しい。

 この店は、ご飯お替り自由なので兄達はもうお替りをしていた。

 早いなっ!
 
 お味噌汁には八丁味噌が使用されているので、名古屋人にはたまらないだろう。 
 全員が料理に満足して店を出た後、自宅に戻り再びサヨさんを華蘭からんまで送っていった。

 今週は月曜日から命を狙われて、オリーさんを他国に移転させた後に熱が出てと大変な1週間だった。

 最後の貴族のボンボンに関しては、兄がしっかりとおきゅうえていたので忘れよう。

 来週土曜日は2つの町に兄達と防寒着を持っていく予定だ。
 12月のクリスマスにはまだ早いけど、異世界にはサンタさんが居ないので時期は関係ない。
 本格的に寒くなる前に渡さないと意味が無いからね。

 12月は子供達にケーキを食べさせてあげる心算つもり
 私はずっと着たかった、サンタの可愛らしい衣装を着よう。

 赤と白のワンピース、あれは若い時じゃないと着られないのよ!
 30歳を過ぎていたら、ちょっと痛い人に見える。

 牛乳と生クリームが手に入ったので、フルーツをたっぷり入れたホールケーキを各家に差し入れしよう。
 コカトリスは大き過ぎて丸焼きにする事が出来ないから、唐揚げが代わりだ。

 後はピザを焼けば、クリスマスっぽくなるだろう。

 皆な初めて食べるケーキに驚いてくれるかな。
 少しずつ使える食材が増えてきた事で、メニューの幅も大分広がった。

 お米が見付かれば更に色々作る事が出来るんだけど、こればかりは見付からないので仕方無い。

 異世界で家を建てる予定だけど、建築にはどれくらい時間がかかるんだろうか?

 リーシャの実家だった公爵邸は、立派な建物だった気がする。
 滞在時間が短かったので、少し記憶が曖昧あいまいだけど……。

 人力だけで建築したようには見えなかった。
 もしかして魔法が使われているんじゃないかしら?

 出来ればクリスマスパーティーは、新築の家でお祝いしたいと思っている。

 間に合うといいな。
 空き物件が無かった事が残念。

 日曜日には、また新しい物語の劇を子供達に披露ひろうする。
 どんな内容になるかは、当日になってみないと分からないロシアンルーレットのような劇だよ!

 前回同様にアドリブが多発しそうで恐ろしい。
 私は扇舞おうぎまいをリリーさんと踊るだけだから、巻き込まれる事はないだろう……多分。

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