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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第313話 迷宮都市 サヨさんとの昼食
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華蘭に入ると老紳士が直ぐに応接室へ案内してくれる。
その後、店員さんが紅茶とフルーツの盛り合わせをテーブルの上に置き部屋から出ていった。
私は出された紅茶と綺麗にカットされた桃を食べる。
もう完全に超VIP待遇だよね~。
本当、落ち着かないわ……。
暫くすると老紳士がサヨさんと一緒に部屋へ入ってきた。
立ち上がり、お互い挨拶を交わす。
「いつもお世話になってます。今日もサヨさんをお借りしますね」
「こちらこそ大変お世話になっております。本日も家内をよろしくお願い致します。それとご注文頂いております『スヌード』が出来上がりましたのでお納め下さい。『耳当て』の方は、来週土曜日の朝には完成品を全てお渡し出来そうです」
老紳士にマジックバッグを手渡されたので、商品を私のマジックバッグに入れ替える。
「ありがとうございます。こんなに早く納品してくれて助かります。これで子供達に寒くなる前に渡す事が出来そうです」
「迷宮タイガーの皮やリッチのマントを卸して頂いたのですから当然ですよ。今後共、是非当店を宜しくお願い致します」
「はい、勿論です。後は靴と服ですね。こちらはどれくらいかかりますか?」
「後3週間程みて頂けると幸いでございます」
「分かりました。ではサヨさん、行きましょうか」
「はい。それじゃあ貴方、行ってくるわね。帰りは遅くなると思うから夕食は適当に食べて下さいな」
サヨさんの言葉に一瞬老紳士の顔が引き攣る。
客の前なので何か言いかけた言葉を飲み込んだようだ。
またしても、昼食と夕食を自炊する事になり老紳士はショックを受けたらしい。
料理が出来ない男性は、妻がいないとまともな食事にありつけないのか……。
異世界には便利なインスタント食品が無いから、外食するくらいしか食事を取る事は難しいだろうなぁ。
サヨさんを連れ一旦、兄達を教会まで迎えに行く。
流石に説教は終わっていたらしく、2人はシルバーとフォレスト相手に芸の続きを教えていた。
あの昏倒させた3人の護衛達は一体誰が運んだんだろう?
まっ、そんな事はどうでもいいか。
「お兄ちゃん、家に帰るよ~」
「サヨさんこんにちは。今日も妹の手伝いをしてくれるそうで、ありがとうございます」
「まぁ、私の孫なのに固い事を言わないで。おばあちゃんですからね。いつでも孫に会いたいのよ」
「そうでした。では今日の昼食も楽しみにしています」
「ええ、任せて頂戴」
「俺も、ご相伴に与ります」
「勿論ですよ。リクエストがあれば遠慮なく言って下さいね」
「わぁ~ありがとうございます!」
全員でホームの自宅に戻ると午前11時を過ぎていた。
旭はサヨさんへ、本当に遠慮する事なく好物をリクエストしていた。
お昼のメニューは、鰤大根・イカの煮付け・ニラ玉・豚汁と至って和食になった。
旭の母親は余り料理が得意ではなく煮物関係は全滅だったらしい。
よく家に遊びに来て、お母さんの料理を美味しそうに食べていた。
サヨさんに鰤大根とイカの煮付けをお願いし、私は豚汁とニラ玉を作る事にする。
アイテムBOXから材料を出してサヨさんに渡す。
先週も作った気がするけど……。
兄と旭は豚汁が好きなので問題ないのだろう。
家の豚汁には、里芋・さつま芋・牛蒡・人参・大根・コンニャク・豚肉が入ってかなり具沢山になる。
大量に作るので野菜を切る手間も大変だ。
私は黙々と野菜を切っていった。
サヨさんはテキパキと煮物を作り始める。
1時間後、昼食の用意が出来たのでリビングでまったりしている兄達を呼んだ。
「頂きます!」
全員で食前の挨拶を済ませると、先ず旭が豚汁に箸をつける。
私は鰤大根から頂こう。
うん、お母さんの味と一緒だ。
兄はイカの煮付けから食べていた。
サヨさんは私の作った豚汁を飲み、「美味しいわ」と褒めてくれた。
えへへっ、嬉しいな~。
そうだサヨさんに確認したい事があった!
「サヨさん。冒険者の高レベルな人は、寿命が延びるって聞いたんですけど本当ですか?」
「ええ本当よ。この世界の人達の平均寿命は大体85歳前後だけど、高レベルの冒険者の方は120歳くらいまで生きる人が多いわね」
ま・じ・かっ!
他人のステータス表記が見られないから、高レベルと言われても何Lvの事を言っているのか分からないけど……。
きっと拠点にしていたダンジョンで決まってくるんだろう。
バスクさんが地下19階を攻略しているのを聞いて、母親は高レベルの冒険者と判断したから地下20階層辺りが目安になるのかな?
となると摩天楼のダンジョンを攻略しているA級・S級の冒険者は120歳以上生きる可能性があるって事か……。
異世界はLvが肉体に及ぼす影響が大きいようだ。
バスクさんが後60年近く生きる事になるのなら、20代後半の母親の再婚相手でも大丈夫だろう。
但し、5歳の子供がどう思うか分からないけど……。
この世界では、父親がお爺ちゃんくらいの年齢でも普通なのかも知れないなぁ。
意外な情報を聞き色々考えてしまう。
連れ合いが冒険者じゃなければ、先に旅立たれてしまう事になるだろう。
普通の人間が長命なエルフとの結婚を躊躇うのは、生きる時間が違うからだ。
同じLvの冒険者同士なら問題ないけど、相手が一般人であれば年齢は気にするだろうなぁ~。
バスクさんと若い母親は、意外と釣り合っているのかも知れない。
長生きするのなら相手は若い方が良いかもね。
これは店のオーナーとして、一肌脱ぐべきかしら?
どうしたら自然に顔見知りの2人を良い仲にする事が出来るだろう……。
私は恋愛に関して余りアドバイス出来る程、経験豊富じゃないのよね~。
リリーさんを落とした、ダンクさんに話を聞いてみようかな?
兄達は幼馴染から自然に恋人になったパターンだから、聞いても無駄だろう。
なるべく一緒に顔を合わせる機会を作り、本人にアプローチを頑張ってもらうしかないか。
そう言えば聞いていなかったけど『製麺店』の従業員達に、結婚歴はあるのかしら?
50代後半から60代前半の人達なので、もしかしたら以前は結婚していたかも知れない。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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その後、店員さんが紅茶とフルーツの盛り合わせをテーブルの上に置き部屋から出ていった。
私は出された紅茶と綺麗にカットされた桃を食べる。
もう完全に超VIP待遇だよね~。
本当、落ち着かないわ……。
暫くすると老紳士がサヨさんと一緒に部屋へ入ってきた。
立ち上がり、お互い挨拶を交わす。
「いつもお世話になってます。今日もサヨさんをお借りしますね」
「こちらこそ大変お世話になっております。本日も家内をよろしくお願い致します。それとご注文頂いております『スヌード』が出来上がりましたのでお納め下さい。『耳当て』の方は、来週土曜日の朝には完成品を全てお渡し出来そうです」
老紳士にマジックバッグを手渡されたので、商品を私のマジックバッグに入れ替える。
「ありがとうございます。こんなに早く納品してくれて助かります。これで子供達に寒くなる前に渡す事が出来そうです」
「迷宮タイガーの皮やリッチのマントを卸して頂いたのですから当然ですよ。今後共、是非当店を宜しくお願い致します」
「はい、勿論です。後は靴と服ですね。こちらはどれくらいかかりますか?」
「後3週間程みて頂けると幸いでございます」
「分かりました。ではサヨさん、行きましょうか」
「はい。それじゃあ貴方、行ってくるわね。帰りは遅くなると思うから夕食は適当に食べて下さいな」
サヨさんの言葉に一瞬老紳士の顔が引き攣る。
客の前なので何か言いかけた言葉を飲み込んだようだ。
またしても、昼食と夕食を自炊する事になり老紳士はショックを受けたらしい。
料理が出来ない男性は、妻がいないとまともな食事にありつけないのか……。
異世界には便利なインスタント食品が無いから、外食するくらいしか食事を取る事は難しいだろうなぁ。
サヨさんを連れ一旦、兄達を教会まで迎えに行く。
流石に説教は終わっていたらしく、2人はシルバーとフォレスト相手に芸の続きを教えていた。
あの昏倒させた3人の護衛達は一体誰が運んだんだろう?
まっ、そんな事はどうでもいいか。
「お兄ちゃん、家に帰るよ~」
「サヨさんこんにちは。今日も妹の手伝いをしてくれるそうで、ありがとうございます」
「まぁ、私の孫なのに固い事を言わないで。おばあちゃんですからね。いつでも孫に会いたいのよ」
「そうでした。では今日の昼食も楽しみにしています」
「ええ、任せて頂戴」
「俺も、ご相伴に与ります」
「勿論ですよ。リクエストがあれば遠慮なく言って下さいね」
「わぁ~ありがとうございます!」
全員でホームの自宅に戻ると午前11時を過ぎていた。
旭はサヨさんへ、本当に遠慮する事なく好物をリクエストしていた。
お昼のメニューは、鰤大根・イカの煮付け・ニラ玉・豚汁と至って和食になった。
旭の母親は余り料理が得意ではなく煮物関係は全滅だったらしい。
よく家に遊びに来て、お母さんの料理を美味しそうに食べていた。
サヨさんに鰤大根とイカの煮付けをお願いし、私は豚汁とニラ玉を作る事にする。
アイテムBOXから材料を出してサヨさんに渡す。
先週も作った気がするけど……。
兄と旭は豚汁が好きなので問題ないのだろう。
家の豚汁には、里芋・さつま芋・牛蒡・人参・大根・コンニャク・豚肉が入ってかなり具沢山になる。
大量に作るので野菜を切る手間も大変だ。
私は黙々と野菜を切っていった。
サヨさんはテキパキと煮物を作り始める。
1時間後、昼食の用意が出来たのでリビングでまったりしている兄達を呼んだ。
「頂きます!」
全員で食前の挨拶を済ませると、先ず旭が豚汁に箸をつける。
私は鰤大根から頂こう。
うん、お母さんの味と一緒だ。
兄はイカの煮付けから食べていた。
サヨさんは私の作った豚汁を飲み、「美味しいわ」と褒めてくれた。
えへへっ、嬉しいな~。
そうだサヨさんに確認したい事があった!
「サヨさん。冒険者の高レベルな人は、寿命が延びるって聞いたんですけど本当ですか?」
「ええ本当よ。この世界の人達の平均寿命は大体85歳前後だけど、高レベルの冒険者の方は120歳くらいまで生きる人が多いわね」
ま・じ・かっ!
他人のステータス表記が見られないから、高レベルと言われても何Lvの事を言っているのか分からないけど……。
きっと拠点にしていたダンジョンで決まってくるんだろう。
バスクさんが地下19階を攻略しているのを聞いて、母親は高レベルの冒険者と判断したから地下20階層辺りが目安になるのかな?
となると摩天楼のダンジョンを攻略しているA級・S級の冒険者は120歳以上生きる可能性があるって事か……。
異世界はLvが肉体に及ぼす影響が大きいようだ。
バスクさんが後60年近く生きる事になるのなら、20代後半の母親の再婚相手でも大丈夫だろう。
但し、5歳の子供がどう思うか分からないけど……。
この世界では、父親がお爺ちゃんくらいの年齢でも普通なのかも知れないなぁ。
意外な情報を聞き色々考えてしまう。
連れ合いが冒険者じゃなければ、先に旅立たれてしまう事になるだろう。
普通の人間が長命なエルフとの結婚を躊躇うのは、生きる時間が違うからだ。
同じLvの冒険者同士なら問題ないけど、相手が一般人であれば年齢は気にするだろうなぁ~。
バスクさんと若い母親は、意外と釣り合っているのかも知れない。
長生きするのなら相手は若い方が良いかもね。
これは店のオーナーとして、一肌脱ぐべきかしら?
どうしたら自然に顔見知りの2人を良い仲にする事が出来るだろう……。
私は恋愛に関して余りアドバイス出来る程、経験豊富じゃないのよね~。
リリーさんを落とした、ダンクさんに話を聞いてみようかな?
兄達は幼馴染から自然に恋人になったパターンだから、聞いても無駄だろう。
なるべく一緒に顔を合わせる機会を作り、本人にアプローチを頑張ってもらうしかないか。
そう言えば聞いていなかったけど『製麺店』の従業員達に、結婚歴はあるのかしら?
50代後半から60代前半の人達なので、もしかしたら以前は結婚していたかも知れない。
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読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
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これからもよろしくお願い致します。
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