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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第291話 迷宮都市 地下14階 舞の練習
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「いえ、昨日B級冒険者になったばかりですし、A級冒険者には10年経ってからなりますよ。セイという方が知り合いかもと思い、聞いてみただけです」
「うちの親父とは知り合いらしいぞ? かなり昔に迷宮都市のダンジョンを一緒に攻略していたらしい」
20年間石化状態にあったダンクさんの父親と知り合いならば、セイさんの年齢は少なくとも60歳以上になる。
S級冒険者ともなると、かなり高齢でも冒険者をしているらしい。
でもこれで、手掛かりが見付かった。
摩天楼のダンジョン攻略をしているのは、日本人のセイさんだ!
地下14階の攻略を終了したら、一度会いに行ってみる事にしよう。
2パーティーが食事を食べ終えたら、デザートの桃を1つずつ渡す。
兄が地下11階から果物の収穫をしている事を知っているので、果物は何を出しても大丈夫だ。
ケンさんとリリーさんが桃をカットしている。
私も兄達の分をカットして皿に盛りつけた。
うん、今日も甘くて美味しいなぁ。
その後、リリーさんに強制連行されて舞の練習に向かう。
そして冒険者の舞は舞踊ではなく、限りなく実戦に近い剣舞だった事を知る。
いや剣を握った事さえない私には無理!
リリーさんに、私は魔法士だから剣舞ではなく扇舞に変更してほしいとお願いした。
リリーさんに舞扇を見せるため、一度テントに戻りホームの自宅から2本持ってくる。
そして、うろ覚えの扇舞を何とか披露してみせた。
数十年のブランクもあり、正直人に見せるレベルの完成度とは言い難かったけれど、初めて見たリリーさんには新鮮に映ったようだ。
舞扇を閉じたり開いたりする仕草は華やかだし、多少のミスも見た目でカバー出来る。
何より女性らしさが出る舞だ。
リリーさんが覚えたいと言うので、基本的な動作から教えていった。
彼女は体幹がしっかりとしているので筋が良い。
舞を踊る時は膝を落としたままで上半身を支えなければならないので、見た目以上に筋力も必要になってくる。
ゆっくりとした優雅な動きほど、上半身をブレないようにするのが大変だ。
冒険者として活動しているので、しっかりと鍛えられた体は私の動きを真似して付いてくれている。
普通はもっと体がブレるし、上体も真っ直ぐに出来ないものだけど……。
普段から剣舞を練習しているなら納得だ。
舞扇は初めて触る物なので、リリーさんは開いたり閉じたりと興味深く動かしていた。
この世界に扇は無いので珍しいんだろう。
羽団扇は、貴族の夫人方が持ってそうなイメージだけど……。
ちなみにリリーさんが踊った剣舞は、剣術の基本を教わる時に覚えるものらしい。
同様に槍術バージョンもあるという事だ。
動きが激しすぎて私には無理そう。
武闘派の妹の茜なら剣舞も難なくこなせるだろう。
あの子は空手道場で剣舞も習っていたからね。
日本で練習していたのは、どちらかというと魅せる演武だ。
異世界のような実戦に即した激しい踊り方ではない。
最後にリリーさんから、もう一度剣舞を見せてもらった。
これを集団で動きが揃った状態で見るのは、子供達の良い勉強になりそうね。
アマンダさんのパーティーメンバーが、剣舞を披露する時が非常に楽しみだなぁ。
2時間程練習をして今日は終了。
これを1ケ月で完成させなければいけない。
久し振りに舞を踊ったので、普段使わない筋肉が悲鳴を上げている。
筋肉痛はポーションを飲んで治るんだろうか?
筋肉の炎症だから治りそうな気もするけど……。
兄にヒールをお願いしても、怪我じゃないので掛けてはくれないだろう。
旭の不用意な発言の所為で、とんだ苦労をする羽目になった。
いつか仕返ししてやる~!
シルバーとフォレストをダンジョンに連れてきたので、夜は2匹とも安全地帯で過ごす事になる。
それを知って兄は何を思ったか、フォレストと一緒に寝ると言い出した。
聞いた旭は、えっ? って顔をしてたけど……。
本人が一緒に寝ると言うのであれば、私に反対する理由はない。
以前マジックテントを購入した時に、おまけでもらったマジック寝袋を兄に渡してあげた。
マジックテント内は床がクッション性のある断熱材みたいになっているけど、流石にそのままの状態で寝る訳にはいかないしね。
6畳程ある広いテント内に体長3mもあるフォレストが入ったら、布団は敷けないだろう。
使う予定がなかったマジック寝袋だけど、兄のお陰で活躍の場を得たらしい。
昨夜はマジックテントにフォレストを入れて一緒に眠ったそうだ。
シルバーが1匹で可哀想じゃん!
そして旭よ、フォレストに負けてるよ?
それでいいの??
ペット枠に負ける恋人って一体……。
なんだろう、2人は長く一緒に居過ぎて最早空気のような存在になっているんだろうか?
まるで熟年した夫婦みたいな感じがする。
これからは、お互い別々に寝ましょうといった所か……。
しかし本当に、兄がフォレストにベッタリなのは想定外だった。
マンションで猫が飼えなかった分、堪能してるのかしらね~。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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「うちの親父とは知り合いらしいぞ? かなり昔に迷宮都市のダンジョンを一緒に攻略していたらしい」
20年間石化状態にあったダンクさんの父親と知り合いならば、セイさんの年齢は少なくとも60歳以上になる。
S級冒険者ともなると、かなり高齢でも冒険者をしているらしい。
でもこれで、手掛かりが見付かった。
摩天楼のダンジョン攻略をしているのは、日本人のセイさんだ!
地下14階の攻略を終了したら、一度会いに行ってみる事にしよう。
2パーティーが食事を食べ終えたら、デザートの桃を1つずつ渡す。
兄が地下11階から果物の収穫をしている事を知っているので、果物は何を出しても大丈夫だ。
ケンさんとリリーさんが桃をカットしている。
私も兄達の分をカットして皿に盛りつけた。
うん、今日も甘くて美味しいなぁ。
その後、リリーさんに強制連行されて舞の練習に向かう。
そして冒険者の舞は舞踊ではなく、限りなく実戦に近い剣舞だった事を知る。
いや剣を握った事さえない私には無理!
リリーさんに、私は魔法士だから剣舞ではなく扇舞に変更してほしいとお願いした。
リリーさんに舞扇を見せるため、一度テントに戻りホームの自宅から2本持ってくる。
そして、うろ覚えの扇舞を何とか披露してみせた。
数十年のブランクもあり、正直人に見せるレベルの完成度とは言い難かったけれど、初めて見たリリーさんには新鮮に映ったようだ。
舞扇を閉じたり開いたりする仕草は華やかだし、多少のミスも見た目でカバー出来る。
何より女性らしさが出る舞だ。
リリーさんが覚えたいと言うので、基本的な動作から教えていった。
彼女は体幹がしっかりとしているので筋が良い。
舞を踊る時は膝を落としたままで上半身を支えなければならないので、見た目以上に筋力も必要になってくる。
ゆっくりとした優雅な動きほど、上半身をブレないようにするのが大変だ。
冒険者として活動しているので、しっかりと鍛えられた体は私の動きを真似して付いてくれている。
普通はもっと体がブレるし、上体も真っ直ぐに出来ないものだけど……。
普段から剣舞を練習しているなら納得だ。
舞扇は初めて触る物なので、リリーさんは開いたり閉じたりと興味深く動かしていた。
この世界に扇は無いので珍しいんだろう。
羽団扇は、貴族の夫人方が持ってそうなイメージだけど……。
ちなみにリリーさんが踊った剣舞は、剣術の基本を教わる時に覚えるものらしい。
同様に槍術バージョンもあるという事だ。
動きが激しすぎて私には無理そう。
武闘派の妹の茜なら剣舞も難なくこなせるだろう。
あの子は空手道場で剣舞も習っていたからね。
日本で練習していたのは、どちらかというと魅せる演武だ。
異世界のような実戦に即した激しい踊り方ではない。
最後にリリーさんから、もう一度剣舞を見せてもらった。
これを集団で動きが揃った状態で見るのは、子供達の良い勉強になりそうね。
アマンダさんのパーティーメンバーが、剣舞を披露する時が非常に楽しみだなぁ。
2時間程練習をして今日は終了。
これを1ケ月で完成させなければいけない。
久し振りに舞を踊ったので、普段使わない筋肉が悲鳴を上げている。
筋肉痛はポーションを飲んで治るんだろうか?
筋肉の炎症だから治りそうな気もするけど……。
兄にヒールをお願いしても、怪我じゃないので掛けてはくれないだろう。
旭の不用意な発言の所為で、とんだ苦労をする羽目になった。
いつか仕返ししてやる~!
シルバーとフォレストをダンジョンに連れてきたので、夜は2匹とも安全地帯で過ごす事になる。
それを知って兄は何を思ったか、フォレストと一緒に寝ると言い出した。
聞いた旭は、えっ? って顔をしてたけど……。
本人が一緒に寝ると言うのであれば、私に反対する理由はない。
以前マジックテントを購入した時に、おまけでもらったマジック寝袋を兄に渡してあげた。
マジックテント内は床がクッション性のある断熱材みたいになっているけど、流石にそのままの状態で寝る訳にはいかないしね。
6畳程ある広いテント内に体長3mもあるフォレストが入ったら、布団は敷けないだろう。
使う予定がなかったマジック寝袋だけど、兄のお陰で活躍の場を得たらしい。
昨夜はマジックテントにフォレストを入れて一緒に眠ったそうだ。
シルバーが1匹で可哀想じゃん!
そして旭よ、フォレストに負けてるよ?
それでいいの??
ペット枠に負ける恋人って一体……。
なんだろう、2人は長く一緒に居過ぎて最早空気のような存在になっているんだろうか?
まるで熟年した夫婦みたいな感じがする。
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