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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第283話 迷宮都市 地下14階 ハニーの紹介 2

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 シルバーとフォレストに乗って安全地帯に行くと、また怪我人がテント付近に待機している。
 旭がフォレストが止まる前に飛び降りて、そのまま怪我人のもとへ駆けていく。

 おおっ!
 今のなんか、カッコいい!
 
 私にも出来るかな?
 やってみようと少し腰を浮かした瞬間、シルバーが止まってしまった。

 私の方を振り返り大きく首を横に振っている。

 何?
 私は真似しちゃ駄目って事? 
 
「シルバーどうしたの? テントまで距離があるから走ってくれないと」 

 私の言葉を聞き、シルバーはその場で伏せをして私が背中から降りるようにうながした。
 一番初めにシルバーの背中に乗り草原を駆けた時、吹き飛ばしてしまった事を覚えているのかな?
 
 まぁ、優しい良い子ね。
 シルバーの背中から降り、頭をでると尻尾を振って喜んでくれた。

 歩いてテント前まで行くと、旭がちょうど治療を終えたみたい。
 冒険者がお礼を言って治療代を渡している。

 テントから自宅に戻り、トイレ休憩をして3回目の攻略スタート。
 兄がどの階層にいるか調べると、もう地下13階まできていた。
 
 地下14階に到着したら真っ先にマンゴーの生っている木へ走り出すだろうから、旭にはトレントの森付近で兄がくるのを待ってもらい、私は2匹と一緒に別の場所に向かう。

 今度はフォレストに乗って森の中を探索だ。
 しばらくするとハニーが私を見付けて降りてきた。
 
 この階層でLv上げを積極的にする必要はないので、兄と旭がマラソンをしている間は薬草採取をのんびりしていよう。

 癒し草発見!
 余りお金にはならないけど、採取が楽しいから取っていく。

 登録していないハニーを見られるとまずいので、マッピングを常時展開しながら冒険者に会わないルートを進む。

 先程旭がいた川の上流ではなく下流に近付くと、迷宮ウナギを発見する。
 サンダーボールを撃ち込み、プカプカ浮いてくる迷宮ウナギの脳を石化して収納。

 ウナギといえば、今朝2人は寝坊する事もなく普通に起きてきた。

 特に兄がゲッソリしている様子もない。
 いや兄だけが一方的に疲れる訳じゃないと思うけど、なんとなくね……。
 疲れるのは兄の方じゃないかと思った次第です。

 若い2人には効果がないのか、私達・・には効かないのか?

 ダンクさんに頼まれているので今日渡す心算つもりだけど、皆の前で渡すのは止めた方がいいかしら?

 きっと恥ずかしいよね~。
 非常にデリケートな問題だから知られたくないはずだわ。

 夕食はいつも2パーティーと一緒に食べるから、1人きりになる事がないので渡すタイミングが難しい。
 どうやって渡そうか考えていると、周囲を警戒していた3匹が私のもとにやってきた。
 
 ?
 
 マッピングを常時展開しているので魔物が近付いたら分かる。
 冒険者も近くにはいないようだけど?
 
 この子達は一体何を警戒しているんだろう。
 シルバーとフォレストが同時に低くうなり声をあげた。
 
「ヴォンッ!!」

「ガルルッガルッ!!」 
 
 その瞬間、数メートル先にフォレストウサギが出現!
 初めて見る魔物の出現の仕方に、こんな風に突然現れるんだと驚き一瞬対応に遅れてしまった。

 その一瞬の間に、フォレストウサギが私を標的にし跳躍ちょうやくして距離を詰めてくる。
 シルバーが私の前に素早くおどり出ると、フォレストウサギをみ地面に叩きつけて首の骨を折った。

 危ないところだった。
 シルバー、助けてくれてありがとう!

 流石さすが、素早さにかけては定評がある元シルバーウルフ。
 ゴールデンウルフに進化した事で、更に俊敏さが上がった気がする。
 
 うちの子やるじゃん!
 私の事を守ってくれたシルバーを沢山でてあげる。
 
 ちょっと得意げな表情をしているのがまた可愛い。

 どんな事を思っているのか分からないので、早くお話し出来るといいねと思っていたら、シルバーが激しく頭を上下させて同意の仕草しぐさをしてくれた。

 まぁ!
 シルバーも私と早く話したいと思ってくれているみたいだわ。
 嬉しいな~、どんな事を話したいのか気になるよ。 


 当然だけど、ダンジョン内の魔物は繁殖して増える仕様ではないらしい。
 これは魔物の数が一定数減ったら、出現する仕組みなんだろうか?

 ダンジョンの在り方も謎が多いなぁ~。
 サヨさんは冒険者じゃないので、ダンジョン内の事については質問しても分からないだろう。

 かといって今更な話を、アマンダさんやダンクさん達に聞けないし……。
 B級冒険者になったのに、何言ってるんだと思われそう。

 ダンジョン攻略中は考え事をしないようにしなくちゃ。
 シルバーが倒したフォレストウサギを収納して、別の場所へと移動する。

 再び出現した迷宮タイガーを2匹狩って、3時間後。
 
 兄達がテントに戻っている事を確認すると、ハニーを地下13階に送り届け安全地帯までフォレストに乗り帰ってきた。

 道中キングビーに襲われる事は一度もなかった。
 蜂はコロニーを形成しているので、ハニーがいると近付いてこないのかも知れない。
 
 クインビーの蜜袋は高く換金出来るんだけどなぁ。
 兄達が狩ってきたかしら? 

 あっ!
 兄にハニーを紹介する事をすっかり忘れていたよ。
 また機会を作って会わせないとね。
 
 テントから自宅でトイレ休憩を済ませて夕食の準備開始。
 今日の夕食は『すき焼き』だ!

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