自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生（？）しましたが、自由に生きることにしました

第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第254話 地下14階 怪我人の多さ

　兄がマンゴーの収穫を終えたので、今日の攻略は終了。

　安全地帯に戻ると、またテント前に担架たんかで運ばれた怪我人が待機していた。

　怪我人、多すぎでしょ！

　旭が対応して素早く処置を施ほどこす。
　今回はトレントから、ウィンドニードルを受けて脇腹に怪我をしていた男性だった。

　ウィンド系の魔法は、見えないから対処が難しい。
　そしていつも思うんだけど、何故なぜウィンドカッターではないのか……。

　他人のステータスが分からないので、表記内容が1人1人違っているかどうかも不明。
　今週末に編み物教室で知り合ったサヨさんと会う約束をしているので、色々聞いてみたいと思う。

　私達はこの世界では異端いたんである事を認識しているため、今まで身の危険が及ぶような情報収集をしてこなかった。
　知っていて当然の事も聞けないままきてしまったので、異世界の情報に偏かたよりがありすぎるのだ。

　魔法の事もテイムに関する事も不明点が多い。

　アマンダさんは魔法士だけど、どうやって魔法を覚えたか聞けずにいる。
　私達が魔法を使用している事を知っているのに、そんな事を聞いたら不審に思われていまう。

　まだカルドサリ王国のごく一部にしか滞在していないから、テイムされた魔物も見た事ないしね。
　乗合馬車の馬は普通の馬で、異世界で従魔が引く馬車に乗れると思っていた私は馬だった事にがっかりした。

　まぁケンタウロスとかだったら、ドン引きだけど……。

　スレイプニルは見てみたい！
　8本足の馬なんて、凄すごく速く走れそう。

　ケルピーは水上で役に立ちそうだしね～。

　ユニコーンとバイコーンは、もう見たからいいや。
　この世界のユニコーンは、どうやら乙女が好きじゃないみたいだし。
　バイコーンは、なんだかバグってるから襲ってこないし。

　一応、カルドサリ王国については流通している簡易な地図があるので、なんとなくこの国の大きさは把握出来ているんだけど……。

　正直地図の精度は、ダンジョンの地図よりかなり落ちる。
　王領・公爵領・侯爵領・伯爵領が、どの場所にあるかくらいの物だ。
　
　きっと自分でマッピングして描いた地図の方が精度は高いと思う。
　でも、私にそんな時間は無いので今の所は簡易地図版で充分。

　ミリオネの町とリースナーの町があるハンフリー公爵領・迷宮都市のあるリザルト公爵領・王都がある王領が分かればいい。

　情報収集をするなら人が多い王都が一番なんだろうけど、サリナ（連れ子）がいる時点で却下だ。

　王都のダンジョンも攻略してみたいのに残念。
　
　迷宮都市のダンジョンみたいに、果物以外のキノコとか野菜とか採取出来る可能性があると思うんだよね。

　そこにいるダンジョンマスターの趣味で、もしかしたらお米とかも……。
　
　宝箱や隠し部屋なんかがあるダンジョンも、あるかも知れないなぁ～。
　私のマッピングを使用したら、お宝採り放題だよ！
　隠し部屋だって3Dの状態なら見付ける事も簡単だ。

　え？
　それじゃあ冒険する意味が無い？
　探す楽しみより実利じつりを取るわよ当然！

　私が夢あるダンンジョンに思いを馳はせていたら、旭が金貨16枚（1千6百万円）を受け取って帰ってきた。

　自宅に戻ってトイレ休憩。
　テントから出て、ダンクさんアマンダさんパーティーと一緒に夕食だ。

　ダンクさんの所は、『フレンチトースト』・『チーズフォンデュ』・『トマトスープ』。

　アマンダさんの所は、『ハンバーガー』・『フライドポテト』・『トマトスープ』。

　私達の本日のメニューは、『ミートパスタ』・『チーズオムレツ』・『シチュー』・デザートのキウイフルーツだ。

　ミートパスタ用のミノタウロスの肉を挽肉ひきにくにするために2本の包丁を使って叩いていると、アマンダさんがやってきて代わってくれた。

「沙良ちゃん。どうせ地下14階の果物も見付けたんだろう？　新しい果物を食べさせてもらうお礼に、私がこっちはやっといてあげるよ」
　
　果物大好きなアマンダさんが、男前な発言をしてくれて嬉しい。
　そして私達が果物を収穫してきた事は前提ぜんていなんですね。

　挽肉ひきにく作りはアマンダさんにお任せして、『シチュー』の方を作っていこう。
　玉ねぎ・人参・じゃが芋・コカトリスの肉を刻んでオリーブオイルで炒いためたら、水を入れて火を通し最後に『シチュールウ』を加える。

　その間にアマンダさんが挽肉ひきにくを作ってくれていた。
　『ミートソース』を作って、パスタを茹ゆでれば『ミートパスタ』は完成。
　パスタを茹ゆでる間に、チーズオムレツを3人分作っておいた。

　『ミートパスタ』にはたっぷり粉チーズを掛けて、スプーンとフォークを使いクルクル巻いて食べていく。

　ミノタウロスのお肉は本当に和牛Ａ5ランク位くらいの品質があるので、とても美味しい。
　日本では合挽肉あいびきにくを使って料理してたので、かなり贅沢ぜいたくなパスタだ。

　お店で食べたら2,000円以上はするだろう。
　自分達で狩ってきた魔物なので、無料タダなのがとても助かる。
　
　あぁ迷宮ウナギを食べるのがとても楽しみになってきた。
　旭が今日は20匹も狩ってきたらしい。
　水中の魔物は旭に、果物は兄に任せておけば大丈夫だ。

　私はハニーと一緒に、明日からのんびり薬草採取に励はげむとしよう。

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