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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第251話 地下14階 新たな果物 2
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マッピングで旭の位置を確認。
うん、楽しそうに迷宮ウナギを狩っている様子が見える。
方角を確認しながら旭の下へと向かった。
森の中を1人で歩いていると、知らない冒険者パーティーとすれ違う。
驚いて二度見された。
一瞬、パーティーの男性がこちらに来ようとしてメンバーの女性に止められていた。
心配して声をかけようとしてくれたのかな?
慣れて下さい。
私達、基本単独行動が多いのでパーティーで行動しないんですよね。
兄は地下11階~地下13階の果物を全て採取し終わるまで、地下14階には戻ってこないだろう。
今日はスタートが遅れたから、Lv上げは出来ないと思う。
フォレストウサギを狩りながら旭のいる場所に到着。
しかしウサギ系は数が多い。
魔物同士で繁殖しているのかしら。
魔力草を手に持った旭に声をかける。
旭は薬草採取が結構好きみたいで、時間があると魔力草ばかり採取している。
異世界のお金は、毎週増えていくので換金額も気にならないのか……。
私には四つ葉のクローバー並の発見率なんだけど、兄と旭は一体どうやって探しているんだろう?
魔物は11年間倒し続けたから、狩るのは余り楽しくないみたいだ。
例外は、魔魚をサンダーボールで倒す事だけらしい。
「旭。新しい果物、見付かった?」
「沙良ちゃんお帰り。こっち側にはないみたいだよ」
「私はトレントの森付近でキウイフルーツを見付けたよ。それと森の中央にある大きな木に赤いマンゴーが生ってた」
「えっ? それってトレントの森の真ん中にあったって事?」
「うん。1人で採りに行ったらお兄ちゃんに怒られそうだから、止めて相談しに戻ってきたの」
「それが正解だよ。ハニーの事、内緒にしてた件で怒られたばかりだから大人しくしておいた方がいいと思う」
「だよね~。でもマンゴーお高い方のやつなんだよ! 黄色じゃないの! きっと甘くて美味しいと思うから欲しいなぁ」
「一度、賢也と相談してみよう? 今日は当分帰ってこないと思うけど、そろそろ安全地帯に戻ろうか」
「分かった。今日の分は諦める」
旭に諭されて安全地帯に戻ってきた。
ホームの自宅に戻って昼食だ。
兄へお弁当は渡してあるから、どこかの階層の安全地帯でマジックテントを設置して食べるだろう。
果物採取で別行動するようになって、旭からマジックテントを渡されていたから大丈夫。
今日は2人だけなので、旭の好きなオムライスを作ってあげよう。
作り置きしたポテトサラダとインスタントのコーンスープを付ければ充分かな。
玉ねぎ・鶏肉・ピーマンを刻んで、チキンライスを作る。
溶き卵をフライパンに入れて、ケチャップ味のチキンライスを包んだら完成。
仕上げにケチャップで卵の上に星型を書いた。
ハートより星型の方が難しい。
少しだけ手間をかけてみた。
私の方は、単なる波線だ。
リビングでお茶を飲んで待っている旭に声を掛ける。
「旭~、オムライス出来たよ~」
オムライスの言葉に旭がダッシュで席に着く。
「あれ? 沙良ちゃん、今日は星のマークなんだ……」
「それ意外と難しいんだけど、結構上手く書けてるでしょ?」
「俺は簡単な方でも良かったんだけど……って言うか寧ろそっちの方が……」
旭が何か言っていたけど、声が小さくて聞こえなかった。
「頂きます」
「頂きます!」
旭は好物を目の前に、少し元気がないみたいだったけど食べ出したら笑顔に変わる。
現金だなぁ。
オムライスを美味しそうに食べる旭を見て、双子達を思い出した。
あの子達も大好きだったなぁ。
お子様ランチのように、ミニハンバーグとエビフライを付けてあげると喜んで食べていたっけ。
あと3ケ月で多分2人がLv30になる。
私もLv30になった事にすると、召喚出来る人数が2人。
どう考えても身内しか選択肢は無いんだけど、両親の事を思うとこれ以上兄妹を呼ぶ訳にはいかない。
子供達が次々と行方不明になったら、悲嘆して儚くなってしまうかも知れない。
先に両親を呼ぶべきだろうか?
次に誰を召喚すればいいか悩んでいると旭が言った。
「沙良ちゃん、俺と結婚しない?」
あぁどうせいつもの、よいお嫁さんになるよって事ね。
「料理を褒めてくれてありがとう。またオムライス作ってあげるね! 気分がいいから今日はモンブランも出しちゃおう。コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「あっ……じゃあ、コーヒーでお願いします」
「は~い」
コーヒーを2人分淹れて、旭の皿にモンブランを載せた。
私は抹茶ケーキを食べよう。
食後の優雅な時間を楽しむ。
やっぱりケーキは美味しいなぁ。
旭は好物のモンブランを前にしても、いつものように直ぐには食べなかった。
なんだか溜息を吐き、ベランダを見て黄昏ている。
急にアンニュイな雰囲気を醸し出した、旭の横顔を見て思う。
やっぱり可愛い系の顔立ちよね~。
童顔だし、兄の少し怜悧に見える容姿とは正反対だ。
2人が一緒にいる所を、よく写真に撮られていた気がする。
どちらも顔は整っているから、学生時代はさぞかしモテたんじゃないかと思うんだけど、何故か2人共彼女がいなかった。
バレンタインのチョコも、もらった形跡がない。
ずっと不思議だったけど最近になって気付いた。
そっか、そういう事だったんだ――。
--------------------------------------
お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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うん、楽しそうに迷宮ウナギを狩っている様子が見える。
方角を確認しながら旭の下へと向かった。
森の中を1人で歩いていると、知らない冒険者パーティーとすれ違う。
驚いて二度見された。
一瞬、パーティーの男性がこちらに来ようとしてメンバーの女性に止められていた。
心配して声をかけようとしてくれたのかな?
慣れて下さい。
私達、基本単独行動が多いのでパーティーで行動しないんですよね。
兄は地下11階~地下13階の果物を全て採取し終わるまで、地下14階には戻ってこないだろう。
今日はスタートが遅れたから、Lv上げは出来ないと思う。
フォレストウサギを狩りながら旭のいる場所に到着。
しかしウサギ系は数が多い。
魔物同士で繁殖しているのかしら。
魔力草を手に持った旭に声をかける。
旭は薬草採取が結構好きみたいで、時間があると魔力草ばかり採取している。
異世界のお金は、毎週増えていくので換金額も気にならないのか……。
私には四つ葉のクローバー並の発見率なんだけど、兄と旭は一体どうやって探しているんだろう?
魔物は11年間倒し続けたから、狩るのは余り楽しくないみたいだ。
例外は、魔魚をサンダーボールで倒す事だけらしい。
「旭。新しい果物、見付かった?」
「沙良ちゃんお帰り。こっち側にはないみたいだよ」
「私はトレントの森付近でキウイフルーツを見付けたよ。それと森の中央にある大きな木に赤いマンゴーが生ってた」
「えっ? それってトレントの森の真ん中にあったって事?」
「うん。1人で採りに行ったらお兄ちゃんに怒られそうだから、止めて相談しに戻ってきたの」
「それが正解だよ。ハニーの事、内緒にしてた件で怒られたばかりだから大人しくしておいた方がいいと思う」
「だよね~。でもマンゴーお高い方のやつなんだよ! 黄色じゃないの! きっと甘くて美味しいと思うから欲しいなぁ」
「一度、賢也と相談してみよう? 今日は当分帰ってこないと思うけど、そろそろ安全地帯に戻ろうか」
「分かった。今日の分は諦める」
旭に諭されて安全地帯に戻ってきた。
ホームの自宅に戻って昼食だ。
兄へお弁当は渡してあるから、どこかの階層の安全地帯でマジックテントを設置して食べるだろう。
果物採取で別行動するようになって、旭からマジックテントを渡されていたから大丈夫。
今日は2人だけなので、旭の好きなオムライスを作ってあげよう。
作り置きしたポテトサラダとインスタントのコーンスープを付ければ充分かな。
玉ねぎ・鶏肉・ピーマンを刻んで、チキンライスを作る。
溶き卵をフライパンに入れて、ケチャップ味のチキンライスを包んだら完成。
仕上げにケチャップで卵の上に星型を書いた。
ハートより星型の方が難しい。
少しだけ手間をかけてみた。
私の方は、単なる波線だ。
リビングでお茶を飲んで待っている旭に声を掛ける。
「旭~、オムライス出来たよ~」
オムライスの言葉に旭がダッシュで席に着く。
「あれ? 沙良ちゃん、今日は星のマークなんだ……」
「それ意外と難しいんだけど、結構上手く書けてるでしょ?」
「俺は簡単な方でも良かったんだけど……って言うか寧ろそっちの方が……」
旭が何か言っていたけど、声が小さくて聞こえなかった。
「頂きます」
「頂きます!」
旭は好物を目の前に、少し元気がないみたいだったけど食べ出したら笑顔に変わる。
現金だなぁ。
オムライスを美味しそうに食べる旭を見て、双子達を思い出した。
あの子達も大好きだったなぁ。
お子様ランチのように、ミニハンバーグとエビフライを付けてあげると喜んで食べていたっけ。
あと3ケ月で多分2人がLv30になる。
私もLv30になった事にすると、召喚出来る人数が2人。
どう考えても身内しか選択肢は無いんだけど、両親の事を思うとこれ以上兄妹を呼ぶ訳にはいかない。
子供達が次々と行方不明になったら、悲嘆して儚くなってしまうかも知れない。
先に両親を呼ぶべきだろうか?
次に誰を召喚すればいいか悩んでいると旭が言った。
「沙良ちゃん、俺と結婚しない?」
あぁどうせいつもの、よいお嫁さんになるよって事ね。
「料理を褒めてくれてありがとう。またオムライス作ってあげるね! 気分がいいから今日はモンブランも出しちゃおう。コーヒーと紅茶どっちがいい?」
「あっ……じゃあ、コーヒーでお願いします」
「は~い」
コーヒーを2人分淹れて、旭の皿にモンブランを載せた。
私は抹茶ケーキを食べよう。
食後の優雅な時間を楽しむ。
やっぱりケーキは美味しいなぁ。
旭は好物のモンブランを前にしても、いつものように直ぐには食べなかった。
なんだか溜息を吐き、ベランダを見て黄昏ている。
急にアンニュイな雰囲気を醸し出した、旭の横顔を見て思う。
やっぱり可愛い系の顔立ちよね~。
童顔だし、兄の少し怜悧に見える容姿とは正反対だ。
2人が一緒にいる所を、よく写真に撮られていた気がする。
どちらも顔は整っているから、学生時代はさぞかしモテたんじゃないかと思うんだけど、何故か2人共彼女がいなかった。
バレンタインのチョコも、もらった形跡がない。
ずっと不思議だったけど最近になって気付いた。
そっか、そういう事だったんだ――。
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