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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略
第244話 椎名 賢也 63 再びミリオネの町へ 2&3人で迷宮都市へ
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家に戻ると討伐依頼を受けていた子供達が、集まって沙良の料理を待っていた。
皆家から持参した食器を持って並んでいる。
沙良がスープを配り始めたので、俺達もパンと串焼きを手渡していった。
初めて食べる卵焼きに、子供達は目を輝かせている。
異世界で卵は1個鉄貨2枚(200円)する高級品だ。
しかも今回はコカトリスの卵を使用しているので、貴族でも滅多に食べる事は出来ないだろう。
卵焼きには塩と砂糖を入れていたので、少し甘みがあるタイプだ。
母親が作る卵焼きには必ず砂糖が入っていたので、正直塩だけの卵焼きは俺の口には合わない。
だし巻き卵にも砂糖は入れてほしい派だった。
具沢山のスープも美味しそうに食べている。
沙良が可愛いと思うのも納得の姿だ。
口をもぐもぐ動かして食べている様子は、小動物のようで愛らしい。
子供達が食事をしている間に、沙良が庭に大きな布を広げダンジョンで得た戦利品の武器を出す。
俺達が使用しなくなったマジックバッグや防具や盾、武器屋の親父が無料でくれた解体ナイフ10本と大量にある。
最年長の子供に声を掛けて、皆で仲良く分けるようお願いしていた。
武器や防具は、冒険者になったばかりの子供達には買えないから良い土産になるだろう。
明日の朝も食事を作る事を伝えて、俺達はホームの自宅に戻った。
沙良が明日の朝食の準備があるからと軍資金を渡してくれたので、夕食は車を出して旭の希望するカレー屋で外食する事にした。
11年間、食べたくて仕方なかったらしい。
本格的なインドカレーではなく、チェーン店のカレーが良いと言ってトッピングをこれでもかと載せて食べていた。
きっと他にも食べたい物が沢山あるんだろうな。
今まで何も食べられなかった分、好きな物を食べさせてやりたい。
これはやっぱり沙良に借金を申請するべきか……。
3,000円じゃ飲みにも行けない。
その夜、旭は俺の部屋に泊まる事になった。
風呂に入ってさぁ寝るかと電気を消そうとしたところ、旭が枕を抱えて部屋に入ってくる。
1人じゃ寂しいから一緒に寝てほしいと言われて、お前は子供かっ! と思ったが11年間1人だった事を思い出し、渋々ダブルベッドの左側を明け渡した。
沙良が設置してくれたベッドが、シングルじゃなくて良かった。
20歳の男2人がシングルで寝るのは、窮屈なんてものじゃない。
「賢也。俺、今回は沙良ちゃんの事を諦めないよ」
「あいつは鈍いから、はっきり言わないと伝わらないぞ。ちゃんと告白しろ」
「うん。頑張ってみる。まだ美人になった沙良ちゃんの顔を見るだけで、ドキドキするけどね」
「沙良と付き合う事になっても、婚前交渉は許さないから覚えておけよ」
「えっ! 何それっ! いつの時代の話だよ! それは流石に横暴すぎるっ!」
ベッドに横になっていた旭が、俺の言葉に飛び起きて抗議してきた。
それでも俺は、ここは譲れないと言い含める。
「駄目だ。人様の家の娘の体なんだから、大切にしてやらないと。そんな先の心配をするより、異世界で相手のいない俺達の事を心配した方がいいぞ。若くなって、衝動も強いから我慢する羽目になる」
「まじか~。俺11年間、その手の衝動とは無縁だったんだよね。やっぱり若いと大変だよね」
「あぁ、解決方法はあるから休日に一緒に店に行こう」
「うん? 何の店?」
「行けば分かる。ほら、そろそろ寝るぞ。一緒に寝るのは今日だけだ、明日からはちゃんと1人で寝ろよ」
「え~、暫く一緒に寝てくれたっていいじゃん!」
「寝ません。お前、沙良に見られたら絶対誤解されるぞ? あいつの勘違いは筋金入りだ。一度誤解すると中々信じてもらえない。折角告白する気になったのに、お前が俺を好きだと勘違いされたらどうするんだ。そしてその展開は俺も望まない」
「う~、分かった。賢也とデキているって思われたら、俺悲しくて死にそう……」
「失礼なやつだな、俺の方こそお断りだ!」
「へへっ、でも今日は一緒に寝てね。我儘聞いてくれてありがとう、おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
翌日。
沙良に起こされる前に起きた俺達は、一緒のベッドで寝る姿を見られる事もなく安心する。
どういう訳か、旭は俺の左腕を枕にして寝ていたので殴っておいた。
腕が痺れてるじゃないかっ!
お前は俺の彼女かっ!
子供達の家に行って朝食を食べさせた後は、旭の冒険者登録をする。
今回スキップ制度を利用して、C級冒険者になってもらい迷宮ダンジョンに入れるようにするのだ。
C級冒険者にスキップしてなるのは、ギルドマスターから合格判定を受ければいいらしい。
沙良が仲良くなった女性冒険者から教えてもらったそうだ。
確かにスキップ制度が無いと年数の縛りがあって、実際の実力と釣り合わない冒険者が出てきてしまう。
お世話になったギルドマスターが立会人になってくれ、旭は直ぐに合格となった。
沙良はこのまま、ローリエ採取がしたいと言うので俺達も付き合う事にする。
そして遂にゴブリンを発見!
オリハルコン製の解体ナイフが漸く日の目を見た。
旭と一緒にミスリル製の解体ナイフとの切れ味の違いを楽しんで、男のロマンを分かち合う。
魔法特化の俺達には剣を振るう機会なんてないからな。
沙良が呆れていたが、知ったこっちゃない。
迷宮都市に向かう前に旭が11年間狩った魔物の換金を済ませていない事に気付き、俺達は再びリースナーの町に戻ってきた。
あんなに盛大に見送られたのに恥ずかしいにも程がある。
旭は初めての換金に、躍り上がらんばかりに喜んでいる。
絶対いつか換金してやると、全てをアイテムBOXに収納していたらしい。
大量の金貨に満面の笑みを浮かべてとても嬉しそうだ。
解体場の親父には突然の大量の魔物素材に喜び、いたく感謝された。
翌日。
俺達は迷宮都市へと出発した。
これからは3人一緒の冒険が始まる。
迷宮都市で早くLvを30まで上げて、マンションを取り戻すぞ!
あぁどうかPCの中身が無事である事を願わずにはいられない……。
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お気に入り登録をして下さった方、エールを送って下さった方とても感謝しています。
読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。
応援して下さる皆様がいて大変励みになっています。
これからもよろしくお願い致します。
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皆家から持参した食器を持って並んでいる。
沙良がスープを配り始めたので、俺達もパンと串焼きを手渡していった。
初めて食べる卵焼きに、子供達は目を輝かせている。
異世界で卵は1個鉄貨2枚(200円)する高級品だ。
しかも今回はコカトリスの卵を使用しているので、貴族でも滅多に食べる事は出来ないだろう。
卵焼きには塩と砂糖を入れていたので、少し甘みがあるタイプだ。
母親が作る卵焼きには必ず砂糖が入っていたので、正直塩だけの卵焼きは俺の口には合わない。
だし巻き卵にも砂糖は入れてほしい派だった。
具沢山のスープも美味しそうに食べている。
沙良が可愛いと思うのも納得の姿だ。
口をもぐもぐ動かして食べている様子は、小動物のようで愛らしい。
子供達が食事をしている間に、沙良が庭に大きな布を広げダンジョンで得た戦利品の武器を出す。
俺達が使用しなくなったマジックバッグや防具や盾、武器屋の親父が無料でくれた解体ナイフ10本と大量にある。
最年長の子供に声を掛けて、皆で仲良く分けるようお願いしていた。
武器や防具は、冒険者になったばかりの子供達には買えないから良い土産になるだろう。
明日の朝も食事を作る事を伝えて、俺達はホームの自宅に戻った。
沙良が明日の朝食の準備があるからと軍資金を渡してくれたので、夕食は車を出して旭の希望するカレー屋で外食する事にした。
11年間、食べたくて仕方なかったらしい。
本格的なインドカレーではなく、チェーン店のカレーが良いと言ってトッピングをこれでもかと載せて食べていた。
きっと他にも食べたい物が沢山あるんだろうな。
今まで何も食べられなかった分、好きな物を食べさせてやりたい。
これはやっぱり沙良に借金を申請するべきか……。
3,000円じゃ飲みにも行けない。
その夜、旭は俺の部屋に泊まる事になった。
風呂に入ってさぁ寝るかと電気を消そうとしたところ、旭が枕を抱えて部屋に入ってくる。
1人じゃ寂しいから一緒に寝てほしいと言われて、お前は子供かっ! と思ったが11年間1人だった事を思い出し、渋々ダブルベッドの左側を明け渡した。
沙良が設置してくれたベッドが、シングルじゃなくて良かった。
20歳の男2人がシングルで寝るのは、窮屈なんてものじゃない。
「賢也。俺、今回は沙良ちゃんの事を諦めないよ」
「あいつは鈍いから、はっきり言わないと伝わらないぞ。ちゃんと告白しろ」
「うん。頑張ってみる。まだ美人になった沙良ちゃんの顔を見るだけで、ドキドキするけどね」
「沙良と付き合う事になっても、婚前交渉は許さないから覚えておけよ」
「えっ! 何それっ! いつの時代の話だよ! それは流石に横暴すぎるっ!」
ベッドに横になっていた旭が、俺の言葉に飛び起きて抗議してきた。
それでも俺は、ここは譲れないと言い含める。
「駄目だ。人様の家の娘の体なんだから、大切にしてやらないと。そんな先の心配をするより、異世界で相手のいない俺達の事を心配した方がいいぞ。若くなって、衝動も強いから我慢する羽目になる」
「まじか~。俺11年間、その手の衝動とは無縁だったんだよね。やっぱり若いと大変だよね」
「あぁ、解決方法はあるから休日に一緒に店に行こう」
「うん? 何の店?」
「行けば分かる。ほら、そろそろ寝るぞ。一緒に寝るのは今日だけだ、明日からはちゃんと1人で寝ろよ」
「え~、暫く一緒に寝てくれたっていいじゃん!」
「寝ません。お前、沙良に見られたら絶対誤解されるぞ? あいつの勘違いは筋金入りだ。一度誤解すると中々信じてもらえない。折角告白する気になったのに、お前が俺を好きだと勘違いされたらどうするんだ。そしてその展開は俺も望まない」
「う~、分かった。賢也とデキているって思われたら、俺悲しくて死にそう……」
「失礼なやつだな、俺の方こそお断りだ!」
「へへっ、でも今日は一緒に寝てね。我儘聞いてくれてありがとう、おやすみ」
「あぁ、おやすみ」
翌日。
沙良に起こされる前に起きた俺達は、一緒のベッドで寝る姿を見られる事もなく安心する。
どういう訳か、旭は俺の左腕を枕にして寝ていたので殴っておいた。
腕が痺れてるじゃないかっ!
お前は俺の彼女かっ!
子供達の家に行って朝食を食べさせた後は、旭の冒険者登録をする。
今回スキップ制度を利用して、C級冒険者になってもらい迷宮ダンジョンに入れるようにするのだ。
C級冒険者にスキップしてなるのは、ギルドマスターから合格判定を受ければいいらしい。
沙良が仲良くなった女性冒険者から教えてもらったそうだ。
確かにスキップ制度が無いと年数の縛りがあって、実際の実力と釣り合わない冒険者が出てきてしまう。
お世話になったギルドマスターが立会人になってくれ、旭は直ぐに合格となった。
沙良はこのまま、ローリエ採取がしたいと言うので俺達も付き合う事にする。
そして遂にゴブリンを発見!
オリハルコン製の解体ナイフが漸く日の目を見た。
旭と一緒にミスリル製の解体ナイフとの切れ味の違いを楽しんで、男のロマンを分かち合う。
魔法特化の俺達には剣を振るう機会なんてないからな。
沙良が呆れていたが、知ったこっちゃない。
迷宮都市に向かう前に旭が11年間狩った魔物の換金を済ませていない事に気付き、俺達は再びリースナーの町に戻ってきた。
あんなに盛大に見送られたのに恥ずかしいにも程がある。
旭は初めての換金に、躍り上がらんばかりに喜んでいる。
絶対いつか換金してやると、全てをアイテムBOXに収納していたらしい。
大量の金貨に満面の笑みを浮かべてとても嬉しそうだ。
解体場の親父には突然の大量の魔物素材に喜び、いたく感謝された。
翌日。
俺達は迷宮都市へと出発した。
これからは3人一緒の冒険が始まる。
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