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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第219話 椎名 賢也 38 ダンジョン 地下6階 カーバンクルの宝石 1

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 今日から地下6階の攻略だ。

 事前に購入した地下6階の地図(銀貨60枚)は、既に頭に入れてある。
 いつも通り地下1階で女性冒険者の治療を済ませ、最短距離で地下6階まで進む。

【ダンジョン地下6階 常設依頼 C級】
 オーガ1匹 銀貨15~17枚(魔石・本体必要)
 オーガメイジ1匹 銀貨18~20枚(魔石・本体必要)
 ハイオーガ1匹 銀貨20~22枚(魔石・本体必要) 
 アイアンゴーレム1体 銀貨15枚(魔石・本体必要)
 カーバンクル1匹 銀貨20枚(魔石・本体必要)

 新しい魔物が出ると胸が高鳴るな!
 この階層はオーガ系がメインのようだ。

 沙良はオーガを見て怖がったりしないだろうか?
 前回のオークは豚その物の姿だったから問題なかったが、オーガは鬼系だからなぁ……。

 アイアンゴーレムは本体が換金対象になっている。
 ストーンゴレームのように頭を粉砕すると素材が減るので、倒し方を考えておかないと勿体もったいないな。

 カーバンクルは額に宝石が付いているが、これも換金対象だ。
 いつもみたいに眉間を貫通させないように、解体場のおじさんから沙良が忠告を受けていた。

 いや俺だって宝石を貫通させるような事はしない。
 換金額を出来るだけ高くしたいからな。

 最初に接敵したのは、体長1m程のカーバンクルだった。
 姿が可愛らしいので沙良がペットにしたいと言い出しそうだ。

 まぁテイム魔法がなければ魔物を飼う事は無理だろうから、俺が右耳から左耳をライトボールで貫通させて倒した。
 これなら傷も少なくて済むし額の宝石は無傷のままだ。
 
 しかし綺麗な色の宝石だな。

 カーバンクルに付いている10cmくらいの宝石は、赤いルビーのような色をしていた。
 これは一体一体、違う色の宝石が付いているのか?

 沙良はあまり装飾品に興味がないが年頃の娘だ。
 必要になる事もあるかも知れない。

 20歳の成人祝いに、ペンダントに加工しプレゼントしてやれば喜んでくれるだろうか?

 そのままだと少し大きいが、ライトボールを電子メス代わりに宝石をカットすれば大丈夫だ。
 宝石のカットの仕方は分からないので、本屋に行って探してみるか……。
 
 次は体長5mもあるオーガだ!
 この魔物は今まで見た中でもかなり迫力がある。

 想像通り二足歩行するオーガだった。
 皮膚の色は赤く、まさに赤鬼と言ったところか。

 金棒を持ってはいなかったので、日本の鬼のイメージではない。
 ちなみに鬼のパンツも穿いてなかった……。

 魔物だし、恥ずかしいと思う事もないんだろう。
 いささか目のやり場に困ってしまう程デカかった。

 体長5mもある魔物だから、ブツもそれなりのサイズになるのか。
 解体場の親父が沙良には内緒で教えてくれた事だが、オーガの睾丸は貴族に高値で売れるらしい。

 後継ぎが必要になる貴族には、素材として価値があるみたいだ。 

 沙良の様子をうかがうと、一瞬ひるんだように見えたが眉間に魔法を撃ち込み倒す事が出来たようだ。

 ダンジョンで新しい魔物を沢山見たお陰で耐性がついたのか、怖がって逃げ出す事がなくて良かった。

 こいつは意外とビビリだからな。

 それに本当に怖いのは魔物じゃなくて悪意を持った人間の方だ。
 魔物より知恵がある分、たちが悪い。

 あれから奴隷商は接触してこないが、ダンジョンで稼いでいる2人組の若い俺達を狙うやつは他に幾らでもいる。 

 実際、拠点を地下4階に移してから半年の間に、冒険者ギルドから後を付けられた事が何度もあった。
 沙良は気付いてなかったが、俺は周囲を注意深く観察する癖が付いたお陰で不審な行動をする冒険者は必ずマークしている。

 残念な事に、こちらは荷物を奪おうとする者達だった。
 冒険者ギルドで換金している様子を見て、少し脅せば簡単に自分達の物になるとでも考えたんだろう。
 
 それ以外にも沙良に嫌な視線を送る冒険者もいて、後を付け妹に対し性犯罪をたくらんでいると感じた者達は俺が密かに処理しておいた。

 全身麻痺にするのは事が大きくなるので、息子を不能にしてやったのだ。
 使い物にならなくなった体で事におよぼうとは思わないだろう。

 俺にしたら、寛大かんだいな処置の方法だったと言える。
 強姦罪の罪の軽さは納得いかないものだったので、常々思っていた事を実践したのだ。

 これで一生使い物にならない息子をなげくがいい。
 非力な女性を襲おうとするやつらには、お似合いの境遇だ。

 沙良を守るためにした事だったが、この件に関しては後悔していない。
 冒険者活動に支障は無いだろう?

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