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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第213話 椎名 賢也 32 ダンジョン 地下4階 ダチョウの卵サイズだったコカトリスの卵

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 食事を終えてテント内に戻り、本日最後の攻略に向かう。

 沙良がダンジョンスネークを倒してみたいと言うので、余り近付き過ぎるなよと注意をして遠距離から魔法で攻撃させる。

 Lv3のアースボールを2発撃って倒してみせた。
 しかしこのダンジョンスネーク(体長5m)は、今持っているマジックバッグ10㎥をかなり圧迫あっぱくしてしまう。

 沙良のアイテムBOXに収納すれば良いが、換金する時はマジックバッグからの提出になるので余り狩れないなぁ。

 これは今あるマジックバッグ10㎥より、大きいサイズの物を買う必要がありそうだ。
 折角せっかく換金額を高くして買い取ってもらえるんだ、いるのなら優先的に狩りたい。

 次に発見したコカトリスは、石化の魔法を俺が受け沙良が魔法を撃って倒した。

 今日は地下1階から攻略したので時間が無くコカトリスの卵を見付ける事が出来なかったが、明日からは地下4階からの攻略になるので近い内に発見出来るだろう。

 どんな卵か楽しみだ。

 今回からは、マジックテント内で寝泊まりするように見せかけて地下1階には戻らない事にした。
 往復の時間が勿体もったい無いからな。

 当然テント内からホームの自宅に帰って風呂に入り、いつも通りにベッドで寝る。
 普通の冒険者じゃ有り得ない程、楽なダンジョン攻略の仕方だろう。

 寝るだけなら6畳もあるマジックテント内の床は断熱材のようなクッション性がある物だったので、敷布団・羽毛布団・毛布を持ち込めば快適に過ごせるだろう。

 ただそうする理由がまったく俺達に無いだけで……。
 家に帰れるなら暖房をつけて、自室のダブルベットで寝た方がよい。

 本当に沙良のホームの能力には助かっているよ。

 本音の所はリーシャの姿をした妹と同じテント内で寝るのは、若いだけにちょっと勘弁してほしかった。
 また卵型(使い捨て)の商品のお世話になりそうだ。

 無駄に美少女・・・で若いからスタイルも良い。
 特に最近は年齢相応に色々と育ってきている。
 このまま行けば、日本にいた頃と同程度は大きく・・・なるだろう。

 あぁ、また心配になってきた。
 沙良がさらわれないように注意しないと……。 

 翌日夜9時。
 地下4階のテント内に戻り攻略開始。

 今日は是非ぜひコカトリスの卵を見付けたい。
 沙良もその心算つもりで、早速さっそくつがいになっているコカトリスを発見したようだ。

 2匹居るので、それぞれ1匹ずつ倒した後に巣の中の卵を回収する。

 ダチョウの卵みたいに大きいな!
 これ1個で銀貨10枚(10万円)なら、かなりの収入UPになる。
 
 体長1mもあるコカトリスの卵だ、やはりそれなりの大きさだろう。
 これは孵化ふかした瞬間から、鶏サイズぐらいありそうだ。

 ひよこは可愛いが、鶏サイズのひな鳥はどうだろう?
 やはり沙良には、卵は食べる物だと認識しておいてもらおう。

 万が一にも孵化ふかさせたりしないように……。

 妹は食べる事が好きだから、きっとコカトリスの卵が有精卵かどうか気にもしないで料理に使用すると思う。
 俺は食材に使用される間、黙っておけば良い。

 ひそかに宝探しみたいに見付けようと思っていたが、時間の無駄なのであきらめた。
 全て見えている沙良にとっては、宝探しにはならないだろうし……。

 金曜日の朝5時。
 地下4階から地下1階まで沙良のマッピングで転移し、安全地帯まで戻ってくる。
 女性冒険者の怪我人を治療して、ダンジョン前の乗合馬車に乗り冒険者ギルドへ。
 
 5日間分の魔物の換金を行う。
 今回はマジックバッグに入らないので、ダンジョンスネークが8匹しか狩れなかった。
 コカトリスは30匹で卵は5個。

 地下1階時の稼ぎを大きく上回る結果となった。

 5日間の収入が約1,800万円だ。
 月収は7,200万円にもなる。
 日本で外科部長だった、俺の年収(3,000万円)の2倍以上だ。

 マジックバッグを購入したら更に収入が上がるだろう。

 やはり冒険者というのは、一般人があこがれる職業なんだと実感する。
 C級冒険者になってダンジョンに入る事が出来るようになれば、かなりの収入が見込めるのだ。

 実際、冒険者になる人間は後を絶たない。
 勿論もちろん、命掛けの仕事で保険制度なんて無いので完全に自己責任だが……。

 沙良はコカトリスの肉に興味があるのか、1匹分を換金しないで引き取っていた。
 なんでも地鶏みたいに美味しいらしい。
 
 何を作ってくれるのか楽しみだ。 
 俺は親子丼かシンプルに焼き鳥で食べてみたいな。

 土曜日。
 教会の炊き出しには女性冒険者が2組手伝いに来てくれていた。

 拠点を4階に移しても、攻略の最初と最後に治療をしたお陰かな?
 10人で作業すると子供達に配り終えるまであっという間だ。

 今日も具沢山のスープを子供達は美味しそうに食べていた。
 アプリコットが入った巾着は、女性冒険者が詰め替えて既に準備をしているので俺のやる事は無い。

 以前は自分達の分が少なくなると怒鳴っていた大人は、子供達の分が別に用意されている事やむしろ増えると分ってからは怒鳴らなくなったらしい。

 まぁシスター以外の、第3者の目を気にしたのかも知れないがな。
 毎週女性冒険者も炊き出しに参加しているんだ、余り恥ずかしい真似まねは出来ないだろう。

 炊き出しを終え露店で来週の食材を購入した後に、魔道具屋に向かう。
 新しいマジックバッグの購入に来たのだ。

 マジックバッグ10㎥ 金貨15枚 
 マジックバッグ15㎥ 金貨50枚
 マジックバッグ20㎥ 金貨120枚 

 マジックバッグ15㎥を、金貨100枚(1億円)支払って2個購入。
 相変わらずマジックバッグは高い!

 1億円なら、この世界で新築の家が建つ値段だ。
 これでダンジョンスネークを沢山狩って元を取らないとな。

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