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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第190話 椎名 賢也 9 D級冒険者

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 D級昇格試験の日。
 試験内容を確認したら、先輩冒険者につのウサギやゴブリンの討伐を見てもらう事らしい。
 やばいっ!
 俺達はゴブリンを一度も倒さずにいたため、魔石を取るのに必要な解体ナイフを購入していなかった。

 討伐自体は哺乳類系だから眉間に当てれば問題ない。
 ゴブリンの本体は換金しないので血抜きも不要だ。
 先輩冒険と一緒に森へいき、角ウサギとゴブリンの討伐の様子を見せる。
 両方共、眉間にライトボールを当て終了。

 角ウサギは血抜き作業をしっかりとする。
 ゴブリンの魔石取りは……。
 解体ナイフを購入してないとは言えず、持参するのを忘れた事にした。
 先輩冒険者には怒られたが、借りた解体ナイフで左耳を切り落とし心臓付近にある魔石を取り出す。

 次は沙良の番だ。
 いつも通り角ウサギは盾で殴りつけ、そのまま地面に押し付けた状態で沙良が槍で突き刺す。
 ゴブリンは、俺が頸動脈けいどうみゃくに当て倒れた所を槍で突き刺していた。
 解体ナイフは使用した経験がないが、俺が指導した通りに左耳を切り落とし魔石を取り出したので問題ないだろう。

 先輩冒険者からは合格をもらった。
 明日からD級冒険者だ!

 【常設依頼 D級】
 ボア1匹 銀貨5枚(魔石・本体必要)
 ウルフ1匹 銀貨3枚(魔石・本体必要)
 ベア1匹 銀貨3枚(魔石・本体必要)
 
 D級冒険者の討伐依頼の金額は0がひとつ多い。
 これで収入は、数倍以上にね上がるだろう。
 取りえずボアとベアが、1匹入るマジックバッグ3㎥・金貨1枚(100万円)を2つ購入した。
 今使用しているマジックバッグにはウルフが2匹入るそうだ。

 午前と午後でボアorベアを4匹・ウルフを8匹狩れば、1日の収入は36万~44万円。 
 1ヶ月の収入は900万~1,100万円。
 年収で考えると1億8百万~1億3千2百万円だ。
 
 これで、ようやく外科部長時代の年収を超えるだろう。
 まぁ捕らぬ狸の皮算用ってやつで実際は魔物の生息数が不明なため、これだけの数を毎日狩っていたら、その内に絶滅しそうだがな。
 大方5千万円くらいに落ち着くんじゃないかと思っている。

 年齢も上がり沙良と俺は13歳と15歳になった。
 2人共Lv6へ上がり、沙良はホームを中心に半径6キロ移動可能となった。
 マンションまで後24Lv!
 
 俺の魔法もLv3になり益々威力が増した。
 ただ、消費MPも増えたので少々使い勝手が悪い。
 Lv1の魔法で魔物を倒せるのに、Lv3のMPが勿体もったいないじゃないか。
 これ、何とか出来ないだろうか?

 今はまだ魔物の数が少ないから魔法を使う制限は掛けていないが、3年後C級に上がったらダンジョン攻略にいこうと思っている。
 多分、ダンジョンでの魔物数は段違いに多いはず
 途中で魔力切れになれば攻撃手段を持たない俺は、途端とたんに役立たずとなってしまう。
  
 それでは沙良を守れない。
 少し魔法の使い方を考えてみる必要がありそうだ。
 俺はいつも魔法をイメージで使用しているから、このイメージ力をもっと上げれば、どのLvでも使えるようになるんじゃないかと思っている。
 後3年で何とかしてみよう。

 その日、俺達がD級になったお祝いを冒険者達がしてくれた。
 ギルドに併設された飲食店で、皆におめでとうと言ってもらえた事がありがたい。
 異世界に転移して1年間。
 俺達は町の人々や冒険者達に、受け入れられていると実感出来たからだ。

 それには勿論もちろん、子供達の支援をしたお陰もあるだろう。
 怪我をした冒険者を見かけると、治療したのも受け入れやすかったに違いない。

 食事の味は……。
 まぁ、こんなものとだけ言っておこう。
 はっきり言ってパンは二度と食べたくない。
 日本の高品質のパンを食べ慣れている俺の口には合わなかった。

 調味料が塩だけじゃ、メニューの幅は広がらないんだろうな。
 俺は沙良のホーム内で生活出来て、心底良かったと思った。
 もし異世界で生活していたら、このパンと料理を毎日食べる事になるだろう。
 日本食が恋しくてホームシックになりそうだ。
 
 食事が合わないのは地味にストレスが溜まる。
 食べたい物が食べられないのは、思った以上につらいからな。
 この1年で身長が10cm伸び、170cmになったからか冒険者達が酒を勧めてくる。
 断るのもどうかと思い手を伸ばそうとした瞬間、沙良から殺気を帯びた視線を感じた。
 申し訳ないが15歳なので、まだ飲めないと断った。

 大丈夫、後1年の我慢だ。
 16歳になったらホーム内のお酒を1人で飲んでやる!

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