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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第158話 迷宮都市 シルバーとの一時

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 残念だった迷宮ダンジョンから自宅へ戻り、少し遅い時間になってしまったけどシルバーとお散歩に出かけよう。
 今週の出来事を話しながら田舎道を歩いていく。
 まだ卵を持っている迷宮サーモンがいない事。
 ハニーが沢山の魔力草を見付け教えてくれた事。

 そして旭の妹のしずくちゃんが、地下30階のダンジョンマスターかも知れないと思って確かめにいった事。
 結局いたのは魔物だったので、瞬殺したらLvが上がったけれど兄達には内緒にする事等。

 さて、料理の基本その8を教えてあげよう。
 料理の盛り付け方、魚は頭を左に腹を手前に盛り付け――――。
 料理の基本その8を教え終わるとマッピングで自宅に戻る。
 今日も冷蔵庫に貼られたホワイトボードを見て兄達を迎えにいった。

 土曜日。
 奏屋かなでやで果物を卸す。
 野菜屋のおじさんが育ててくれている野菜が気になったから、畑に移転し見にいこう。
 
 2週間経って、ちゃんと芽は出ているかな?
 畑を見ると、3つの野菜の芽がすくすく成長している。
 異世界の土で育つかどうか不安だったけれど、畑の状態を見て安心した。

 今回選んだ3種類の野菜(枝豆・とうもろこし・さつま芋)は私が好きな物だ。
 とうもろこしは『バーベキュー』で焼いて食べたいし、さつま芋は甘味が少ない異世界で子供達のおやつに丁度良いと思う。
 塩を付け蒸かし芋にして食べても美味しいしね。

 鬼饅頭まんじゅうやスイートポテトなんかも作れるけど、異世界の材料を使用するなら鬼饅頭かな?
 あぁ大学芋も食べさせてあげたいなぁ~。
 さつま芋は、かなり優秀な野菜なのでビタミンCも食物繊維も豊富にある。
 ちょっとオナラが出やすくなってしまうのは、ご愛敬あいきょうだ。

 枝豆は、私が塩でにして食べるのが好きなので選んだ。
 そのまま完熟させれば大豆になるから、両方食べられてお得でしょ?
 本当は黒豆の方が甘いし香ばしくて美味しいけどね~。

 自宅へ戻りシルバーと伴に異世界へ。
 さあ、今日も風になって走るのよシルバー! 
 30分程、シルバーの背中に乗って早駆けを楽しむ。
 少し休憩をした後はフリスビーだ!
 20回程繰り返し(腕が限界)、フリスビー投げを楽しんだ。

 そろそろ、火の輪潜わくぐりに挑戦しても良いかな?
 兄には動物虐待だって怒られたけど、シルバーは魔物なのよ~。
 お願いしたら飛んでくれるかも知れないでしょ?

 シルバーに障害物競争をしたいか確認すると、その場でジャンプをして返事をする。
 障害物競争自体は好きみたいだ。
 いつものように壁を作っていく。
 1m・2m・1m・1m・2m……と、シルバーが飛べる高さの壁をランダムに設置。

 さあいくわよ!
 走り出すシルバーと並走し、ジャンプの掛け声をかけていく。
 私の掛け声に合わせ、楽しそうにジャンプして壁を飛び越えるシルバー。
 前回は、ここで火の輪を出したら逃げ出してしまったので、今回は事前にシルバーに聞いてみた。

「シルバー、火の輪潜わくぐりしてみない?」 

 シルバーは尻尾を巻き込んで、イヤイヤと首を横に振る。
 う~ん、これは無理強いするとまた逃げ出すパターンだな……。

「じゃあ、普通の輪潜わくぐりなら大丈夫?」

「ウォン!」

 これには、シルバーが元気良く返事をしてくれた。
 火が無い状態の輪潜わくぐりは、ちょっと希望と違うけれど仕方ない。
 アースボールで半径1.5mの輪を出して手に持ち、シルバーにジャンプして輪の中を飛んでもらう。
 何度か高さを変えながらシルバーと一緒に楽しんだ。

 さて今日は何のお話をしようかな?
 私はシルバーに雪女の話を聞かせてあげた。

 きこりの親子がある雪の日に山小屋で泊まっていると、雪女がやってきて父親を凍り付かせ殺してしまう。
 それを見ていた息子へ、内緒にしていれば命は取らないと言い去っていく。

 数年後、息子のもとに美しい娘が現れ夫婦となり子供をもうけた。
 幸せに暮らしていたある吹雪の晩、息子は雪女の事を話してしまう。
 話を聞いた妻は私がその雪女だと言い、子供がいるから命は取らないがもうここにはいられないと去る。

 この話のポイントは、約束を守らないと大切な人を失うという事。
 だからシルバーも、私との約束を守り進化してドラゴン・・・・になりましょうね~!

 あれ?
 シルバー、ちゃんとお話聞いてくれた?
 なんで、ふて寝してるの??
 障害物競争と輪潜りで疲れたのかしら……。

 かなり黄金色に変化しているシルバーの毛をブラッシングしながら、1時間程雪女の解説をした後マッピングで自宅へ戻った。

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