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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第141話 迷宮都市 地下13階 夏限定の新メニュー『ミートパスタ』 1

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 その後、2回の攻略を終えて安全地帯へ。
 テント内から自宅に戻りトイレ休憩。
 夕食はダンクさんとアマンダさんのパーティーと一緒だ。
 
 ダンクさんのパーティーは『フライドポテト』と『サーモンフライ』を揚げ、パンに挟んで食べるようだ。
 アマンダさんのパーティーは『ミートボール』を作るらしい。
 ケンさんに代わり、アマンダさんが楽しそうに肉を叩いている姿が見える。

 私達の本日のメニューは『ミートパスタ』・『シチュー』・『キッシュ』デザートの桃だ。
 うどんも乾麺から始めたし、もう『パスタ』を解禁しても構わないだろう。
 私も3人分のミノタウロスの肉を、包丁でリズミカルに叩いていく。
 このくらいの量なら問題ない。

 玉ねぎと叩いた肉・みじん切りしたニンニクに塩・胡椒こしょうをして一緒にいためる。
 作り置きのトマトソースとローリエを入れ、水分が少なくなるまで煮込めば完成。
 『シチュー』と『キッシュ』を作り終えたら、大量の湯に塩を加え『パスタ』を7分でる。
 湯切りした『パスタ』に『ミートソース』を掛け、上からすりおろしたチーズを振って頂きます。

 今回は、おはしじゃなくフォークを使用する。
 同じ麺類だけど、パスタ系はフォークじゃないと食べにくい。
 『ミートパスタ』を食べる私達を見て、アマンダさんは興味津々の様子だ。

「それは『うどん』より細いみたいだけど、また秘伝・・かい?」

「はい、秘伝・・です。『うどん』に『ミートソース』を掛けても食べられますけど」

「へぇ~『肉うどん』とは違い、さっぱりしてそうな味だね」

「トマトは夏にぴったりの食材だから、採れる時期に沢山食べた方がいいですよ。来週から『シチュー』の代わりに出すので、良かったら食べにきて下さいね」

「相変わらず、サラちゃんは商売上手だな~。売り切れる前に食べにいくよ!」

 とダンクさんが嬉しい事を言ってくれる。
 8月に入り気温も随分ずいぶん上がってきたから、店では『ミートパスタ』を出すのだ。
 『シチュー』より、『ミートパスタ』の方が季節的にも良いだろうと思って。

 デザートの桃を配り、皆が甘くてジューシーな味を楽しむ。
 そうそう最近配送担当者がチーズやオリーブ油の購入で奏屋かなでやへいくようになり、果物の販売に気付かれてしまったよ。

 売っている値段を知ったアマンダさん達が、お金を払うと言ってくれたけどダンジョンの情報をもらっているからと丁重に断った。
 元々無料の物だし、アイテムBOX内には大量にあるからね。

 その後も問題なく5日間の攻略は終了。
 旭が換金。
 ファングボアの肉5体を引き取り、肉屋にファングボアの肉3体を卸す。
 
 次は『肉うどん店』に寄り、『ミートパスタ』の作り方を教えよう。
 肉を叩くのは少し手間だけど使用する野菜は玉ねぎだけなので、『シチュー』用の野菜50人分を下ごしらえするのを思えば許容範囲内だろう。

 5人いるので、なんとかなると思う。
 肉を叩くのに必要な包丁5本(銀貨5枚)を追加で購入し、店内へ入った。

「こんにちは~」

「オーナー! いらっしゃいませ。今日はどうされたんですか? まだ在庫は充分にありますよ?」

 母親達から不思議そうに尋ねられる。

「実は期間限定の新メニューを、お店で出そうかと思って作り方を教えにきたの」

「まぁ、また新メニューですか? それは『シチュー』の代わりに出すんでしょうか?」

「えぇ夏だから『シチュー』より、さっぱりした味にしたのよ。後で子供達と一緒に食べてね」

「はい。オーナーの作る物は、どれも美味しいですから子供達も喜びます」

 そう言って母親達は私が料理する所を真剣に見学する。
 これから店で出すメニューになるのだから覚えようと必死だ。
 母親達のそばにいた子供達は、邪魔にならないよう大人しく席へ座り子供同士会話をしている。

「お姉ちゃんが、新しい料理を作ってくれるんだって~」

「何だろう?」

「『肉うどん』も『シチュー』も美味しいから、すっごく楽しみだね!」

 おっと子供達の期待値が爆上がりしている。
 まぁ初めて食べる味だと思うけど、『ミートパスタ』は子供達に人気のメニューだから美味しいはずだ。
 
 この世界のトマトの品質が思った以上に高いから、ケチャップを入れなくてもほんのり甘いしね。
 ミートソースの材料を切り終えると、母親達は包丁を2本使用して肉を叩く作業にとても驚いていた。
 挽肉ひきにくがないから、こんな風に肉を細かくするのを始めて見たんだろう。

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