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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第130話 迷宮都市 シルバーとの一時

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 果物が高値で売れたため大変ご機嫌な状態で自宅に戻る。
 お昼を簡単に食べてから、シルバーと異世界へ出かけようと駐車場へ降りていく。
 そこに車から降りてきた兄達と鉢合わせた。
 どうやら泊まったホテルから帰ってきたらしい。
 
 2人共、もうお昼を大分過ぎてるよ?
 チェックアウトギリギリまでいたとみえる。

「とってもお早い・・・お帰りで。私はこれからシルバーと草原を駆けてくるから、お昼は適当に何か食べてね。じゃ、いってきます!」

 私がそう言いながら手を振ると、兄は二日酔いで頭が痛いのか顔をしかめ手を振り返す。

「あぁ、いってらっしゃい」

 旭は兄の隣で、ぐったりとしている。
 これは昨夜、店を出てから相当飲んだな?
 二日酔いの2人は忘れて、私とシルバーはいつもの草原に移転する。

 さあ、今日も風になって走るのよシルバー! 
 30分程、シルバーの背中に乗り早駆けを楽しむ。
 少し休憩をした後はフリスビーだ!
 20回程繰り返し(腕が限界)、フリスビー投げを楽しんだ。

 追い駆けっこは……。
 私のイメージは波打ち際で、あははっうふふっとなる予定だった……。

 遮蔽物しゃへいぶつの全くない草原では全力ダッシュするしかなく疲れるだけだったので、今度海へシルバーといった時に楽しもう。
 シルバーも、私を追い駆ける意味が分からないようで反応が悪いしね。

 そして大縄跳びを一緒に飛ぶ遊びは、そもそも縄を回してくれる人間が2人必要な事に気付き、非常に残念だけどあきらめた。
 兄は頼んでも絶対してくれないだろうし、旭1人じゃ縄を回せない。
 うう……。
 こんな所に、パーティーが少ない落とし穴があるとは……。

 双子の弟達は動物好きだから、喜んでしてくれただろうに。
 歳が8歳離れ生まれた双子達は可愛く、そりゃもう目に入れても痛くない程溺愛できあいしながら育てた。

 母が産んだ弟だけど小さい頃は女の子の恰好かっこうしかさせなかったので、ご近所さんにはの双子だと間違えられていたっけ。
 昔の写真を見ると女児にしか見えない。
 小学生くらいまでは髪も長く、毎日私がリボンを結んでいた。

 今思うと、なんて迷惑な姉だったんだろうかと反省する。
 当時は、そんな事知ったこっちゃないとフリフリのピンクのスカートを着せ、「可愛い妹さんですね」と言われ「はい」と元気よく答えていたなぁ。
 
 まあ実際、大人になってからも2人は女性に間違われやすく、電車内でよく痴漢されていた。
 痴漢した人間を捕まえ車掌さんに突き出す際に、「男の尻を触る変態です!」と言い痴漢の心をへし折ってもいたようだけど……。
 
 実の姉が思うのだ。
 双子達は完璧な女顔だった。
 あれは性別を間違え生まれてきたとしか思えない。

 今、召喚したら11歳。
 まだ声変わり前で背も低かったから、女の子にしか見えず可愛かったなぁ。

 リーシャの家から奪ってきたドレス。
 全然使い道がなかったけど着せたらとても似合いそう。
 召喚しても、既に47歳の双子達は着てくれないかも?

 でも私の作るハンバーグとオムライスにエビフライが大好きだったから、料理と交換なら案外イケるかも知れない。
 意外と言う事を聞かせるのは、ちょろい2人だった。
 
 シルバーは人型になったら何歳くらいになるのかしら?
 ダンジョンで生まれたばかりだけど、体長は成体みたいに大きいから20歳くらいになるのかなぁ。
 それだと私より背が高くなっちゃうかも?

 まぁ、まだそんな先の心配をする必要はないわね。
 さて今日は何のお話をしようかな?
 私はシルバーに、織姫と彦星の話を聞かせてあげた。

 あまりにも恋愛にのめり込むと全てを忘れてしまい、結局は年に1回しか会えなくなるという話だけど……。
 しかも天気が良くないと、その1回も会えないなんて悲しすぎるわ。
 恋って怖いわよね~。
 シルバーには、相手をいくら好きになっても私を忘れないでほしい。

 この話のポイントは、恋は盲目もうもくって事なのよ~。
 いつかシルバーも、素敵なと危険な恋に落ちるかも知れないわね。
 1時間程、織姫と彦星の解説をした後マッピングで自宅に戻る。

 日曜日の炊き出し終わりにお店の様子と子供達の話を聞いた後、兄が大きいみかんを配っていった。
 ぶどうは奏屋かなでやへ1房銀貨10枚(10万円)で卸すから、流石さすがにそんな高価な果物を子供達に渡せない。
 アイテムBOX内の大量にある大きいみかんを、お土産にした。

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